JPS6132736A - 高度のガスバリヤ−性を有するポリエチレンテレフタレ−ト製延伸ボトルの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高度のガスバリヤ−性を有するポリエチレンテ
レフタレート製延伸ボトルの製造方法に関するものであ
り、特に内容物が酸素ガスによる悪影響を受は易い構造
の容器、すなわち内容積に対する表面積の大きい所謂少
量用容器や、気散性の内容物を収容するための容器等に
おいて優れた作用を奏するポリエチレンテレフタレート
製延伸ボトルを得る方法を提供するものである。

〔従来の技術〕

優れたガスバリヤ−性を具備するポリエチレンテレフタ
レート製延伸ボトルを得る方法としては、ポリエチレン
テレフタレート−エチレン・ビニルアルコール共重合体
−ポリエチレンテレフタレートの３層積層構成の中空予
備成形体をブロー成形用金型内で二軸延伸ブロー成形に
付し、積層構成の延伸ボトルを得る方法や、既製−のポ
リエチレンテレフタレート製延伸ボトルにポリ塩化ビニ
リデン系樹脂を含む塗工剤を塗工することにより、ポリ
塩化ビニリデン系樹脂の被Ｍ樹脂層を形成する等の方法
がある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、前者の５層積層構成の中空予備成形体を利用
するものは、積層構成の中空予備成形体を得るための特
別の装置が必要であり、経済的でないばかりか、延伸ボ
トルにおける外層たるポリエチレンテレフタレート層を
滲透した水蒸気が、ガスバリヤ一層の機能を果している
エチレン・ビニルアルコール共重合体層の炭酸ガスバリ
ヤ−性を著しく劣化させる性質を有しているため、特に
高湿度雰囲気中では、このボトルノ具備する炭酸ガスバ
リヤ−性が、ポリエチレンテレフタレートの単層構成の
ボトルの炭酸ガスバリヤ−性よりも悪化することさえも
存する。

また、後者のポリ塩化ビニリデン系樹脂の被覆樹脂層を
有するボトルの場合には、別製のポリエチレンテレフタ
レート製の延伸ボトルとポリ塩化ビニリデン系樹脂の被
覆樹脂層との間の接着力が弱く、ボトル取り扱い中の街
撃や摩擦により被覆樹脂層が簡単に剥離してしまうとい
う不都合が生ずる。特に優れたガスバリヤ−性を導入す
る目的で膜厚の大きな被覆樹脂層を得るために、塗工剤
の量を多くするとポリ塩化ビニリデン系樹脂の被覆樹脂
層が形成される際の応力が塗膜中に残存し、前述の被覆
樹脂層の剥離がより簡単に生ずるので、該樹脂層の膜厚
を通常１５０μ程度までに抑えなくてはならなく、高度
のガスバリヤ−性を具備させることが出来ない。また、
前記ポリ塩化ビニリデン系樹脂の被覆樹脂層を形成する
手段として、ポリ塩化ビニリデン樹脂の有機溶剤溶液を
ポリエチレンテレフタレート製の延伸ボトルに直接塗工
する方法を利用すると、ボトル口頚部や底部等の延伸倍
率の小さい部分では、ポリエチレンテレフタレート樹脂
が有機溶剤により所謂クレージングと呼称される白色化
を生ずるため、ボトルの外観が不体裁となる等の欠点を
有する。

これに対して本第１番目の発明は、二軸延伸ブロー成形
に付される前の中空予備成形体の外側表面に高度ガスバ
リヤ−性能を発現するポリ塩化ビニリデン系樹脂の被覆
樹脂層を形成する際に、特定構成の中間層を前記中空予
備成形体の外側表面に直接形成し、この中間層の外側表
面に前記被覆樹脂層を形成し、これを二軸延伸ブロー成
形することにより、接着度の強固なガスバリヤ一層たる
被覆樹脂層を有するポリエチレンテレフタレート製延伸
ボトルを得るものである。

