JPS6215340B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は製函加工機に関するものである。

方形に裁断された段ボールシートから段ボール
ケースを作る場合、段ボールシートの供給、印
刷、罫線加工およびスロツト加工は通常第１図に
略示したような製函加工機によつて行われてい
る。即ち、ホツパー１に積層された複数枚の段ボ
ールシートＡはキツカー２の往復動によつてその
最下層部から１枚づつ突き出され、フイードロー
ラ３，４によつてニツプされて第１印刷部５に供
給される。多色印刷の場合は続いて第２印刷部６
に送られ（第３印刷部、第４印刷部等は省略）、
しかるのち罫線加工部７、スロツト加工部８を経
て折り畳み工程（図示せず）に移送される。

このような加工機においては、上記ホツパー１
には第２図１０に示したごとく横方向に２本の折
り曲げ罫線Ｂ，Ｂが施された段ボールシート素材
Ａが供給され、該加工機を通過する間に、第２図
イに示したように適宜マークP₁，P₂が印刷された
のち縦方向の罫線Ｃ，Ｃ、上蓋および底蓋を区画
するスロツトＤ，Ｄ，Ｅ，Ｅと糊付片Ｆが形成さ
れる。

しかしながら上記した従来の加工機における印
刷部５への段ボールシートＡの供給は、ホツパー
１の下方に設けられたキツカーの往復動と、印刷
部５の入口側に設けられた１対のフイードローラ
３，４との協働動作によつて行われ、また供給さ
れる段ボールシートＡには水平方向の２本の罫線
Ｂ，Ｂが存在し、この罫線Ｂ，Ｂの部分は第３図
から理解できるように他の部分よりも厚み寸法が
稍小さくなつていることから、上記した１対のフ
イードローラ３，４間でニツプされて移送される
際、即ちこの罫線Ｂ，Ｂの部分がフイードローラ
３，４のニツプ点を通過する際に僅かなスリツプ
が生じ、高精度な印刷を行う上に大きな障害とな
つている。この障害は上記１対のフイードローラ
３，４間の隙間（ニツプゲージ）を段ボールシー
トの上記罫線Ｂ，Ｂの厚さ寸法よりも若干小さく
することによつて回避することができるが、ニツ
プゲージを小さくすると段ボールシートＡの波形
中芯Ｇの変形を招き強度低下をきたすという不都
合が発生する。

本発明の目的は、上記した１対のフイードロー
ラによる不都合を解消し、段ボールシートを順次
的確に印刷部に移送することができる製函加工機
を提供するものである。

本発明の他の目的は加工機におけるホツパーの
前壁の位置を調節することによつて大きさの異な
る段ボールシートを供給し得る構造を備えた装置
を提供することにある。

本発明は第１図に略示したように、段ボールシ
ートＡのホツパー１に続いて印刷部５，６および
罫線加工部７、スロツト加工部８を備えてなる製
函加工機において、該印刷部５の入口側に設けら
れた１対のフイドローラ３，４による段ボールシ
ートＡの送り込み手段に代えて、第４図に示した
ごとく該ホツパー１と該印刷部５との間にテーブ
ル１０を設け、該テーブル１０の後部にホツパー
１を配設してホツパー１内に積層されている段ボ
ールシートＡをその最下層からキツカー２の往復
動によつて順次個別に突き出すようになすととも
に突き出された段ボールシートA₁をエンドレス
ベルト１１によつて印刷部５に移送する。該エン
ドレスベルト１１は第５図および第６図に示した
ごとく幅細い帯状をなしていて伸縮性が少なく裏
面にラツク状の歯形１２を備えたタイミング型ベ
ルトによつて構成され、第７図に示したように上
記したテーブル１０の段ボールシートA₁の移送
方向に間隔をおいて平行に複数本張設されてい
て、各エンドレスベルト１１，１１は共通の軸１
３，１３によつて一斉に矢印方向に回動されるよ
うに装着されている。このエンドレスベルト１１
の表面側搬送部の有効長さは印刷部５における版
ドラム５ａの円周長さの整数倍であり、該版ドラ
ム５ａの円周長さ毎に吸引細孔１４，１４を備え
た吸着部１５，１５を有していて、テーブル１０
の下面側に設けた吸気ダクト１６からの吸気力を
該細孔１４を通して表面側に作用せしめ、該吸着
部１５上に位置した段ボールシートA₁を吸着保
持して移送し得るようになつている。そして該エ
ンドレスベルト１１の吸着部１５は他の部分１５
ａよりも若干厚さ寸法が大きく形成され、他の部
分１５ａはテーブル１０の表面よりも低い位置を
走行し、該吸着部１５は該テーブル１０の表面よ
りも僅かに突出した状態でもつて巡回動するよう
に設定されている。

