JPH0341341B2 - - Google Patents

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JPH0341341B2
JPH0341341B2 JP60111064A JP11106485A JPH0341341B2 JP H0341341 B2 JPH0341341 B2 JP H0341341B2 JP 60111064 A JP60111064 A JP 60111064A JP 11106485 A JP11106485 A JP 11106485A JP H0341341 B2 JPH0341341 B2 JP H0341341B2
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、焼豚等の加工肉の包装、或は、生肉
である部分肉の包装に好適に利用される熱収縮性
多層フイルムの製造方法に関するものである。 従来、焼豚肉は各々の食肉店で加工し、販売さ
れていた。しかし、最近では酸素遮断性を有する
熱収縮包装方法が開発され、内容物である焼豚等
を長期間保存出来る様になつて来た事から、大手
メーカーで一括生産され、食肉店に輸送される様
になつて来た。本発明の製造方法により製造しよ
うとする熱収縮性多層フイルムは、この様な焼豚
等、加工肉の熱収縮包装用として最適なものであ
る。又、牛肉等は、従来枝肉のまま食肉店に輸送
されていた。しかし最近では畜殺場で部分肉の形
に解体された後、熱収縮包装され、0℃付近の温
度で食肉店に輸送される様になつて来た。本発明
の製造方法により製造しようとする熱収縮性多層
フイルムは、この様な部分肉の熱収縮包装用とし
ても最適に利用され得るものである。 (従来の技術) 加工肉や部分肉の熱収縮包装用フイルムとして
は、機械的強度や酸素遮断性の面からポリアミド
樹脂層を含有する熱収縮性多層フイルムが好まれ
ている。そして、この様な熱収縮性多層フイルム
の製造方法としては、熱収縮性ポリアミド樹脂フ
イルムにポリエチレン樹脂フイルム、又は、エチ
レン一酢酸ビニル共重合体樹脂フイルム等をドラ
イラミネート方法により貼り合せる方法が有る。
しかし、生産性や熱収縮性の面から、共押出し積
層延伸方法により製造されるのがより好ましい。
所が共押出し積層延伸されたままの熱収縮性多層
フイルムは、カールを生じたり、又、自然収縮性
を有しているので変形したり、フイルムの平滑性
が悪化したりしてしまう。そこで、熱収縮性多層
フイルムの製造に於ては、カールと自然収縮性を
無くし、しかも、熱収縮特性を余り低下させない
様なセツトを行なう必要が有る。従来、この様な
熱収縮性多層フイルムのセツトには、該フイルム
を加熱し、しかも、弛緩を与え熱収縮させる方法
が行なわれている。又、ポリアミド樹脂層を一方
の最外層とする熱収縮性多層フイルムは、一般に
カールが大きいので、両最外層を同一の樹脂構成
とし、ポリアミド樹脂層を中間層とする方法が行
なわれて来た。 (発明が解決しようとする問題点) 熱収縮性多層フイルムの製造に於て、共押出し
積層延伸フイルムを加熱したり、弛緩を与え熱収
縮させる従来のセツト方法による場合には、カー
ルや自然収縮性を無くする様にセツトを行なう
と、熱収縮特性が大幅に悪化してしまい又、熱収
縮特性を維持させようとすると、カールや自然収
縮量が多くなつてしまうのが一般的である。特
に、ポリアミド樹脂層を有する熱収縮性多層フイ
ルムの場合、ポリアミド樹脂のセツト温度とシー
ラント材層等に使用する樹脂のセツト温度とが相
当相違するため、この傾向がますます顕著にな
る。即ち、ポリアミド樹脂層の自然収縮性を無く
する様な高温、及び/又は高弛緩率でセツトを行
