JPS6133394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はガス圧制御式比例弁とON−OFF式電
磁弁とを組合せて広範囲な能力制御を行うように
した瞬間湯沸器における能力制御装置に関するも
のであり、考案が目的とする点は能力制御装置の
回路構成を簡素化してこの種湯沸器のコストの低
下を計つたもので、以下図示の一実施例に基づい
て本考案の構成を具体的に説明する。

１は瞬間湯沸器の熱交換器、２は給水管、３は
給湯管であり、末端には給湯栓４を設けてある。
５は一側ガスバーナ６と他側ガスバーナ７とから
なるガスバーナ、８はガス弁、９はガスガバナを
兼用したガス圧制御式比例弁である。１０は他側
ガスバーナ７に至るガス通路に設けた能力切換用
電磁弁、１１は一側ガスバーナ６に至るガス通路
に設けた電磁弁である。１２は給湯管３に取付け
たサーミスタ等の感熱素子、１３は制御装置であ
る。

第２図は制御装置１３のブロツク図を示したも
ので、１４は温度設定器、１５は温度設定器１４
の設定値と感熱素子１２の検出値とを比較してそ
の差を増巾して出力する比例駆動部である。１６
は後述する比例出力の上限を規制する限定回路、
１７はガス圧制御式比例弁９の駆動回路、１８は
能力切換用電磁弁１０の開閉用駆動回路である。
第３図は限定回路１６の素子回路図を示したもの
で、１９は増巾器、２０は電圧比較器で、比例駆
動部１５からの比例出力を増巾器１９の非反転入
力とし、又増巾器１９の反転入力端子は抵抗２１
を介して電源のアース側に接続してある。又増巾
器１９の出力端子は抵抗２２を介してガス圧制御
式比例弁９の駆動回路１７と接続すると共に電圧
比較器２０の非反転入力端子に接続しており、電
圧比較器２０の出力端子を駆動回路１８に接続し
ている。２３は増巾器１９の帰環回路で、該回路
２３には帰環抵抗２４を設けてある。２５は電圧
比較器２０の出力端子から増巾器１９の反転入力
端子に至る帰環回路で、この帰環回路２５には帰
環抵抗２６と逆方向のツエナーダイオード２８を
接続してある。尚駆動回路１７は増巾器１９から
の出力に応じた電流をガス圧制御式比例弁９に与
えて、該比例弁９の開度即ち供給ガス量を比例出
力に比例した量に制御するものである。又駆動回
路１８は電圧比較器２０の高出力時に作動して能
力切換用電磁弁１０を開放せしめるようにしてあ
り、能力切換用電磁弁１０の閉塞は比例出力が最
低電位に低下すればこれを検出して駆動回路１８
により行うようにしてある。尚、本実施例では、
抵抗２１を直列にダイオード２７を接続して、増
巾器１９により比例入力を２乗して出力するよう
にしてある。

本考案は以上の構成よりなり、以下にその作用
を述べる。一般にバーナは燃焼特性面で安定燃焼
範囲が存在し、この範囲を越えると不完全燃焼、
消火等の不都合を招来する。従つて広範囲の燃焼
制御を行う為に従来よりバーナの安定燃焼範囲に
対応するガス圧制御式比例弁９への比例出力電位
の最小と最大値を定め、比例出力が最大値に達し
た時に能力切換用電磁弁１０を開いてバーナの燃
焼本数を増加させ、逆に最小値に達した時には能
力切換用電磁弁１０を閉じて燃焼本数を減少させ
て上述した不都合を解消せしめ、又広範囲な燃焼
制御を可能にしている。

このようなバーナの燃焼本数の切替を行う場合
能力切換用電磁弁１０の駆動回路１８に何らかの
信号源が必要なものであり、本考案はバーナの燃
焼本数の増加信号をこの種比例制御装置に用いら
れる過電流防止の為の限定回路から得るようにし
て回路構成の簡素化を計つたものである。