ホツパー１の下部後方に設けられたキツカー２
は、その駆動機構を省略しているが既知のごとく
前後方向に所定のストローク往復動され、ホツパ
ー１又の最下層の段ボールシートＡをホツパー１
内から上記テーブル１０およびエンドレスベルト
１１上に向つて突き出す作用をなす。

上記した各エンドレスベルト１１は印刷部５に
おける版ドラム５ａと同一周速でもつて同調駆動
され、また上記キツカー２は該版ドラム５ａの１
回転毎に１往復され、該キツカー２の前進速度は
好ましくはエンドレスベルト１１の周速とほぼ同
等に設定されていて、該エンドレスベルト１１の
吸着部１５が該ホツパー１内の最下層の段ボール
シートＡの下面に達した時点において該キツカー
２の前進動作が開始され、該吸着部１５が段ボー
ルシートＡの下面に達するまでは該段ボールシー
トＡはテーブル１０の後端部分上に支持されてい
る。第４図において６ａは印刷部６の版ドラム、
５ｂ，６ｂは印刷凸版部、７ａ，７ｂは罫線ロー
ラ、８ａ，８ｂはスロツテイングローラ、９はエ
ンドレスベルト１１，１１の吸着部１５と同様の
吸着部及び吸気ダクト１７を備えた中間移送ベル
ト、１７は吸気ダクト、１８はホツパーの前壁、
そして１９，２０はインキングローラであり、上
記した版ドラム６ａ、罫線ローラ７ａ，７ｂ、ス
ロツテイングローラ８ａ，８ｂおよび中間移送ベ
ルト９もまた前記した版ドラム５ａおよびエンド
レスベルト１１と同一周速でもつて同調駆動さ
れ、こらの各回転部は図示せざるメインモーター
によつて一斉に駆動されるようになつている。ま
た第８図における２１は段ボールシートＡの後端
部を持ち上げるための支持レバーであり、キツカ
ー２が後退位置に達したとき第８図のごとく下方
に角度回動して段ボールシートＡをテーブル面上
に接触させ、キツカー２の前進時には第９図に示
したごとく上方に角度回動して段ボールシートＡ
の後部を持ち上げ最下層の段ボールシートＡの突
き出しを可能となすものであつて、かかる支持レ
バー２１の構造および作動要領は既に知られたも
のと同様であるから詳細な図示を省略している。

第１３図および第１４図は上記ホツパー１の前
壁１８の位置を調節するための機構を示したもの
である。即ち、加工機のサイドフレーム２２，２
２の後部にガイド溝２３，２３を設けて該ガイド
溝２３，２３に沿つてスタンド２４，２４を摺動
可能に立設し、該スタンド２４，２４間にロツド
２５を水平方向に装架するとともに、該ロツド２
５に２個のスライダー２６，２６を嵌着し、該ス
ライダー２６，２６に前記した前壁１８，１８を
上下方向に摺動可能に装着していて、上記スタン
ド２４，２４の下端部２４ａに螺軸２７，２７を
螺合せしめ該螺軸２７，２７を同時に正逆に回転
させることによつて該スタンド２４，２４をサイ
ドフレーム２２，２２に沿つて前後動させ、段ボ
ールシートＡの大きさに適合する位置に前壁１
８，１８を移動し得るように構成されている。そ
して該前壁１８の下端部と前記したエンドレスベ
ルト１１の吸着部１５の上面との間隙Ｓは供給す
る段ボールシートＡが１枚のみ通過し得る寸法に
設定されている。