なうと、シーラント材層等は熱収縮性を無くして
しまう。又、シーラント材層等の熱収縮特性を維
持させる様な低温、及び/又は低弛緩率でセツト
を行なうと、ポリアミド樹脂層の自然収縮量が大
幅に増大してしまう。 本発明は、ポリアミド樹脂を片方の表面層とし
他方の表面層をシーラント材とする熱収縮性多層
フイルムの製造に於て、共押出し積層延伸フイル
ムの熱収縮特性を余り低下させず、自然収縮性を
無くし、しかも、カールを生じない様なセツト方
法を見い出そうとするものである。 (問題点を解決するための手段) 熱収縮特性に優れ、自然収縮量が少なく、しか
も、カールを生じない様なポリアミド樹脂層を表
面層とする熱収縮性多層フイルムの製造方法とし
ては、ポリアミド樹脂層にはセツト効果が生じ、
該層の自然収縮量は大幅に低下するが、シーラン
ト材層等にはセツト効果がほんど生じない様なセ
ツト方法と、ポリアミド樹脂層にはセツト効果を
ほとんと生じないが、シーラント材層等にはセツ
ト効果が生じる様なセツト方法とを併用させる事
によりなし得られると思われる。 そこで、本発明者等は鋭意研究の結果、ポリア
ミド樹脂層のセツト方法として、共押出し積層延
伸フイルムを温水中に浸漬させたり、或は、温水
を噴霧させたりして、ポリアミド樹脂層に水分を
吸収させた後、或は、吸水させる際に加熱処理す
るセツト方法を見い出だした。 即ち、本発明は、ポリアミド樹脂を片方の表面
層とし、他方の表面層をシーラント材とする共押
出し積層延伸フイルムよりなる熱収縮性多層フイ
ルムの製造方法において、前記積層延伸フイルム
を90℃以下の温度に保持しつつポリアミド樹脂層
に対して水分を7.0重量%以上含有させる吸水工
程と、該積層延伸フイルムを90℃以下、50℃以上
の温度で加熱する加熱処理工程と、該積層延伸フ
イルムを90℃以下の温度に保持しつつ前記吸水工
程で7.0重量%以上の含水率まで含水せしめられ
たポリアミド樹脂層に対して2.5重量%乃至6.5重
量%の含水率まで乾燥させる乾燥工程とが、上記
順序で行なわれるか、あるいは前記吸水工程か乾
燥工程の間に前記加熱処理工程が併行して行なわ
れるようにするものである。 以下本発明の熱収縮性多層フイルムの製造方法
についてさらに詳細に説明する。 本発明の熱収縮性多層フイルムの製造方法は、
ポリアミド樹脂層を片方の表面層とし、もう一方
の表面層をシーラント材層とする熱収縮性多層フ
イルムに関するものである。そして、該熱収縮性
多層フイルムには、接着性樹脂層や酸素遮断性樹
脂層等、他の層構成を含む事もできる。 そこで、以下の説明に於ては、ポリアミド樹脂
層とシーラント材層との間に接着性樹脂層を介し
た三層構成の熱収縮性多層フイルムを製造する場
合について特に説明する。 上記三層構成の共押出し積層フイルムを延伸し
たままの積層延伸フイルムは、高温での高い熱収
縮性を有している事は勿論、常温でも大きな自然
収縮性を有し、しかも、カールも大きい。そし
て、該積層延伸フイルムのポリアミド樹脂層に関
しては、高温での熱収縮性も有しているが、常温
での自然収縮性が大きく、しかも、この自然収縮
量は、従来のセツト方法では接着性樹脂層やシー
ラント材層の熱収縮特性を無くしてしまう様な高
温、及び/又は高弛緩でないと無くし難いもので
あつた。これに対し、該積層延伸フイルムの接着
性樹脂層やシーラント材層は、高温で大きな熱収
縮性を示し、しかも、常温での自然収縮性は、従
来のセツト方法による低温、及び/又は低弛緩で
無くする事が出来るものである。そして高温での
熱収縮特性を大幅に低下させる様な事は無い。 上記の事から、該三層共押出し積層延伸フイル
ムを従来のセツト方法を用いて、熱収縮性多層フ
