JPS6235897B2 - - Google Patents

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JPS6235897B2
JPS6235897B2 JP10066180A JP10066180A JPS6235897B2 JP S6235897 B2 JPS6235897 B2 JP S6235897B2 JP 10066180 A JP10066180 A JP 10066180A JP 10066180 A JP10066180 A JP 10066180A JP S6235897 B2 JPS6235897 B2 JP S6235897B2
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JP
Japan
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stretching
film
temperature
preheating
unstretched
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Application number
JP10066180A
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English (en)
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JPS5725920A (en
Inventor
Kazuo Kondo
Shozo Shinohara
Shinya Ishiguro
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Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS5725920A publication Critical patent/JPS5725920A/ja
Publication of JPS6235897B2 publication Critical patent/JPS6235897B2/ja
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、従来延伸加工が困難とされていたエ
チレン−酢酸ビニ−ル共重合体ケン化物(以下ケ
ン化物と称す。)のチユーブ状二軸延伸を工業的
に容易にならしめる方法に関するものである。 ケン化物による未延伸フイルムは、非常に優れ
た気体遮断性と耐油性があり、さらに耐帯電性に
優れ、食品、薬品等の包装材として認識を広めて
いる。しかしケン化物の未延伸フイルムは親水性
であるため、耐水性、耐透湿性に劣り、しかも抗
張力や腰が弱く、又、熱水により軟化する等の間
題を有していた。しかし、これらの問題点は未延
伸フイルムを二軸延伸する事により、改良される
事が一般に知られている。例えば延伸する事によ
り吸水率、透湿度が低下する。又、延伸されたフ
イルムの腰は強くなり、溶断温度も上昇する。さ
らに気体遮断性は未延伸フイルムに於ても優れて
いるが、延伸する事によりさらに約3倍近くも向
上する。この様にケン化物はこれを延伸する事に
より物性面が向上するのみならず、従来未延伸ケ
ン化物フイルムは腰の弱さ等から印刷加工が困難
とされていたが、二軸延伸する事により印刷加工
が容易となり、商業包装用ラミネート袋等では、
印刷用のフイルム層が不要となる。さらに、ケン
化物は高価であるため、フイルムの薄膜化が望ま
れていたが、二軸延伸する事により性能が向上す
るので薄膜化が可能となり、包装コストを低下さ
せる事が出来、優れた包装材となり得る。 従来、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニリデン等の熱可塑性樹脂二軸延伸方法と