また第２番目の発明は、既製のポリエチレンテレフタレ
ート製延伸ボトルの外側表面に高度のガスバリヤ−性能
を発現するポリ塩化ビニｌＪデン系樹脂の被覆樹脂層を
形成する際に、特定構成の中間層を前記ポリエチレンテ
レフタレート製の延伸ボトルの外表面に直接形成し、し
かる後に前記被覆樹脂層を形成することにより、接着度
の強固なガスバリヤ一層たる被覆樹脂層を有するポリエ
チレンテレフタレート製延伸ボトルを得るものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本第１番目の発明は、主・たる繰り返し単位がエチレン
テレフタレートよりなる重合体を利用して得られた中空
予備成形体の外側表面に、皮膜形成成分たるエチレン・
ビニルアルコール共重合体を含有する水・アルコール混
合溶剤の酸性溶液からなる塗工剤を塗工することにより
、エチレン・ビニルアルコール共重合体皮膜全形成する
工程と、前記エチレン・ビニルアルコール共重合体皮膜
の表面に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の水分散液または
有機溶剤溶液からなる塗工剤を塗工することにより、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂の被覆樹脂層を形成する工程と
、前記被覆樹脂層を有する中空予備成形体をブロー成形
用金型内で二軸延伸ブロー成形し、ポリエチレンテレフ
タレート製延伸ボトルを得る工程とからなるものである
。

第２番目の発明は、主たる繰り返し単位がエチレンテレ
フタレートよりなる重合体を成形原料としてポリエチレ
ンテレフタレート製の延伸ボトルの外側表面に、皮膜形
成成分たるエチレン・ビニルアルコール共重合体を含有
する水・アルコール混合溶剤の酸性溶液からなる塗工剤
を塗工することにより、エチレン・ビニルアルコール共
重合体皮膜を形成する工程と、前記工程で形成した前記
エチレン・ビニルアルコール共重合体皮膜の表面に、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂の水分散液または有機溶剤溶液
からなる塗工剤を塗工することにより、ポリ塩化ビニリ
デン系樹脂の被覆樹脂層を形成する工程とからなるもの
である。

前記第１番目の発明で使用する中空予備成形体は、所謂
パリソンやプリゾロ−成形体で、通常のポリエチレンテ
レフタレート製の二軸延伸ゾロ−中空成形体を得る際に
使用する中空予備成形体である。また、第２番目の発明
で使用するポリエチレンテレフタレート製延伸ボトルは
、所謂パリソンやプリゾロ−成形体からなる中空予備成
形体を二軸延伸ブロー成形することによって得られるも
のである。

これらの中空予備成形体やポリエチレンテレフタレート
製延伸ボトルは、いずれも、主たる繰り返し単位がエチ
レンテレフタレートで構成されているエチレンテレフタ
レート樹脂による成形体、すなわち通常酸成分の８０モ
ル％以上、好ましくは９０モル％以上がテレフタル酸で
、グリコール成分の８０モル％、好ましくは９０モル％
以上がエチレングリコールで、残部の他の酸成分として
は、イソフタル酸、ジフェニルｘ　−テ／ｌｚ　−４、
４’、　＝ジカルボン酸、ナフタレン１、Ｉ＋−または
２，６−ジカルボン酸、デカン１．１０−ジカルボン酸
、アジピン酸、セバシン酸、ヘキサヒドロフタル酸等が
、また残部の他のグリコール成分としては、プロピレン
グリコール、１．キープタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ジエチレングリコール、ｌ、６−ヘキサンジ
オール、シクロヘキサンジメタノール、２．２−ビス（
キーヒドロキシフェニル）プロパン、２，２−ビス（ｌ
ｌ−−ヒドロキシエトキシジフェニル）プロパン等が使
用されているエチレンテレフタレート樹脂や、共重合成
分トしてｐ−オキシ安息香酸やｐ−オキシエトキシ安息
香酸等が共重合されているエチレンテレフタレート樹脂
を利用して成形されている成形体、あるいはエチレンテ
レフタレートの繰り返し単位が全量の８０モル％以上と
なっているポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエ
ステルとのブレンド樹脂等により成形されている成形体
等である。

