JPH0232467Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、層状体をらせん状に巻いた内軸で芯
先部を形成する筆記具に関する。

従来の筆記具の芯先はインキ浸出孔にインキの
かすがたまり、インキの浸出が阻害されることが
多かつた。

本考案はこのような従来の筆記具の問題点を解
系することを目的とする。すなわち本考案の筆記
具は以下に詳述するように、弾性のある層状体を
らせん状に巻いて形成した原形円筒状体２ａの先
端周縁部２ｄを除去した円筒部２ｅの先端に芯先
部となる円錐部２ｆを形成し、円筒部２ｅ後端面
からストツパー軸３ａと閉塞部３ｂとからなるス
トツパー３を突出させた内軸２と、後端面に非使
用時ストツパー３により閉塞されるインキ通路４
を有し、内軸２の円筒部２ｅ後端面周縁を支持す
る固定用突起５を突設し、円筒部２ｅ後端面とイ
ンキ通路４との間に空隙部６を形成する外筒１と
からなり、内軸２のらせん状に巻いた層状体を仕
切壁２ｃとし、仕切壁２ｃの間隙２ｂをインキ浸
出孔とし、筆記時、円錐部２ｆに圧力が加わると
き、円錐部２ｆを形成した円筒部２ｅの後端部が
膨出し、ストツパー３の閉塞部３ｂがインキ通路
４から離れるように構成された、ものである。

本考案の筆記具は、上記のような構成を採用す
ることにより構造が簡単でしかもインキのかすの
たまらない筆記具を提供しようとするものであ
る。

以下図面に記載された本考案の実施例について
説明する。

（実施例の説明） 図面において、１は外筒、２はプラスチツクあ
るいは合成ゴムのらせん状に巻いた内軸で、その
原形は第１，４図に示されたように当初は原形円
筒状体２ａをなしている。そしてこの原形円筒状
体２ａのらせん状のおのおのの層状体の仕切壁２
ｃの間隙２ｂがインキ浸出孔を形成する。

原形円筒状体２ａはその先端周縁部２ｄが除去
され、芯先部の円錐部２ｆが円筒部２ｅの先端に
形成される。

また後端面にはストツパー軸３ａと閉塞部３ｂ
とからなるストツパー３が突設される。ストツパ
ー３は外筒１のテーパー面７に非使用時は密着
し、インキ溜め９からのインキ通路４を閉じてい
る。５は内軸２の後端面周縁を支持する固定用突
起である。６は内軸２後端面と外筒１の間に介在
する空隙である。７はインキ通路４を形成するテ
ーパー面、８は握り外筒、９はインキ溜めであ
る。

以下本考案の作用について説明する。

（作用の説明） 第２図の非使用時の状態ではストツパー３の
閉塞部３ａがインキ溜め９からのインキ通路４
を閉じている。

いま字を書くために内軸２の円錐部２ｆの先
端が紙面から圧力を受けると、内軸２の周縁は
固定用突起５により外筒１に固定されている
が、内軸２は弾性があるため中心軸線０−０を
中心として中心部は後退する。したがつて第３
図のようにストツパー３の閉塞部３ｂも後退
し、インキ通路４は開かれインキ溜め９からイ
ンキが芯先部に導入される。かくしてインキは
インキ浸出孔、すなわち間隙２ｂを通り芯先よ
り浸出して筆記可能となる。筆記を止めると内
軸２はその弾性で後退した中心部が復元し、こ
れと同時に第２図のようにインキ通路４を閉じ
る。

必要に応じて第２図の状態において、円錐部
２ｆの先端を紙面などに押し当て強く押すと、
第３図に示す筆記時のときより内軸１の中央部
が大きく後退する。またその圧力を解除する
と、第２図の状態に戻る。

すなわち筆記時の状態より強く芯先部の円錐
部２ｆを押したり、離したりすると、第５図
ａ，ｂのように内軸２の仕切壁２ｃが上下に摺
動し、その際中央部は大きく、周縁部は小さく
摺動するので、間隙３ｂ内のインキはその相対
的な摺動差により固まるのを防止される。また
多少固まつたとしても、その固まりが解かれる
ことになる。

（本考案の作用効果） 必要に応じて芯先内軸２の円錐部２ｆの先端を
強く押したり、離したりすると、インキの固まる
のを防止できるとともに多少の固まりを解くこと
ができる。

また、単純に層状体をらせん状に巻いた内軸２
を外筒１に嵌合して、芯先部を形成できるので、
従来の筆記具のように複雑な構造を必要としな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図：内軸の原形である原形円筒状体２ａの
斜視図、第２図：非使用時の本考案筆記具の断面
図、第３図：同じく使用時ないし芯先部を強く押
したときの断面図、第４図：原形円筒状体２ａか
ら内軸２を形成する状態の説明図で、正面図で示
す。第５図：内軸２の仕切壁２ｃの作用説明図。 １……外筒、２……内軸、２ａ……原形円筒状
体、２ｂ……間隙（インキ浸出孔）、２ｃ……仕
切壁、２ｄ……先端周縁部、２ｅ……円筒部、２
ｆ……円錐部、３……ストツパー、３ａ……スト
ツパー軸、３ｂ……閉塞部、４……インキ通路、
５……固定用突起、６……空隙部、７……テーパ
ー面、８……握り外筒、９……インキ溜め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弾性のある層状体を螺旋状に巻いて形成した原
   形円筒状体２ａの先端周縁部２ｄを除去した円筒
   部２ｅの先端に芯先部となる円錐部２ｆを形成
   し、円筒部２ｅ後端面からストツパー軸３ａと閉
   塞部３ｂとからなるストツパー３を突出させた内
   軸２と、後端面に非使用時ストツパー３の閉塞部
   ３ｂにより閉塞されるインキ通路４を有し、内軸
   ２の円筒部２ｅ後端面周縁を支持する固定用突起
   ５を突設し、円筒部２ｅ後端面とインキ通路４と
   の間に空隙部６を形成する外筒１とからなり、内
   軸２のらせん状に巻いた層状体を仕切壁２ｃと
   し、仕切壁２ｃの間隙２ｂをインキ浸出孔とし、
   筆記時、円錐部２ｆに圧力が加わるとき、円錐部
   ２ｆを形成した円筒部２ｅの後端部が膨出し、ス
   トツパー３の閉塞部３ｂがインキ通路４から離れ
   るように構成された、ことを特徴とする層状体を
   らせん状に巻いた内軸で芯先部を形成する筆記
   具。