しては、まず適温に加熱した未延伸フラツト状フ
イルムをロールにより一方向に延伸を行ない、次
いでこのものを前記方向と直角方向にチヤツクに
より延伸するいわゆるテンター方式と、未延伸チ
ユーブ状フイルムを各々の周速度を可変として互
に上下に位置した二組のニツプロール間でフイル
ムを延伸可能な温度に加熱し、チユーブ内に気体
を送り込んで気体の圧力によつて横方向に延伸す
ると共に二組のニツプロールの周速度を変えて縦
方向にも同時に延伸するいわゆるチユーブ状二軸
延伸方法が開発され、各樹脂の二軸延伸フイルム
が市販されている。 しかし、ケン化物延伸方法に関しては一般に知
られている様に水素結合が強く、結晶化度が高い
ため組織が固定されやすく、延伸に要する仕事量
が大きく、延伸中にフイルム破断の原因となる。
その為に、従来のポリプロピレン、ポリエチレン
テレフタレート等の延伸に用いられている通常の
二軸延伸方法をそのままケン化物の延伸に適用す
る事は出来なかつた。 ケン化物の延伸方法については、他の延伸可能
な熱可塑性樹脂フイルムを密着させて延伸させる
方法(特開昭51−6276号)、15〜60wt%の水分単
独又は水分と可塑剤の両者を均一に配合させた組
成物を延伸させる方法(特開昭53−88067号)、水
分含有率を4wt%以上としガラス転移点から150
℃以内で延伸する方法、及び4wt%以下で150℃
から融点より5℃低い温度で延伸する方法(特公
昭53−43199号、特公昭53−43198号)等があり、
又チユーブ状二軸延伸方法では水分含有率を5〜
20wt%として、加熱ゾーン全域にわたつて均一
に加熱し、又、引取側ニツプロール温度を50℃〜
100℃とする方法(特開昭52−129776号、特開昭
52−129777号)等が知られている。しかし、これ
らの方法はいずれも工業的には色々問題を有して
いる。すなわち、これらの公知の方法を実施する
には、他の延伸可能な熱可塑性樹旨フイルムが必
要であるとか、ケン化物の含有水分率を高めるた
めに特別の方法及び装置が必要であるとか、又、
低含有水分率の場合には150℃以上で融点より5
℃低い温度範囲が必要でその様な温度範囲は非常
に狭く、しかも延伸は非常に困難で不安定である
等の問題がある。以上のような理由によりケン化
物の二軸延伸方法は工業的に未だ確立されておら
ずその様なフイルムが市販されていないのが現実
である。 本発明者等は、耐水性、耐透湿性、気体遮断
性、抗張力等の物理的性質の改良された、しか
も、工業的に優位なケン化物のチユーブ状二軸延
伸方法について鋭意研究を行なつた。その結果、
低含有水分率の未延伸チユーブ状フイルムをある
温度範囲で短時間連続的に予熱を行なつた直後で
は、延伸開始点温度が低温でも延伸可能でありし
かも、延伸性は良好であるという事実を見い出
し、本発明を完成したものである。その要旨は、
含有水分率を2.0wt%以下に保たせた未延伸チユ
ーブ状ケン化物フイルムをなんら加熱工程を経る
事なく延伸工程に供給し、50℃〜70℃に予熱する
連続加熱帯域通過時間を5秒以内とし、さらにそ
の後直ちに延伸開始点を70℃〜100℃に急加熱し
て縦横同時にチユーブ状に二軸延伸する事を特徴
とするものである。 以下、本発明の方法について説明する。 本発明に使用し得るケン化物としては、エチレ
ン含有率が26〜55モル%、ケン化度96%以上であ
るものが好適である。エチレン含有率が55モル%
を越えるケン化物のフイルムは、ケン化度が高く
ても、エチレン含有量の増加に伴なつてガス遮断
性が急激に低下し、透明性も悪くなる。又、エチ
レン含有率が26モル%に満ないときは耐湿性が不
十分となり、且つガス遮断性の湿度依存度が大き
くなり好ましくない。ケン化度については、96%
以下であると吸湿性が増大し、ガス遮断性が低下
し好ましくない。尚、上記ケン化物に本発明の要
旨を変えない範囲で他の樹脂をブレンドしたり、