なお、前述の中空予備成形体がパリソンの場合には有底
形状でも無底形状でも良く、また１予め首部が成形され
ているものでも、あるいは二軸延伸ブロー成形の際に首
部を同時に成形するようなタイプのものであっても良い
。

前記中空予備成形体または既製のポリエチレン製延伸ボ
トルの外側表面に適用する塗工剤は、安定剤としての酸
が添加されている水・アルコールの混合溶剤中に皮膜形
成成分たるエチレン・ビニルアルコール共重合体を溶解
させたものであり、一般的には、中空予備成形体または
既製の延伸ボトルの胴部と底部との外側表面に前記塗工
剤を適用することにより、これらの面にエチレン・ビニ
ルアルコール共重合体の皮膜を得るものである。

前記塗工剤中の皮膜形成成分たるエチレン・ビニルアル
コール共重合体は、一般的にはエチレン・酢酸ビニル共
重合体ケン化物で、重合したエチレン単位とビニルアル
コール単位とからなる共重合体が利用されるが、このよ
うな構成単位からなる同種の共重合体、例えばギ酸ビニ
ルやプロピレン酸ビニル等の低級脂肪酸ビニルエステル
とエチレンとの共重合体ケン化物等も使用し得る。エチ
レンＯビニルアルコール共重合体は、該共重合体におけ
るエチレン含有量が５０モル％を超えると、該共重合体
による皮膜の酸素等に対するガスバリヤ−性が失われる
と共に前記皮膜の層間接着性も悪くなり、また２５モル
％未満となると皮膜の親水性が高くなって、水蒸気バリ
ヤー性が低くなるため、エチレン含有率２５〜５０モル
％の共重合体を利用するのカ好ましい。また、このエチ
レン・ビニルアルコアル共重合体は、前記エチレンと低
級脂肪酸ビニルエステルとの共重合体のケン化度カ９６
％未満のものになると、該共重合体の皮膜のガスバリヤ
−性が低下するため、ケン化度９６％以上ノエチレン・
ビニルアルコール共重合体ヲ利用するのが好ましい。

水・アルコール混合溶剤中のアルコール成分は、塗工剤
の表面張力を低下させて濡れ適性を付与するものであり
、かつ、溶剤中にエチレン・ビニルアルコール共重合体
を溶解させ易くするものである。アルコールについては
、水との蒸発速度差を考慮して、０３以上の１価または
多価アルコールを使用するのが好ましい。また、この混
合溶剤中におけるアルコール成分は５０ｗｔ、％程度混
入されていれば十分である。

前記混合溶剤溶液を利用した塗工剤は、樹脂濃度的１０
　ｗｔ−％程度のものが利用され、中空予備成形体に塗
工する場合には、通常 ５〜１００ｇ（固形成分）／ハ程度に、またポリエチレ
ン製延伸ボトルに塗工する場合には、約２０〜１００９
（固形成分）／ｉ程度に塗工するのが良い。

前記塗工剤を塗工、乾燥して形成したエチレン・ビニル
アルコール共重合体皮膜の表面に適用する塗工剤は、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂の水分散液または有機溶剤溶液
からなる塗工剤で、前記エチレン・ビニルアルコール共
重合体皮膜の表面を被覆するポリ塩化ビニリデン系樹脂
の皮膜からなる被覆樹脂層を形成するものである。

前記塗工剤中に樹脂成分として含有されるポリ塩化ビニ
リデン系樹脂は、具体的には、塩化ビニリデン重合体、
塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン
・酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン・酢酸ビニル・
アクリロニトリル共重合体、またはこれらの重合体の２
種以上の混合物等が利用される。塗工剤は、前記重合体
を例えばテトラヒドロフラン、トルエン、ＭＥＫ等の溶
媒に溶解させて得られる樹脂濃度５〜２０重量％程度の
溶剤溶液や、同じく樹脂濃度３０〜６０重量％程度の水
分散液が利用される。