イルムを得ても、常温での自然収縮量が大きく、
しかも、カールも大きい。これは、従来のセツト
方法ではポリアミド樹脂層がセツトされ難い事に
起因する所が大きいと思われる。そこで上記熱収
縮性多層フイルムの製造に於ては、ポリアミド樹
脂層の高温での熱収縮性を多少犠牲にしても、常
温での自然収縮性を無くする様なポリアミド樹脂
層のセツト方法を採用する必要が有る。しかも、
該セツト方法は、接着性樹脂層やシーラント材層
の熱収縮性に影響を及ぼさない様な方法である事
が望ましい。 その様なセツト方法として、ポリアミド樹脂層
にある程度以上の水分を吸収させた後、或は、吸
収させる際に加熱処理する方法が有る。該セツト
方法によると、ポリアミド樹脂層の高温での熱収
縮量は多少低下するが、常温での自然収縮性を無
くする事が出来る。しかも、ポリアミド樹脂層の
吸水や加熱処理、或は乾燥等をある温度以下で行
なうかぎりに於ては、接着性樹脂層やシーラント
材層の熱収縮特性に悪影響を与えない。そして、
該接着性樹脂層とシーラント材層との常温での自
然収縮性を無くするには、ポリアミド樹脂層の吸
水や加熱処理、或は乾燥時等に、加熱と弛緩を与
え熱収縮させるセツトを行なう事により、高温で
の熱収縮性を余り損なう事なく、行なう事が出来
る。しかも、この接着性樹脂層とシーラント材層
用のセツト条件では、ポリアミド樹脂層には殆ど
影響を与えず、熱収縮特性を維持させる事が出来
る。 以上の事から、ポリアミド樹脂層を片方の表面
層とする熱収縮性多層フイルムの製造は次の様な
手続き、或は条件により行なう事が出来る。 即ち、先ず複数の押出機を用いて、積層ダイよ
り片方の表面層がポリアミド樹脂層で、もう一方
の表面層がシーラント材層であり、しかも、各層
間が溶融接合しうる樹脂からなる共押出し多層シ
ートを得る。例えば、片方の表面層がポリアミド
樹脂層で、中間層が接着性樹脂層、そして、もう
一方の表面層がシーラント材層からなる多層シー
ト等が使用される。該多層シートの積層延伸に
は、テンター方式、或は、インフレーシヨン方式
が共に使用する事が出来る。そして、テンター方
式による場合には、多層Tダイによりシート状
に、インフレーシヨン方式による場合には、多層
サーキユラーダイによりチユーブ状にそれぞれ多
層シートを成形する事が必要である。そして、こ
れらの多層シートを上記したそれぞれの方式によ
り、縦方向、横方向共に約3倍程度延伸させる。 得られた積層延伸フイルムのポリアミド樹脂層
に、該積層延伸フイルム温度を90℃以下に保持し
つつ水分を7.0重量%以上吸収させる(吸水工
程)。この吸水させる方法としては、90℃以下の
温水中に該積層延伸フイルムを浸漬させる方法、
或は、該積層延伸フイルム温度を90℃以下に保持
し、しかも、90℃以下の温水を噴霧させる方法等
が挙げられる。尚、インフレーシヨン方式で延伸
し、チユーブ状のままポリアミド樹脂層に水分を
吸収させる場合には、最外層をポリアミド樹脂層
とする事が必要である。 ポリアミド樹脂の含水率が7.0重量%に満ない
場合には、加熱処理を行なつても、ポリアミド樹
脂層の常温での自然収縮性を押える事が出来ず、
得られる熱収縮性多層フイルムの常温での自然収
縮量が多くなり、しかも、カールも大きくなつて
しまう。 尚、このポリアミド樹脂層に水分を吸水させる
量は、温水に浸漬させたり、或は、温水を噴霧す
る際の時間、又は、温水温度やフイルム温度等を
変化させる事により、任意に選ぶ事が出来る。し
かし、水温やフイルム温度等が90℃を越えると、
接着性樹脂層やシーラント材層等がセツトされて
しまい、該層の熱収縮性が悪化してしまうので、
得られる熱収縮性多層フイルムの熱収縮性も悪く
なり、実用に供し得なくなつてしまう。又、温水
