JPS6132908Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、側壁を有するバラ物貯蔵場から２条
のスクレーパコンベヤでバラ物を払出すようにし
た２条スクレーパ式リクレーマの改良に関する。

一般に、側壁のあるバラ物貯蔵場に貯蔵された
バラ物は、バラ物パイル斜面に沿わせて保持し、
且つ駆動回転するようにしたスクレーパコンベヤ
を貯蔵場に沿つて走行させてバラ物を掻き落とす
スクレーパ式リクレーマを用いて払出されてい
る。このスクレーパ式リクレーマに装備されるス
クレーパコンベヤが１条の場合には、スクレーパ
コンベヤを保持する吊金具がスクレーパブレード
の側方に突出するのでこの吊金具が障害となつて
バラ物貯蔵場内側壁近辺のバラ物パイルにスクレ
ーパブレード不作用部分を発生させ、高粘着性バ
ラ物の場合に掻出残りとなる欠点がある。この欠
点を解消する方策として、２条のスクレーパコン
ベヤを有し、両スクレーパコンベヤの中間におい
てこれらコンベヤを連結し１体に支持する吊金具
を設けた２条スクレーパ式リクレーマが開発され
ている。

この２条スクレーパ式リクレーマを使用すると
前記１条スクレーパ式リクレーマの場合の吊金具
による不具合は解消されるが、１回の走行動によ
つてバラ物貯蔵場から払出されるバラ物量は２条
スクレーパ式リクレーマであり乍ら１条スクレー
パ式リクレーマでの払出量と略同量であり、払出
能率が極めて低いという重大な欠点があつた。

これはバラ物貯蔵場に沿つての送行払出しにお
いて、払出作業のほとんどが先行スクレーパコン
ベヤのみで行なわれており、後行スクレーパコン
ベヤはほとんど無負荷稼動となつていることに起
因するものと考えられる。

本考案は上記の欠点を解消するためになされた
もので、２条のスクレーパコンベヤをその中間に
配設した吊金具で、両者間が、コンベヤフレーム
に内蔵され且つ独立した２系統の駆動装置を介し
て個別に連結されて１体的に支持させるようにし
た、２条のスクレーパコンベヤの吊金具に対する
連結構造を若干変更するだけで払出能率が大巾に
改善できる２条スクレーパ式リクレーマを提供し
ようとするものである。

以下、その実施例を図面について説明すると、
図中１は側壁２を備えたバラ物貯蔵場、３は貯蔵
場１内に貯蔵されたバラ物パイルを示す。４はバ
ラ物貯蔵場１に沿つて敷設されたレール、５はレ
ール４上を走行するリクレーマ本体、６はバラ物
貯蔵場１とレール４との間に設置されたバラ物搬
出用コンベヤである。７，７′はスクレーパコン
ベヤで、該スクレーパコンベヤは、基端がコンベ
ヤ６上位置のリクレーマ本体５に回動支持され遊
端が両スクレーパコンベヤ７，７′の中間に配置
された吊金具８及びロープ９を介してリクレーマ
本体５に１体的に支持されているブーム１０，１
０′と、ブーム１０，１０′に沿い図外駆動装置に
よつて回転されるチエーン１１，１１′と、チエ
ーン１１，１１′に所定ピツチで取付けられブー
ム外側端より突出させたスクレーパブレード１
２，１２′から構成されており、両スクレーパコ
ンベヤの起伏量はリクレーマ本体５から張設した
ロープ９の巻出し、巻取り操作によつて１体的に
変更されるようになつている。

次に、スクレーパコンベヤ７，７′・吊金具８
間の連結構造を詳述する。１３は吊金具８下端か
ら両側方のブーム１０，１０′内に突入させた腕
杆で、該腕杆１３のそれぞれの先端と、両ブーム
１０，１０′内に下向きに固装したシリンダ装置
１４，１４′の作動ロツド端とがピン連結されて
おり、両シリンダ装置１４，１４′の作動で吊金
具８に対するスクレーパコンベヤ７，７′の位置
が個別に上下変更される構造となつている。１
５，１５′は両端がブーム１０，１０′に固着され
中間が腕杆１３の穴に摺動自在に挿入されたガイ
ドカバーである。