続いて、本発明の製函加工機における段ボール
シートの供給作用について説明すると、加工機の
メインモーター（図示せず）が起動されるとキツ
カー２、エンドレスベルト１１、印刷部５，６、
罫線部７、スロツト加工８、および中間移送ベル
ト９等が一斉に駆動される。まず、キツカー２に
よつてホツパー１内の最下層の段ボールシートＡ
が印刷部５側に向つて突き出される。この突き出
しタイミングは前述したようにエンドレスベルト
１１の１つの吸着部１５がテーブル１０の後部に
到達してホツパー１内の最下層の段ボールシート
Ａの下面に位置した時点において開始される。
（第１１図参照）。最下層の１枚の段ボールシート
Ａが突き出しが開始されると同時に前記した支持
レバー２１によつてホツパー１内の段ボールシー
ト群がその後部において持ち上げられ、その間に
キツカー２が前進する。また、エンドレスベルト
１１も該キツカー２の前進速度と同等の周速でも
つてするから、突き出されている段ボールシート
A₁は吸着部１５上に載置された状態を保持しな
がら前進し、キツカー２の突き出し作用とエンド
レスベルト１１の吸着部１５の移動作用と吸着作
用とによつて正確に前進を続ける。（第１２図参
照）。

前述したように吸着部１５と次の吸着部１５と
の距離は印刷部５の版ドラム５ａの円周長さに相
当し、また版ドラム５ａの一回転毎にキツカー２
が１往復するタイミングに設定されているから、
ホツパー１内からキツカー２とエンドレスベルト
１１とによつて印刷部５の版ドラム５ａの円周間
隔毎に順次連続して段ボールシートＡが送り出さ
れ、印刷部５に供給される。そして印刷部５の入
口近くまで該エンドレスベルト１１が延びている
から第１２図および第１３図に示しているように
エンドレスベルト１１の吸着部１５に段ボールシ
ートA₁が吸着された状態で印刷部５の版ドラム
５ａとボツトムドラム５ｃとの間に供給され、該
版ドラム５ａの印刷凸版部５ｂによつて所定位置
に印刷P₁が施される。該印刷部５を通過したのち
も段ボールシートA₁は該エンドレスベルト１１
の周速と同一の速度でもつて次の印刷部６にて印
刷P₂され、続いて罫線加工Ｃを施され、しかるの
ちスロツト加工Ｄ，Ｅが行われて第２図イで示し
た状態でもつて図示せざる次の折り畳み工程に移
送される。

本発明においては前述したようにエンドレスベ
ルト１１の吸着部１５の存在していない部分１５
ａは、テーブル１０の上面よりも僅かに低い位置
において走行しているから、該吸着部１５がホツ
パー１内の段ボールシートＡの下面に達するまで
の間には該段ボールシートＡはテーブル１０の上
面によつて支持されエンドレスベルト１１とは非
接触状態にある。したがつてキツカー２が前進す
るまでの間においてエンドレスベルト１１と段ボ
ールシートＡとの接触は全くなく、エンドレスベ
ルト１１の走行によつて段ボールシートが損傷さ
れることはない。

なお、図示を省略しているがホツパー１の前壁
１８と印刷部５との間のテーブル１０の表面に
は、多数のコロローラを設けて段ボールシート
A₁の移動をより円滑化することが望ましい。

