JPS6132014B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気的表示による心電図診断装置に係
り、特に患者の心電図から読みとれる症状および
徴候群に関する情報から客観的にしかも迅速に疾
患名を判断できる心電図診断装置に関する。

一般に心電図の正確な解析判断には、長年の訓
練と経験とが必要とされるほか、診断基準が不明
確なことから同一の心電図であつても判読者によ
つて診断結果が一致しないなどの欠点を有してい
た。

本発明の目的は、心電図から読みとれる患者の
症状に関する情報に基づいて、その患者の疾患名
を客観的にしかも迅速に判断できる電気的表示に
よる心電図診断装置を提供することにある。

しかして、本発明によれば、上記目的は心電図
から読みとれる症状群の各々について肯定否定を
問い、これらデータを基にして電気的に疾患名を
探索し、その結果を表示するようにすることによ
つて達成される。

本発明による、患者の心電図から読みとれる心
電図波形及び心電図調律の症状から心臓病の疾患
名を診断する装置は、 (1) () 前記症状に関する必要な全ての質問項
目、それぞれの質問項目に対する肯定及び否
定、並びに該症状群の組合せから推定される
べき前記疾患名（正常を含む）を示す区分を
有し、 () 該区分のそれぞれにはどの質問項目区
分、肯定・否定区分あるいは疾患名区分に入
力したか、又は該当するかを表示する表示手
段が備えられ、かつ () 前記肯定・否定の区分及び疾患名の区分
は、それを操作することにより信号を入力す
るスイツチ釦である操作盤と、 (2) () 前記肯定、否定のスイツチ釦を操作し
て入力された信号を、入力した肯定又は否定
の区分の表示手段に出力すると共に、シフト
レジスター及びラツチレジスターに出力する
症状入力表示回路を有し、 () 該症状入力表示回路の出力信号により、
次に答えるべき質問項目区分の表示手段に出
力するシフトレジスターを有し、 () 前記症状入力表示回路の出力信号により
各質問項目に対する肯定、否定のいずれの判
定が入力されたかを記憶するラツチレジスタ
ーを有し、 () 該ラツチレジスターは必要に応じてどの
質問項目に、肯定又は否定の判定をしたかを
表示するため、前記症状入力表示回路及びシ
フトレジスターに出力し、それぞれの表示手
段に出力するものであり、 () 該ラツチレジスターの出力信号により各
質問項目の肯定、否定の組合せにより該当す
る疾患名を判断するマトリツクスＡを有し、 () 該マトリツクスＡの出力信号により疾患
名区分の表示手段に出力する疾患入力表示回
路を有し、 () 該疾患入力表示回路は疾患名区分の入力
スイツチ釦を操作することにより入力され、
入力した疾患名区分の表示手段に出力すると
共に、マトリツクスＢに出力するものであ
り、 () 該疾患入力表示回路の疾患名の出力信号
により、該疾患名の指定することにより対応
する質問項目の肯定、否定を判断するマトリ
ツクスＢを有し、 () 前記症状入力表示回路は該マトリツクス
Ｂの出力信号により、該当する質問項目の肯
定又は否定区分の表示手段に出力するもので
もあるように構成された回路と からなる心電図診断装置である。

図について説明すれば第１図は本発明の操作盤
の配列の一例の説明図、第２図は各回路の接続態
様を示した系統図、第３図は心電図のモデル図、
第４図は質問項目の具体的な一例を示す図、第５
図は疾患名の具体的な一例を示す図である。

第３図のモデル図に示す如く、心電図はＰ波、
Ｒ波、Ｔ波等を有し、Ｐ波は心房の収縮開始、Ｒ
波は心室の収縮開始、Ｔ波は心室の拡張開始に
夫々対応している。しかして心電図をとるための
電極の位置（即ち電流の流れる方向）を誘導とい
い、番号等をつけて種類を区別している。例えば
第一誘導（と記載する）とは左手から右手に、
第二誘導（と記載する）とは左足から右手に、
第三誘導（を記載する）とは左足から左手に
夫々誘導するものである。これら以外にも色々な
誘導が行なわれている。しかして各誘導毎に得ら
れた標準波形はきまつていて、疾患によつて起る
波形の歪も判つている。そこでこの発明では所望
の誘導によつて得られた波形をみて、操作盤上の
質問項目にあてはめて、肯定、否定を決定する。
そうして順次肯定、否定の釦を押してゆくことに
よつて、疾患名が判るようになつている。

操作盤上に各種症状の肯定、否定のスイツチが
あり、例えば整脈の症状群とこれに対応するラン
プ付スイツチ群及び症状群を表示するランプがあ
る。ウエーブフオーム（Wave Form）の釦１を
押すと症状入力表示回路（）は待受の状態とな
る。スタートの釦２を押すと質問事項の第１番目
の枠９が点灯する。そしてその質問事項に対して
肯定か否定かの判定後、肯、否いずれかのスイツ
チを押すと、信号はシフトレジスター（）及び
記憶回路（）に入り、一時記憶される。シフト
レジスター（）よりの信号と記憶回路（）と
により次に答えるべき症状（質問事項）のランプ
が点灯する。以下順次上記の操作を次に質問すべ
き個所のランプがつかなくなるまで続行する。

