JPS6130992Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は段ボール用製函機、プリンタスロツ
タ、フレキソフオルダグルア、フオルダクルア、
ロータリダイカツタ等に応用できる給紙装置に関
するものである。

第１図、第２図及び第３図に従来の段ボール製
函機における給紙装置の代表的な例の概略構造を
示す。第１図において、前工程より送られて来た
段ボールシート５，５′は、フロントストツプ１
とバツクストツプ２間のテーブル４上に積上げら
れ、その最下端の段ボールシート５′は、図示し
ない駆動装置で往復動するキツカー３により矢印
の方向へ所定のタイミングをもつてけり出され、
キツカー３速度と同速で回転駆動されている上フ
イードロール６と下フイードロール７の間に挾ま
れ、上、下フイードロール６，７の摩擦力によつ
て次工程の印刷シリンダ８と受けロール９間へ送
り込まれるものである。

この送り込みの工程を詳述すると、最下端シー
ト５′はキツカ３により、上フイードロール６と
下フイードロール７へ最下端シート５′の先端が
挾み込まれる位置迄（距離Ｌ）けり込まれ、その
後は上フイードロール６と下フイードロール７の
摩擦力によつて次工程へ送り込まれるものであ
る。

この為上フイードロール６と下フイードロール
７のロール表面は、摩擦係数を増やすことを目的
として上フイードロール６は軟質ゴムで覆われ、
下フイードロール７は鋼製ロールの表面にピラミ
ツド状の溝加工が施されているのが通例であり、
またこれらのロール間隔量Ｃは段ボールシート
５，５′の厚さより若干小さ目に設定し、上下フ
イードロール６，７と段ボールシート５，５′間
の摩擦力によつて段ボールシートを次工程へ搬送
している。

ところが段ボールシート５，５′は、第２図に
示す如く一般に前工程（コルゲートマシン）で通
紙方向（矢印方向）に対して直角方向に罫線加工
が施こされている為、第３図に示す如くこの罫線
加工位置が上下フイードロール６，７の中心位置
と相対した時点では、上フイードロール６、下フ
イードロール７及び段ボールシート５′間におい
て、第３図の（Ｔ−ｔ）mmに相当する隙間が生
じ、摩擦力が低下、もしくは無い状態（非接触状
態）となり、段ボールシート５′と上下フイード
ロール６，７間に速度差が発生して、次工程への
搬送タイミングがズレる現象が発生する。

このタイミングがズレる現象を防ぐ為、第４図
に示す如く上フイードロール６と下フイードロー
ル７のロール間隔量Ｃは、予め罫線加工された部
分の段ボールシートの厚さｔに合せて設定されて
いる（即ち、罫線加工部以外の位置では、必要以
上に上下フイードロール間を挾く設定することに
なる）。

この為段ボールシート５，５′は、上下フイー
ドロール６，７間を通過することにより、罫線加
工のない部分は（Ｔ−Ｃ）mm余計に潰され、第５
図に示す様に段ボールが変形し（厚さがうすくな
り）、段ボールシートの平面圧縮強さ及び曲げ強
さが低下するという欠点があり、段ボールシート
の原紙自身をグレードアツプしたり、あるいは運
転速度を低くするなどの方法を採つて対処してい
た。なお、前記グレードアツプの場合は、段ボー
ル原紙を厚くし、原紙自身に強度を持たせるた
め、コストアツプになり、また運転速度を低下さ
せれば、段ボールシートの必要搬送力が低下する
ため、上下フイードロール間隔を多少広くして運
転できるが、搬送効率は落ちる。

本考案は前記従来の欠点を解消するために提案
されたもので、従来の上下１組のフイードロール
を廃し、一方に搬送ベルトコンベアを配設すると
共に、搬送ベルトコンベアと駆動機構に連結され
たフイードロールを組合わせ、同フイードロール
中心位置を、搬送ベルトコンベアの駆動ロールの
中心から罫線巾の1/2以上の適当量シフトされた
位置とすることにより、高速で段ボールシートを
潰すことなく搬送することができる給紙装置を提
供せんとするものである。

以下本考案の実施例を図面について説明する
と、第７図及び第８図に本考案の実施例を示す給
紙装置の概略図を示す。さて図において駆動ロー
ル１１は、その両軸端がフレーム１６，１６′に
回転自在に支承されており、一方の軸端には駆動
用歯車１５が直結され、図示しない駆動源から同
歯車１５を介して駆動されている。

またフイードロール１０は、表面ゴム巻加工し
たロールであり、図示していないが従来と同様に
段ボールシートの厚さに応じてロール間隔の調整
を行なう為の上下動調整装置を備え、両軸端は回
転自在に支承されており、一方の軸端には歯車が
直結され、駆動ロール１１に直結された歯車１５
と噛合つている。またフイードロール１０の軸心
は、駆動ロール１１の軸心に対して第７図に示す
ｘ寸法が、概ね第２図〜第４図に示す段ボールシ
ートの罫線巾Ｗの1/2以上になる様、シフトされ
た位置に配置されている。

