JPS6131269B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、上枠部、下枠部及び左右の縦枠部に
より形成された方形状の旧窓枠を備える窓の改装
において実施される、支承ポールを用いる旧窓枠
の引き抜き除去方法に関するものである。

一般に、改装の対象となる旧窓枠は、鉄製の旧
窓枠を備えた旧窓が殆どであり、その旧窓枠は、
上枠部、下枠部、左右の縦枠部がその突き合わせ
部の溶接により一体化されて方形状をなし、この
旧窓枠は建物構造体内に埋め込まれた埋め込み金
属体にアンカーを介して溶接してある。

そして上記のような既設の旧窓枠を備える旧窓
を改装するには、建物構造体をはつつてから旧窓
枠を新窓枠と交換する改装方式と、旧窓枠を残し
たままにして、この旧窓枠を覆い隠すカバー改装
方式とが従来知られている。前者の改装方式で
は、作業がきわめて煩雑且つ大規模になるととも
に亀裂を発生させる原因になるという問題があつ
た。また、後者の改装方式では、旧窓枠自体の腐
食が依然として進行するので、建物構造体表面へ
の錆のにじみ出しを生じ易く、また、新窓枠がア
ルミニウム製合金の場合、旧窓枠との接触により
腐食がし易く、しかも改装後の窓開口が狭くなる
という問題があつた。このため上記２つの改装方
式と異なる改装方式として旧窓枠の枠部を引き抜
き、その後に新窓枠を取り付けるようにする方式
が特公昭60−54473号等により提案されている。
ところが、この引き抜き方式にあつては、旧窓枠
が残存しないので前記カバー方式の持つ欠点は解
決でき、また前記はつり方式ほどの工事の煩雑さ
及び大規模化がないとともに、亀裂の発生は少な
いが、引き抜きに当つて単に枠外し装置で旧窓枠
の枠部を引つ張つて引き抜いていただけなので、
引き抜き時に旧窓枠が取り付けられていた建物構
造体の表面部が剥落してしまい、剥落部分を補修
しなければならず、工事が煩雑になるとともに、
モルタルなどによつて建物構造体の補修工事を行
わなければならず、湿式工法となるという可能性
を否定できなかつた。このように従来の引き抜き
方式のものは湿式工法を伴つた引き抜き工法であ
つたので、改装工事に時間がかからるという問題
があつた。

本発明は上記した従来の問題点に鑑みて発明し
たものであつて、その目的とするところは、旧窓
枠を残すことなく改装ができ、しかも旧窓枠を除
去するに当たり、はつり方式に比べて工事が簡略
化できるとともに、亀裂の発生などがなく、更に
引き抜き方式であるにもかかわらず、引き抜き後
における建築構造体コンクリート壁の補修を必要
とせず、乾式工法による引き抜き方式となり、改
装工事も短時間でできる支承ポールを用いる旧窓
枠の引き抜き除去方法を提供するにある。

本発明の支承ポールを用いる旧窓枠の引き抜き
除去方法は、金属製の旧窓枠を形成する枠部に枠
外し装置による引張力を加えて、該枠部を引き抜
き除去する方法において、相対向する一対の対向
枠部埋め込み建物構造体の対向面間の枠部近傍位
置に両端の支承部を各々当接せしめて支承ポール
を突つ張り状に設置固定せしめるとともに、該突
つ張り固定状態のまま上記枠外し装置の引張力を
枠部に加えて、旧窓枠を除去することを特徴とす
るものであり、このような構成を採用すること
で、上記した本発明の目的を達成したものであ
る。

以下本発明を実施例により詳述する。添付図面
には旧窓枠１として鉄製の窓枠の例が示してあ
る。旧窓枠１はコンクリート壁のような建物構造
体２にその一部が埋設または付着してある。第１
図には本発明の一実施例が示してあり、この実施
例では枠外し装置４と支承ポール５とはそれぞれ
独立別体となつている。枠外し装置４は引張り部
７に設けたチエンやワイヤのようなひも状体８に
旧窓枠取付部６を取り付けて構成してある。支承
ポール５の両端部は支承部２１となつており、ま
た実施例においては支承ポール５は長手方向に伸
縮自在となつている。すなわち実施例にあつては
雄ねじ１６を設けたロツド１７の一端を回転体１
８に螺合し、上記ロツド１７の雄ねじ１６に対し
て逆ねじとなつた雄ねじ１９を有するロツド２０
の一端を回転体１８に螺合して支承ポール５が構
成してあり、回転体１８を回転することで支承ポ
ール５を伸縮するようになつている。しかして旧
窓枠１を除去するに当たつては、相対向する一体
の対向枠部埋め込み建物構造体２の対向面間に、
枠部１ａ近傍位置に両端の支承部２１を各々当接
せしめて支承ポール５を突つ張り状に設置固定せ
しめる。一方支承ポール５とは独立別体となつた
枠外し装置４を相対向する一対の枠部１ａ間に配
置して枠外し装置４の両端に設けた旧窓枠取付部
６を相対向する枠部１ａに取り付ける。そして支
承ポール５の突つ張り固定状態のまま上記枠外し
装置４の操作部１０を操作して枠外し装置４の引
張力を枠部１ａに加えて、該枠部１ａを引き抜き
除去するのである。