以下にその作用を説明すると、熱交換器１を流
れる水量が増加すると湯温が低下し、従つて感熱
素子１２の検出値と温度設定器１４の設定値とに
差が生じて、比例駆動部１５から比例出力が限定
回路１６に送られ、増巾器１９により増巾されて
その出力が電圧比較器２０の非反転入力端子に送
られる。この比例出力電位が該比較器２０の基準
電位、即ち比例出力の定められた最大電位より大
であれば該比較器２０は高出力側に反転し、駆動
回路１８に信号を送り、能力切換用電磁弁１０を
開いてバーナの燃焼本数を増加するのである。

即ち、比例駆動部１５から入力電位をＡ電位、
増巾器１９の出力電位をＢ電位、電圧比較器２０
の出力電位をＣ電位とすると、第４図に示すよう
にＡ電位が上昇すると増巾器１９の出力電位であ
るＢ電位も上昇する。そしてＢ電位が電圧比較器
２０の基準電位Vbを越えると電圧比較器２０は
高出力側に反転すると共に帰環電流が抵抗２６、
ツエナーダイオード２８を介してアース側に流
れ、増巾器１９の反転入力電位を低下せしめ、そ
れ故増巾器１９の出力電位（Ｂ電位）は設定され
た最大電位であるVbに制限される。そして上記
電圧比較器２０の高出力反転時にＣ電位はツエナ
ーダイオード２８により一定電位Vcシフトして
立上げられ、駆動回路１８ではＣ電位が上記一定
電位Ve以上である時に能力切換用電磁弁１０を
開弁駆動させるのである。

ところで上記例においてツエナーダイオード２
８を設けない場合、電圧比較器２０の反転時のＣ
点電位は第４図破線で示した電位となり、それ故
駆動回路１８では最大電位に達した時点で能力切
換用電磁弁１０を開弁駆動させるためには何らか
の信号増巾手段が必要となるものであるが、上記
例によれば最大電位に達した時点で即座に一定電
位Vcにシフトされた電位信号が駆動回路１８に
出力されるので、その出力信号の増巾手段が不要
となり、駆動回路１８の構成は簡単なものとなる
のである。

以上述べたように本考案は、ガス圧制御式比例
弁の下流側ガス路を一側ガスバーナと他側ガスバ
ーナに至る通路に分岐し、一方のガスバーナに至
る通路には能力切換用電磁弁を設け、上記ガス圧
制御式比例弁の比例出力の上限を規制する限定回
路を設け、当該限定回路には比例出力を増巾する
増巾器とこの増巾器の増巾出力が設定電位になれ
ば高出力状態に反転する電圧比較器とこの比較器
の出力を前記増巾器に帰環する帰環回路を設け、
当該帰環回路には抵抗とツエナーダイオードを接
続して、電圧比較器の高反転出力を受けて能力切
換用電磁弁を開設するようにしたので、能力切換
用電磁弁の駆動回路に当該電磁弁を開放する為の
新たな信号源を設ける必要もなく回路構成が簡単
となり、この種湯沸器の低コスト化に大きく寄与
できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、
第２図は同制御回路のブロツク図、第３図は同要
部素子回路図である。第４図は第３図における各
部の電位変化を示す説明図である。 ６……ガスバーナ、７……ガスバーナ、９……
ガス圧制御式比例弁、１０……能力切換用電磁
弁、１６……限定回路、１８……駆動回路、１９
……増巾器、２０……電圧比較器、２５……帰環
回路、２６……抵抗、２８……ツエナーダイオー
ド。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガス圧制御式比例弁の下流側ガス通路を一側ガ
   スバーナと他側ガスバーナに至る通路に分岐し、
   一方のガスバーナに至る通路には能力切換用電磁
   弁を設けると共に比例出力を増巾する増巾器とこ
   の増巾器の増巾出力が設定電位になれば高出力状
   態に反転する電圧比較器とこの比較器の出力を前
   記増巾器に帰環する帰環回路を設けた上記ガス圧
   制御式比例弁の比例出力の上限を規制する限定回
   路を設け、上記帰環回路には抵抗とツエナーダイ
   オードを接続して、前記電圧比較器の出力側に能
   力切換用電磁弁の駆動回路を接続した瞬間湯沸器
   における能力制御装置。