JPS6130986Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は籾乾燥機を、その両側にスペースを設
けることなく設置した場合にあつても、搬出樋内
に残つた籾の排出作業を、乾燥機本体の前面側に
配設されたクラツチワイヤーの牽引状態の開放操
作と残籾落し蓋を籾排出口が開口する側に強制的
に牽引する牽引弾機の牽引操作との相乗作用とに
より迅速かつ正確に行わせることができる籾乾燥
機における搬出樋内の残籾排出装置に関する。

従来、調質槽、通風乾燥胴、取出し槽を順次立
体的に重設した籾乾燥機においては、通風乾燥胴
において乾燥熱風を浴びた籾を取出し槽において
収集し、これを昇降機により再び調質槽へ循環流
動させるために、取出し槽の底部には搬出スクリ
ユーを回転自在に内架した搬出樋が横設されてい
る。

したがつて、乾燥作業の終了時には、上記搬出
樋内に残籾現象が発生し、これらの残籾を排出さ
せないと固化して、次期の乾燥作業を円滑に遂行
させることができない許りか鼠等が進入して甚だ
不衛生となる。

そこで、これが残籾を速かに排出させるために
さきに本出願人は実公昭48−1242号公報および実
公昭57−28807号公報にそれぞれ記載された如き
残留籾排出口装置を開発した。

しかしながら、上記両考案に係る装置のものに
おいては、搬出樋を開口状態として残籾を排出さ
せる開閉操作部が籾乾燥機の側方に張出するよう
に設けられていたので、籾乾燥機の設置に際して
は、その両端に必らず作業員が入つて開閉操作部
を操作させるスペースが必要となり、籾乾燥機を
その両側にスペースを設けることなく設置ささて
残籾排出作業を行うことができず、その結果、籾
乾燥機の設置面積が多くなる許りか、残籾排出時
においては、開閉板或は搬出樋は支承作動の解除
で自重により自然に開かれるようになつていたの
で、開口作動時に開閉板や搬出樋が長期の使用に
よる錆つき現象或は稾や籾等による引かかり現象
で正確な開口状態を保持させることができなくな
つて、残籾の総てを搬出樋より排出させることが
できない欠点があつた。

そこで、本考案は、上記公知の残留籾排出装置
の欠点を解決するために、搬出樋内に残留した籾
を、乾燥機本体の前揚側に配設したクラツチワイ
ヤーの単なる牽引状態の開放操作により行わせて
籾乾燥機をその両側にスペースを設けなくても残
籾の排出作業が容易に達成できるようならしめる
と共に、籾排出口を開閉口させる残籾落し蓋は牽
引弾力で強制的に開口側に向け回動されるように
して、錆つき現象或は稾や籾等の引かかり現象に
よつて残籾落し蓋が不正確な開口状態となること
を未然に防止し、残籾の総てを搬出樋より正確に
排出させることができる籾乾燥機における搬出樋
内の残籾排出装置を得ることを目的としたもので
ある。

本考案は前記に鑑み、上記の目的を達成させる
ため、その構成を、特に横長角筒状の乾燥機本体
内に配設した取出し槽の底部側に、残籾排出口を
横長方向に沿い開口した搬出樋を設け、該残籾排
出口は横長方向に軸架された回動軸に装着され、
かつ回動軸を軸として左右方向に回動する残籾落
し蓋で開閉口せしめたものであつても、前記残籾
落し蓋に一端が装着され、しかも横長方向と直交
する方向に延出された作動杆の自由端側には残籾
落し蓋を残籾排出口が常時開口される側に牽引す
る牽引弾機の一端と、乾燥機本体の前面側に配設
された操作台に牽引状態および解放状態のもとに
係止されたクラツチワイヤーの他端とをそれぞれ
装着した籾乾燥機における搬出樋内の残籾排出装
置としたものであつて、かかる籾乾燥機における
搬出樋内の残籾排出装置によれば、籾乾燥機を、
その両端にスペースを設けることなく設置した際
においても、乾燥機本体の前面側に配設された操
作台へ牽引状態のもとに係止されたクラツチワイ
ヤーを解放状態ならしめる簡単な操作で残籾落し
蓋を牽引弾機の牽引による強制作動で回動軸を軸
として籾排出口が開口されるように回動させ、搬
出樋内に残留した籾を速かに排出させることがで
き、その結果、籾乾燥機の設置面積の縮小化は勿
論のこと、残籾落し蓋の開口作動を正確ならしめ
て、残籾落し蓋が長期の使用による錆つき現象或
は稾や籾の引かかり現象等により開口度合が不正
確となつて搬出樋内に籾が残留するのを未然に防
止できる効果を奏する。

