JPS6132280B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は都市ごみ、下水スラジ、畜産廃棄物等
の堆肥化原料を処理する発酵槽の保守設備に関す
る。

密閉発酵槽にて堆肥化原料を処理するため切り
返えしを自動で行える装置を備えている場合、槽
内の装置の通常の保守は切り返えしを行う装置を
密閉発酵槽の端部に移動して作業者が発酵槽の高
温、ガス、臭気、粉塵にさらされないで行うよう
になされた密閉発酵槽が開発されている。処がこ
のような装置は切り返えし装置を運搬機械により
発酵室内を移動するものであるため、該運搬機械
が密閉した発酵室の保守点検を行うことのできる
端部の位置以外で故障により停止した場合の対策
が必要である。又、常時においても撹拌機の運搬
機械のレール、給電設備等も上述した密閉発酵槽
端部位置ではできないのである。発酵槽は内部が
高温、臭気、アンモニアガス等により、そのまゝ
では作業環境として耐えられる限度を越えており
極めて短時間しか作業できないものであり、以上
のような機械故障、レール、給電設備の保守の場
合に作業を行えるようにする必要がある。

従来から存する室の出入口に気流膜を形成する
エヤーカーテンの技術は発酵室内のような撹拌
機、投入機等を備える空間に備えることはこれら
装置類の機能を減殺するため又設置が容易でない
ため密閉発酵槽内の一部の作業環境の改善には適
当でない。

本発明は密閉発酵槽において内部の機械装置類
の主として故障の際における点検、修理及び発酵
槽端部に移動できない機器の通常の保守もよりよ
く行うことのできるように作業環境を確保する装
置を提供することを目的とするものである。

本発明は発酵槽中に走行装置、走行装置に担持
されて走行装置上を移動する台車を備えた横行装
置の台車に発酵槽中の原料の切り返えしを行う撹
拌機を備えたものにおいて、走行装置のレールの
ある側の発酵槽側壁に沿つて配管し、発酵槽走行
レールのある側の側壁内通路への複数の空気吹出
口及び走行装置上の位置に走行レールに平行して
閉止弁を介して開口する送気管を設け、走行装置
上に横行方向に前記送気管に連結できる配管をし
て該配管に並列して空気吹出口を設けたものであ
る。

以下、本発明の実施例を図面に従つて説明す
る。第１図は一部透視して示す発酵槽の略斜視図
である。

発酵槽は全体として密閉されており、四周が囲
まれ、天蓋が設けてあり、その中に装置がある。
１は発酵室、２は内部は第１図に示されていない
が発酵させるべき堆肥化原料を発酵室へ投入する
走行投入装置を備える投入室である。

発酵室１内両側には走行レール３，３が固定さ
れ、横行レール４を設置された走行装置５の両端
が走行レール３，３に図示されない走行車輪を介
して係合しており、該、走行車輪の同期駆動され
る走行駆動装置６，６が走行装置５に設けられて
いる。

横行レール４には台車７が図示されない車輪を
介して係合しており、台車７には台車７の横行駆
動装置８、台車７より垂下して先端に回転パドル
１１を設けた切り返えしを行う撹拌機の駆動モー
タ９が設けてある。走行レール３に沿つて走行装
置５への給電のためのトロリー線１０が張設され
ており、走行装置５に固定された受電用の受電器
１０′が係合している。走行装置５には台車７へ
の給電のためのトロリー線１５が張設されてお
り、台車７に固定された受電器１５′が係合して
いる。

１２は発酵室１の一側に設けた通路であり、通
路の側壁１３の一個所に通路側へ内倒しに開閉す
る回転パドル１１の通過を許す扉１３′が設けて
ある。

１４は発酵槽の槽底よりも低い位置に設けたベ
ルトコンベヤのような排出コンベヤであつて、そ
の下部が排出コンベヤ１４の保守点検を行う排出
コンベヤ室１４′となつている。

この発酵槽の切り返えしは回転パドル１１を駆
動モータ９を駆動して回転し乍ら走行装置５と台
車７夫々の走行レール３、横行レール４方向の運
動により発酵室１中の堆肥化原料を排出コンベヤ
１４側より符号１６で図示されるコースでくまな
く切り返えして扉１３′を開けて回転パドル１１
を通路１２に入れ、通路中を戻して、排出コンベ
ヤ１４上より再び堆肥化原料中に入るものであ
る。

