JPS6130878Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ボールとボール受座部とが共に金属
やセラミツクといつた材質であるボールペン用硬
質無機物製パイプ式チツプでは、硬質無機物同志
の直接摺触により筆記時不快なきしみ音を発した
り、或いはボールが円滑に廻らないため筆記線の
飛び現象を生じたりする欠点を解消すべく試みた
考案に係る。

従来公知の硬質無機物製パイプ式チツプの構造
は、第１図に示すように、合成樹脂製のインキ導
出用細桿体２を挿入した硬質無機物製パイプ１の
先端小口部３と、その後方の襞状縮径部４に繋が
るボール受座部５とによつて、ボール６を回転自
在に抱持しており、細桿体２の前端面は、図示の
如く襞状縮径部４の後方で終つていたから、共に
硬質無機物であるボール６とボール受座部５との
直接摺触構成とならざるを得ず、これによつて叙
上の如き不都合を生じさせた。

本考案の意図する所は、これ迄、インキ導出用
としての機能にとどまつていた細桿体２がボール
６の軸受材料として好適な合成樹脂製である事実
に鑑み、硬質無機物製であるボール受座部５と共
に、細桿体２の前端面でボール６を支承すること
により、上記した欠点を改善することにある。す
なわち本考案は、第２図に示すように、細桿体２
の先端を複数個に分岐させて先端分岐部分８，８
…を作り、この細桿体２の先端分岐部分８，８…
を、第３図に示すように、襞状縮径部４の襞７内
側に遊嵌し、各先端分岐部分８の前端面９でボー
ル受座部５と共にボール６を支承してなるもので
ある。

いま仮に、襞状縮径部４の形成に際して細桿体
２を充分深く挿入しておいてから、三方カシメ等
を施すことによりボール受座部５を形成したとす
ると、カシメによつて該個所のインキ導出路は圧
潰されるし、またボール６の支承は該細桿体２の
先端部分に当る合成樹脂だけで行なうことにな
る。前者は良好なインキの導出を阻害することに
なるし、後者は強筆圧をかけたりすると、ボール
６の沈み、従つて先端小口部３とボール６との間
隙が大きくなつて不可である。

これに対して本考案は、上記したとおり、細桿
体２の先端分岐部分８，８…を襞７内側に遊嵌し
たから、細桿体２によるインキ導出機能は先端分
岐部分８，８…でも依然として良好に維持でき、
該個所で阻害されることはない。従つて早書きし
てもインキ供給不足によるカスレを生じない。ま
た、各先端分岐部分８の前端面９でボール受座部
５と共にボール６を支承したから、強筆圧をかけ
ても硬質無機物製であるボール受座部５で受け止
めることができてボール６の沈みが少ないし、合
成樹脂製である細桿体２の先端分岐部分８の前端
面９は金属同志の直接摺触による音嗚き現象を発
しなくさせるほか、ボール６の回転を円滑にし、
線飛び現象もなくすうえで甚だ有効である。

なおこの実施例では細桿体２は第４図に三つの
単位細桿体から成るとして示したが、決してこれ
に限定されるものではなく、先端だけが複数個に
分岐した単一構成の細桿体であつてもよい。ま
た、後方の部材とのインキ接続性やパーツフイー
ダーの使用の容易化を図るために、細桿体の後端
にも分岐部分を設け、対称形としておいてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のボールペン用チツプを示す断面
図、第２図は本考案のボールペン用チツプを示す
断面図、第３図と第４図は第２図の−線およ
び−線で切断したときの断面図である。 １……硬質無機物製パイプ、２……細桿体、３
……先端小口部、４……襞状縮径部、５……ボー
ル受座部、６……ボール、７……襞、８……先端
分岐部分、９……前端面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製のインキ導出用細桿体２を挿入した
   硬質無機物製パイプ１の先端小口部３と、その後
   方の襞状縮径部４に繋がるボール受座部５とによ
   つて、ボール６を回転自在に抱持したボールペン
   用チツプにおいて、該襞状縮径部４の襞７内側に
   は上記した細桿体２の先端分岐部分８を遊嵌し、
   各先端分岐部分８の前端面９でボール受座部５と
   共にボール６を支承してなるボールペン用チツ
   プ。