JPS6133501Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、内箱の真空成形時に、真空成形型
内に内箱内を上下複数の貯蔵室に仕切る仕切壁を
セツトして、内箱を仕切壁と一体に成形するよう
にした冷気強制循環式に冷蔵庫に係り、とくにこ
のような冷蔵庫の温度調節器取付装置の改良に関
するものである。

従来の前記温度調節器取付装置を内箱と共に、
第１図ないし第５図について説明する。

第１図は、冷気強制循環式の冷蔵庫の内箱を示
す。この内箱１は、仕切壁２によつて上下複数の
貯蔵室３，４に仕切られ、上記仕切壁２の背面部
に形成した冷気ダクト（第１図には図示せず）を
経て図示しないフアンにより冷気を上記貯蔵室
３，４に強制循環させるように構成してある。ま
た、内箱１は、第２図に示すように、内箱成形型
５内に仕切壁２を予めセツトして内箱１を真空成
形することにより、この内箱１と一体に仕切壁２
を所定位置に形成している。この仕切壁２は、第
３図に示すように、内箱成形型５にセツトする以
前に冷気吹出口７を形成した吹出口部材６が一体
に設けてある。

そして、冷気強制循環式の冷凍冷蔵庫では、第
４図、第５図に示すように、内箱１と同一面に形
成された冷蔵室である貯蔵室４側への冷気吹出口
７をダンパーサーモスタツトからなる温度調節器
８のバツフル８ａで開閉することによつて冷気の
量を調節し、冷蔵室である貯蔵室４内の温度を制
御している。このために、上記温度調節器６の取
付面とバツフル面の位置関係に精度が必要とな
り、吹出口面部９ａを有する固定具９に温度調節
器８を固定し、上記固定具９を仕切壁２と一体形
成された吹出口部材６の取付面にねじ１０で締付
ける構造にしていたが、吹出口部材６と固定具９
との間に隙間が発生し、バツフル８ａが閉じて冷
気吹出口７を塞いでも冷気が上記隙間から洩れる
ことがあり、これを防ぐために余分な冷気シール
１１を固定具９と吹出口部材６および内箱１との
間に介在させる必要があつた。また、上記固定具
９を吹出口部材６にねじ締めして固定する際に、
複数のねじ１１の締付け力の差によつて取付面の
平坦度が狂うという問題があつた。

この考案は、温度調節器の固定具を改良すると
共に、この固定具を仕切壁と一体に構成すること
により、上述した従来のものの問題を解決して、
部品点数の低減とコストダウンを図ると共に、温
度調節器の取付部分の精度を向上させた冷蔵庫の
温度調節器取付装置を提供することを目的として
いる。

以下、この考案の一実施例を第６図から第１０
図に基いて説明する。これらの図において、１２
は温度調節器８の固定具であつて、この固定具１
２は、冷蔵室である貯蔵室４へ送られる冷気ダク
ト１３と一体に成形されている。１２ａは上記固
定具１２の上部に形成されたほぼ倒立Ｌ字形の挿
入部、１２ｂは冷気ダクト１３部の左，右両側に
形成したフランジ、１２ｃは冷蔵室となる貯蔵室
４側への冷気吹出口、１２ｄはダンパーサーモス
タツトからなる温度調節器８の本体８ｂを嵌合さ
せる凹部、１４は内箱１内を上下複数の貯蔵室に
仕切る仕切壁２の断熱材、１５は上記断熱材１４
の下部を覆う下部材、１５ａはこの下部材１５背
面の左，右両側部に開口部を互に対向させて形成
したコ字状の掛止用溝であり、上記断熱材１１の
上部は図示しない上部材で覆われている。

そして、冷気を冷蔵室である貯蔵室４側へ送る
ための冷気ダクト１３と一体に形成された固定具
１２は、ほぼ倒立Ｌ字形の挿入部１２ａを上記断
熱材１４の背面壁１４ａに係合すると共に、左，
右両側に形成されたフランジ１２ｂを仕切壁２の
下部材１５背面の左，右両側部に設けた掛止用溝
１５ａに挿入、嵌着して、上記固定具１２を仕切
壁２と一体にしたものである。上記仕切壁２は、
内箱１の真空成形時に真空成形型に予めセツトし
て成形を行なうため、内箱シートは仕切壁２と一
体になつた固定具１２の形状に沿つて内箱１に一
体に成形される。したがつて、冷気吹出口１２ｃ
と固定具１２とが内箱１側に形成されるために、
温度調節器８の本体８ｂは、内箱１と一体になつ
ている上記固定具１２に直接固定すればよく、内
箱と別体の固定具を必要とせず、またこのために
余分な冷気シールも不要であり、さらにねじなど
の締付部品を使用しないため、温度調節器８の取
付面の平担度も確保できる。

以上説明したように、この考案による冷蔵庫の
温度調節器取付装置は、温度調節器の固定具の上
部に形成した挿入部を仕切壁の断熱材背面壁に係
合し、上記固定具の両側に形成したフランジを仕
切壁の下部材に設けた掛止用溝に挿入して、上記
固定具を仕切壁と一体化した状態で、内箱を真空
成形するようにしたので、温度調節器の取付用の
部品数を低減させることができ、コストダウンが
できると共に、温度調節器の取付部分の精度の向
上ができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は冷蔵庫の内箱を示す斜視図、第２図は
内箱成形型の側面図、第３図は従来の仕切壁の斜
視図、第４図は従来の温度調節器取付装置の分解
斜視図、第５図は同側断面図、第６図はこの考案
の一実施例による固定具の斜視図、第７図は同固
定具を仕切壁に取付けた状態の斜視図、第８図は
同仕切壁および固定具の斜視図、第９図はこの考
案の一実施例による温度調節器取付装置の分解斜
視図、第１０図は同側断面図である。 １……内箱、２……仕切壁、３，４……貯蔵
室、５……真空成形型、８……温度調節器、１２
……固定具、１２ａ……挿入部、１２ｂ……フラ
ンジ、１３……冷気ダクト、１４……断熱材、１
５……下部材、１５ａ……掛止用溝、なお、図中
同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内箱１の真空成形時に、真空成形型に内箱１内
   を上下複数の貯蔵室３，４に仕切る仕切壁２をセ
   ツトして、内箱１を仕切壁２と一体に成形すると
   共に、冷気をフアンによつて複数の貯蔵室３，４
   に強制循環させるようにした冷蔵庫において、冷
   気ダクト１３と一体に温度調節器６の固定具１２
   を形成し、この固定具１２の上部に形成した挿入
   部１２ａを仕切壁２の断熱材１４背面壁に係合
   し、上記固定具１２の両側に形成したフランジ１
   ２ｂを仕切壁２の下部材１５に設けた掛止用溝１
   ５ａに挿入して、上記固定具１２を仕切壁２と一
   体に構成したことを特徴とする冷蔵庫の温度調節
   器取付装置。