やフイルム温度等が90℃以下であつても、吸水時
に大きな収縮が生じる場合には、接着性樹脂層や
シーラント材層等がセツトされてしまい、得られ
る熱収縮性多層フイルムの熱収縮性が悪化する。
その様な場合には、クリツプやロール等により、
或は、チユーブ状フイルムの場合には、バブル内
に加圧空気を注入し、収縮を起させない様な状態
で吸水させる必要が有る。 次に、ポリアミド樹脂層が水分を吸収した状態
の積層延伸フイルムを、50℃以上で90℃以下に保
持しつつ加熱処理する(加熱処理工程)。この加
熱処理方法としては、ポリアミド樹脂層に水分を
吸収させる際に行なう方法、或は、該吸水工程時
とは別に、吸水後に熱風や遠赤外線等により改め
て加熱処理する方法等が挙げられる。 該積層延伸フイルムの加熱処理温度が50℃未満
の場合には、ポリアミド樹脂層のセツト効果が生
ぜず、得られる熱収縮性多層フイルムの常温での
自然収縮量が大きく、しかもカールが大きくなつ
てしまう。又、該積層延伸フイルムの加熱処理温
度が90℃を越えると、例え、該積層延伸フイルム
が収縮しない様にしていても、接着性樹脂層やシ
ーラント材層がセツトされてしまい、得られる熱
収縮性多層フイルムの熱収縮性が悪くなり、実用
に供し得なくなつてしまう。 尚、加熱処理温度が50℃乃至90℃の範囲であつ
ても、加熱処理時に該積層延伸フイルムの収縮量
が大きい場合には、吸水時と同様、接着性樹脂層
やシーラント材層がセツトされてしまい、得られ
る熱収縮性多層フイルムの熱収縮性が低下してし
まう。そこで、前記した吸水工程時と同様、クリ
ツプやロール、或は加圧気体等により、余り収縮
させない様にする必要が有る。又、該加熱処理時
間としては、2秒間乃至120秒間、好ましくは、
3秒間乃至60秒間程度である。加熱処理時間が短
かすぎると、ポリアミド樹脂層のセツト効果が十
分でなく、自然収縮性の改良が不十分である。
又、加熱処理時間が長くなりすぎると、ポリアミ
ド樹脂層の常温での自然収縮性を無くする事は出
来るが、高温での熱収縮性が余りにも低下してし
まい、得られる熱収縮性多層フイルムの熱収縮性
が悪化してしまう。 さらに、上記の様にポリアミド樹脂層に7.0重
量%以上の含水率まで水分を吸収させ、加熱処理
した積層延伸フイルムを、その温度が90℃を越え
ない様に保持しつつ、ポリアミド樹脂層の含水率
を2.5重量%乃至6.5重量%に乾燥させる(乾燥工
程)。乾燥させる方法としては、ポリアミド樹脂
層に水分を吸収させ、後に加熱処理する時、同時
に行なう方法や、或は、該加熱処理時とは別に、
熱風や遠赤外線等の加熱等により乾燥させる方法
等が有る。 該積層延伸フイルム温度が90℃を越える様な温
度で乾燥を行なうと、吸水工程、或は、加熱処理
工程の際と同様、得られる熱収縮性多層フイルム
の熱収縮性が低下してしまう。又、ポリアミド樹
脂層の含水率は乾燥後に2.5重量%乃至6.5重量%
の範囲にしておく必要が有る。ポリアミド樹脂層
の含水率を常温でしかも一般的な湿度に於ける平
衡含水率程度である2.5重量%乃至6.5重量%の範
囲以外にしておくと、外気の湿気による吸水、或
は、脱水により該熱収縮性多層フイルムが変形し
たり、或は、平滑性が悪化したりする。又、カー
ルの発生も起る。 尚、乾燥を、該積層延伸フイルム温度が90℃を
越えない様な温度で行なつても、乾燥時に該積層
延伸フイルムの収縮量が大きい場合には、前記吸
水工程及び加熱処理工程と同様、得られる熱収縮
性多層フイルムの熱収縮性が低下してしまう。そ
こで、前記工程と同様の方法により、収縮を押え
る必要が有る。 上記吸水工程や加熱処理工程、さらには、乾燥
工程をそれぞれ個々に行なう事が出来るのは当然
