JPS6131807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は加工材の被加工曲面に複数のパツドを
踏在して被加工曲面の曲面形状に摺つて研削研磨
を施す木工用曲面ベルトサンダーに関する。

従来の波状形の被加工曲面を研磨する木工用曲
面ベルトサンダーは第１〜３図に示すように三角
配置した駆動ローラａと従動ローラｂ，ｂにサン
デイングベルトｃを周設し、前記従動ローラｂ，
ｂ間のサンデイングベルトｃの直線走行部を送材
通路に臨ませ、その走行部の裏面から加工材ｘの
被加工曲面ｙに、その部分曲面と対応する曲面を
有するパツドｄを圧接するようにしてなる研磨ヘ
ツドｅを、前記被加工曲面に沿つて所定の角度で
傾斜し、複数並設してなるものである。このため
装置が複雑肥大となり、各ヘツドｅを夫々別途に
傾動又は前後動させて位置口めし、被加工曲面ｙ
の所定の部分曲面にパツドｄを合致させる必要が
あつて、この位置決めに熟練と時間を要し、また
研磨ヘツドｅは大きいから装置の大型化を阻止す
るためその傾斜角度に制限を生じ、このため第
２，３図に示す複雑な形状の被加工曲面ｙのよう
な場合には第２図のように二つのヘツドｅ，ｅに
よつて被加工曲面ｙの前面及び上面を研磨してか
ら加工材ｘを裏返し、さらに第図のように他の研
磨ヘツドｅに送材して下面部を研磨する必要があ
つて一回の研磨に数工程を要し、作業を非能率と
した。さらには各サンデイングベルトｅは夫々目
詰り状態の差によつて研磨切れ味に差を生じ、こ
のため各曲面パツドの研磨境界線部に切れ味の良
いベルトと悪いベルトを交互に使うと境界線がは
つきりと生ずる等の諸欠点があつた。

なお、実願昭52−164796号公報にはサンデイン
グベルトの内側に複数のパツドをサンデイングベ
ルトの幅方向に移動調節可能に配置した曲面ベル
トサンダーが開示されているが、これは、パツド
が被加工曲面に対して一定方向のみを指向するよ
うになつているから、被加工曲面のパツドの進退
方向に対して直角をなす面はパツドの押圧力が高
いのに対し、パツドの進退方向に対して斜めをな
す面はパツドの押圧力が低くなつて、サンデイン
グベルトの被加工曲面への押圧力にむらが生じ、
均一に研磨をすることができない欠点があつた。

本考案は前記の欠点を除去することを目的とす
るものであつて、複数のローラ間に掛け渡されて
循環走行する無端状のサンデイングベルトの裏面
を被加工曲面と対応する曲面を有するパツドで踏
圧し、前記サンデイングベルトの表面を被加工曲
面に押し付けて研磨を施すようにした木工用曲面
ベルトサンダーにおいて、前記サンデイングベル
トの内側の空間に、前記被加工曲面を略中心とす
る円弧形の案内部を有する複数の案内板を前記サ
ンデイングベルトの走行方向に間隔を空けて配置
し、該各案内板に、前記案内部との係合により先
端が前記被加工曲面を略指向する姿勢を保つて円
運動するパツド取付体を、前記案内部に対する位
置調節可能に固定し、該各パツド取付体の先端に
前記パツドを装着したものである。

本考案の一実施例を第４〜１１図について説明
する。

第７，８図に示すように加工材ｘは上方から踏
圧装置１により押さえられながら送材テーブル２
上の送材装置３により移送され、研磨装置の前部
を通過する。

前記研磨装置は本体フレーム４上に三角配置し
た駆動ローラ５、従動ローラ６及びテンシヨンロ
ーラ７にサンデイングベルト８を掛渡し、前記駆
動ローラ５と従動ローラ６間の直線走行部を加工
材ｘの送材通路に臨ませ、かつ前記直線走行部裏
面に複数の踏圧パツド３０を配設して構成され
る。

前記駆動ローラ５は駆動モータ９の出力軸に連
結して駆動され、該駆動ローラ５及び駆動モータ
９を支持する支持フレーム１０を、本体フレーム
４の供給側に立設して円弧中心を送材通路側にし
た円弧案内板１１に、該案内板の円弧孔１２から
挿通したボルト１３で螺着して支持する。このた
め駆動ローラ５は円弧孔１２の案内作用によつて
その円弧中心の周りを適宜位置に傾動することが
できる。

前記従動ローラ６は、本体フレーム４の送出側
に立設した円弧案内板１４の円弧孔からボルト１
５を螺合して傾動自在に支持される支持フレーム
１６の前部に遊転可能に支持される。前記円弧案
内板１４は案内板１１と同形で、その円弧中心を
送材方向で一致させる。

前記支持フレーム１６には揺動腕１７を後方に
突出して揺動可能に軸支１８し、該揺動腕１７の
端部にテンシヨンローラ７を軸支すると共に、支
持フレーム１６の取付台に揺動自由に支持したエ
アーシリンダー１９のピストンロツド端部を前記
揺動腕に枢支する。前記ピストンロツドはエアー
により一定圧で伸張方向に付勢し、揺動腕１７の
軸１８を中心としてテンシヨンローラ７をサンデ
イングベルト８裏面に押し付け、該ベルトを緊張
させる。

