JPS6134960Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶の推進装置に関する。

第１図は従来の二重反転プロペラ装置の側面図
である。

１はスターンフレーム、２はボツシングでスタ
ーンフレーム１に固着されている。３はプロペラ
軸で、ボツシング２を回転可能に貫通し、後端に
は、前方プロペラ５が固着されている。また前端
は図示されていない主機に連結されている。４は
シユーピースで、スターンフレーム１の底部に設
けられている。５は船舶推進用の前方プロペラで
ある。６はラダーホーンであり、スターンフレー
ム１に固着されている。７は舵であり、上部には
ピン８がラダーホーン６を回転可能に貫いて、固
着され、底部には、シユーピース４に固着された
ピン９が回転可能に入れてある。１０は舵頭材で
あり、舵７の頂部に固着され、上部は図示されな
い舵取機に連結されている。１１は後方プロペラ
であり軸１２の前端に固着されている。同プロペ
ラ１１は、前方プロペラ５と逆方向に回転すると
き、同一方向の推力が発生するような方向に捩ら
れている。１２は軸で、ラダーホーン６の前縁を
回転可能に貫通し、ラダーホーン６内で後端に傘
歯車１３が固着されている。その傘歯車１３は軸
１５の下端に固着された傘歯車１４と噛合してい
る。１５は軸で、ラダーホーン６内を回転可能に
貫通し、上端は図示されない原動機に連結されて
いる。

従つて図示しない主機によつて、プロペラ軸３
が回され、前方プロペラ５が回転する。

一方、図示されない原動機によつて軸１５、及
び軸１２が回されて、後方プロペラ１１が前方プ
ロペラ５と逆方向に回転して、前方プロペラ５及
び後方プロペラ１１より前向きに推力が発生して
船体は航走する。

二重反転プロペラ装置は、前方プロペラ５と後
方プロペラ１１が互に回転流を打ち消し合つて、
回転流が減少する分だけ推進性能を向上させるも
のであるが、船舶の旋回時や接岸時に必要な横力
発生効果はない。又、アクテイブラダ用プロペラ
装置におけるプロペラは、航行時に通常、推進性
能上の抵抗となる。

本考案は上記事情に鑑みなされたもので、後方
プロペラを舵の一部を形成するがごとく舵の前部
に配設することによつて、船体が直進の際は推進
性能向上効果を保持し、操舵の際は、舵力効果を
向上させ、接岸の際は横力を発生させるよう計つ
た二重反転プロペラ装置を提供することを目的と
する。

このため本考案の二重反転プロペラ装置は、船
尾の船舶推進用のプロペラの後方及び舵の前方に
て、該プロペラと反対方向に回転し、舵と共に方
向転回する後方プロペラを具備してなる二重反転
プロペラ装置において、ラダホーンを介して舵内
部に配設する上記後方プロペラの回転伝達機構と
該回転伝達機構と上記後方プロペラ間に配設し、
上記舵の一部を形成する上記後方プロペラの推力
受けを具備したことを特徴としている。

以下、図面によつて本考案の一実施例としての
二重反転プロペラ装置について説明すると、第２
図は側面図、第３，４，６図は平面図である。図
中、第１図と均等なものには同一符号を付した。

船舶推進用の前方プロペラ５は、プロペラ軸３
の後端に固定され、プロペラ軸３はスターンフレ
ーム１に固着されたボツシング２を回転可能に貫
通して、前端は図示されない主機に連結されてい
る。

ラダーホーン６は、スターンフレーム１に固着
され、舵７は、上部でラダーホーン６と噛み合い
その部分に舵頭材１０が貫通している。舵頭材１
０は舵７とは固着され、ラダーホーン６とは回転
可能となつている。なお、舵頭材１０の上部は舵
取機に連結されている。舵７の下部には、シユー
ピース４に固着されたピン９が回転可能に入れら
れている。

軸１５は舵頭材１０内を貫通し、舵頭材１０に
固着された軸受１６で軸支され、上端は原動機に
連結され、下端は傘歯車１４が固着され、傘歯車
１４は、軸１２の後端に固着された傘歯車１３と
噛合している。軸１２は舵７前方に設けられた推
力受１７及び舵７の前縁を回転可能に貫通し前端
には後方プロペラ１１が固着されている。

従つて、図示されない主機によつて、プロペラ
軸３が回されると、前方プロペラ５が回転する。

一方、図示されない原動機によつて軸１５，軸
１２が回されて後方プロペラ１１が前方プロペラ
５と逆方向に回転し、船体は航走する。

船体が直進しているときは、第３図に示すとお
り後方プロペラ１１は前方プロペラ５と同一軸線
上に並んでおり、互に回転流を打ち消し合つて推
進性能が向上する。

操舵の際は第４図に示すとおり、後方プロペラ
１１は、斜め横を向いてそのまま同一方向に回転
しているので舵効きを助長する。

第５図は、後方プロペラが舵力を助長すること
を示す概念図である。

図中、δは舵角、Ｆは舵より発生する力、Ｌは
舵より発生する揚力、Ｄは舵より発生する抗力、
Ｔは舵に付けられたプロペラの推力、STはＴの
船の推進方向と直角方向の成分、SF＝ST＋Ｌ、
SFは横力を示す。

また、船体を接岸するときは、第６図に示すと
おり、真横を向き、回転させ（右回り、左回りど
ちらでも可）、船体の横力を発生させ、接岸作用
が行われる。

以上述べたように本考案の二重反転プロペラ船
によれば、船体が直進している場合は、前後のプ
ロペラが互いに回転流を打消すので従来と同様に
推進性能が向上する他、操舵の際は後方プロペラ
が舵力を助長する方向の推力を発生するので、舵
力が向上する。そして接岸の際は、後方向プロペ
ラは横力発生装置として利用できるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の二重反転プロペラ装置の側面
図、第２〜６図は本考案の一実施例としての二重
反転プロペラ装置を示すもので、第２図は側面
図、第３，４，６図は各々平面図、第５図は後方
プロペラの作用を示す概念図である。 ５……前方プロペラ、７……舵、１０……舵頭
材、１１……後方プロペラ、１２，１５……軸、
１３，１４……傘歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船尾の船舶推進用のプロペラの後方及び舵の前
   方にて、該プロペラと反対方向に回転し、舵と共
   に方向転回する後方プロペラを具備してなる二重
   反転プロペラ装置において、ラダホーンを介して
   舵内部に配設する上記後方プロペラの回転伝達機
   構と該回転伝達機構と上記後方プロペラ間に配設
   し、上記舵の一部を形成する上記後方プロペラの
   推力受けを具備したことを特徴とする二重反転プ
   ロペラ装置。