であるが、生産性の面から吸水工程と加熱処理工
程とを併用したり、或は、加熱処理工程と乾燥工
程とを併用させる事が好ましい。又、この様な工
程を経て得られた熱収縮性多層フイルムは、その
まま加工肉や、部分肉の熱収縮包装用フイルムと
して使用する事が出来る。所が、前記工程時での
加熱等により、接着性樹脂層やシーラント材層に
セツト効果が十分発揮されず、得られる熱収縮性
多層フイルムの自然収縮量が多い様であれば、上
記工程前後に該積層延伸フイルム温度が90℃を越
えない様な温度で従来のセツトを行なえばよい。
しかし、接着性樹脂層やシーラント材層のセツト
は、ポリアミド樹脂層のセツトのための吸水工程
や加熱処理工程、或は、乾燥工程と併用して行な
う事が生産性の面から好ましい。 尚、ポリアミド樹脂層の含水率測定は、110℃、
3時間乾燥による重量減少法により行なつた。 本発明の方法により生産される熱収縮性多層フ
イルムの厚みとしては、表面層のポリアミド樹脂
層が10μ乃至30μ程度で、全体厚みとして30μ乃至
100μ程度が一般的である。又、層構成としては、
前記した如く、片方の表面層がポリアミド樹脂層
で、もう一方の表面層がシーラント材層から成る
ものである。そして、接着性樹脂層や酸素遮断性
樹脂層等も含有する事が出来る。 ポリアミド樹脂としは、一般に包装関係に使用
されるナイロン−6やナイロン−66が使用可能で
あるが、熱収縮性の面からナイロン−6とナイロ
ン−66との共重合体を使用する事が望ましい。シ
ーラント材としては、ポリエチレン樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリプロピレン樹
脂、或は、アイオノマー樹脂等、包装用フイルム
分野でヒートシール材として使用されている樹脂
を使用する事が出来る。又、接着性樹脂として
は、極性基をグラフト共重合させた変性ポリエチ
レン樹脂、又は、変性エチレン−酢酸ビニル共重
合体樹脂、或は、変性ポリプロピレン樹脂等を使
用する事が出来る。尚、これら接着性樹脂はシー
ラント材層にも使用する事が出来る。さらに、酸
素遮断性樹脂としては、塩化ビニリデン樹脂やエ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等を用いる
事が出来る。そして、本発明方法により製造し得
る熱収縮性多層フイルムの具体的な構成例として
は、ポリアミド樹脂/接着性樹脂/シーラント
材、ポリアミド樹脂/酸素遮断性樹脂/接着性樹
脂(シーラント材)、ポリアミド樹脂/酸素遮断
性樹脂/接着性樹脂/シーラント材/、ポリアミ
ド樹脂/接着性樹脂/酸素遮断性樹脂/接着性樹
脂(シーラント材)、ポリアミド樹脂/接着性樹
脂/酸素遮断性樹脂/接着性樹脂/シーラント材
等を挙げる事が出来る。 次に、本発明による熱収縮性多層フイルムの製
造方法を、インフレーシヨン方式により二軸延伸
される場合の一実施態様について、第1図に基ず
いて説明する。 複数の押出機と多層サーキユラーダイ(共に図
示せず)により最外層がポリアミド樹脂、最内層
がシーラント材層となる多層チユーブを押し出
す。そして、従来の水冷法、或は、マンドレール
法等、公知の方法で冷却(図示せず)させた後、
偏平に折り畳まれた多層未延伸チユーブ1を送り
込みニツプロール2により一定速度で繰り出す。
ついで、加圧気体により膨らんだ延伸前のチユー
ブ状シート3を、予熱加熱炉4と熱風吹き付けエ
アリング5により、延伸可能な温度まで加熱す
る。そして、引取りニツプロール6と送り込みニ
ツプロール2との周速度差によつて、縦方向に延
伸させると同時に、チユーブ内の加圧気体により
横方向にも延伸させる。二軸延伸された伸長バブ
ル7は偏平ガイドロール8により偏平化された