熱安定剤、可塑剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤
等の添加剤を加える事はなんら制約されるもので
はない。 未延伸チユーブ状フイルムの製造方法として
は、従来より知られているチユーブ状延伸フイル
ムの原反製造方法をそのまま採用する事が出来
る。原反冷却方法についても特別に制約されるも
のではないが、ケン化物の結晶性を低下させる事
が延伸性の向上につながるため、冷却効果を良く
した方式が好ましく、例えば、水冷方式等が良好
なる結果を得る。 未延伸チユーブ状フイルムの含有水分率は押出
前の原料に何んら処理をほどこさない場合、押出
時点で一般に0.2〜0.5wt%である。これは市販ケ
ン化物原料の含有水分率が0.3wt%程度である為
で、この程度の含有水分率でないと未延伸チユー
ブ状フイルムに含有する水分によつて発生する気
泡をなくする事は出来ない。 本発明に於ては、未延伸チユーブ状フイルムの
含有水分率を2.0wt%以下に保持するが、これは
未延伸チユーブ状ケン化物のフイルムを押出後、
直接延伸工程に供するまでの工程に於て、含有水
分率を特別に操作する事なく、自然状態での吸水
に止めることによつて達成される。即ちこれは未
延伸チユーブ状フイルムの押出後から延伸工程に
供されるまでの間の自然吸水量を加えても、含有
水分率は高々2wt%以下に保持されることによ
る。又この2wt%以下の含有水分率というのは、
下記する様に延伸性からいつても必要であり、こ
のような理由から本発明では延伸工程前の未延伸
チユーブ状フイルムの含有水分率を2wt%以下に
限定するものである。 従来のケン化物の延伸方法の様に、未延伸フイ
ルムの含有水分率を調整する事はなかなか容易な
事ではない。そのためには例えば、相当大型の水
槽や乾燥機が必要となる。何故ならば、二軸延伸
加工に使用し得るようなケン化物は30℃の水中に
1日間放置しても高々6.5wt%程度しか吸水せ
ず、又吸湿したものは熱風環循式乾燥機などにお
いて100℃〜110℃で通常2〜3時間の乾燥を要す
る。 この様に、ケン化物の未延伸チユーブ状フイル
ムの含有水分率を特別に操作する事は非常に困難
で、工業的生産には好ましくなく、しかも、延伸
加熱前に加熱工程を経る事は延伸性不良を生じる
等の欠点を有するのである。従つて、本発明の如
く。通常に押出された未延伸チユーブ状フイルム
をそのまま延伸工程に供する方法を利用すること
ができれば非常に有利である。 チユーブ状フイルムの延伸方法については、未
延伸チユーブ状フイルムを周速度の異なる二組の
ニツプロール間でフイルムを延伸可能な温度に加
熱し、チユーブ内に気体を送り込んで横方向に延
伸すると共に、二組のニツプロールの周速度を変
えて縦方向にも同時に延伸するチユーブ状二軸延
伸法を使用する。本発明者等は、ケン化物に対し
てチユーブ状二軸延伸法を適用するに際して、予
熱方法や予熱温度及び予熱時間と延伸性について
種々試験を行なつた結果、次の(1)ないし(5)の様な
重大な事実を見い出した。すなわち、(1)本発明の
様な2wt%以下の低含有水分率のチユーブ状フイ
ルムに於ては、延伸工程に供給される以前に予熱
以外の加熱工程を経ると、延伸が困難となる。(2)
又延伸工程以前に予熱以外に加熱されない場合で
も、予熱する加熱帯域が不連続の場合は延伸は困
難となる。(3)延伸工程以前に予熱以外の加熱工程
を経ず、しかも、予熱する加熱帯域が連続であつ
ても、50℃〜70℃までの予熱が連続5秒以上であ
ると、フイルムは硬化し、該フイルムを再度軟化
させる為には融点近くの温度まで加熱する事が必
要となる。しかも、この様に硬化したフイルム
は、延伸開始点温度を融点近くに加熱しても延伸
性は安定せず、しかも適温範囲も非常に狭い。し
かし、50℃〜70℃までの予熱が5秒以内である
と、フイルムは予熱により軟化し、延伸開始点温
度が70℃〜100℃の低温で安定した延伸が可能で