第４図には、操作盤上の質問項目の一例を示
し、９，９_１，９_２……に「第１誘導または第２
誘導または第２誘導でＰ波の巾が0.11秒（2.75
mm）以下か。」「第１誘導でＰ波は上向きである
か。」「第２誘導または第３誘導でＰ波の高さは
2.5mmよりも短いか。」……等の項目が記載されて
いる。又１０は肯定のボタン、１１は否定のボタ
ンである。質内容はこのように波形を細かく分析
し、具体的になつているので、熟練、不熟練を不
問正確なかつ一致した判定ができる。

質問が終了すると、エンド（End）の釦３を押
せば、記憶回路（）よりの信号にて否定症状の
項にランプが点灯する。診断の釦４を押すと記憶
回路（）の信号ががマトリツクス回路Ａ（
ａ）に入り、疾患入力表示回路（）を経て操作
盤上の疾患名のランプを点灯させる。次にまず釦
１を押した後操作盤上の否定症状のみのスイツチ
を押す。押された症状にはランプが点灯すると同
時に信号はシフトレジスター（）を通らずに記
憶回路（）に入る。全症状についての操作が終
つたら釦４を押すと、記憶回路（）よりの信号
はマトリツクス回路（ａ）を通り推定疾患名の
ランプが点灯する。

第５図に疾患名の一例を示し、１２の枠に
「WPW症候群」「PQ短縮」「PQ延長」……等が記
載されている。

また釦１を押し、逆に疾患名の釦を押すとラン
プが点灯する。そこでマトリツクスＢ（ｂ）に
信号が入るクリテリア（Criteria）の釦５又は
５′を押すとマトリツクスＢ（ｂ）より症状名
のうち否定に相当する症状（質問事項）の個所に
ランプが点灯する。

以上の様に症状群を表示する区分の各々につい
て肯定、否定をスイツチで入れることにより簡単
に誤りなくランプ表示にて迅速に疾患名を判断で
き、また疾患名の誤りを確認のために症状基準を
再確認することが容易である。

次に本発明の心電図診断装置の操作について具
体的に説明する。装置の使用に当つてはまず電源
と装置が接続するようにパワーの釦６を押すと、
釦６のライトが点灯し、電源と接続したことを示
す。

つづいて各々の場合の操作手段を説明する。

(A) 整脈の診断(1)、（プログラム方式） (a) ウエイブフオーム釦１を押す。釦１のスイツ
チの部分のライト点灯。

(b) スタート釦２を押す。すると質問項目の第１
番目である９の個所に点灯する。

(c) 第１番目の質問項目に肯定なら釦１０を、否
定なら釦１１を押す。すると９のライトは消え
９〜９ｎの内に次に答えるべき質問項目の個所
にライトがつく。

(d) 次の質問項目の個所の釦１０か１１を押すと
その項目個所のライトは消え、次の質問項目の
個所にライトがつく。

(e) このようにして次々に質問項目に肯定か、否
定かを答えてゆき、必要な質問が終了したら次
の質問個所のライトがつかないので、質問が終
了したことが判る。

(f) 質問が終了したらエンドの釦３を押す。する
と質問項目のうち否定の答えをしたものの項目
のみにライトがついてチエツクをすることがで
きる。

(g) 上記のチエツクが終つたら診断のボタン４を
押すと該当する疾患名１２のところにライトが
つく。

(h) 最後にクリヤーの釦７を押すとライトは凡で
消える。

(B) 整脈の診断(2)（マニユアル方式） (a) ウエーブフオーム釦１を押す。ライトがつ
く。

(b) 質問項目９〜９ｎの内、否定のものだけその
項目の否定の釦１１を押す。押した項目のとこ
ろだけライトがつく。

(c) 診断釦４を押す。すると該当する疾患名１２
のライトがつく。（もし質問項目を何も押さな
いで釦４のみを押せばノウマル（Normal）と
いう表示１３にライトがつく。） (d) 釦７を押せばライトは凡て消える。

(C) 不整脈の診断(1)（プログラム方式） (a) リズム（Rythm）の釦３を押す。ライトが
つく。

(b) スタートの釦２′を押す。すると第１番目の
質問項目である１４にライトがつく。

(c) 第１番目の質問項目１４に肯定なら釦１５、
否定なら釦１６を押す。すると次に答えるべき
質問項目の何れかにライトがつく。（答が肯定
か否定かによつて次にくる質問項目が変つてく
るので、必ずしも操作盤の配列の順にはならな
い。） (d) 以下順にライトのついた質問項目に肯定か否
定かの釦を押してゆく。