以下に本考案に係る籾乾燥機における搬出樋内
の残籾排出装置を添付図面に示された好適な一実
施例について説明する。

図面において、１は上段に調質槽２を、中段に
籾流路を流下する過程で熱風を浴びせて乾燥作用
を行う通風乾燥胴３を、下段に前記通風乾燥胴３
において幾分乾燥された籾を取出すための取出し
槽４を順次立体的に重積した横長角筒状の乾燥機
本体であつて、該取出し槽４の底部側中央位置に
は、残籾排出口６を横長方向に沿つて開口した搬
出樋５が設けられている。７は籾排出口６近傍位
置の乾燥機本体１内に、横長方向に沿つてその両
端部を軸架部材８，８により回動自在に軸架され
た角軸状の回動軸であつて、該回動軸７の軸架部
分は回動作用が円滑に行えるように円形状に形成
されている。そして上記の回動軸７には残籾排出
口６を開閉口させるための字状を呈する残籾落
し蓋の基端側が装着されている。

１０は残籾落し蓋９および回動軸７の中央位置
裏側に横長方向と直交する方向に向け延出するよ
う、その一端を装着した作動杆であつて、該作動
杆１０における自由端側の一側部には残籾落し蓋
９を回動軸７を軸として常時残籾排出口６が開口
される側に回動されるよう牽引するために牽引弾
機１１の一端が装着されており、又自由端側の他
側部には残籾落し蓋９を回動軸７を軸として残籾
排出口６が閉口される側に回動されるよう牽引す
るためのクラツチワイヤー１２の一端が装着金具
１３を介して装着されている。なお牽引弾機１１
の他端は乾燥機本体１内の適所に装着されてい
る。

一端を作動杆１０を自由端側に装着されたクラ
ツチワイヤー１２の他端側は乾燥機本体１の前面
側底部に装着された操作台１４を牽引状態および
解放状態のものに係止せられるようになつてい
る。上記の操作台１４は前後に長い帯状平板１５
の前部側に係止溝１７を縦設した係止板１を起立
させ、又帯状平板１５の後部側過半部の両側には
乾燥機本体１の底部へ操作台１４を取外し自在に
装着するための水平取付片１９，１９を備えた左
右側壁１８，１８をそれぞれ平行状に起立装着さ
せると共に、後部壁２０にはクラツチワイヤー１
２の端部を緊定具２１で装着せしめることができ
るように構成されて、クラツチワイヤー１２の端
部に装着された摘み部２２を係止板１６の係止溝
１７へ挿入係止した時には、クラツチワイヤー１
２は牽引状態となつて、残籾落し蓋９により残籾
排出口６が閉口される側に作動杆１０を回動軸７
を軸として牽引回動させ、又摘み部２２を係止板
１６より取外し、左右側壁１８，１８の前縁側に
係止させた時（第３図鎖線位置）には、クラツチ
ワイヤー１２の牽引状態を解除して、作動杆１０
への牽引作動を解放し、残籾落し蓋９が牽引弾機
１１の弾力で回動軸７を軸として残籾排出口６が
強制的に開口されるように回動せしめる。

