JPS6131942Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、底板の周囲に前、後板および両側板
を連成しかつ後板に、差込片を両端に有する蓋板
を連成してなる箱体において、両側板の内側に
夫々案内片を対設し、前記蓋板の差込片が嵌入し
うる案内溝を形成することを基本として、箱強度
を向上させうるとともに、閉蓋時、収容された商
品が差込片により損傷される恐れを確実に回避で
き、しかも製造、組立も簡易である組立箱に係
り、以下その一実施例を図面に基づき説明する。

図において本考案の組立箱１は、一枚の厚紙
等、例えば厚手のボール紙、段ボール又は合成樹
脂板等を素材とし、矩形板状をなす底板２の長辺
側２辺縁に折目３，４を介して前板５および後板
６を連成するとともに、短辺側２辺縁には、折目
９，９を介して側板１０，１０を連成し、該前、
後板５，６、側板１０，１０は、その起立により
容器部Ａを形成しうるごとく連成されている。

前板５には、小幅の連結片１１および前板５内
側に折返し重合できかつその両端は素材厚さより
稍大なる長さＬだけ短かく形成した折返し前板１
２を、折目１３，１５を介して順次連成し、該連
結片１１の両端には、前板５を折返し前板１２に
連続させるべく三角形状の切欠部１６を設けてい
る。又折返し前板１２の先端両側には、折目３部
に穿設した透孔１７に嵌入しうる突片１９を突出
する。

後板６には折目２０を介して、両端が略素材厚
さ分だけ短かくかつ前記底板２と略同幅寸度を有
する蓋板２１を連成し、その先端略中央には、前
記連結片１１略中央に穿設した差込孔２２に差込
まれる差込舌片２３を突出し、該差込舌片２３の
差込、係止により施蓋可能とする。

又側板１０の前端には折目２５を介して前板５
幅と略同長さを有しかつ前板５と折返し前板１２
との間に挾み込まれる折込片２６を連設する一
方、その後端には折目２７を介して、後板６を越
え蓋板２１側に稍延びる長さ寸度を有し、案内片
２９と荷こぼれ防止片３０とを形成する折曲片３
１を連設する。該折曲片３１には、その内端縁３
２の後板６との対向部位略中央から、折目２７に
向かつて略Ｌ字状に折曲がり、かつその先端が折
目２７から、前記長さＬだけ離れた位置にまで至
る切込み３３を切設し、かつ該切込み３３先端か
ら外端縁３５に向かう折目３６を、前記折目２７
と間隔Ｌを隔てて設けることにより、折目２７を
介して側板１０に連設されかつ後板６内面に重合
する前記荷こぼれ防止片３０と、折目２７，３６
を介して側板１０に連設される前記案内片２９と
を形成する。従つて該案内片２９は、折目９に沿
つて起立させた側板１０と平行に小間隔Ｌを隔て
て対向し、案内片２９内端縁３２に突設した突片
３７を折目９部に穿設した透孔３９に嵌入、固定
することにより、底板２に止着される。

又前記折返し前板１２の両端には、側板１０の
幅寸度と略等しい長さ寸度を有する案内片４０が
折目４１を介して連設され、該案内片４０は、前
述した切欠部１６の寸法関係から、起立した側板
１０と平行にかつ略小間隔Ｌを隔て、前記案内片
２９と略一直線上をなすごとく配設される。又該
案内片４０は前記案内片２９と同様に、その端縁
に突出した突片４２を折目９部に穿設した透孔４
３に嵌入、固定することにより底板２に止着され
る。なお案内片２９と案内片４０との長さの和
は、予め底板２の幅寸度に略等しく設定し、従つ
てその先端部４４，４４は略接触するごとくな
す。

さらに前記蓋板２１の両端には、側板１０と案
内片２９，４０との間に形成される案内溝４５に
嵌入できかつ側板１０幅と略同幅寸度を有する差
込片４６，４６を、折目４７，４７を介して連設
する。

上記構成からなる組立箱１を組立てるに際して
は、通常第２図に示すように先ず側板１０を起立
せしめ、次いで折曲げ片３１を折目２７に沿つて
内方に直角に折曲げて、荷こぼれ防止片３０を折
目２０に沿つて配設し、さらに折目３６に沿つて
案内片２９を内方に向け荷こぼれ防止片３０と直
角に折曲げ、前記のごとく該案内片２９を底板２
に止着する。この状態で前記のごとく、案内片２
９は側板１０と平行にかつ略小間隔Ｌを隔てて配
設される。又折込片２６を折目２５に沿つて内方
に直角に折曲げ、折目３に沿わせて配設する。

