JPS6131243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、操作トルクを軽減したチエツク弁付
絞り弁に関するものである。

一般に、チエツク弁付絞り弁として第１図に示
すものが知られている。第１図において、１は弁
本体であり、該弁本体にはスロツトル２が摺動自
在に取付けられている。このスロツトル２はバネ
３により付勢され、調整ネジ４の先端に圧接され
ている。又弁本体１は第１ポート５、第２ポート
６及び制御口７を有し、スロツトル２は切欠８を
有する。

第１図のものにおいて、第２ポート６における
流体圧力が高くなると、スロツトル２はバネ３に
抗して摺動され、スロツトル２の切欠８が弁本体
１の制御口７の位置に至り、第２ポート６から第
１ポート５へ流体が自由に流れる。第１ポート５
における流体圧力が高い場合には、切欠８と制御
口７が連通していない状態では第１ポート５から
第２ポート６へは流体が流れず、チエツク弁とし
て作用する。上記調整ネジ４を操作して、スロツ
トル２の圧接される位置をバネ３に抗して下方に
移動すると、前記切欠８が制御口７に連通して第
１ポート５から第２ポート６へも流体が流れ得る
ようになり、この流量は調整ネジ４により調整で
き、絞り弁として作用する。

上記第１図に示すチエツク弁付絞り弁では、ス
ロツトル２の全断面積Ａと第１ポート５、第２ポ
ート６間の圧力差Ｂとの積にバネ３の力Ｃを加え
たもの、即ち（Ａ×Ｂ＋Ｃ）が調整ネジ４にかか
るため、第１ポート５と第２ポート６との間の圧
力差Ｂが大きいと、調整ネジ４の操作ハンドルが
硬くなり、手動にて操作することが困難になる。

このような欠点を解決したチエツク弁付絞り弁
として、第２図に示すものも知られている。第２
図において、第１図と同一符号は同効のものを示
す。符号９はピストンであり、前記スロツトル２
と同軸方向に配設され、弁本体１に摺動自在に設
けられ、前記調整ネジ４とスロツトル２との間に
介在されている。

１０は第１の室であり、該室は第１のポート５
に連通し、かつ上記スロツトル２及び弁本体１に
より壁面が形成されている。１１は第２の室であ
り、該室は第２のポート６に連通し、かつ上記調
整ネジ４、ピストン９及び弁本体１などによつて
壁面が形成され、弁本体１に設けられた流体の通
路１２によつて前記第１の室１０すなわち第１の
ポート５に連通されている。

上記第２図のチエツク弁付絞り弁では、チエツ
ク弁及び絞り弁として第１図のものと略同様に作
用するが、調整ネジ４にかかる力は次のようにな
る。即ち、第１ポート５への流体圧力は第２の室
１１へ至るため、同径のピストン９とスロツトル
２とへの力はバランスし、この状態では調整ネジ
４の断面積Ｄと第１ポート５の流体圧力Ｅとの積
に、前記バネ３の力Ｃを加算したものが調整ネジ
４にかかる。従つて、調整ネジ４の断面積は小さ
いので、調整ネジ４への力は小さくなる。

上記第２図のものでは、調整ネジ４への力が小
さくなるので、その操作は軽くなるが、弁本体１
に通路１２を設けたために、弁本体１が大型にな
り、かつ通路１２が長くなるので、通路端部の閉
止を必要とし、このため加工工数がかかるという
欠点がある。これらの欠点は動作上の問題ではな
いが、次のような動作上の問題をも生ずる。即ち
第２ポート６から第１ポート５への自由流れ時、
スロツトル２が片側支持となつてカジリを起しや
すいため、次に第１ポート５から第２ポート６へ
の制御流れになる時、作動不良を起しやすい。

本考案は、上記した各欠点を除去し、特に作動
を円滑ならしめるチエツク弁付絞り弁を提供する
ものである。

以下に本考案の一実施例を第３図について詳細
に説明する。第３図において、第２図と同一符号
は同効のものを示す。符号１３は通路であり、前
記ピストン９に設けられ、該通路１３により、前
記室１の室１０と第２の室１１とが連通されてい
る。又、上記ピストン９とスロツトル２とは同軸
方向に互い同志が摺動するように嵌合されてい
る。

このように構成されたチエツク弁付絞り弁で
は、チエツク弁及び絞り弁としての作用は第２図
のものと同様である。

又、第１の室１０と第２の室１１とは通路１３
で連通されているので、前記した如く調整ネジ４
の操作が軽くなることも、第２図のものと同様で
ある。第３図のチエツク弁付絞り弁では、通路１
３がピストン９に設けられているので、弁本体１
を小型化でき、かつ通路１３の加工も容易にな
る。又、ピストン９とスロツトル２とが同軸方向
に互いに摺動自在に嵌合されているので、自由流
れ、即ち第２ポート６の流体圧力が高く、スロツ
トル２はバネ３に抗して摺動され、切欠８が制御
口７に連通し、第２ポート６から第１ポート５へ
流体が自由に流れる状態では、第２ポート６への
流体圧力によりピストン９は調整ネジ４へ圧接さ
れ、該ピストン９に対してもスロツトル２は摺動
されることになり、スロツトル２はピストン９と
の摺動部と、弁本体１との摺動部との、２箇所の
摺動部において支持されるから、スロツトル２は
両側支持となり、前記したカジリの生ずる虞れが
なくなり、作動が安定する。

本考案は、上記の如く、従来の欠点を除去で
き、特にスロツトルのカジリを防止することがで
きるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示す縦断正面図、
第３図は本考案の一実施例を示す縦断正面図であ
る。 １……弁本体、２……スロツトル、３……バ
ネ、４……調整ネジ、５……第１ポート、６……
第２ポート、７……制御口、８……切欠、９……
ピストン、１０……第１の室、１１……第２の
室、１３……通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁本体に摺動自在に設けられたピストンと、上
   記弁本体に上記ピストンと同軸方向に摺動自在に
   設けられたスロツトルと、該スロツトルを付勢し
   て上記ピストンへ押圧し、該ピストンを上記弁本
   体に調整可能に取付けられた調整ネジへ圧接する
   バネとを備え、上記弁本体の第１ポートと第２ポ
   ートとを上記スロツトルで塞ぐようになし、上記
   調整ネジの調整により上記バネに抗して上記スロ
   ツトルを摺動させることにより、上記第１ポート
   から第２ポートへの流量調整ができ、又第２ポー
   トへの流体圧により上記スロツトルは上記バネに
   抗して摺動され、第２ポートから第１ポートへの
   流れが可能となり、更に上記第１ポートに連通
   し、かつ少くとも上記スロツトル及び弁本体によ
   り壁面が構成された第１の室と、上記ピストン、
   調整ネジ及び弁本体により壁面が構成された第２
   の室とを通路により連通し、第１ポートへの流体
   圧により、上記スロツトルを介してピストンが調
   整ネジへ圧接される力を軽減し、以つて調整ネジ
   の操作力を低くならしめるようにしたチエツク弁
   付絞り弁において、上記ピストンとスロツトルと
   を同軸方向に互い同志が摺動するように嵌合し、
   又上記第１の室と第２の室とを連通する上記通路
   を上記ピストンに設けたことを特徴とする低操作
   力形チエツク弁付絞り弁。