堆肥化原料は走行投入装置のある投入室２のス
リツト１７より投入される。

第２図は投入室２の平面図である。投入室２は
走行投入装置１８を備えた機械室１９と左右の点
検室２１，２２に分かれており、間は扉２３，２
４により通行できるようになつており、点検室２
１，２２は扉２５，２６を備えており、点検室２
１，２２の発酵室１側隔壁には走行駆動装置６の
高さに夫々図示されない扉を備えた点検口２７が
設けてある。又、点検室２２には通路１２への出
入口２８が設けてあり扉が附されている。機械室
１９の発酵室１側隔壁にスリツト１７があり、走
行投入装置１８は密閉構造のコンベヤ２９より送
られる堆肥化原料を図示矢印の方向に交互に送る
コンベヤ３１上に落し、コンベヤ３１端部より、
コンベヤ３１の両端部下の何れかの回転パドル３
２に落して矢印３３方向に飛散させる。コンベヤ
３１、回転パドル３２はレール３４上を往復動す
る台車３５上にあり、台車３５とコンベヤ３１を
関連動作させて台車３５を送つて堆肥化原料を回
転パドル３２によりスリツト１７を通じて発酵室
１中にできるだけ広くまんべんに散布するように
なつている。スリツト１７には開閉扉が附される
場合もある。

点検室２１，２２には送風機３６により大気を
送り込めるようになつている。

通常の点検整備の場合は機械室１９についてか
扉２５，２６を閉め、扉２３，２４をあけ、点検
口２７、出入口２８を閉め、スリツト１７に開閉
扉がある場合はそれを半閉する。送風機３６を運
転することにより機械室１９には大気が送り込ま
れ、発酵室１の影響を受けて高温となつている室
温は下り、スリツト１７より発酵室１へ流れる大
気により、少くとも発酵室１中より、アンモニヤ
ガス等のガスが逆流せず、臭気も緩和される。

走行装置５、台車７の点検整備は投入室２側ま
で走行装置５を移動し、台車７は通路１２側端部
まで移動し、点検口２７より点検整備を行う。そ
の際、扉２３，２４，２５，２６出入口２８の扉
は閉つており、送風機３６が運転されているので
点検口２７より発酵室１に向つて吹出すので、走
行駆動装置６、台車７及びその上に担持する機器
は吹出風に蔽われる。吹出範囲にわたつて温度は
低く、堆肥より発生するガス、臭気にさらされる
ことが防止される。回転パドル１１の点検整備は
点検室２２の扉２４，２６、点検口２７を閉めて
出入口２８の扉を開いて送風機３６の運転の下に
行なうので大気は出入口２８の開口より通路１２
に向つて吹出し回転パドル１１を蔽う。そこで作
業者は大気の吹出しの中で作業を行うことができ
る。尚、スリツト１７に開閉扉がある場合はスリ
ツト１７を閉じて点検室２１側の送風機３６を運
転して扉２３，２４のみを開けて、送風機３６を
二台用いてもよい。

以上は通常の点検整備であるが、例えば走行装
置５が発酵室１の途中にて故障して停止した場
合、及びトロリー線１０，１５の保守点検は上述
した投入室２側よりの作業はできないのである。

第３図は第１図において本願発明の装置部分を
抽出して示す平面図、第４図は発酵槽の側壁の断
面図であつて第３図のイ部である。発酵槽側壁に
沿つて通路用空気配管３７が通路上ほぼ人の顔位
の高さにある通路１２へ一様に吹出す適度の間隔
で配されたルーバ３８に吹出口３９を配してあ
る。吹出口３９はダンパーを備えて吹出量を加減
するようにしてもよい。通路用空気配管３７は大
気を送入する送風機４１の吐出口につながれてい
る。走行装置用空気配管４２が発酵室１の壁面を
貫通して走行装置５よりも高い一定位置に並列し
ている。走行装置用空気配管４２には開閉弁を備
えてもよい。４３は可搬式の送風機であつて吐出
口よりホース４４により何れかの走行装置用空気
配管４２に選択的に連結されるようになつてい
る。或は第１図に第３図と異つて示されるように
空気配管４２は一本の送風機４３に連結されてい
る配管４８より開閉弁４９を介して分岐してもよ
い。