次に第３〜４図に示すように前板５を起立せし
め、前記折込片２６を該前板５内面に重合させた
後、折返し前板１２を内側に折返し、前板５内面
に重合させ、該前板５と折返し前板１２との間に
折込片２６を挾み込む。そして折返し前板１２の
前記突片１９，１９を前記透孔１７，１７に嵌
入、固定することにより、該折返し前板１２を底
板２に止着する。そのとき同時に、案内片４０，
４０を夫々折目４１，４１に沿い外方に向け該折
返し前板１２と直角に折曲げ、側板１０と平行に
配設し、前記のごとく該案内片４０を底板１２に
止着する。この状態で側板１０と案内片２９，４
０との間に前記案内溝４５が形成される。

そして最後に後板６を起立させると（このとき
その内面に前記荷こぼれ防止片３０が重合され
る）、前記容器部Ａが形成され、該容器部Ａの開
口部４７を蓋板２１により閉蓋しうる組立箱１を
第４図に示すごとく組立てうる。該閉蓋時、蓋板
２１と直角に、折目４７に沿つて折曲がる前記差
込片４６は、第４図に一点鎖線で示すごとく除々
に案内溝４５に案内され、第５図に拡大して示す
ごとくその全体が案内溝４５に嵌入する。

このように本考案の組立箱１は、底板２の周囲
に前、後板５，６および両側板１０，１０を連成
しかつ後板６に、差込片４６，４６を両端に有す
る蓋板２１を連成してなる箱体において、前記前
板５に折返し前板１２を重合するとともに、前記
側板１０と案内片２９，４０とにより前記蓋板２
１の差込片４６が嵌入しうる案内溝４５を形成す
る構成とした結果、その前面部は二重構造（特に
コーナ部分は三重構造）を有し両側面部は三重構
造として形成されるため、一重構造のものあるい
は単に前面部のみを二重構造としたものに比し、
その耐圧強度を著しく増大させることができる。
又蓋板２１の差込片４６は案内溝４５に案内され
該案内溝４５に嵌入するため、極めて円滑に閉蓋
でき、しかも第４〜５図において一点鎖線で示す
ごとく、容器部Ａに、例えばコンデンサ、抵抗器
等、変形しやすい、リード線等の突起部を有する
電子部品を収納したばあいにも、案内片２９，４
０がかかる商品４９を保護し、閉蓋時、差込片４
６により商品４９が損傷を受けるおそれを確実に
回避しうる。又第４図において一点鎖線で示すご
とく容器部Ａに組仕切５０を挿入するばあいにお
いても、その各端部５０ａ…を案内片２９，４
０、２９，４０内面と略密着させ、従つて組仕切
５０を容器部Ａの所定位置に定置させうるため組
仕切５０の移動によつて差込片４６と組仕切５０
とが衝合し、閉蓋が防げられるといつたこともな
い。さらに本考案の組立箱１は、一枚の厚紙等の
素材を裁断することにより製造できるため、その
製造、組立ては簡易である。

なお前記実施例で示したごとく、後板６の両端
部近傍内面に重合する荷こぼれ防止片３０を側板
１０に連設するばあいには、組立箱１背部のコー
ナ部分からの商品の荷こぼれを確実に防止するこ
とができる。

又本考案の組立箱１において両案内片２９，４
０の先端部４４，４４間には、差込片４６を案内
溝４５に嵌入する際、収納された商品が差込片４
６により損傷されない範囲で多少の隙間が生じて
いてもよい。なお本考案の組立箱１は前述した電
子部品等の他、例えば袋詰めされた、粒材、粉
材、小型部品等の集合体を収納するために好適に
用いうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる組立箱の展開図、第２
〜３図はその組立途中の斜視図、第４図はその完
成斜視図、第５図は完成された組立箱の閉蓋状態
の断面図である。 １……組立箱、２……底板、５……前板、６…
…後板、１０……側板、１２……折返し前板、２
１……蓋板、２６……折込片、２９，４０……案
内片、４５……案内溝、４６……差込片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底板２の対向２辺縁に前板５および後板６を連
   成し、前板５には該前板５内側に折返し重合でき
   その先端縁が底板２に止着される折返し前板１２
   を連成するとともに、後板６には蓋板２１を連成
   する一方、前記底板２の他の対向２辺縁には側板
   １０を連成し、該側板１０の前端には、前板５と
   折返し前板１２との間に挾み込まれる折込片２６
   を連設するとともに、該側板１０の後端には、該
   側板１０の内面と略平行にかつ小間隔を隔てて対
   向する案内片２９を連設し、又前記折返し前板１
   ２の両端には該側板１０の内面と略平行にかつ前
   記案内片２９と略一直線上をなすごとく配設され
   る案内片４０を連設し、両案内片２９，４０は共
   に底板２に止着する一方、その両先端部４４，４
   ４が略接触するごとくなし、さらに前記蓋体２１
   の両端には、側板１０と案内片２９，４０との間
   に形成される案内溝４５に嵌入しうる差込片４６
   を連設してなる組立箱。