ある。(4)しかし、予熱温度が70℃以上では、連続
予熱時間を5秒以上にすると、フイルムは硬化し
て延伸性が悪くなり、又、連続予熱時間を5秒以
下にいくら短縮しても延伸開始時が一定せず、安
定した延伸が行なえない。(5)予熱温度が50℃以下
では、連続予熱時間を5秒以下にすると、フイル
ムはほとんど軟化せず、又、連続予熱時間を5秒
以上にいくら長くしても、軟化しないばかりか、
却つて硬化する傾向を示し、共に延伸性が悪かつ
た。 以上の結果から、本発明ではケン化物のチユー
ブ状フイルムの二軸延伸にあたり、未延伸チユー
ブ状フイルムの含有水分率を2wt%以下に保ち、
延伸工程に供する以前に加熱工程を経ず、50℃〜
70℃に予熱する連続加熱帯域通過時間を5秒以内
とするものである。 この点についていえば、従来のチユーブ状二軸
延伸方法に於ては、予熱時間を限定する事によ
り、延伸安定性を向上させる技術思想はなく、
又、ケン化物のチユーブ状二軸延伸方法に於て、
予熱時間の限定について言及した公知資料を見受
ける事は出来ない。 ケン化物の未延伸フイルムについて、上記の様
な条件を満足させないと、何故安定した延伸が得
られないかは必ずしも明らかではないが、次の(1)
ないし(4)の様な事が考えられる。即ち、(1)本発明
の様な低含有水分率の未延伸チユーブ状ケン化物
フイルムに於ては、延伸工程に供する以前に予熱
以外の加熱工程を経たり、延伸予熱が不連続加熱
帯域による場合には、加熱、冷却が繰り返される
ため、或は予熱時間が5秒間をこえると、ケン化
物の結晶状態が変化し、延伸加工が困難になるも
のと思われる。(2)又、50℃〜70℃までの予熱が連
続5秒以内では、ほとんど軟化に影響されるほど
の含有水分率の変化は起らず、温度による軟化が
起こるものと思われる。これに対して5秒以上で
は、含有水分率がある範囲を越えて減少するた
め、温度による軟化よりも水素結合による硬化が
大きくなるものと思われる。(3)予熱温度が70℃以
上では、連続予熱時間を5秒以上にすると、上記
同様、含有水分率が低下し、水素結合による硬化
が生じるものと思われる。又、連続予熱時間が5
秒以下になると、温度による軟化が急で、しかも
場所による不均一性が生じるものと思われる。(4)
予熱温度が50℃以下では連続予熱時間を5秒以下
にすると、熱による軟化が十分でなく、又、長時
間の予熱では徐々に含有水分率が低下し硬化する
ものと思われる。 尚、本発明における予熱方法については、従来
より知られているチユーブ状フイルムの延伸予熱
方法を採用する事が出来る。例えば、加熱炉に該
フイルムを供給し、炉内に熱風を吹込む方法と
か、炉内にヒーター等を装備する方法等が可能で
ある。 尚、未延伸フイルムの予熱時間は加熱炉の長さ
と生産速度により決定される。又、該フイルムの
予熱温度は予熱時間と加熱炉の温度により決定さ
れる。 次に延伸開始点温度についてであるが、従来、
ケン化物のチユーブ状フイルムの二軸延伸に於て
は、延伸開始点を急加熱する事は好ましくなく、
予熱帯域から延伸帯域まで連続的、かつ、均一に
加熱昇温する事が望ましいとされていた。しか
し、本発明に於ては、従来の常識を覆し、延伸開
始点を適当な温度に急加熱する事が延伸開始点の
位置を一定に保ち、安定した状態で延伸を可能と
することが明らかとなつた。これに反して連続予
熱後未延伸チユーブ状フイルムの延伸温度を徐々
に上昇させると延伸性は不良となつた。これは、
予熱時間が長くなると延伸性が悪くなるのと同じ
理由によるものと思われる。 尚、延伸開始時の急加熱方法としては、特にこ
の方法に限定されるものではないが、熱風加熱に
よる方式が均一にしかも急激に加熱する事が出来
るので好ましい。 延伸開始点急加熱温度としては、未延伸チユー
ブ状フイルムの予熱温度が50℃〜70℃までの連続
予熱時間を5秒以内にすると、70℃〜100℃が良
好で、この温度範囲では延伸開始点が一定し、延
