JPS6132520B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポンプの鋼板製羽根車取付装置の改良
に関するものである。

従来のこの種装置は第５図に示すごとく鋼板製
羽根車１の主板２をボス５に溶接して、このボス
を回転軸９に嵌合して、軸端中央部に突設したね
じ杆部１４に螺合した締付ナツト１５によりザガ
ネ１９を介して軸の段部１０に締付けて位置決め
し、羽根車１へのトルクの伝達をボス５と軸９と
の嵌合面に切つた溝２０，２１にキー２２を挿込
んで行うか、あるいはキー溝加工が軸の強度上困
難な細い軸の場合は第６図に示すように羽根車の
ボス５と軸９とをねじ合わせてボス５を軸の段部
１０に締付け、さらに必要に応じ締付ナツト１５
により締付けて、羽根車１の位置決めと、羽根車
へのトルク伝達とを行うようにしていた。

しかし、このようにすると、羽根車へのトルク
伝達は溶接部ａを介して行われるため、溶接強度
を充分にとる必要があり、溶接作業が面倒であつ
た。また第５図のものではキー溝２０，２１の加
工精度をだすのが面倒であるうえ、キーの組込作
業が面倒であつた。

また第６図のものではボス５と軸９のねじ合わ
せの精度がでないため羽根車を軸に組立つた状態
で面振れが大きくなつて、羽根車がケーシングに
あたる場合が多く、いづれも生産性、組立性に難
があつた。

本発明はこの点にかんがみ、生産性ならびに組
立性が良く、しかも取付位置の精度が良く、取付
強度の大きい鋼板製羽根車取付装置を提供するも
のである。

すなわち本発明は回転軸の一端に直径の小なる
円筒状の羽根車嵌合部を設け、この羽根車嵌合部
の先端面に軸方向へ向う切欠き凹部を円周方向に
複数個形成し、羽根車嵌合部に鋼板製羽根車を嵌
合させ、剛板製羽根車は主板が片面に羽根を有し
且つトルク伝達用凹部を有し、回転軸に設けた凹
部とトルク伝達用凹部とに嵌合する凸部を有する
締付ザガネを設け、この締付ザガネを軸方向へ押
圧しその係合を強固にするため回転軸の端部に突
設したねじ杆部に螺合した締付ナツトまたは回転
軸の端部にねじこんだ締付ボルト等の螺着手段を
設けたことを特徴とするものである。

次に本発明の詳細を図の実施例について説明す
る。

第１図〜第４図は本発明の一実施例を示すもの
で、１は鋼板製羽根車で、主板２と羽根３と側板
４とを溶接により一体に組合わせ、主板２の内周
部をボス５の端面の外周側切欠部６に係合させ
て、簡単な溶接例えばスポツト溶接により固定し
てある。そして上記手板の内周部表面にボス端面
の半径方向の溝７内に陥没する打出して形成した
トルク伝達用凹部８を円周方向に等間隔おいて４
個設けてある。

９は回転軸で、この回転軸９は一端に直径の小
なる円筒状の羽根車嵌合部２５を有しており、こ
の羽根車嵌合部２５の先端面に軸方向へ向う切欠
き凹部１３を円周方向へ等間隔で４個形成されて
いる。羽根車嵌合部２５には羽根車のボス５が嵌
合して、軸の段部１０に当接しており、これによ
り羽根車１の位置決めが行われている。

１１は羽根車締付ザガネで一側に周方向に等間
隔おいて４個の半径方向の打出し凸部１２が設け
られており、その外周側半部が上記羽根車の主板
内周部に設けたトルク伝達用凹部８に係合し、内
周側半部が羽根車嵌合部２５の先端面に設けた切
欠き凹部１３に係合している。そして、この締付
ザガネを例えば回転軸９の先端に突設したねじ杆
部１４と、このねじ杆部１４に螺合した締付ナツ
ト１５とによる螺着手段で羽根車の主板２に締付
けてあり、これにより羽根車１へのトルク伝達が
行われる。

本発明は上記のごとく羽根車を軸に嵌合し、軸
の段部に当接させて位置決めを行つており、軸径
にかかわらず精度の良い位置決めを行うことがで
きる。またトルクの伝達を締付ザガネの外周部と
内周部を羽根車の主板と軸端外周部とにそれぞれ
凹凸係合させ、これを軸端に突設したねじ杆部に
螺合した締付ナツトまたは軸端にねじこんだ締付
ボルトにより羽根車の主板に締付けて行つている
ので、従来の羽根車のボスと回転軸とのトルク伝
達をキーを介したり、回転軸を半月状に切欠いて
嵌合する場合に比べボスの軸方向長さを短くする
ことができる。更に上記羽根車の主板に設けたト
ルク伝達用凹部または締付ザガネに設けた凸部は
これら主板および締付ザガネのプレス成形時に同
時に設けることができるので、キーを介して行う
場合に比し、加工ならびに組立てが容易であると
共に、凹凸係合部を複数箇所に設けることができ
るので、伝達強度を増大できる。

また羽根車主板とボスとの溶接部には伝達トル
クが作用しないので、溶接強度を必要とせず溶接
作業が容易となり、生産性、組立性を向上でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す切断側面図、
第２図はその羽根車を取出して示す図面でイは切
断側面図、ロは正面図、第３図は締付ザガネを取
出して示す図面で、イは切断側面図、ロは正面
図、第４図は軸端部の形状を示す図面で、イは切
断側面図、ロは正面図、第５図および第６図はそ
れぞれ従来のものを示す切断側面図である。 １…鋼板製羽根車、２…主板、３…羽根、５…
ボス、８…トルク伝達用凹部、９…回転軸、１０
…段部、１１…締付ザガネ、１２…凸部、１３…
切欠き凹部、１４，１５…螺着手段としてのそれ
ぞれねじ杆部および締付ナツト、２５…羽根車嵌
合部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 回転軸の一端に直径の小なる円筒状の羽根車
   嵌合部を設け、該羽根車嵌合部の先端面に軸方向
   へ伸びる切欠き凹部を円周方向に複数個形成し、
   前記羽根車嵌合部に鋼板製羽根車を嵌合させ、該
   鋼板製羽根車は主板が片面に羽根を有し且つトル
   ク伝達用凹部を有し、前記回転軸に設けた凹部と
   前記トルク伝達用凹部とに嵌合する凸部を有する
   締付ザカネを設け、該締付ザカネを軸方向へ押圧
   し、その係合を強固にするための螺着手段を設け
   たことを特徴とするポンプの鋼板製羽根車取付装
   置。