また駆動ロール１１は、その表面に全周等ピツ
チの位置に軸方向へ溝加工が施されている。従動
ロール１２は、表面に巻掛けられる搬送ベルト１
４の上面が、段ボールシートと全面接触する様位
置決めされ、その両軸端が軸受台１７，１７′に
回転自在に支承されてい。テンシヨンロール１３
は、図示しないが回転自在に支承され、搬送ベル
ト１４のテンシヨン力の調整が各々の搬送ベルト
に対して行なえる機構を備えている。

搬送ベルト１４は、裏面に駆動ロール１１の表
面に施された溝と係合する歯部を有して、駆動ロ
ールとのスリツプを防止し、表面は摩擦係数の高
い材質（例えば軟質ゴム等）を使用し、１本又は
複数本（通常は複数本）が駆動ロール１１、従動
ロール１２及びテンシヨンロール１３に巻掛けら
れ、駆動ロール１１が回転することによつて回動
するようになつている。なお、段ボールシートを
間欠的に供給するキツカ、フロントストツプ及び
バツクストツプが設けられていることは従来と同
様である。

次に作用を説明すると、第７図において、往復
動するキツカにてけり込まれた段ボールシート
５′は、その先端がキツカと同一速度で回転して
いる上フイードロール１０と、同じくキツカと同
一速度で回動している搬送ベルト１４に挾まれ、
この時の段ボールシート５′と上フイードロール
１０及び段ボールシート５′と搬送ベルト１４の
摩擦力により次工程へ送り込まれる。

以上詳細に説明した如く本考案は構成されてい
るので、従来は下フイードロールと段ボールシー
トが線接触（実際は段ボールシートの変形により
完全な線接触ではない）であつたが、本考案の場
合は、搬送ベルトと段ボールシートが面接触する
ため接触面積が増し、従つて摩擦力が増すため、
フイードロールと搬送ベルトとの間隔を従来より
広く設定できる。特に段ボールの罫線部がフイー
ドロール部を通過するとき、従来と比較して大き
な効果を発揮することができる。

また従来方式のフイードロールによる段ボール
シートの加圧力に対し、本考案では段ボールシー
トと搬送ベルトが面接触しているため、従来に比
し段ボールの受圧面積が広くなり、段ボール自身
に加わる単位面積当りの圧潰力が大巾に減少す
る。

更に、仮に従来同様の間隔（フイードロールと
搬送ベルトの間隔）で段ボールシートを通紙した
場合、本考案では駆動機構に連結されたフイード
ロールの中心が搬送ベルトの駆動ロール中心より
罫線巾の1/2以上の適当量シフトされた位置にあ
るため、段ボールシートの罫線部でのシートのス
リツプを完全に防止することができ、また搬送ベ
ルト自身の弾性変形（伸び）によつて搬送ベルト
が下方に撓むため、段ボール自身に加わる圧潰力
はさほど増加せず、シートの潰れを防ぐことがで
きる。

以上述べた理由により本考案では従来の如く間
隔設定に細かな注意を払つたり、段ボール原紙の
グレートを上げたり、運転速度を下げたりするこ
となく、高速で高品質の（強度低下しない）状態
で段ボールシートを搬送することができる。

なお、第７図の実施例では、フイードロールが
上方、搬送ベルトコンベアが下方に配置されてい
るが、この配置は、給紙される段ボールシートの
罫線加工の向き（上又は下）に応じて上下を反対
に配置することができる。

また駆動ロールと従動ロールの位置を、前記実
施例と反対に配置したり、あるいは駆動ロールを
２本使用したりする場合もある。更に第７図で
は、フイードロールが１本であるが、搬送ベルト
コンベアのロール間隔が大きい場合や、一層搬送
力が大きくしたい場合は、フイードロールを複数
本配置することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の段ボール給紙装置の１例を示す
側断面図、第２図は第１図により搬送された段ボ
ール紙の斜視図、第３図及び第４図は第１図の場
合の段ボール紙の搬送状態を説明する側面図、第
５図は第４図のＢ矢視図、第６図は第４図のＡ矢
視図、第７図は本考案の実施例を示す給紙装置の
側断面図、第８図は第７図のＤ〜Ｄ断面図であ
る。 図の主要部分の説明、５，５′……段ボールシ
ート、１０……フイードロール、１１……駆動ロ
ール、１２……従動ロール、１４……搬送ベル
ト、１５……駆動用歯車。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 罫線部を有する段ボールシートの搬送装置にお
   いて、搬送ベルトコンベアの駆動ロール中心から
   罫線巾の1/2以上の適当量シフトされた位置に中
   心が配置されると共に、１本又は複数本の駆動機
   構に連結されたフイードロールと、１本又は複数
   本の搬送ベルトを有する前記ベルトコンベアによ
   つて段ボールシートを挟持し、次工程へ搬送する
   ことを特徴とする給紙装置。