伸バブルの振れもなく、フイルムの破断もなく、
しかも偏肉精度は良好であつた。しかし、延伸開
始点急加熱温度が70℃以下では延伸開始点が一定
せずネツク延伸となりフイルムの破断及び延伸倍
率の安定性が悪かつた。又、100℃以上では延伸
バブル振れが大きく、偏肉精度不良で良好なる延
伸フイルムは得られず、バブルの破断もしばしば
生じた。 又、本発明に限定された予熱温度と予熱時間以
外で延伸を行なつた場合について述べると次の通
りである。先ず、50℃〜70℃までの予熱が連続5
秒以上の場合、延伸点急加熱温度が150℃〜170℃
で一応延伸可能であるが、延伸状態は保安定で、
フイルムは破断し工業的生産にはとうてい採用可
能な方法ではなかつた。予熱温度が70℃以上では
連続予熱時間を5秒以上にすると、上記同様、
150℃〜170℃の延伸開始点急加熱で一応延伸可能
であるが、延伸安定性は非常に悪かつた。又、連
続予熱時間を5秒以下にすると80℃〜110℃の延
伸点急加熱で延伸可能であつたが、予熱温度と延
伸開始点温度が接近しているため、延伸開始点の
位置が安定せず、延伸安定性は不十分であつた。
予熱温度が50℃以下では、連続予熱時間を5秒以
下にすると100℃〜120℃の延伸開始点急加熱で延
伸は可能であつたが、ネツク延伸となりフイルム
の破断、及び延伸倍率の安定性が悪かつた。又、
長時間の連続予熱時間では、予熱時間と共に延伸
開始点急加熱温度は上昇し延伸性はますます悪く
なつた。 又、延伸工程に供する以前に予熱以外の加熱工
程を経たり、延伸予熱が不連続加熱帯域による場
合には、延伸開始点急加熱温度を高温度にすると
一時的に延伸されるのみで、ほとんど延伸は不可
能に近かつた。 高含有水分率の未延伸チユーブ状ケン化物フイ
ルムの延伸については、工業的に生産性が悪いば
かりか、含有水分率が2wt%以上になると予熱温
度及び延伸開始点急加熱温度を何度にしても延伸
開始点が安定せず、ネツク延伸となり延伸性が非
常に悪くなる。これは未延伸チユーブ状フイルム
の含有水分率が高い為に、延伸開始点での急加熱
以前からフイルムは軟化状態で急加熱によつて生
ずる軟化度合が小さくなり、そのために延伸開始
点が一定しないものと思われる。又、急加熱によ
り軟化する度合を大きくする様に急加熱温度を高
めると、未延伸チユーブ状フイルムの含有水分率
減少が均一に起らず、その為、水素結合による硬
化が部分的の相異し、急加熱による軟化が均一で
ないために延伸性不良になるものと思われる。 延伸倍率としては、縦方向、横方向共に2.0倍
から5.0倍、好ましくは2.5倍から4.0倍が良好であ
る。延伸倍率が低倍率では、延伸による物性向上
が期待されないばかりか、延伸フイルムの偏肉精
度が急に悪化する。又、高倍率ではフイルム破断
が多発することになる。 縦、横の延伸倍率差(横方向延伸倍率−縦方向
延伸倍率)は0〜0.6の範囲を維持する事が好ま
しく、延伸倍率剤が0以下になると延伸バブルの
破裂を生じやすく、しかも、偏肉精度が著しく大
きくなり生産性、あるいは品質面でも満足できる
ものではない。又、延伸倍率差が0.7以上の場合
には延伸バブルが振らつき延伸開始点が安定せ
ず、生産が困難となる。 延伸開始点以後の延伸帯域でのフイルム温度に
ついては、延伸帯域のほぼ中央部を最高温度にな
る様、延伸開始点温度よりも5℃〜20℃、好まし
くは8℃〜16℃高温にする事が好ましい。加熱方
法としては、延伸バブルに外力が加わる様な熱風
によるよりも、赤外線ヒーター等が延伸バブルの
安定性から好ましい。 延伸終了後は、従来のチユーブ状二軸延伸方法
と同様、速やかにエアーリング等により冷却する
事が好ましい。 チユーブ状二軸延伸後のフイルムは、そのまま
熱収縮性フイルムとしての用途に用いる事が出来
る。又、非熱収縮性フイルムの用途としては、
140℃から融点以下5℃の範囲で熱固定を行なう
事が出来る。熱固定方法としては、従来より行な
われているインフレーシヨン方式による熱固定、