前記円弧案内板１１，１４間の本体フレーム４
上には三本のＴ字形案内２０を前後方向に設け
る。前記案内２０の後端部にには夫々ハンドル２
１によつて回転する送り螺子２２を該案内２０に
沿つて立設し、前記Ｔ字形案内２０に夫々嵌装し
た摺動台板２３に前記送り螺子２２を螺合し、ハ
ンドル２１の回転操作によつて台板２３を案内２
０に沿つて前後移動可能とする。前記台板２３上
には、円弧中心を送材通路側にした円弧状凹溝２
５を有する円弧案内板２４を立設し、該案内板の
側面に夫々可動部材２６を当接してその後部に通
した締付ねじ２７を凹溝２５内の摺動子２８に螺
合することにより前記可動部材２６を摺動子２８
の案内作動によつて凹溝２５の円弧中心の周りを
傾動し得るようにし、前記締付ねじ２７の締付に
よつて所望の傾斜位置に固定する。

前記可動部材２６はその前面に曲面踏圧パツド
３０を支持するものであつて、その前面の嵌装溝
３１に踏圧弾性体３２を付装し、該嵌装溝に踏圧
パツド３０を取付けた嵌合子３１を挿入すること
により嵌合３１の後端面に弾性体３２の押圧力を
与える。前記曲面踏圧パツド３０は加工材ｘの被
加工曲面の所定踏圧面に合致する形状の踏圧面を
形成した木材、金属、ゴム等の材質によるもので
あつて所望によつて踏圧面には耐摩耗性シートを
貼着する。また前記踏圧弾性体３２はバネ、ゴム
等の弾性材の他にエアーシリンダー、空気袋等を
用いてもよい。

前記踏圧パツド３０はハンドル２１の回転操作
による前後動及び可動部材２６の案内凹溝２５に
摺つた角度変更によつてサンデイングベルト８の
裏面から加工材ｘの所定踏圧面に圧接するように
夫々各別に調整し得るものであるから、複数のパ
ツド３０は夫々各別に角度を変えて第７図に示す
よう重複研磨面ｚを生じるように加工材ｘと間接
接触して被加工曲面ｙを中心とした放射方向に配
設されることになる。

すなわち最前部の第１曲面成形パツド３０ａは
第８図のように被加工曲面ｙを上方から踏圧し、
中間の第２曲面成形パツド３０ｂは第９図のよう
にほぼ水平方向から踏圧し、最後部の第３曲面成
形パツド３０ｃは第１０図のように下方から踏圧
し、それぞれの間に重複研磨面ｚを生じさせて
夫々所定曲面への研磨を施す。

前記のように被加工曲面ｙを複数のパツドで三
方から踏圧する場合には円弧案内板１１，１４を
摺動して支持フレーム１０，１６をほぼ水平位置
にし、サンデイングベルト８を略水平に走行する
ようにするが、第１１図に示すように一方向から
単一のパツド３０によつて被加工曲面ｙを踏圧す
る場合には一個のパツド３０のみを所定位置に
し、他のパツド３０をハンドル２１によつて退避
させるとともにサンデイングベルト８をパツド３
０の傾きと等しく調整するようにする。

前記パツド３０は、可動部材２６の後方から螺
子杆を挿通して嵌合子３１に螺着し、該螺子杆後
端に取付けたハンドルの回転によつて該嵌合子３
１の踏圧方向への移動を各別に施し得るようにし
て、被加工曲面と夫々直角方向から適正圧で踏圧
し得るようにすることもできる。

以上説明したように、本考案の木工用曲面ベル
トサンダーは、パツド取付体が、案内板の案内部
との係合により先端が被加工曲面を略指向する姿
勢を保つて円運動するようにしたから、パツドが
被加工曲面に対して所望の角度で指向するように
パツド取付体の固定位置を容易に調節することが
でき、複数のパツドを被加工曲面の各部分に対し
て夫々略直角方向から適正な圧力で押圧すること
により、サンデイングベルトを被加工曲面に対し
て均一な力で押し付けて研磨し、寸法精度及び表
面あらさの優れた曲面に仕上げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は従来装置を示し、第１図は平面図
第２，３図は正面図であり、第４〜１１図は本考
案の一実施例を示し、第４図は平面図、第５図は
右側面、第６図は正面図、第７図は第４図Ａ−Ａ
線縦断面図、第８〜１１図はパツド３０の踏圧を
示す正面図である。 ４：本体フレーム、８：サンデイングベルト、
１０，１６：支持フレーム、１１，１４，２４：
円弧案内板、２５：円弧状凹溝、２６：可動部
材、３０：踏圧パツド、ｘ：加工材、ｙ：被加工
曲面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数のローラ間に掛け渡されて循環走行する無
   端状のサンデイングベルトの裏面を被加工曲面と
   対応する曲面を有するパツドで踏圧し、前記サン
   デイングベルトの表面を被加工曲面に押し付けて
   研磨を施すようにした木工用曲面ベルトサンダー
   において、前記サンデイングベルトの内側の空間
   に、前記被加工曲面を略中心とする円弧形の案内
   部を有する複数の案内板を前記サンデイングベル
   トの走行方向に間隔を空けて配置し、該各案内板
   に、前記案内部との係合により先端が前記被加工
   曲面を略指向する姿勢を保つて円運動するパツド
   取付体を、前記案内部に対する位置調節可能に固
   定し、該各パツド取付体の先端に前記パツドを装
   着したことを特徴とする木工用曲面ベルトサンダ
   ー。