本考案はこのように構成されているので、バラ
物貯蔵場１からのバラ物の払出しに当り、第４図
に示すように、まず、シリンダ装置１４を伸長作
動すると共にシリンダ装置１４′を縮小作動して
両スクレーパコンベヤ７，７′の相対位置を先行
側が上方位置に、後行側が下方位置になるよう変
更した後、両スクレーパコンベヤ７，７′をバラ
物パイル３の斜面に沿わせるべくロープ操作して
降ろし、その位置で支持させる。以上の操作の後
両スクレーパコンベヤ７，７′を駆動装置（図示
せず）で回転させ乍らバラ物貯蔵場１に沿つてリ
クレーマ本体５を矢印方向に走行動させると、先
行スクレーパコンベヤ７のクレーパブレード１２
によるバラ物切出し量がH₁となり、後行スクレ
ーパコンベヤ７′のクレーパブレード１２′による
切出量がH₂となるので１回の送行によつて払出
されるバラ物量は１条スクレーパ式リクレーマに
比べ略２倍となり大巾に改善される。

側壁２の近辺においては、第３図に示すように
ブーム外側端より突出した先行スクレーパコンベ
ヤ７′のクレーパブレード１２′が側壁２に接当す
るまで作用しバラ物掻出不可能部分は全く生じな
い。

そして、リクレーマの反転送行払出しにおいて
は、まずシリンダ装置１４を縮小作動すると共に
シリンダ装置１４′を伸長作動して先行側スクレ
ーパコンベヤ７′が上方に、後行側スクレーパコ
ンベヤ７が下方になるよう相対位置を変更した
後、ロープ操作して両スクレーパコンベヤをバラ
物パイル上に降ろして支持しておき、次に、両ス
クレーパコンベヤ７，７′を回転させ乍らバラ物
貯蔵場に沿つてリクレーマ本体５を反転送行させ
て行なうが、前述の場合と同様、バラ物の払出し
が高能率に行なえる。そして、側壁近辺において
も前述の場合と同様に、先行側スクレーパコンベ
ヤのスクレーパブレードが側壁に接当するまで作
用するのでバラ物パイルの掻出不可能部分は全く
生じない。

尚、上記実施例では、両スクレーパコンベヤ
７，７′の吊金具８に対する位置を個別に変える
変更位置としてシリンダ装置１４，１４′を示し
たが、該手段に限定されることなく、例えば第５
図に示す如く、各ブーム１０，１０′内にブレー
キ内蔵モータで駆動されるねじ軸１６，１６′を
設け、該ねじ１６，１６′に螺合するナツト１
７，１７′を吊金具８から突設した腕杆１３に設
けて、ねじ軸１６，１６′を個別に正逆転して両
スクレーパコンベヤ７，７′を相対変更するもの
でよい。又、上記実施例では吊金具８と腕杆１３
とは１体物になつているが両者を別体物とし腕杆
１３が吊金具８に回動可能に連結されるものでも
よい。

以上のように、本考案によると、中間に配設さ
れた吊金具によつて１体的に支持される２条のス
クレーパコンベヤのそれぞれが個別に上下変更さ
れるので、走行払出しにおいて先行スクレーパコ
ンベヤが上に、又、後行スクレーパコンベヤが下
になるよう変換操作することにより従来機に比べ
略２倍の高能率払出しが発揮できる他、２条のス
クレーパコンベヤとその中間に配設した吊金具と
を、コンベヤフレームに内蔵され且つ独立した２
系統の駆動装置を介して個別に連結しているの
で、バラ物貯蔵所からのバラ物払出しの頭初にお
いて固まつている表層に対する先行側スクレーパ
コンベヤの切出し量を少くし比較的軟かい内層部
に作用する後行側スクレーパコンベヤの切出し量
が多くなるように作用量を違えてセツトすること
ができるので全体として負荷動力を少くして効率
よく払出しができる多大の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る２条スクレーパ式リクレ
ーマと貯蔵場との関係を示す側面図、第２図は同
背面図、第３図は第１図線に沿う拡大断面図で
併せて側壁近辺におけるバラ物掻出状態を示す。
第４図は走行払出作業中のスクレーパコンベヤの
断面図、第５図は他の実施例を示す断面図であ
る。 ７，７′……スクレーパコンベヤ、８……吊金
具、１４，１４′……シリンダ装置、１６，１
６′……ねじ軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側壁を有するバラ物貯蔵所から２条のスクレー
   パコンベヤでバラ物を払出すようにした２条スク
   レーパ式リクレーマにおいて、２条のスクレーパ
   コンベヤとその中間に配設した吊金具とが、コン
   ベヤフレームに内蔵され且つ独立した２系統の駆
   動装置を介して個別に連結されていることを特徴
   とする２条スクレーパ式リクレーマ。