以上説明した如く本発明による製函加工機は、
段ボールシートＡのホツパー１に続いて１個乃至
数個の印刷部５，６、罫線加工部７、スロツト加
工部８を設けてなる製函加工機において、前記ホ
ツパー１の下部から印刷部５，６側に延びるテー
ブル１０を設けると共に、このホツパー１内の段
ボールシートＡをキツカー２によりテーブル１０
上に突き出すごとく構成し、かつ前記テーブル１
０の下部に複数本のエンドレスベルト１１，１１
を平行状に配設して同軸上に掛設し、このエンド
レスベルト１１，１１とともに前記キツカー２、
印刷部５，６、罫線加工部７、スロツト加工部８
を同期駆動すべく構成し、また前記エンドレスベ
ルト１１，１１の表面側搬送部を、前記テーブル
１０に形成したシート搬送方向の溝を介してテー
ブル１０の上面に臨ませると共に、この搬送部の
有効長さを前記印刷部５における版ドラム５ａの
円周長さの整数倍とし、かつ前記エンドレスベル
ト１１，１１に版ドラム５ａの円周長さ毎に吸着
部１５を形成して、該吸着部１５が上記テーブル
１０の上面より稍突出して走行すべく構成する一
方、前記印刷部５，６間及び印刷部６と罫線加工
部７との間に吸着部をもつ中間ベルト９，９を介
装し、前記エンドレスベルト１１，１１及び、こ
の中間ベルト９，９の各下面に吸気ダクト１６，
１７を配設したことを特徴とするものであるか
ら、ホツパー１内の段ボールシートＡは印刷部５
の版ドラム５ａの円周長さ間隔を保つて順次正確
に送り出され、従来のようにフイードローラを用
いることなく的確に印刷部５に供給することがで
きる。その上ホツパー１内からキツカー２により
段ボールシートＡがある程度突き出されると、そ
の後はエンドレスベルト１１の吸着部１５によつ
て移送されるから該キツカー２のストローク距離
を小さく設定でき、また前壁１８の位置を調節す
ることによつて大きさの異なる段ボールシートに
対しても適用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の段ボールシートの加工機の簡略
側面図である。第２図ロは段ボールシートの加工
前、そして第２図イは加工後を示した平面図、第
３図は段ボールシートの部分断面側面図である。
第４〜第１４図は本発明の実施例を示したもので
あり、第４図は加工機の簡略側面図、第５図およ
び第６図はエンドレスベルトの部分断面側面図お
よび平面図、第７図は主要部の斜視図、第８図お
よび第９図は供給部のキツカーの作動前および作
動中のそれぞれ側面断面図、第１０図は供給テー
ブル部分の横断方向の断面図、第１１図および第
１２図はホツパーからの段ボールシートの送り出
し状態を示した簡略側面図、そして第１３図およ
び第１４図はホツパー前壁の位置の調節手段を示
した斜視図および１部省略背面図である。 １はホツパー、２はキツカー、５，６は印刷
部、５ａ，６ａは版ドラム、７は罫線加工部、８
はスロツト加工部、１０はテーブル、１１はエン
ドレスベルト、１４は吸引細孔、１５は吸着部、
１６は吸気ダクト、Ａは段ボールシート。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 段ボールシートＡのホツパー１に続いて１個
   乃至数個の印刷部５，６、罫線加工部７、スロツ
   ト加工部８を設けてなる製函加工機において、前
   記ホツパー１の下部から印刷部５，６側に延びる
   テーブル１０を設けると共に、このホツパー１内
   の段ボールシートＡをキツカー２によりテーブル
   １０上に突き出すごとく構成し、かつ前記テーブ
   ル１０の下部に複数本のエンドレスベルト１１，
   １１を平行状に配設して同軸上に掛設し、このエ
   ンドレスベルト１１，１１とともに前記キツカー
   ２、印刷部５，６、罫線加工部７、スロツト加工
   部８を同期駆動すべく構成し、また前記エンドレ
   スベルト１１，１１の表面側搬送部を、前記テー
   ブル１０に形成したシート搬送方向の溝を介して
   テーブル１０の上面に臨ませると共に、この搬送
   部の有効長さを前記印刷部５における版ドラム５
   ａの円周長さの整数倍とし、かつ前記エンドレス
   ベルト１１，１１に版ドラム５ａの円周長さ毎に
   吸着部１５を形成して、該吸着部１５が上記テー
   ブル１０の上面より稍突出して走行すべく構成す
   る一方、前記印刷部５，６間及び印刷部６と罫線
   加工部７との間に吸着部をもつ中間ベルト９，９
   を介装し、前記エンドレスベルト１１，１１及
   び、この中間ベルト９，９の各下面に吸気ダクト
   １６，１７を配設したことを特徴とする製函加工
   機。