走行装置５には台車７の移動方向に走行ビーム
上配管４５が設けてあり、夫々開閉弁を介して吹
出口４７が並列している。該吹出口４７は走行装
置５上の作業者に吹付ける方向、位置に設けられ
ており、適度に空気が分散する吹出ノズルを備え
ている。図示では走行ビーム上配管４５は投入室
２に近い方の側に設けてあるが反対側でも差支え
なく、通常、安全のために備える走行装置５のビ
ームに沿つて固定した片側の手すり（図示されな
い）と一体に構成するか又は手すりに取付けられ
る。

走行装置５が発酵室１の投入室２端以外で故障
により停止したり、或は走行レール３、横行レー
ル４、トロリー線１０，１５の点検整備を行う場
合は送風機３６，４１，４３を運転する。作業者
は出入口２８の扉をあけて出入口２８より吹出す
大気中を通路１２へ出て、吹出口３９よりルーバ
３８をとおつて吹出している大気を受け乍ら走行
装置５の下にくる。走行装置５に備える様子又は
梯子を搬入して通路１２上より走行装置５上に上
り、走行装置用空気配管４２と走行ビーム上配管
４５端とをホースで連結する。このホースは予め
走行ビーム上配管４５に片側が連結されている。
続いて該配管に空気を送るため、外部にて送風機
４３と吹出口４２を結ぶか（第３図）、開閉弁４
９（第１図）を開く。走行ビーム上配管４５には
空気が送られ、吹出口４７の開閉弁を開くと走行
装置５上の作業者は吹出す導入大気中で作業がで
き、高温とガス、臭気より防護される。

以上のとおり、発酵室の側壁に沿つて配した通
路用配管により通路中に大気を吹出し、又、走行
装置上の高さに位置して走行装置用配管の吹出口
を並列して備えて走行装置のビーム上配管に連結
可能とし、走行装置のビーム上配管に走行装置上
に吹出す吹出口を配したから、故障その他により
走行装置が投入室側端以外で停止してしまつた
が、給電装置の点検整備の際には通路をとおり、
走行装置上に上り、走行装置上では台車及び横行
駆動装置、回転パドルの駆動装置、横行用のトロ
リー線、その受電器、走行駆動装置、走行用トロ
リー線の一部とその受電器、横行用のレール、走
行レールの一部の点検、整備が吹出す大気中で行
われ、作業者は包まれ高温、ガス、臭気より防護
される。

尚走行ビーム上配管４５への大気の送入は実施
例に限定されない。例えば走行装置５の移動方向
にケーブルチエンにより担持して走行装置５に追
従するホース端を走行ビーム上配管４５に結合し
てもよく、又、走行レール３に平行して発酵室天
井にレールを設けてレール上を移動可能なガイド
クリツプにエヤーホースを蛇腹式に係止してエヤ
ーホース端を走行ビーム上配管４５に結合しても
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の斜視図、第２図は第
１図の一部平面図、第３図は本発明の実施例の要
部を示す平面図、第４図は第３図のイ部拡大図で
ある。 １……発酵室、２……投入室、３……走行レー
ル、４……横行レール、５……走行装置、６……
走行駆動装置、７……台車、８……横行駆動装
置、９……駆動モータ、１０……トロリー線、１
０′……受電器、１１……回転パドル、１２……
通路、１３……側壁、１３′……扉、１４……排
出コンベヤ、１５……トロリー線、１５′……受
電器、１６……コース、１７……スリツト、１８
……走行投入装置、１９……機械室、２１……点
検室、２２……点検室、２３……扉、２４……
扉、２５……扉、２６……扉、２７……点検口、
２８……出入口、２９……コンベヤ、３１……コ
ンベヤ、３２……回転パドル、３３……矢印、３
４……レール、３５……台車、３６……送風機、
３７……通路用空気配管、３８……ルーバ、３９
……吹出口、４１……送風機、４２……走行装置
用空気配管、４３……（可般式の）送風機、４４
……ホース、４５……走行ビーム上配管、４７…
…吹出口、４８……配管、４９……開閉弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 密閉発酵槽内に槽内の堆肥化原料の撹拌を行
   う撹拌機と横行駆動装置を備えた台車と係合する
   横行レールを備えた走行装置を槽内側壁に設けた
   走行レールに係合し、撹拌機の戻り通路を槽内側
   壁通路下に設け、発酵槽側壁に並列して槽内側壁
   通路に大気を送入する吹出口と、走行装置の横行
   レールに平行して走行装置上に大気を吹出す吹出
   口を並列して夫々大気を送入する配管を設けた堆
   肥発酵槽。