後、引取りニツプロール6で引き取られると共
に、次の吸水工程に送る。この様に、従来の一般
的なインフレーシヨン方式によつて二軸延伸され
たチユーブ状の積層延伸フイルム9を温水タンク
10にガイドロール11によつて浸漬させ、ポリ
アミド樹脂層に所定の水分を吸収させる。含水し
た積層延伸フイルム12は次のポリアミド樹脂層
の加熱処理と乾燥、及びシーラント材層等のセツ
トのための工程へ、送り込みニツプロール13に
より一定速度で送り出す。ついで、加圧気体によ
り膨らんだバブル状フイルム14は、外部加熱炉
15と熱風吹き付けエアリング16及び熱風吸い
込みエアリング17によつて、ポリアミド樹脂層
の加熱処理と乾燥が行なわれる。さらに、上記工
程に於て、シーラント材層等は加熱と、引取りニ
ツプロール18と送り込みニツプロール13との
周速度差、及び、バブル内の加圧気体の調整によ
り、縦方向、横方向それぞれ熱収縮させ、セツト
を行なつた。ポリアミド樹脂層の加熱処理と乾
燥、そして、シーラント材層等のセツトが行なわ
れたバブル19は、偏平ガイドロール20により
再度偏平化された後、引取りニツプロール18に
より引き取られ、製品として巻取機(図示せず)
に巻き取られる。 (発明の効果) 本発明のポリアミド樹脂層を表面層とする熱収
縮性多層フイルムの製造方法は、ポリアミド樹脂
層にある程度以上の水分を吸収させ、加熱処理と
乾燥を行なうという工業的にも簡単なる方法によ
るものである。そして、得られる熱収縮性多層フ
イルムは、高温での熱収縮性を大幅に低下させる
事なく、常温での自然収縮性を無くし、しかも、
カールの生じないものである。さらに、本発明方
法による熱収縮性多層フイルムは、加工肉や部分
肉の熱収縮包装用のみならず、広く一般に食品包
装用等にも利用出来るものである。 (実施例) 以下、本発明を実施例と比較例とにより具体的
に説明する。 実施例1及び比較例1 最外層のポリアミド樹脂として、ナイロン−6
とナイロン−66との共重合体(東レ(株)製“アミラ
ンCM6041”)を、中間層の接着性樹脂として変
性ポリエチレン樹脂(三菱化成工業(株)製“ノバテ
ツクAP220L”)を、そして、最内層のシーラン
ト材層としてポリエチレン樹脂(住友化学工業(株)
製“スミカセンF−208”)を使用し、3台の押出
機と3種3層のサーキユラーダイにより積層未延
伸チユーブを得た。該積層未延伸チユーブを第1
図に示す延伸装置及びセツト装置に供し、インフ
レーシヨン二軸延伸及びセツトを行なつた。尚、
延伸工程に於ては、縦方向、横方向共に3.0倍に
同時二軸延伸を行なつた。そして、得られた積層
延伸フイルムを35℃の温度中に浸漬させ、ポリア
ミド樹脂層に水分を7.8重量%含有させた。その
際、縦方向と横方向の収縮量は共に約3%程度で
あつた。そして、該積層延伸フイルムを65℃で約
12秒間加熱処理すると共に、該ポリアミド樹脂層
の含水率を4.2重量%まで乾燥させた。しかも、
加熱処理と乾燥との工程に於て、縦方向と横方向
にそれぞれ約7%の弛緩を与え、熱収縮させるセ
ツト方法を併用し、接着性樹脂層やシーラント材
層の自然収縮性を無くした。得られた熱収縮性多
層フイルムの厚み構成は、最外層より20μ/
10μ/30μであつた。 又、比較の為に延伸工程で得られた積層延伸フ
イルムのポリアミド樹脂層に水分を吸収させず、
延伸直後に該積層延伸フイルムの温度を80℃と
し、縦方向、横方向にそれぞれ12%の弛緩を与
え、熱収縮させる従来のセツト方法を行なつた。 この様にして得られた2種類の熱収縮性多層フ
イルムの収縮特性とフイルムの平滑性、及び、カ
ールについて表1に示す。
【表】 表1より明らかな様に、本発明方法を適用して
