JPS6135554Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は輻射管を炉内で支持するための装置、
特に厚鋼板等の無酸化式熱処理炉における鋼板裏
面加熱用の下部輻射管の炉内支持装置に関する。

この種の熱処理炉では炉内で被熱処理鋼板の上
側および下側に複数本の真直な輻射管を設置する
か、あるいは該鋼板を間にはさむようなＵ形の輻
射管を設置し、各幅射管の一端からバーナーによ
る燃焼ガスを送り、他端から排気しながらその間
の鋼板を輻射熱で加熱する。第１図はストレート
形の輻射管を用いた従来の熱処理炉の横断面図で
あり、上部輻射管６を吊り部材７によつて炉天付
近に吊り下げ、下部輻射管１を炉床５近くに複数
個の耐火レンガ８で支持し、いずれも炉の横方向
に炉内を貫通させて配置してある。９はハースロ
ーラ、１０は各輻射管の１端に設けたバーナであ
る。上下部の輻射管６，１は炉の加熱、冷却にし
たがつてその軸方向に熱膨張、熱収縮するので、
炉外のレキユペレータ１１につながる排気側では
溶接等によつて炉壁外側の鉄皮１２に固定される
がバーナ側では炉壁１３に対して固定せずにフリ
ー状態とし、加熱、冷却に伴う輻射管の伸縮をバ
ーナ側で金属ベローズにて逃がす構造となつてい
る。しかし、下部輻射管１は、第２図のようにそ
の下側周部を耐火レンガ８のわん曲上面に接触し
て支持されるので、高温クリープにより、この支
持耐火レンガ８の部分を節としてたわみ変形す
る。この状態で炉の加熱、冷却が行われると、下
部輻射管１の伸縮はこの耐火レンガ８によつて拘
束され、熱応力によつてさらに大きくたわみ変形
を生じ、著しい時には輻射管の割れを起すことが
ある。また第２図でも分るように下部輻射管１の
下側周部が或る範囲にわたつてレンガ８に密着し
ているので、この面接触部分で下部輻射管１の熱
が放散されず、この密着部分における蓄熱によ
り、さらに下部輻射管の変形を助長させる結果と
なり、わずかの年数で取替えなければならなかつ
た。

本考案は、下部輻射管にローラを取り付け、炉
床に敷いたレール上を該ローラが回転して移動し
得るようにすることにより、炉の加熱、冷却に伴
う下部輻射管の伸縮を円滑に行わせ、また同時に
蓄熱も防止し、これによつて輻射管の変形を抑え
るようにした輻射管支持装置を提供することを目
的とするものである。

以下、本考案を、図面を参照しながら、実施例
について説明する。

第３図は、本考案の実施例に係る支持装置によ
つて下部輻射管１を炉内の炉床５に設置した場合
の部分的な側面図であり、第４図はその横断面図
である。この実施例では下部輻射管１の周部に、
軸方向に適当な間隔で複数個の半割り金具４，
４′をボルト６によつて取り付ける。下側の各金
具４′にはそれぞれローラ３を軸支し、このロー
ラの位置にあわせて炉床５にレール２を敷設す
る。下部輻射管１はこのローラ３およびレール２
を介して支持されかつ前述した如く該輻射管の排
気側端部にフリーになつているので、炉の加熱、
冷却に伴う該輻射管の伸縮はローラ３がレール２
上を転動することにより円滑に行われ、該管の熱
応力はきわめて小さくなり、変形は生じなくる。
なお、レール２加熱時の下部輻射管１の伸びを考
慮して伸び方向（第３図の排気側Ａ方向）にロー
ラ３が十分移動できるような長さにすることは勿
論である。ローラ３、半割り金具４，４′および
レール２を耐熱鋳鋼製で構成することにより、高
温雰囲気においても耐久性のある支持装置とする
ことができる。またローラおよびレールの接触は
互いに金属接触となるので、耐火レンガで支持す
るときのような輻射管１の蓄熱を防止することが
できる。さらに、すでに高温クリープにより変形
した下部輻射管にも本考案の装置を取り付けるこ
とが可能で、変形の進行を抑制できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の輻射管支持方式による熱処理炉
の横断面図、第２図は第１図の−線に沿つた
断面図、第３図は本考案の実施例に係る支持装置
によつて下部輻射管を炉床に設置した状態の部分
的な側面図、第４図は第３図の拡大した横断面図
である。 １……下部輻射管、２……レール、３……ロー
ラ、４，４′……半割り金具、５……炉床、６…
…ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 輻射管をローラを介して炉床上に支持したこと
   を特徴とする熱処理の輻射管支持装置。