JPS6134803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は制御盤に関し、特に筐体内の機器の冷
却性能を改善した制御盤に関する。

従来の制御盤に於ては、筐体内の電子装置の冷
却のために該筐体の頂部に主冷却フアンを設ける
とともに該筐体内には該主冷却フアンのフアンハ
ウジングに連る冷却空気用ガイドを設け、該冷却
空気用ガイドに沿つてIC等の電子装置群を配置
していた。また、該筐体内には、該電子装置群よ
りもかなり発熱量の大きい他の電子装置（たとえ
ばサイリスタの転流用リアクトル等）も収納され
ているが、この電子装置は前記冷却空気用ガイド
に沿つて配設することができぬため、冷却不足に
なる恐れがあつた。従つて、従来の制御盤に於て
は、前記冷却空気用ガイドから外れた位置の発熱
量大なる電子装置の近くに補助冷却フアンを設置
することにより、該電子装置の過熱を防止してい
るが、このように補助冷却フアンを設置する構成
に於ては補助冷却フアンのみならず、該補助冷却
フアンの起動及び停止を司るための温度検出器や
制御回路が必要となり、その結果、制御盤の製造
コストが非常に高いものになる上、メンテナンス
にも手間がかかる、という欠点があつた。

本考案の目的は従来の制御盤における前記欠点
を除き、製造コストを低減すると同時に筐体内の
各電子装置の冷却効果を改善することのできる、
改良された制御盤を提供することにある。

本考案の制御盤は、一筐体内に唯一基のみの冷
却フアンを有するとともに該冷却フアンのフアン
ハウジングには従来の冷却空気用ガイドのほかに
ホースの如き可撓性の導風管が取付けられてお
り、該導風管の先端の開口部が前記冷却空気用ガ
イドからはなれた位置の任意の電子装置等に向け
て配置しうるように構成されていることを特徴と
するものである。

以下に添附図面を参照して本考案の実施例を説
明するが、本考案の実施例の説明の前に第１図を
参照して従来の制御盤の構造及びそれに関する欠
点とについて説明する。

第１図は従来の制御盤の概略的縦断面図であ
る。同図に於て１は筐体、２は筐体１の下部に設
けられた冷却空気吸入口、３は筐体１の頂部に設
けられた排気口である。排気口３は筐体１内に設
けられた主冷却フアン４のフアンハウジング５内
に連通しており、該フアンハウジング５の下面に
は筐体１内を冷却空気吸入口２に向つて延在する
冷却空気用ガイド６が取付けられている。冷却空
気用ガイド６と平行に配置された垂直な取付板７
は冷却空気用ガイド６とともに冷却空気のための
ダクト８を構成しており該取付板７には半導体装
置等の第一の電子装置９が多数取付けられてい
る。ダクト８はフアンハウジング５の底板に設け
られた第一の孔１０を介してフアンハウジング５
内に連通し、該ダクト８内には各電子装置９の冷
却フイン１１が突出している。

筐体１内にはダクト８から離れた位置に第二の
電子装置１２が設置されており、この電子装置１
２からの発生熱を逃がすためにフアンハウジング
５の底板には第二の孔１３が設けられている。電
子装置１２は一般に第一の電子装置９よりも発生
熱量が大きいため、従来は第１図に示すように主
冷却フアン４のほかに該電子装置１２の上方もし
くは下方に補助冷却フアン１４を配置して筐体内
の温度が所定温度よりも高くなつた時に該補助冷
却フアン１４を起動させていた。（なお、図示矢
印は空気の流れを示している。） 前記の如き従来の制御盤に於ては、補助冷却フ
アンのみならず、該補助冷却フアンの起動及び停
止を司るための温度検出器や制御回路が必要とな
るため、制御盤の製造コストが高価になるばかり
でなく、メンテナンスにも手間がかかるという欠
点があつた。

本考案は前記欠点を除き、補助冷却フアンを設
けることなく、筐体内の各電子装置の冷却効果を
改善することのできる制御盤を提供するものであ
る。

以下に第２図を参照して本考案の実施例につい
て説明するが、第２図に於て第１図と同一符号で
表示された部分は第１図の従来の制御盤の構成部
分と同一であるから、これらの構成部分について
の説明を省略する。

第２図に示す本考案の実施例では、主冷却フア
ン４のフアンハウジング５の第二の孔１３に可撓
性の導風管１５の基端が取付けフランジ１６等を
以て着脱可能に取付けられ、該導風管１５の先端
（自由端）に固定した漏斗状の先端部材１７が筐
体１内の任意の電子装置（この場合は、前記第二
の電子装置１２）に向けて配置されている。導風
管１５は一般にどのような材料で構成されていて
もよいが、容易に曲げることができ、その先端を
筐体１内のどの場所へも向けられるように構成さ
れている。

前記の如き本考案の実施例に於ては、導風管１
５の先端部材１７を第二の電子装置１２に近接し
て配置することにより、該電子装置１２の周囲の
空気を該導風管１５を介してフアンハウジング５
内へ強力に吸引することができるため、該電子装
置１２からの発生熱が筐体内に四散することな
く、また、該電子装置１２が冷却不足になる恐れ
もなくなつた。他方、前記の如き本考案の実施例
では、従来の制御盤のように電子装置１２を冷却
するための補助冷却フアン１４及びその関連機器
を必要としなくなるため、製造コストを大巾に低
減することができると同時にメンテナンスもまた
容易となる上、故障等の頻度も少くなるという利
点がある。

以上のように本考案によれば、従来の制御盤に
比して製造コストが安価で且つ冷却性能のよい、
改良された制御盤が提供される。

なお、主冷却フアン４（本考案に於ては唯一基
のみの冷却フアンであるが）による筐体１内の通
風方式を押込式にするか吸出し式にするかによつ
て電子装置１２に対する導風管１５の先端部材１
７の位置は任意に変更可能であつて、たとえば押
込式通風方式を採用する場合には第３図に示すよ
うに導風管１５の先端部材１７を電子装置１２の
直下に配置すればよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の制御盤の概略的縦断面図、第２
図は本考案により改良された制御盤の一実施例の
概略的縦断面図、第３図は押込通風方式を採用し
た場合における導風管の先端部材と被冷却装置と
の配置関係の一例を示した概略図。 １……筐体、２……冷却空気吸入口、３……排
気口、４……主冷却フアン、５……フアンハウジ
ング、６……冷却空気用ガイド、９……第一の電
子装置、１１……（第一の電子装置の）冷却フイ
ン、１２……第二の電子装置、１４……補助冷却
フアン、１５……（可撓性の）導風管、１６……
取付けフランジ、１７……（導風管の）先端部
材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下部に冷却空気吸入口を備えるとともに上部に
   排気口を備えた筐体と、前記筐体内に配設され前
   記冷却空気吸入口の近傍から前記排気口の近傍に
   向つて延在する冷却空気用ガイドと、前記冷却空
   気用ガイドに沿つて配設された第一の電子装置群
   と、前記冷却空気用ガイドに沿つて前記排気口に
   向う冷却空気流を生ぜしめる唯一基の冷却フアン
   と、前記冷却空気用ガイドから離れた位置で前記
   筐体の内部に配置された第二の電子装置と、を有
   する制御盤に於て、 前記冷却フアンのフアンハウジングに可撓性の
   導風管を取付けるとともに前記導風管の先端の開
   口部を前記第二の電子装置に向けて配置したこと
   を特徴とする制御盤。