得られた熱収縮性多層フイルムは、高い熱収縮性
を示すと共に、自然収縮量が少なく、しかも、自
然放置していてもフイルムの平滑性が劣つたり、
或は、カールを生じたりする様な事は無かつた。 さらに、本発明方法を適用して得られた熱収縮
性多層フイルムは、部分肉を熱収縮包装すると、
見栄の良好なる熱収縮包装体が得られるばかり
か、強度的にも優れ、しかも、長期間の保存性も
良好であつた。 実施例2〜6及び比較例2〜6 実施例1で得られた積層延伸フイルムを、実施
例1と同様、第1図に示すセツト装置によりセツ
トを行なうにあたり、ポリアミド樹脂層の含水
率、加熱処理と乾燥の温度、或は時間、さらに
は、乾燥後のポリアミド樹脂層の含水率をそれぞ
れ変化させ、得られる熱収縮性多層フイルムの熱
収縮性、自然収縮性、フイルムの平滑性、及び、
カール等について調べた。その結果を表2に示
す。尚、ポリアミド樹脂層の吸水は、23℃の温水
中に浸漬させて行ない、その際の収縮率は縦方
向、横方向共に約3%程度であつた。さらに、加
熱処理と乾燥との工程に於ける弛緩率を、40℃乃
至50℃では縦方向、横方向共に5%、70℃に於て
は各方向共に7%、そして、85℃以上に於ては各
方向共に10%とし、熱収縮させるセツトを行なつ
た。
【表】 表2より明らかな様に、該積層延伸フイルムの
ポリアミド樹脂層に水分を吸収させる量は7.0重
量%以上で、しかも、加熱処理と乾燥とは該積層
延伸フイルムを50℃以上で、90℃以下に保持しつ
つ行なう事が必要である。そして、乾燥後の該ポ
リアミド樹脂層の含水率は2.5重量%乃至6.5重量
%の範囲にする事が必要である。 実施例7及び比較例7 実施例1で得られた積層延伸フイルムを、第1
図に示すセツト装置のうち、吸水工程がニツプロ
ール間でチユーブ内に加圧気体が注入され、バブ
ル状態のフイルムに温水を吹き付ける方式を採用
したセツト装置を用いてセツトを行なうにあた
り、温水の吹き付けによる該積層延伸フイルムの
温度が90℃と95℃とで、得られる熱収縮性多層フ
イルムの熱収縮特性の相違を調べた。 その結果、該積層延伸フイルム温度が90℃の場
合には、得られる熱収縮性多層フイルムは熱収縮
包装用として必要な熱収縮特性を有していたが、
95℃の場合には、熱収縮特性が大幅に低下し、熱
収縮包装用として適さないものとなつてしまつ
た。 尚、上記吸水工程に於て、温水を吹き付ける時
間は両者共に約5秒間行なうと共に、縦方向、横
方向共に約12%の弛緩を与え、熱収縮させた。さ
らに、該吸水工程に於て、ポリアミド樹脂層の加
熱処理をも同時に併用して行なつた。その結果、
該積層延伸フイルム温度が90℃の場合には、ポリ
アミド樹脂層の含水率は9.4重量%で、95℃の場
合には9.6重量%であつた。乾燥工程は、縦方向、
横方向共に弛緩を与えず、該積層延伸フイルム温
度を60℃に加熱して行ない、乾燥後のポリアミド
樹脂層の含水率をそれぞれ5.7重量%と5.8重量%
とした。 実施例 8 ナイロン−6とナイロン−66の共重合体である
ポリアミド樹脂と変性ポリエチレン樹脂、そし
て、酸素遮断性樹脂としてエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物(日本合成化学工業(株)製“ソア
ノールET”)、さらに、シーラント材層としてポ
リエチレン樹脂を使用し、4台の押出機と4種5
層のサーキユラーダイにより、最外層よりポリア
ミド樹脂層、変性ポリエチレン樹脂層、エチレン
−酢酸ビニル共重合体ケン化物層、変性ポリエチ
レン樹脂層、そして、ポリエチレン樹脂層の順序
になる様な積層未延伸チユーブを得た。該積層未
延伸チユーブを実施例1と同様、第1図に示す延