次に本発明の他の実施例について述べる。上記
実施例では支承ポール４と枠外し装置４とがそれ
ぞれ独立別体となつた例を示したが、この実施例
にあつては、支承ポール５の中間位置に一体的に
枠外し装置４を連結し、支承ポール５の中間位置
に一体的に連結した枠外し装置４により相対向す
る一対の枠部１ａの各枠部１ａ毎に順次引張力を
加えるようにするものである。第２図には支承ポ
ール５の中間位置に枠外し装置４を連結する場合
の一例が示してある。この実施例において支承ポ
ール５に枠外し装置４の基部２３が取り付けてあ
る。すなわち枠外し装置４の基部２３に設けた筒
部２５が支承ポール５に被嵌され、支承ポール５
に設けた孔２６と筒部２５に設けた孔２７とを合
わせてピン２８にて取り付けるようにしてある。
この場合上記の取り付けのみでなく他の取り付け
方法が採用できるものである。なお枠外し装置４
の基部２３を第２図矢印方向に伸縮自在としても
よい。基部２３の伸縮に当たつては、例えばパイ
プ２３ａに対して中央材２３ｂをスライド自在と
したりするが、必ずしもこれにのみ限定されず、
他の伸縮手段であつてもよい。しかして、旧窓枠
１を除去するに当たつては、相対向する一対の対
向枠部埋め込み建物構造体２の対向面間の枠部１
ａ近傍位置に両端の支承部２１を各々当接せしめ
て支承ポール５を突つ張り状に設置固定せしめ
る。このような支承ポール５の突つ張り固定状態
で支承ポール５に連結した枠外し装置４の旧枠取
付部６を相対向する一対の枠部１ａの内の一つに
取り付け、枠部１ａに枠外し装置４による引張力
を加えて該枠部１ａを引張り、同様にして各枠部
１ａ毎に順次引張力を加えて除去するようにする
ものである。

ところで支承ポール５は上記の各実施例のもの
にのみ限定されず、支承ポール５としては相対向
する一対の対向枠部埋め込み建物構造体２の対向
面間の枠部１ａ近傍位置に両端の支承部２１を
各々当接せしめて突つ張り状に設置固定できるも
のであればよいものである。また枠外し装置４も
上記の実施例のものにのみ限定されるものではな
い。

上記のようにして旧窓枠１を除去した後に、旧
窓枠１を除去した部分に新窓枠３を取り付けるも
のである。第３図には新窓枠３を取り付ける一例
が示してあり、第３図の上半分の図面に示すもの
は旧窓枠１を除去した部分に残置する鉄筋３５を
利用してこれに中間介在用金属材６４を溶接し、
これに新窓枠３に取り付けた取付金具６５に溶接
するようになつており、また第３図の下半分に示
すものは固定金具６６を建物構造体２にアンカー
ボルト４０などで固着し、この固定金具６６に新
窓枠３を取り付けるようになつている。勿論上記
以外の種々の取り付け方法により新窓枠３を取り
付てよいものである。また旧窓枠１を除去した除
去後の凹所には断熱材６２が充填される。断熱材
としては凹所にウレタンのような発泡合成樹脂を
注入発泡させたり、あるいはグラスウールなどを
充填する。第３図中符号の６７は額縁を示してい
る。

本発明にあつては、叙述のように相対向する一
対の対向枠部埋込み建物構造体の対向面間の枠部
近傍位置に両端の支承部を各々当接せしめて支承
ポールを突つ張り状に設置固定せしめるととも
に、該突つ張り固定状態のまま枠外し装置の引張
力を枠部に加えて、旧窓枠を除去するので、枠部
に枠外し装置の引張力が加えられたとき、この引
張力が枠部と一体化している支承ポール側の建物
構造体に及ぶのを防止又は減少させる効果があ
り、このため、建物構造体の亀裂発生を抑止する
とともに旧窓枠と建物構造体との接着面の剥離を
促進し、併せて、旧窓枠を建物構造体の埋め込み
金属体又はアンカーに集中的に作用させてこれか
ら有効に分離させることができる。また支承ポー
ルを突つ張り状に設置固定することで、建物構造
体の亀裂発生を抑止するとともに、建物構造体表
面の亀裂による剥落が防止され、窓改装時の補修
を可及的に減少させ、完全な乾式方式による窓改
装を可能にするものである。更に本発明の支承ポ
ール、枠外し装置とも小型でハンデイなものとす
ることができ、工事の簡略化、省力化を図ること
ができる。また支承ポールと枠外し装置を独立別
体のものと構成すれば、旧窓枠の対向枠部間に同
時に枠外し装置による引張力を与えることがで
き、また、支承ポールの中間位置に枠外し装置を
一体的に連結すれば、旧窓枠の枠部毎に順次引張
力を加えることもできる。このように本発明は、
様々に変形させることにより旧窓枠の引き抜き除
去を工事現場の状況に合わせて効率的に行うこと
ができる優れた発明である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の断面図、第２図は
本発明の他の実施例の断面図、第３図は新窓枠を
取り付けた状態の一実施例の断面図であつて、１
は旧窓枠、１ａは枠部、２はコンクリート壁、４
は枠外し装置、５は支承ポールである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属製の旧窓枠を形成する枠部に枠外し装置
   による引張力を加えて、該枠部を引き抜き除去す
   る方法において、相対向する一対の対向枠部埋め
   込み建物構造体の対向面間の枠部近傍位置に両端
   の支承部を各々当接せしめて支承ポールを突つ張
   り状に設置固定せしめるとともに、該突つ張り固
   定状態のまま上記枠外し装置の引張力を枠部に加
   えて、旧窓枠を除去することを特徴とする支承ポ
   ールを用いる旧窓枠の引き抜き除去方法。 ２ 支承ポールと独立別体の枠外し装置を相対向
   する一対の枠部間に架設することを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の支承ポールを用いる旧
   窓枠の引き抜き除去方法。 ３ 支承ポールの中間位置に一体的に連結した枠
   外し装置により相対向する一体の枠部の各枠部毎
   に順次引張力を加えることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の支承ポールを用いる旧窓枠の
   引き抜き除去方法。