又は、チユーブ状フイルムを切開し、テンター方
式による熱固定が可能である。 尚、二軸延伸されたフイルム厚みとしては、8
μから30μまで可能であるが、ケン化物の価格か
ら薄物がより好ましい。 本発明によつて得られたケン化物のチユーブ状
二軸延伸フイルムは、未延伸フイルムと比較し、
耐水性、耐透湿性、気体遮断性、抗張力、及び熱
水による軟弱化が大巾に改良されたばかりか、従
来の高含有水分率に於ける高温延伸方法で製造さ
れたフイルムと比較しても優れた特性を示した。
この原因は明らかではないが、低含有水分率、及
び低温延伸によりケン化物の非晶部の伸びが少な
くなり、結晶がより配向されやすく、延伸効果が
十分発揮されたものと思われる。 以下に本発明によるケン化物の延伸方法を第1
図に示された一実施態様について説明する。 水冷法あるいはマンドレール法等公知の方法で
製造され、扁平に折り畳まれたケン化物チユーブ
状未延伸フイルム1を送入ピンチロール2により
一定速度で繰出す。ついで圧力気体により膨らん
だ延伸前のチユーブ状フイルム3は予熱加熱炉5
によつて50℃〜70℃に加熱される。尚、予熱時間
は、加熱炉5の長さと膨らんだ延伸前のチユーブ
状フイルム3の速度により決定される。次に引取
ピンチロール10と送入ピンチロール2との周速
度差によつて縦方向に延伸すると同時に適当な方
法でチユーブ内に加圧気体を送り込んだ伸長バブ
ル4を形成する。この場合、膨らんだ延伸前のチ
ユーブ状フイルム3は予熱加熱炉5の下部に取付
られた熱風吹付エアリング6により吹付られた熱
風により70℃〜100℃に急加熱されて延伸を開始
し伸張バブル4となる。この伸張バブル4は、延
伸帯域の周辺部に取付けられた赤外線ヒーター7
により延伸帯域のほぼ中央部が最高温度になる様
に加熱し、延伸帯域通過後は直ちにエアリング8
により冷却される。この様にして二軸延伸された
伸張バブル4は扁平ガイドロール9により扁平化
した後引取ロール10で引取られ、必要があれば
熱処理された後、製品として巻取機(図示せず)
に巻き取られる。 以上の如く、本発明は未延伸チユーブ状ケン化
物フイルムの含有水分率を特別に操作する事な
く、押出されたチユーブ状フイルムをそのまま延
伸工程に供するという工業的に非常に優位な方法
に於ける延伸条件を確立したものである。しか
も、その延伸条件は予熱温度と連続予熱時間を限
定する事により、延伸開始点での急加熱温度を低
くして、延伸安定性を向上させるものである。し
かも、その延伸条件は工業生産に最適であるばか
りか、低含有水分率及び低温延伸という条件で延
伸するため、得られた二軸延伸フイルムの物性
は、他の延伸方法よりも優れた物性を有するもの
である。 以下本発明の実施例と参考例とを示し本発明の
特徴を一層明らかにする。 実施例 1 エチレン含有率33モル%、ケン化度99%のエチ
レン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(クラレ(株)製
エバールFタイプ)から50mmφ押出機を使用し
て厚さ163μ、折径160mmの未延伸チユーブ状フイ
ルムを得た。該未延伸チユーブ状フイルムを直接
第1図に示す延伸工程に供し、その時点での含有
水分率は0.8wt%であつた。次に、予熱温度と連
続予熱時間を本発明の範囲内と範囲外にまたがつ
て種々変化させて延伸を試み、該未延伸チユーブ
状フイルムの延伸条件としての予熱温度及び連続
予熱時間と延伸性を調べた。その結果を表1に示
す。尚、延伸開始点で急加熱温度は各予熱条件で
の最良温度を示し、延伸倍率は各々縦方向3.1
倍、横方向3.5倍とした。又、予熱時間は加熱炉
の長さを、予熱温度は加熱炉の温度を種々変化さ
せ、延伸速度を一定とした。
【表】
【表】 予熱温度が50℃〜70℃で連続予熱時間を5秒以
内にすると延伸性は良好であるが、それ以外の予
熱条件では安定した延伸バブルは得られなかつ