この塗工剤の塗工量は、中空予備成形体の場合には、約
２〜１５０ｇ（固形成分）／−程度に、またポリエチレ
ン製延伸ボトルの場合には、約３０〜６０９（固形成分
）／ｉ程度に塗工するのが一般的である。

ナオ、前述のエチレンリビニルアルコール共重合体皮膜
の形成に際しては、該皮膜を形成する前に、被塗工面を
予めコロナ放電等で処理し、該面の接着性改良処理を施
しておくことも出来る。

また、前記各塗工剤の塗工は、浸漬法、スプレーコーテ
ィング法、ロール法等の塗工手段で容易に実施し得るも
のである。

更に、前記本各発明方法で得られたポリエチレンテレフ
タレート製延伸ボトルにおいては、被覆樹脂層における
ポリ塩化ビニリデン系樹脂が高度に結晶化された場合忙
、より優れたガスバリヤ−性が得られることが解明され
ているので、第１番目の発明の場合には、前記ポリ塩化
ビニリデン系樹脂を含有する塗工剤の塗工、乾燥後の中
空予備成形体をブロー成形用金型内で二軸延伸ゾロ−成
形した後、該二軸延伸ブロー成形に引き続いて、前記塗
工剤による塗膜中の樹脂成分たるポリ塩化ビニリデン系
樹脂の熱分解温度以下の加熱温度による熱固定処理を、
前記ブロー成形用金型内で行う方法を利用するのが最も
効率的かつ効果的である。また、第２番目の発明の場合
には、二軸延伸ブロー成形して得られたボトルに熱固定
処理を付すことなく前述の各塗工剤を適用、乾燥し、し
かる後に熱固定処理を実施するのが最も効率的かつ効果
的である。

なお、本発明方法において、得られる。ポリエチレンテ
レフタレート製延伸ボトルにより優れた耐水性を具備せ
しめる目的で、エチレン・ビニルアルコール共重合体を
含有スルア／ｋ　：２−　／Ｌ’混合水溶液からなる塗
工剤を塗工する前に、ポリエチレンテレフタレート製成
形体の表面にポリ塩化ビーリデン系樹脂の皮膜を形成し
、その外側−表面に皮膜形成成分たるエチレン・ビニル
アルコール共重合体の皮膜を形成し、この外側１　　表
面に更にポリ塩化ビニリデン系樹脂の皮膜を形成するこ
とも考えられるが、これは工程が複雑になるのに比較し
てその効果の向上の程度が僅少であった◎ 〔実施例〕 以下本発明の高度のガスバリヤ−性を有するポリエチレ
ンテレフタレート製延伸ボトルの製造方法の具体的な構
成例を実施例に基づいて説明し、併せ得られた延伸ボト
ルの物性を比較例で得られた延伸ボトルのそれと比較し
、説明する。

実施例１゜ 厚さ約２．５闘の有底円筒状のポリエチレンテレフタレ
ート製中空予備成形体たるパリソンを、水：イソプロビ
ルアルコール：ギ酸−３０：５５：１５（重量比）の混
合溶剤を利用した１０ｗｔ、％エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体溶液を５０８０に維持させである浴液中に
浸漬し、前記パリソンの外側表面にエチレン−ビニルア
ルコール共重合体の皮膜を形成した後、該皮膜の表面に
、スプレー法にてポリ塩化ビニリデン樹脂のヰ９　ｗｔ
、％水分散液を略均−に塗布し、ポリ塩化ビニリデン樹
脂の皮膜を形成した。

続いて前記パリソンを延伸潤度である１００〜１１０℃
に加熱した後１９０℃に加熱されているブロー成形用金
型内で二軸延伸ブロー成形し、引き続いて５秒間保持す
ることからなる熱固定処理を施し、目的製品である１、
２１のポリエチレンテレフタレート製延伸ボトル（Ａ）
を得た。