伸装置及びセツト装置に供し、インフレーシヨン
二軸延伸及びセツトを行なつた。尚、延伸工程に
於ては、縦方向、横方向共に3.0倍に同時二軸延
伸した。そして、得られた積層延伸フイルムを35
℃の温水中に浸漬させ、該ポリアミド樹脂層に水
分を8.0重量%吸収させた。その際、縦方向と横
方向の収縮量は共に約3%程度であつた。その
後、該積層延伸フイルムを約8秒間、70℃に加熱
し、ポリアミド樹脂層の熱処理を行なうと共に、
該ポリアミド樹脂層の含水率を4.2重量%まで乾
燥させた。しかも、この熱処理と乾燥との工程に
於て、縦方向と横方向にそれぞれ7%の弛緩を与
え、熱収縮させるセツト方法を併用し、接着性樹
脂層やシーラント材層、そして、酸素遮断性樹脂
層の自然収縮性を無くした。 得られた熱収縮性多層フイルムの厚み構成は最
外層より、10μ/5μ/8μ/5μ/12μであつた。そ
して、該熱収縮性多層フイルムの80℃及び90℃の
熱水中での熱収縮率は縦方向、横方向それぞれ21
%と22%及び27%と28%であり、23℃及び40℃に
放置した際の自然収縮率は縦方向、横方向それぞ
れ0.8%と1.2%及び1.8%と2.1%であつた。しか
も、該熱収縮性多層フイルムは、自然放置してい
てもフイルムの平滑性が悪化したり、カールを生
じたりする様な事もなかつた。 さらに、得られた該熱収縮性多層フイルムは、
焼豚の塊を熱収縮包装すると、見栄の良好なる熱
収縮包装体が得られ、しかも、内容物の長期保存
性にも優れたものであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の熱収縮性多層フイルムの製
造方法のための一装置例を示す概略図である。 1……多層未延伸チユーブ、2……送り込みニ
ツプロール、3……膨らんだ延伸前のチユーブ状
シート、4……予熱加熱炉、5……熱風吹き付け
エアリング、6……引取りニツプロール、7……
伸長バブル、8……偏平ガイドロール、9……積
層延伸フイルム、10……温水タンク、11……
ガイドロール、12……含水した積層延伸フイル
ム、13……送り込みニツプロール、14……バ
ブル状フイルム、15……外部加熱炉、16……
熱風吹き付けエアリング、17……熱風吸い込み
エアリング、18……引取りニツプロール、19
……セツトが行なわれたバブル、20……偏平ガ
イドロール。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポリアミド樹脂を片方の表面層とし、他方の
    表面層をシーラント材とする共押出し積層延伸フ
    イルムよりなる熱収縮性多層フイルムの製造方法
    において、前記積層延伸フイルムを90℃以下の温
    度に保持しつつポリアミド樹脂層に対して水分を
    7.0重量%以上含有させる吸水工程と、該積層延
    伸フイルムを90℃以下、50℃以上の温度で加熱す
    る加熱処理工程と、該積層延伸フイルムを90℃以
    下の温度に保持しつつ前記吸水工程で7.0重量%
    以上の含水率まで含水せしめられたポリアミド樹
    脂層に対して2.5重量%乃至6.5重量%の含水率ま
    で乾燥させる乾燥工程とが、上記順序で行なわれ
    るか、あるいは前記吸水工程か乾燥工程の間に前
    記加熱処理工程が併行して行なわれるようにした
    ことを特徴とする熱収縮性多層フイルムの製造方
    法。
JP60111064A 1985-05-22 1985-05-22 熱収縮性多層フイルムの製造方法 Granted JPS61268431A (ja)

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