JPS6132792B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は誘導加熱調理器に関するもので、特に
その保護装置に関する。

従来、誘導加熱調理器の保護装置もしくは安全
装置として磁性鍋検知装置あるいは温度過昇保護
装置などが内蔵されていた。しかしながら従来の
保護装置は誘導加熱コイルに高周波電流を供給す
る周波数変換装置の電子制御回路には直流電源を
常時印加しておき、この制御回路の入力端子には
前述の保護装置の出力信号を入力し、異常時に周
波数変換装置の発振を停止させ加熱動作を停止さ
せるものであつた。このため、この保護方式では
万一、電子制御回路が故障した場合には保護装置
の出力信号が与えられても加熱動作を停止しない
と言つた危険性を有している。

本発明は上記の点に鑑みてなされたもので保護
装置に直列関係となるように電子制御回路を接続
して保護装置を介して直流電源を供給し、この保
護装置が作動したときに電子制御回路の電源を遮
断することにより周波数変換装置に駆動信号が必
らず供給されないよう構成し、加えて、電子制御
回路の直流電源の遮断時に、この直流電源の供給
の有無を検知する回路を設けることにより、確実
な保護動作を行う、信頼性の高い保護装置を提供
するものである。

以下、図面にしたがい詳細な説明を行なう。

第１図は本発明による誘導加熱調理器の一実施
例を示し、第２図は本発明による保護装置の一実
施例のブロツクダイヤグラムである。第３図は本
発明の具体的一実施例であり、第４図はその各部
波形を示す。

第１図において、低周波交流電源１より整流回
路２に交流電圧を加え、直流電圧に変換する。直
流電圧はインバータ回路３に加えられ、インバー
タ回路３の出力加熱コイル４には高周波電流が供
給される。加熱コイル４は高周波磁束により、家
庭用金属製鍋５を誘導加熱する。インバータ回路
３は制御回路６により発振制御される。具体的に
はインバータ回路３に含まれるパワースイツチン
グ半導体の導通を制御し、加熱コイル４の高周波
電流を制御する。整流回路２の＋出力端子より磁
性系金属製鍋５が近接しているかどうかを検知す
る磁性鍋検知装置６０より、一方の電源入力端子
６１に制御回路６への電力が供給される。他方の
電源入力端子６２は整流回路２の−端子に接続さ
れる。制御出力端子６３はインバータ回路３のパ
ワースイツチング半導体ドライブ電流を供給す
る。

磁性鍋検知装置６０はマグネツト６０１と保護
スイツチ６０２よりなり、マグネツト６０１の移
動により保護スイツチ６０２がオンオフする。磁
性鍋５が近接しなければ保護スイツチ６０２はオ
ープン状態で制御回路６には電力が供給されな
い。よつてインバータ回路３へのドライブ電流は
供給されず加熱コイル４には高周波電流が供給さ
れない。

第２図は本発明のブロツクダイヤグラムを示
す。電源入力端子６１より、逆電流制御回路６４
を介して、信号系レギユレータ回路６５およびパ
ワースイツチング半導体のパルスドライブ回路６
６へ電力を供給する。一方電源入力端子６１の電
圧の有無を検知する瞬停検知回路６７に接続し電
源入力端子６１と直列接続されたスイツチ、例え
ば保護スイツチ６０２のオンオフを検知する。レ
ギユレータ回路６５の電圧降下を検知する電圧降
下検知回路６８の信号および瞬停検知回路６７の
出力信号を発振禁止回路６９に加え、パワースイ
ツチング半導体の高周波スイツチングを制御する
発振制御回路７０に加える。発振制御回路７０の
出力信号はパルスドライブ回路６６により増幅さ
れ、制御出力端子６３よりインバータ回路３へド
ライブ電流が供給される。

保護スイツチを介して、電源入力端子６１より
パルスドライブ回路６６およびレギユレータ回路
６５に電力が供給されるが、逆電流制限回路６４
は保護スイツチオフ時にも確実に動作する電力が
蓄積される動作をする。保護スイツチがオフ状態
になつても瞬停検知回路６７が動作して、ドライ
ブ電流が遮断されるまで、必要なドライブ電流が
与えられる＋Ｂ電源を確保する。すなわち、瞬停
検知回路６７は保護スイツチがオフしてパルスド
ライブ回路６６の直流電源＋Ｂがインバータ回路
３の動作保証レベル以下する以前に発振を停止す
るため設けられている。

電圧降下検知回路６８は保護スイツチがオフ状
態になつてから、信号系電子回路の動作電圧が下
がり、動作不安定をきたさないように、特に保護
スイツチ投入時の安定起動を確保する。