(e) 質問が終了したら質問項目の次のライトがつ
かなくなるので、エンドの釦３′を押す。する
と質問項目の内否定と答えたもののみライトが
つくので、チエツクすることができる。

(f) そこで診断の釦４′を押すと、該当する疾患
名１７のところにライトがつく。

(g) クリヤー釦７′を押すと、ライトは凡て消え
る。

(D) 不整脈の診断(2)、（マニユアル方式） (a) 釦８を押す。ライトがつく。

(b) 質問項目１４〜１４ｎの内、否定の項目のみ
否定釦１６を押す。

(c) 診断釦４′を押す。該当する疾患名のところ
にライトがつく。（質問項目に何も答えず、釦
４′のみを押せばノウマル（Normal）１８のと
ころにライトがつく。） (d) クリヤー釦７′を押すとライトは凡て消え
る。

(B) 診断結果の見直し。

前記の各々の操作順序で診断名が１２又は１７
のところに出たら次のやり方で、この操作にミス
がなかつたかどうかを見直すことができる。

(a) 整脈の場合は１、不整脈の場合は８の釦を押
す。

(b) 整脈の場合はクリテリヤ釦５、不整脈の場合
は釦５′を押す。すると質問項目９〜９ｎ（釦
５を押したとき）、又は質問項目１７……の
内、否定に該当するもののライトがつく。これ
によつて質問項目の釦の押し方が正しかつたか
どうかの見直しができる。

(c) クリヤー釦７（整脈の場合）又は７′（不整
脈の場合）を押せばライトは凡て消える。

なお、操作が終了したら、パワー釦６を押せ
ば装置は電源との連結が断たれる。

本発明の装置は以上のような構成であつて、簡
単な操作で正確に診断を下すことのできる心電図
診断装置を得たものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置の操作盤の配列の一列の説
明図。第２図は電気系統図。第３図は心電図のモ
デル図。第４図は質問項目の具体的な記載例を示
す図。第５図は疾患名の具体例を示す図を夫々示
す。 符号の説明、１…ウエーブフオーム釦、２，
２′…スタート釦、３，３′…エンド釦、４，４′
…診断釦、５，５′…クリテリヤ釦、６…パワー
釦、７，７′…クリヤー釦、８…リズム釦、９〜
９ｎ，１４…質問項目表示、１３，１８…ノーマ
ル表示、１２，１７…疾患名表示。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 患者の心電図から読みとれる心電図波形及び
   心電図調津の症状から心臓病の疾患名を診断する
   装置において、 (1) () 前記症状に関する必要な全ての質問項
   目、それぞれの質問項目に対する肯定及び否
   定、並びに該症状群の組合せから推定される
   べき前記疾患名（正常を含む）を示す区分を
   有し、 () 該区分のそれぞれにはどの質問項目区
   分、肯定・否定区分あるいは疾患名区分に入
   力したか又は該当するかを表示する表示手段
   が備えられ、かつ () 前記肯定、否定の区分及び疾患名の区分
   は、それを操作することにより信号を入力す
   るスイツチ釦である操作盤と、 (2) () 前記肯定、否定のスイツチ釦を操作し
   て入力された信号を、入力した肯定又は否定
   の区分の表示手段に出力すると共に、シフト
   レジスター及びラツチレジスターに出力する
   症状入力表示回路を有し、 () 該症状入力表示回路の出力信号により、
   次に答えるべき質問項目区分の表示手段に出
   力するシフトレジスターを有し、 () 前記症状入力表示回路の出力信号により
   各質問項目に対する肯定、否定のいずれの判
   定が入力されたかを記憶するラツチレジスタ
   ーを有し、 () 該ラツチレジスターは必要に応じてどの
   質問項目に、肯定又は否定の判定をしたかを
   表示するため、前記症状入力表示回路及びシ
   フトレジスターに出力し、それぞれの表示手
   段に出力するものであり、 () 該ラツチレジスターの出力信号により各
   質問項目の肯定、否定の組合せにより該当す
   る疾患名を判断するマトリツクスＡを有し、 () 該マトリツクスＡの出力信号により疾患
   名区分の表示手段に出力する疾患入力表示回
   路を有し、 () 該疾患入力表示回路は疾患名区分の入力
   スイツチ釦を操作することにより入力され、
   入力した疾患名区分の表示手段に出力すると
   共に、マトリツクスＢに出力するものであ
   り、 () 該疾患入力表示回路の疾患名の出力信号
   により、該疾患名の指定することにより対応
   する質問項目の肯定、否定を判断するマトリ
   ツクスＢを有し、 () 前記症状入力表示回路は該マトリツクス
   Ｂの出力信号により該当する質問項目の肯定
   又は否定区分の表示手段に出力するものでも
   ある。 ように構成された回路と からなる心電図診断装置。