JPS6132464Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動販売機における商品押出し装置を
より円滑にする商品押出装置の改良に関する。

従来、自動販売機の商品押出装置としては、ス
トツカー内に商品を前後二列状に縦方向に積上げ
収容し、循環回走されるチエーンに設けられた押
出し体によつて所定方向に順次、押出す方式のも
のがあつた。しかしながら、商品の製作誤差等に
よつて、第８図，に示される如く、押す側の
商品A₁が押される側の商品A₂の上の商品A₃に突
き当たり、商品押出し操作が円滑に行われないと
いう欠点があつた。そこで、この欠点を解消すべ
く、第５図に示される如く、前側商品C₂を後側
商品C₁より僅かに高位置とすべく、載置板１０
１上に傾斜段部１０２を設けたものがある。そし
て、第７図，に示される如く、押出し体１０
３により後側商品C₁が前方に押動され、前側商
品C₂が前方へ押出されると共に後側商品C₁が前
記傾斜段部１０２を介して前方へ押出される。従
つて、後側商品C₁の前端が、最下層の前側商品
C₂の上の商品Ｃに突き当たるおそれがない。し
かしながら、傾斜段部１０２に沿つて、後側商品
C₁が押動される構成であるため、押出し抵抗が
より大となり、負荷変動が大きく、また後側商品
C₁が斜め姿勢で押されるため、その上に積上げ
られた商品Ｃ重量と押出し力により、曲がり等の
損傷が発生する可能性も大である。

そこで、本考案は上記問題点を解消するもので
あり、その特徴とするところは、積上げられた商
品をその商品押出し方向前後に複数列収容するス
トツカー３と、前記商品が載置される平坦状の載
置板２と、該載置板２の下方に配置され、かつ横
軸回りに循環回走自在に設けられた無端回走体１
１と、該無端回走体１１に突設された押出し体２
３とを備え、前記無端回走体１１の回走を介し
て、載置板２に形成された切欠溝８より押出し体
２３が出没自在とされ、かつ前記ストツカー３内
の最下層商品に対する押出し体２３の当接押動を
介して商品を押出し自在とした自動販売機におい
て、前記最下層商品の押出し方向後端商品と前記
押出し体２３とが当接する際、切欠溝８より載置
板２上方に出没自在に突出して押出し方向に互い
に前後する前側商品の後端をその後側となる商品
の前端より高位置とすべく、押出し方向斜め上方
に押上げると共に、押出し操作途中で載置板２下
方に没入する押上げ体２８が無端回走体１１に備
えられた点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
ると、第１図及び第２図において、１はストツカ
ーベースで、自動販売機ケース本体内部に水平状
に備えられ、その上面を商品Ｂが載置される平坦
状の載置板２として構成している。３はストツカ
ーで、前記載置板２上に左右方向に適宜間隔を有
して立設された複数のストツカー仕切板４を備
え、この相隣る仕切板４，４相互間に商品収容空
間部５を画成する。６はストツカー背板で、各仕
切板４の後端に直角に曲成されて商品収容空間部
５の背後を閉塞しており、この背板６の下端６ａ
は前記載置板２より、商品Ｂの厚みより僅かに大
きい寸法だけ高い位置に設定されている。７は商
品落下防止ガイド板で、各仕切板４の前端に直角
曲成状に設けられており、このガイド板７の下端
７ａは前記載置板２より、商品Ｂの厚みより僅か
に大きい寸法だけ、高い位置に設定されている。
そして前記商品収容空間部５内にたばこ等の方形
状の商品Ｂが前後二列状に縦方向に積上げ載置さ
れている。前記載置板２には、第２図に示される
如く、商品Ｂの略中央部で前後方向略全域に渡る
細長状の切欠溝８が形成されており、該切欠溝８
の前・後部の下方に位置して駆動スプロケツト９
及び従動スプロケツト１０が横軸回りに回動自在
に夫々配設され、両スプロケツト９，１０間に駆
動チエーン１１（無端回走体）が循環回走自在に
張架されている。そして、前記駆動スプロケツト
９はモータ１２及び減速駆動機構１３を介して回
転駆動自在とされる。１４は商品落下感知スイツ
チで、ストツカーベース１前端に枢支された商品
受板１５の回動を介して感知作動される。１６は
売切れ感知スイツチである。

前記切欠溝８下方で、前記両スプロケツト９，
１０間に前後方向細長状のチエーンガイド１７が
固設されており、該チエーンガイド１７は、前記
上側チエーン１１の下側と僅かに離隔して底ガイ
ド面１８と、上側チエーン１１の両側と適宜離隔
して立設された側ガイド面１９，１９とから構成
され、底ガイド面１８の後端部に漸次下降する下
降傾斜面２０を備え、各側ガイド面１９，１９の
後端部は互いに漸次拡開する拡開面２１，２１を
備えている。また前記商品Ｂの前側商品B₂の後
端部下方に位置する前記底ガイド面１８に、前上
がり方向に漸次傾斜した切り起こし部２２が一体
形成されている。