た。即ち、表1ではNO・3、4、6、7、9及
び10が本発明の実施例である。 実施例 2 実施例1で得られた未延伸チユーブ状フイルム
を第1図に示す延伸工程に供し、3.8秒間連続予
熱を行ない、60℃の予熱を得た。該未延伸チユー
ブ状フイルムの延伸開始点急加熱温度を本発明の
範囲内と範囲外にまたがつて種々変化させ延伸を
試み、該予熱条件での急加熱温度と延伸性を調べ
た。その結果を表2に示す。尚、延伸倍率、延伸
速度共に実施例1と同様とした。
【表】
【表】 延伸開始点の急加熱温度70℃〜100℃の範囲で
延伸性は良好であつた。しかし、上記以外の急加
熱温度では安定した延伸は得られなかつた。 尚、予熱温度が50℃〜70℃でしかも連続予熱時
間が5秒以内では全てほぼ同様の結果を得た。即
ち、表2ではNO・2、3及び4が本発明の実施
例である。 実施例 3 実施例2で得られた予熱未延伸フイルムを延伸
開始点温度を82℃に急加熱し、縦方向に3.1倍、
横方向に3.5倍延伸し厚さ15μのチユーブ状二軸
延伸ケン化物フイルムを得た。得られた二軸延伸
フイルムを150℃で縦方向、横方向ともに5%収
縮させ、インフレーシヨン方式により熱固定を行
なつた。得られたフイルムの物性を表3に示す。
【表】 参考例 1 実施例1で得られた未延伸チユーブ状フイルム
を水槽に浸漬し、各種の含有水分率の未延伸チユ
ーブ状フイルムを得た。該フイルムを第1図に示
す延伸工程に供し、延伸条件を種々変えて延伸を
試みた。その結果を表4に示す。
【表】 含有水分率が2.0wt%を越える場合には全て安
定した延伸性は得られなかつた。 参考例 2 実施例2に於ける延伸予熱条件を1.2秒間連続
予熱を行ない58℃の予熱を得、その後一度38℃に
徐冷した後、再び2.6秒間連続予熱を行ない60℃
の予熱を得た。該予熱未延伸フイルムの延伸開始
点の急加熱温度を種々変化させて、延伸を試み
た。しかし、延伸開始点急加熱温度を150℃以上
に高めると一時的に延伸されるのみでとうてい安
定した状態では延伸できなかつた。急加熱温度が
150℃以下では延伸は不可能であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するためのチユー
ブ状二軸延伸装置の一例を示す説明図である。 1……ケン化物未延伸チユーブ状フイルム、2
……送入ピンチロール、3……圧力気体により膨
らんだ延伸前のチユーブ状フイルム、4……伸張
バブル、5……予熱加熱炉、6……熱風吹付エア
リング、7……赤外線ヒーター、8……冷却用エ
アリング、9……扁平ガイドロール、10……引
取ロール。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 エチレン−酢酸ビニール共重合体ケン化物の
    未延伸チユーブ状フイルムを周速度の異なる二組
    のニツプロール間に保持し、外部加熱装置による
    加熱及び内部の気体圧によつて同時二軸延伸する
    にあたり、含有水分率を2.0wt%以下に保たれた
    未延伸チユーブ状フイルムをして該未延伸チユー
    ブ状フイルムを50℃〜70℃に予熱する連続加熱帯
    域を5秒以内で通過せしめ、その後直ちに該チユ
    ーブ状フイルムの延伸開始点を70℃〜100℃に急
    加熱して縦横同時に二軸延伸する事を特徴とする
    エチレン−酢酸ビニール共重合体ケン化物のチユ
    ーブ状二軸延伸方法。
JP10066180A 1980-07-22 1980-07-22 Method for extending saponificated material of ethylene-vinyl acetate copolymerization into two tubular axes Granted JPS5725920A (en)

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