JPS6132793Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、軸筒の先端から突出している芯管、
或いは芯管から突出している芯を紙面等に押しつ
けてから離す、所謂、先端ノツクによつて一定長
の芯出しを行なうシヤープペンシルに必要なスラ
イダーの一時係止装置に関する。

説明の都合上、始めに先端ノツクによる芯出の
概略説明をしておくと、芯管の先端等を紙面に押
しつけて芯管と一体のスライダー、芯、および芯
を噛んでいるチヤツク装置を後退させる際のスラ
イダーとチヤツク装置の相互関係位置は変らない
が、後退の終りでスライダーを一時係止装置によ
つて係止後、上記した押しつけをなくし、芯を噛
んでいるチヤツク装置を前進させてやるときに
は、前記した相互関係位置は変わる。そしてチヤ
ツク装置がスライダーの後端と衝突するに及ぶ
と、その際のチヤツク装置移動長さ分だけ芯は芯
管から突出して芯出しが行なわれる。その後に衝
突によつて係止を解かれたスライダーおよびチヤ
ツク装置はそれぞれ始めの位置に戻るが、その
際、上記芯出長さを変えないようにすれば、先端
ノツクによる芯出が達成されたことになる。

このように先端ノツクによる芯出にはスライダ
ーの一時係止が必須であるが、これはスライダー
と軸筒側にＯリング等の係止部材とその係止用の
溝を設けることによつて可能である。ところがこ
の構造では、係止時にカチツといつた軽快音がな
いし、温度変化による硬度変化で係止に要する力
も変わるという欠点がある。

本考案の目的は上記した欠点をなくすことを目
的として案出したものであるが、図面に示す実施
例によつて説明すると、軸筒１内に前後動自在に
嵌挿したスライダー３は、第４図から明らかなよ
うに、前方に芯管４を、また後方に複数の縦割り
５を入れた後部筒管６を取付け、後部筒管６の表
面には突起７を設けている。図示のものは突起７
が１個しかないが、複数個でも、或いは環状に隆
起した突起でもよい。スライダー３の張出部８は
軸筒側段部１ａと当接してそれ以上スライダー３
を前進させなくし、また、軸筒側受座２と協働し
てスライダー３を前方に押圧する弾撥部材１１を
受ける。軸筒側受座２は、突起７の係止面でもあ
ること、第２図に示すとおりである。スライダー
３の内側には、公知の芯連行部材１０を装着す
る。

チヤツク体１３、転子１４、チヤツク作動管１
５およびチヤツク用弾撥部材１６とからなるチヤ
ツク装置１２は、普段は楔効果でチヤツク体１３
に締付力を与えて芯の把持を可能とするが、チヤ
ツク用弾撥部材１６に抗してチヤツク体１３を引
張り出すときには、チヤツク体１３自体の復元弾
性で拡開し、芯の把持を解ける構造となつてい
る。このチヤツク装置１２の普段の位置は、弾撥
部材２１で押される受座２０をチヤツク作動管１
５に摺動自在に嵌合して、その受座２０前端面が
チヤツク作動管１５の段部１７および軸筒１の段
部１ｂと当接させることにより決まる。チヤツク
作動管１５の前端部には傾斜前端面１９を有する
押板１８が取付くが、この傾斜前端面１９は、第
３図に示したように、係止されたスライダー３の
後部筒管６の後端面９を押圧可能とし、縦割り５
を入れた後部筒管６を緊締縮径して突起７と軸筒
側受座２との係止を解くためのものである。もつ
ともかかる傾斜前端面１９によらず真直ぐな押板
１８面で強制的に係止を解くことも可能である。

つぎに本装置の動作説明に移る。芯管４或いは
芯管４から突出している芯を紙面等に押しつける
と、スライダー３、芯、芯を噛んでいるチヤツク
装置１２は相互関係位置を変えることなく後退す
ること、既述のとおりである。後退の終りで、突
起７は軸筒側受座２を通過すべく縦割り５が入つ
た後部筒管６を緊締縮径し、通過直後にはその瞬
発的な復帰で打撃音を発し、第２図の如く軸筒側
受座２後端面に突起７が係止する。つぎにチヤツ
ク装置１２が弾撥部材２１の力で前進して所望す
る芯出しを行なうこと、既述のとおりである。そ
の際、第３図の如く、係止されたスライダー３の
後部筒管６の後端面９をチヤツク作動管１５の押
板１８の傾斜前端面１９で押圧し、突起７による
係止を解く。係止を解かれたスライダー３が弾撥
部材１１の力でもとの位置に戻る際、芯連行部材
１０で挾持されている芯を介してチヤツク体１３
をチヤツク用弾撥部材１６に抗して引き出すと、
チヤツクの口は開くから、結局、先端ノツクによ
りスライダー３の後端面９と押板１８の対峙間隔
相当の芯出長さでもつて芯出しする。

本考案は、以上の説明のとおり、環境変化によ
つて条件を異にするような部材は一切使用せずに
構成しているから、先端ノツクによる押しつけ力
が常に一定であるようにすることができるし、ま
た係止終了を知らせる打撃音を発せしめるから、
過剰な押しつけによる損傷事故防止が図れるほ
か、一旦係止した状態を解除することも、押板に
傾斜前端面を形成するという簡単な構造で確実に
行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるスライダーの一時係止装
置を備えたシヤープペンシルの要部を示す断面
図、第２図と第３図は作動状態を示す断面図、第
４図はスライダーの斜視図である。 １……軸筒、２……軸筒側受座、３……スライ
ダー、５……縦割り、６……後部筒管、７……突
起、９……後端面、１５……チヤツク作動管、１
８……押板、１９……傾斜前端面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸筒１内に前後動自在に嵌挿したスライダー３
   を軸筒側受座２前端面で支承した弾撥部材１１に
   より前方に押圧し、そのスライダー３の縦割り５
   を入れた後部筒管６の表面に上記軸筒側受座２後
   端面と係止可能な突起７を設け、突起７が軸筒側
   受座２を通過するときには縦割り５を入れた後部
   筒管６を緊締縮径し、通過直後にはその瞬発的な
   複帰が行なえるようになし、係止されたスライダ
   ー３の後部筒管６の後端面９はチヤツク作動管１
   ５の押板１８で押圧可能として係止を解除させる
   先端ノツク式シヤープペンシル用スライダーの一
   時係止装置。