前記チエーン１１の長さを等分する位置に夫々
押出し体２３，２３が突設されており、該押出し
体２３は第４図に示される如く、チエーン１１の
循環回走を介して、前記切欠溝８より出没自在な
適宜高さＨを有し、上部に商品Ｂと面接触自在な
商品押出部２４を備えている。そして押出し体２
３下部の左右一対の脚部２５，２５は、チエーン
１１の両側に配置され、互いに隣接したチエーン
１１の連結ピン２６，２６の両側突出部２７挿通
を介して取付け支持されている。また第１図に示
される如く、押出し体２３と適宜離隔して、前記
チエーン１１に一対の押出し体２８，２８が突設
されており、該押出し体２８は第３図に示される
如く、左右一対の脚部２９，２９が前記押出し体
２３と同様連結ピン２６，２６の両側突出部２７
挿通を介して取付け支持されており、押出し体２
８の高さｈは前記載置板２と底ガイド面１８間距
離より僅かに小とされており、押出し体２３が最
下層商品Ｂの後側商品B₁の後面に当接する際、
押出し体２８が底ガイド板１８の切り起こし部２
２上を前方に摺動し、押出し体２８の上部が切欠
溝８を介して、載置板２上方に突出し、前側商品
B₂の後端を押上げる押上げ機構を構成してい
る。

次に、商品押出し操作を説明すると、第６図
に示される如く、チエーン１１の循環回走を介し
て、押上げ体２８が商品Ｂの下方を商品押出し方
向Ｐ即ち、前方へ移動する。そして第６図に示
される如く、押出し体２８が切り起こし部２２に
到達し、第６図に示される如く、該切り起こし
部２２に沿つて押上げ体２８が前方斜め上方に持
ち上げられ、前側商品B₂の後端部を前方斜め上
方に押上げる。そしてこの際、押出し体２３が後
側商品B₁の後面に当接する。さらに前側商品B₂
の後端部が押上げられると共に、押出し体２３に
より前後両商品B₁，B₂が前方に押出され、その
後第６図に示される如く、押上げ体２８が切り
起こし部２２前端より、底ガイド面１８上に落下
し、前後両商品B₁，B₂が同一高さの状態で押出
し体２３により、さらに前方に押出され、商品Ｂ
を落下シユートを介して商品取出口に案内する。

本考案の実施例は以上のように構成されてお
り、押出し体２３が後側商品B₁に当接する際、
前側商品B₂の後端部を押上げ、その後端を後側
商品B₁の前端より高位置としているので、押出
し操作時において、後側商品B₁の前端が、最下
層の前側商品B₂の上の商品Ｂに突き当たるおそ
れがない。さらに、前側商品B₂の後端部を前方
斜め上方に押上げる構成とされているため、後側
商品B₁との間にすきまが生じ、後側商品B₁の前
端が前側商品B₂と共に押上げられるおそれもな
いので、抵抗少なく、円滑に前側商品B₂の後端
を上方に押上げることができる。また、前後両商
品B₁，B₂押出し操作途中において、押上げ体２
８が載置板２下方に没するので、以後同一高さの
状態で押出し操作され、以上のことから負荷変動
が少なく、押出し操作がより円滑に行われると共
に商品Ｂに曲がり等の損傷が生じるおそれもな
い。またチエーン１１に押出し体２８を設けた簡
単な構成であり、製作が容易である。

尚、前記実施例において、無端回走体としてプ
レート式チエーン１１を利用したものを示してい
るが、ベルトやリンクチエーン等を用いてもよ
い。また、実施例において、押出し方向に二列の
商品を積上げる形式のものを示しているが、三列
以上としてもよい。

以上のように、本考案は最下層商品の押出し方
向後端商品と押出し体とが当接する際、切欠溝よ
り載置板上方に出没自在に突出して押出し方向に
互いに前後する前側商品の後端をその後側となる
商品の前端より高位置とすべく、押出し方向斜め
上方に押上げると共に、押出し操作途中で載置板
下方に没入する押上げ体が無端回走体に備えられ
たものであり、円滑に前側商品の後端を上方に押
上げることができ、後側商品が前側商品の上の商
品に突き当たるおそれがなく、また押出し操作途
中で押上げ体が載置板下方に没入するため、以後
は平坦な載置板上を押出され、負荷変動が少な
く、押出し操作がより円滑に行われる。さらに商
品に曲がり等の損傷が生じるおそれもないという
利点を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側断面図、第２
図は第１図−線断面矢視図、第３図は第１図
−線矢視図、第４図は第１図−線矢視
図、第５図は従来例を示す側断面図、第６図は本
考案の実施例における押出し操作説明図、第７図
は第５図の従来例の押出し操作説明図、第８図は
他の従来例における押出し操作説明図である。 ２……載置板、３……ストツカー、８……切欠
溝、１１……駆動チエーン、１７……チエーンガ
イド、２２……切り起こし部、２３……押出し
体、２８……押上げ体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 積上げられた商品をその商品押出し方向前後に
   複数列収容するストツカー３と、前記商品が載置
   される平坦状の載置板２と、該載置板２の下方に
   配置され、かつ横軸回りに循環回走自在に設けら
   れた無端回走体１１と、該無端回走体１１に突設
   された押出し体２３とを備え、前記無端回走体１
   １の回走を介して、載置板２に形成された切欠溝
   ８より押出し体２３が出没自在とされ、かつ前記
   ストツカー３内の最下層商品に対する押出し体２
   ３の当接押動を介して商品を押出し自在とした自
   動販売機において、前記最下層商品の押出し方向
   後端商品と前記押出し体２３とが当接する際、切
   欠溝８より載置板２上方に出没自在に突出して押
   出し方向に互いに前後する前側商品の後端をその
   後側となる商品の前端より高位置とすべく、押出
   し方向斜め上方に押上げると共に、押出し操作途
   中で載置板２下方に没入する押上げ体２８が無端
   回走体１１に備えられたことを特徴とする自動販
   売機の商品押出装置。