実施例２ 実施例１で利用したパリソンと同一構成のパリソンを延
伸温度である１００〜１１０”ｃに加熱した後、これを
、目的製品であるポリエチレンテレフタレート製中空成
形体の体積の６０％の体積を有するブロー成形用金型内
で延伸ブロー成形したブリブロー成形体を、１００〜１
１０℃に加熱すると共に１９０℃に加熱されているブロ
ー成形用金型内で二軸延伸ブロー成形し、容量１．２７
の延伸ボトルを得た。

次いで、前記延伸ボトルを、水：イソプロビルアルコー
ル；ギ酸−３０：５５：１５（重量比）の混合溶剤を利
用した５ｗｔ、％エチレン・ビニルアルコール共重合体
溶液を５０℃に維持させである浴液中に浸漬し、前記延
伸ボトルの外側表面にエチレン・ビニルアルコール共重
合体の皮膜を形成した後、該皮膜の表面にスプレ二法に
てポリ塩化ビニリデン樹脂のヰ９　ｗｔ、％水分散液を
略均−に塗布し、ポリ塩化ビニリデン樹脂の皮膜を形成
した。

しかる後に、前記延伸ボトルを１９０’Ｃ，５秒間の熱
固定処理に付し、目的製品である１、２ノのポリエチレ
ンテレフタレート製延伸ボトルＣＢ）を得た。

実施例う 実施例２．で利用したものと同一構成の二軸延伸ブロー
成形による容量１．２／！の延伸ボトルの外側表面に、
水３０重量部、イソプロピルアルコール５５重量部、ギ
酸１５重量部、水溶性メラミン５重量部からなる混合溶
剤を利用した３　５　ｗｔ、％エチレン・ビニルアルコ
ール共重合体溶液を、スプレー法にて略均−に塗布し、
エチレン・ビニルアルコール共重合体の皮膜を形成した
後、該皮膜の表面に同じくスプレー法にてポリ塩化ビニ
リデン樹脂の５０　ｗｔ、％水分散液を略均−に塗布し
、ポリ塩化ビニリデン樹脂の皮膜を形成した。

次いで、前記延伸ボトルを１９０’Ｃ，５秒間の熱固定
処理に付し、目的製品である１、２１のポリエチレンテ
レフタレート製延伸ボトル〔Ｃ〕を得た。

比較例１ 実施例２で利用したものと同一構成の二軸延伸ブロー成
形による容量１．２１の延伸ボトルの外側表面に、スプ
レー法にてポリ塩化ビニリデン樹脂の５０ｗｔ、％水分
散液を略均−に塗布し、ポリ塩化ビニリデン樹脂の皮膜
を形成した後、前記延伸ボトルを１９０°０．　５秒間
の熱固定処理に付し、比較のためのポリエチレンテレフ
タレート製延伸ボトルＣＤ）を得た。

比較例２゜ 実施例２で利用したものと同一構成の二軸延伸ブロー成
形による容量１．２７の延伸ボトルを、水：イソプ口ビ
ルアルコール：　’Ｐ酸−３０：５５：１５の混合溶剤
を利用したｌｏｗｔ、％エチレン・ビニルアルコール共
重合体溶液の５０℃浴液中にて浸漬処理することにより
、前記延伸ボトルノ外側表面にエチレン・ビニルアルコ
ール共重合体の皮膜を形成し、次いでこれを１９０００
．５秒間の熱固定処理に付し、比較のためのポリエチレ
ンテレフタレート製延伸ボト＃（Ｅ）を得た。

