JPS6132481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はサンダルとして従来品と比べ、その耐
用性と外観及び履き易さの向上を期し、かつ製作
工程の簡単化と低コスト化を図らんとするもので
ある。

サンダルは、周知のように台底上に中底更に中
天を貼設し、これに胛皮や台底上に花緒を付設す
る型式が通例であり、この場合従来は中底として
ボール紙などの厚紙による成型体を用いるのが常
であり、このため耐水性に乏しいと共に変形、型
崩れによる拡開等を生じ、特に夏季等はサンダル
表面の汚れや油等を落すため、水洗いや濡れ雑布
等で拭く時、水気の侵入付着によつて更にその中
底破損が生じる等の欠点があり、又弾力に乏しい
ため、履き心地も良好でない等の問題点があり、
製作に当つても、中底と中天の重合、周縁縁巻き
による縫着等、工数も多く手間が掛る等の不利も
ある。

本考案はこれらの欠点や不利を解消するために
工夫されたものであつて、以下図示の実施例につ
いてこれを詳述する。

第１，２図は本考案になるサンダ斜視図であつ
て、同図において１は台底、２は中底、３は中
天、４は胛皮（バンド）である。このさい胛皮
（バンド）としては他に花緒を用いてもよい。

上記サンダルで使用される中底の詳細は、第
３，４図に示される。こゝに中底２は合成樹脂発
泡材を用いて型成されてなり、且つその全周縁に
亘つて肉厚周縁５が形成され、また同周縁５によ
り囲まれた中天嵌入用凹部６が一体に凹設される
と共に、この凹部６内に合成樹材やレザー材その
他適宜の材料によつて形成された中天３が嵌め込
まれて、図例のように縫着７あるいは接着剤を介
して一体に貼設固定される。しかして、この中天
表面に対しては適宜の図形、模様等を施したもの
を用いることは自由である。

本考案品で中底２は第１，２，４図に例示する
ように、台底１の上面に接着されるのであり、こ
のさい胛皮（バンド）４の周縁や花緒の端部は台
底１と中底２の中間に介入固定させるのである。

第４図１に示したものは、従来品に於ける中底
例であつて、図示のようにボール紙による中底主
体１１にスポンジ板１２を重合し、更にこの上に
レザー等による中天１３を重ね、全周縁をレザー
縁１４によつて巻き込み、縫着１５するもので
は、耐水性に乏しくかつ形崩れや変形、拡開を生
じ易いものである。

上述の如く、中底２の主体を合成樹脂発泡材に
よつて形成したものでは、耐水性きわめて大で水
洗その他による損傷がなく、きわめて耐用性大で
ある。更にこれ自身の持つ弾性クツシヨンによつ
て履き心地もきわめて良好となる。又本考案では
中底２に肉厚周縁５を設けることにより、中天嵌
入用凹部６を形成し、これに中天３を嵌め込むよ
うにしてあるので、中天３はきわめて強固に一体
化されており、従つて肉厚周縁５の阻止により外
方へ移動や剥離を生じるおそれなく、しかも足乗
せ面は面一に平坦化されて足触りも佳良であり、
従来のようにレザー縁巻きの必要も全くなく、中
底自体もその全周縁に亘る肉厚周縁５は格好の補
強整形縁として働き、中底の変形拡開もなく、サ
ンダル全体の耐用性が格段に向上するものとなる
のである。

なお、中天３を入れ変えるだけでその模様、図
柄の変化により、各種外観のものを容易に量産で
きる利点もあり、これによつて合成樹脂製特有の
無味乾燥感をなくし、手造りの味を与えることも
できるのであり、水に強く、履き心地の良いかつ
耐用性に富むものである。

一方、本考案では中底２の底面を台底１の平坦
上面と同型同大の平坦底面として、台底１に積層
状に重合して接着固定する構造としたので、台底
１と強固に一体化でき、又台底１より剥離するお
それが皆無となる。

従来は中底２をゴム等のサンダル台底表面の凹
部内に嵌め込むことが多いが、これでは体重を受
けて接地する台底の摩耗と衝撃により、その凹部
を形成する台底周辺の突起壁状部分が外方に拡開
し、このため中底内に水気の侵入、接着剤の乾固
等を生じて中底の剥離を生じ易いのである。

他方、前述の通り中底２の凹部６内に中天３を
面一に嵌め込むことは、中底２と中天３の剥離の
おそれがないうえに、材料が合成樹脂、レザー等
の耐水性材料であることから、水気に対して充分
に強いと共に、中天３に付した模様、図形により
各種デザインのものが型押し等で容易に得られる
ものとなる。

更に本考案品では、胛皮（バンド）４の取付端
縁を台底１と中底２の上下両面間に挿着するの
で、充分な長さの取付端縁を挿入でき、しかも中
底２の発泡合成樹脂材の弾性によつてその取付端
縁の厚さを吸収し、中底２中天３の表面に挿入凹
凸を全く生じないのである。

又従来品と比べて製作容易で低コストの生産を
可能となし堅牢で履き易いサンダル製品を安価に
市販に供することのできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるサンダルの平面図、第２
図は同側面図、第３図は同中底の詳細図、第４図
は従来品と本考案品の横断対比図である。 １…台底、２…中底、３…中天、４…胛皮、５
…肉厚周縁、６…中天嵌入用凹部、７…縫着。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サンダル台底上に敷設する中底２を合成樹脂発
   泡材によつて形成し、一方爪先より踵まで一体物
   となした台底１の平坦上面に上記中底２の平坦底
   面を重合積層状に接着固定すると共に胛皮（バン
   ド）４の取付端縁はこの台底１の上面と中底２の
   底面間に挿入止着し、他方中底２の全周縁に亘つ
   て肉厚周縁５を形成するのほか、同周縁５により
   囲まれた中天嵌入用凹部６内に合成樹脂材、レザ
   ー材等の耐水性材料によつて形成されると共にそ
   の表面に図形、模様の付された中天３を肉厚周縁
   ５とその上面が同高であるように嵌設し、縫着７
   は接着により中天３と中底２とを一体化したこと
   を特徴とするサンダル。