２３は搬出樋５内に収納された籾を乾燥機本体
１の一側に立設された昇降機２４を下部へ搬送さ
せるための搬出スクリユーである。

次にその作用について説明する。

今、第３図に示された如く、クラツチワイヤー
１２の摘み部２２を操作台１４の前部側に起立さ
れた係止板１６の係止溝１７を挿入係止せしめれ
ば、クラツチワイヤー１２の牽引状態となつて、
牽引弾機１１の付勢弾力に打ち勝つて、作動杆１
０を回動軸７を軸として第２図に示された状態の
もとで時計方向に回動させる。その結果、作動杆
１０および回動軸７に装着された残籾落し蓋９も
時計方向に回動され、残籾排出口６を正確に閉口
せしめる。そこで乾燥機本体１内に所定量の籾を
充填した後、各作動部を回転させて、充填された
籾を調質槽２、通風乾燥胴３および取出し槽４を
経て、搬出樋５より昇降機２４を介し、再び調質
槽２に返流されるような循環流動作用を何回とな
く行うと共に、籾が通風乾燥胴３を通過する過程
で乾燥熱風を浴びて乾燥を行えば、籾は所定含水
率に乾燥され、最後に搬出樋５および昇降機２４
を経て機外に排出れる。

ところで乾燥作業を終了した以後にあつては、
搬出樋５の底部側にどうしても残籾が発生し、こ
れを排出させないと、該残籾が固化して次期の乾
燥作業ができなくなつたり、或はこの部分に鼠が
進入して不衛生状態となる。

そこで残籾の排出時には、乾燥機本体１の前面
側に配設されていた摘み部２２を係止板１６の係
止溝１７により取外して、操作台１４の左右側壁
１８，１８の前縁側に摘み部２２を係止替えさせ
れば、今迄牽引状態にあつたクラツチワイヤー１
２は自動的に牽引状態で解放されるので、作動杆
１０は牽引弾機１１の弾力で回動軸７を軸として
第２図において反時計方向に向け強制的に回動さ
れる。したがつて、作動杆１０に装着された残籾
落し蓋９も反時計方向に向け強制回転されるので
残籾排出口６は正確に開口され、搬出樋５内に残
留していた籾の総てを残籾排出口６より排出せし
めることができる。

したがつて、籾乾燥機を、その両側にスペース
を何等設けることなく作業場内に設置しても、有
効的な籾乾燥作業は勿論のこと、残籾排出作業も
能率的に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る籾乾燥機における搬出樋内
の残籾排出口装置の一実施例を示した場合であつ
て、第１図は全体の斜視図、第２図は第１図Ａ−
Ａ線矢視方向の拡大縦断正面図、第３図は第２図
Ｂ−Ｂ線矢視方向の断面図、第４図は操作台の全
体斜視図である。 １……乾燥機本体、４……取出し槽、５……搬
出樋、６……残籾排出口、７……回動軸、９……
残籾落し蓋、１０……作動杆、１１……牽引弾
機、１２……クラツチワイヤー、１４……操作
台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 横長角筒状の乾燥機本体内に配設した取出し槽
   の底簿側に、残籾排出口を横長方向に沿い開口し
   た搬出樋を設け、該残籾排出口は、横長方向に軸
   架された回動軸に装着され、かつ回動軸と軸とし
   て左右方向に回動する残籾落し蓋で開閉口せしめ
   たものにおいて、 前記残籾落し蓋に一端が装着され、しかも横長
   方向と直交する方向に延出された作動杆の自由端
   側には、残籾落し蓋を残籾排出口が常時開口され
   る側に牽引する牽引弾機の一端と、乾燥機本体の
   前面側に配設された操作台に牽引状態および解放
   状態のものに係止されたクラツチワイヤーの他端
   とをそれぞれ装着したことを特徴とする籾乾燥機
   における搬出樋内の残籾排出装置。