以上の実施例および比較例における各延伸ボトルの物理
的性状は次表の通りである。

〔発明の作用および効果〕

本発明のポリエチレンテレフタレート製延伸ボトルの製
造方法は斜上の通りの構成から成るモノで、ポリエチレ
ンテレフタレート製成形体の表面に水・アルコール混合
溶剤の酸性溶液を使用したエチレン・ビニルアルコール
共重合体溶液を適用することにより、エチレン・ビニル
アルコール共重合体皮膜を形成し、次いでこの皮膜の表
面にポリ塩化ビニリデン系樹脂の皮膜を形成するもので
あるから、ポリエチレンテレフタレート製成形体の表面
に接着度の強固なポリ塩化ビニリデン系樹脂の皮膜を得
ることが出来、しかも該皮膜の形成時の応力が緩和され
るので膜厚の厚い皮膜を形成することが出来るう工、中
間層たるエチレン・ビニルアルコール共重合体皮膜自体
もが酸素に対するガスバリヤ−性に優れた性質を発揮す
るので、極めて高度のガスバリヤ−性を有する合成樹脂
層で、かつ耐剥離性においても良好な合成樹脂層を有す
るポリエチレンテレフタレート製延伸ボトルを得ること
が出来る。

また、本発明方法で得られるポリエチレンテレフタレー
ト製延伸ボトルは、その最外層がポリ塩化ビニリデン系
樹脂層で構成されているので、該層によって外部からの
水蒸気の滲透が抑止されるため、中間層たるエチレン・
ビニルアルコール共重合体による皮膜が奏する炭酸ガス
バリヤ−性が、高湿度雰囲気中においても低下すること
がない。

また本発明方法においては、中間層たるエチレン・ビニ
ルアルコール共重合体皮膜の形成に際して、水・アルコ
ール混合溶剤の酸性溶液を利用したエチレン・ビニルア
ルコール共重合体溶液を使用しているので、利用される
塗工剤の表面張力カ低く、ポリエチレンテレフタレート
製成形体表面に対する前記塗工剤の濡れが極めテ良好で
あり、均一なエチレン・ビニルアルコール共重合体の皮
膜を形成し得る。

更に本発明方法においては、ポリエチレンテレフタレー
ト製成形体の表面に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の皮膜
を中間層たるエチレン・ビニルアルコール共重合体皮膜
を介して形成するものであるから、ポリ塩化ビニリデン
系樹脂の皮膜を作る際に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の
水分散液のみならず、溶剤溶液をも使用し得るというメ
リットも存する。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートよ
   りなる重合体を利用して得られた中空予備成形体の外側
   表面に、皮膜形成成分たるエチレン・ビニルアルコール
   共重合体を含有する水・アルコール混合溶剤の酸性溶液
   からなる塗工剤を塗工することにより、エチレン・ビニ
   ルアルコール共重合体皮膜を形成した後、次いで、前記
   エチレン・ビニルアルコール共重合体皮膜の表面に、ポ
   リ塩化ビニリデン系樹脂の水分散液または有機溶剤溶液
   からなる塗工剤を塗工することにより、ポリ塩化ビニリ
   デン系樹脂の被覆樹脂層を形成し、しかる後に、前記中
   空予備成形体をブロー成形用金型内で二軸延伸ブロー成
   形することを特徴とする高度のガスバリヤー性を有する
   ポリエチレンテレフタレート製延伸ボトルの製造方法。
2. （２）主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートよ
   りなる重合体を利用して得られたポリエチレンテレフタ
   レート製延伸ボトルの外側表面に、皮膜形成成分たるエ
   チレン・ビニルアルコール共重合体を含有する水・アル
   コール混合溶剤の酸性溶液からなる塗工剤を塗工するこ
   とにより、エチレン・ビニルアルコール共重合体皮膜を
   形成した後、次いで、前記エチレン・ビニルアルコール
   共重合体皮膜の表面に、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の水
   分散液または有機溶剤溶液からなる塗工剤を塗工するこ
   とにより、ポリ塩化ビニリデン系樹脂の被覆樹脂層を形
   成することを特徴とする高度のガスバリヤー性を有する
   ポリエチレンテレフタレート製延伸ボトルの製造方法。