第３図は本発明の具体的一実施例であり、電源
入力端子６１よりフユーズ６１０を介して、ダイ
オード６４０よりコンデンサ６４１に電力を供給
する。コンデンサ６４１より＋Ｂ電源として、パ
ルスドライブ回路６６に電力が供給され、かつ抗
抗６４２より電圧レギユレータ回路６５の入力コ
ンデンサ６５０が接続される。レギユレータ用
NPNトランジスタ６５１のコレクタ・ベース間
には抵抗６５２が接続され、ベースよりチエナー
ダイオード６５３とトランジスタ６８０のベース
が直列接続される。トランジスタ６８０のエミツ
タはアースへ、ベース・エミツタ間に抵抗６８１
が接続される。トランジスタ６８０のコレクタ抵
抗６８２よりトランジスタ６８３のベースに電流
が供給され、レギユレータトランジスタ６５１の
オンオフ、すなわち、電圧降下を検知する。トラ
ンジスタ６８３の第１のコレクタ抵抗は時定数の
長い充電用、第２のコレクタ抵抗６８６はコンデ
ンサ６８６の急速放電用である。抵抗６８７ａ，
６８７ｂとCMOSインバータ６８８ａ，６８８ｂ
によりシユミツト回路を構成する。ダイオード６
８９は動作を確実にさせるものである。トランジ
スタ６８０，６８３が、電圧降下検知回路であ
り、レギユレータ回路の電圧が下がれば急速に発
振を止め、保護スイツチが投入されると、一定遅
延時間後、発振スタンバイの状態になる。分割抵
抗６７０ａ，６７０ｂにより、電源入力端子６１
の電圧ｖ_iの瞬時降下を検知するもので、通常は
第４図ｖ_cに示す如く、コンデンサ６７１の電圧
ｖ_cはHiレベルであるが、時間ｔ_sで、電源入力電
圧ｖ_iが遮断されると、瞬時にＬ_pレベルとなる。
これは抵抗６７０ｂとコンデンサ６７１の時定数
を小さくしているためである。抵抗６７２ａ，６
７２ｂとNANDゲート６９０、インバータ６９１
によりシユミツト回路を構成し、スレシユホール
ド電圧vth以下にｖ_cがなると、出力信号ｖ_eは急
速にＬ_pレベルとなる。NANDゲート６９０の一
方の入力には電圧降下検知回路の信号が加えら
れ、信号ｖ_eがＬ_pレベルになると、パルスドライ
ブ電流は与えられない。

瞬時検知回路の他の実施例としてトランジスタ
を利用した回路も考えられるが、CMOSゲートを
利用すれば簡単である。

なお、ダイオード６７３，６７４は動作をより
確実にするものである。

以上述べた如く本発明によれば、 (1) 例え制御回路が故障しても、保護スイツチさ
え動作すれば、確実に保護動作が行なわれる。
すなわち、磁性鍋が置かれていなければ保護ス
イツチはオープン状態で、インバータ回路のパ
ルスドライブ電流は与えられない。

(2) 保護スイツチは接点構造上通常電流を流す使
用法の方が、オンオフが確実であり、特にマイ
クロスイツチやサーモスタツトの場合、接点接
触抵抗の変化が少なく安定となる。

(3) 瞬停検知回路と、逆電流制御回路により、保
護スイツチがオープン状態になつても、必要時
間、必要なパワースイツチング半導体にパルス
ドライブ電流が与えられるので、パワースイツ
チング半導体が破壊することはできない。

等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における誘導加熱調
理器のブロツク図、第２図は同制御回路のブロツ
ク図、第３図は同具体回路図、第４図はその各部
波形図である。 １……低周波交流電源、２……整流回路、３…
…インバータ回路、４……加熱コイル、５……
鍋、６……制御回路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 低周波交流電力を高周波交流電力に変換する
   周波数変換回路と、前記周波数変換回路より高周
   波電流を供給される加熱コイル、前記周波数変換
   回路の発振を制御する制御回路および磁性鍋検知
   装置あるいはサーモスタツトで構成された保護装
   置よりなり、前記保護装置の保護スイツチを介し
   て前記制御回路の電源入力端子へ電流が供給さ
   れ、前記制御回路は前記電源入力端子の電圧の有
   無を検知する瞬停検知回路、前記周波数変換回路
   へパルスドライブ電流を供給するパルスドライブ
   回路および前記瞬停検知回路の出力信号に応じ
   て、前記パルスドライブ電流を遮断する発振禁止
   回路を含み、前記保護スイツチ作動時、前記制御
   回路の電源供給を遮断すると同時に、前記制御回
   路の瞬停検知回路により前記パルスドライブ電流
   を停止するようにした誘導加熱調理器。 ２ 制御回路は電流制限回路とレギユレータ回路
   および電圧降下検知回路よりなり、前記瞬停検知
   回路と前記電圧降下検知回路の出力信号に応じて
   出力ドライブ電流を遮断する発振禁止回路を含む
   特許請求の範囲第１項記載の誘導加熱調理器。