JPS6130489Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスライドフアスナーの上端部に取付け
られた鉤ホツクに関するものである。

鉤ホツク付きのスライドフアスナーは種々提案
されているが、従来のものはワンピース等の被服
に取付けて使用した場合、鉤ホツクの掛け合せ部
分が外れ易いという欠点があつた。

本考案はかゝる欠点を解消したスライドフアス
ナーの鉤ホツクを提供するものである。第１図な
いし第７図は本考案の第１実施例を示す。第１図
において１ａ，１ｂはフアスナーテープ、２はス
ライダー、３はフアスナーテープ１ａ，１ｂの上
端耳部１a′，１b′の務歯取付縁部４ａ，４ｂに取
付けられた鉤ホツクである。該鉤ホツク３は雄体
５と雌体６からなる。

前記雄体５は本体部７の内端縁に掛止め片８
を、外端縁両側部に一対の係止爪９，９を有し、
該係止爪９，９をテープ１ａに挿通し、務歯取付
縁４ａに巻回して加締成形して取付けられてい
る。該係止爪９，９の先端内側はテーパ１０が形
成され、かつ本体部７の前縁角部にはテーパ１１
状に切除され、この両テーパ１０，１１を合致さ
せている（第５図参照）。これにより係止爪９，
９が本体部７の幅内に収まり体裁良く取付けでき
る。

前記掛止め片８は本体部７の表面１２側（テー
プ１ａへの取付面１３側と反対側の面をいう）に
若干突出して弧状に折返された弧状突部１４と、
該弧状突部１４から務歯取付縁１a′の方向に傾斜
して上方に延び先端部１５とを有している。これ
により弧状突部１４の内側には本体部７の取付面
１３より若干表面１２側に落ち込んだ弧状凹部１
６及び務歯取付縁部１a′方向に向つて開口する開
口部１７が形成される。

前記雌体６は本体部１８に係止孔１９を形成す
ると共に、内端縁に斜め上方を向く折曲部２０を
形成し、かつ本体部１８の外端縁両側に一対の係
止爪２１，２１を形成し、この係止爪２１，２１
をテープ１ｂに挿通し、務歯取付縁１b′に巻回し
て加締成形している。係止爪２１，２１及び本体
部１８には前記雌体５と同様のテーパ２２，２３
が形成されている。

上記鉤ホツク３を掛止めするときは第７図ａに
示すように鉤ホツク３を裏側Ａ方向に傾けて掛止
め片８を係止孔１９に挿入すると、掛止め片８は
雌体６の係止爪２１，２１間を通過し、又折曲部
２０は雄体５の係止爪９，９間を通過して第６図
のように折曲部２０が弧状凹部１６に掛止めされ
る。弧状凹部１６はテープ１ａ，１ｂの断面中心
線ｌより裏面Ａ方向に落ち込んでいるため、弧状
凹部１６と折曲部２０の掛止め部分Ｐは該断面中
心線ｌからずれた位置になる。したがつて第６図
の状態でテープ１ａ，１ｂの横引き力が加わる
と、この横引き力の作用線（断面中心線ｌ上にあ
る）に掛止め部分Ｐが一致しようとする力が働
き、このため第７図ｂのように鉤ホツク３の雄、
雌体５，６が持ち上がり、テープ１ａ，１ｂは斜
め上方に向いた状態となる。一般にスライドフア
スナーの上端部はＹ字状に開いており、これを引
き寄せて鉤ホツクで掛止めするため、鉤ホツクに
は常に横引き力が働いており、そのため掛止めす
れば鉤ホツクは自然に第７図ｂの状態になる。掛
止めを外すには、第７図ａのように逆方向に傾け
なければ外れないから第７図ｂの状態に傾いてお
れば掛止めが外れることがない。したがつて本考
案の鉤ホツクは使用中に自然に外れることがな
い。

第８図は本考案の第２実施例、第９図は本考案
の第３実施例で雄体５及び雌体６の係止爪の変形
例である。すなわち、第２実施例の係止爪９，
９，２１，２１はその先端９，２１をやり形に形
成し、この先端９′，２１′を務歯取付縁１ａ，１
ｂの内側でカールさせたものである。又、第３実
施例は、雄体５及び雌体６の本体部７，１８内端
縁と外端縁に２本づつ、計４本づつの係止爪９
ａ，９ｂ，２１ａ，２１ｂを有し、外端縁の係止
爪９ｂ，２１ｂをテープ１ａ，１ｂに通し、内端
縁の係止爪９ａ，２１ａを務歯取付縁４ａ，４ｂ
の内側に巻回させて両係止爪９ａ，９ｂ，２１
ａ，２１ｂを務歯取付縁４ａ，４ｂの上面で加締
めたものである。

上記第１図の実施例ではスライドフアスナーの
表面側に雌体６、裏面側に雄体５を位置させて掛
止めする構成を示してあるがこの逆であつてもよ
い。なお、務歯取付縁部４ａ，４ｂに芯紐を有し
ている構造のものと有しない構造のものがある
が、本考案はいずれにも適用できる。

以上のように本考案によれば掛止め片に本体部
の表面側、すなわちテープへの取付面と反対側方
向に突出する弧状凹部を形成したので、雄体と掛
止めした状態で横引き力が加わると、掛止めの外
れ方向と反対方向に自動的に傾き、使用中に自然
に外れることが有効に防止されるという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第７図は本考案は第１実施例で、
第１図は鉤ホツクを備えたスライドフアスナーの
平面図、第２図はフアスナーテープへ取付け前の
鉤ホツクの側面図、第３図は同上の平面図、第４
図はフアスナーテープへ取付後の鉤ホツクの平面
図、第５図は同上の裏面図、第６図は第４図の
−線断面図、第７図ａ，ｂは本考案の鉤ホツク
の作用を示す縦断面図、第８図ａ，ｂ及び第９図
ａ，ｂは各々第２実施例及び第３実施例であつ
て、ａは平面図、ｂはその裏面図である。 １ａ，１ｂ：テープ、３：鉤ホツク、５：雄
体、６：雌体、７：雄体の本体部、８：掛止め
片、１９：係止孔、１６：弧状凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スライドフアスナーの一方のテープ１ａ上端に
   取付けられる掛止め片８付きの雄体５と、他方の
   テープ１ｂ上端に取付けられる係止孔１９付きの
   雌体６とからなる鉤ホツクにおいて、 前記雄体５の掛止め片８にはテープに取付けら
   れた本体部７の表面１２方向にくぼませた弧状凹
   部１６を備え、前記雌体６の本体部１８の内端縁
   には斜め上方に向く折曲部２０を形成し、前記雄
   体５及び雌体６の各本体部７，１８にそれぞれ係
   止爪９，２１を突設し、該各係止爪９，２１を前
   記各テープ１ａ，１ｂの裏側から挿通して務歯取
   付縁部４ａ，４ｂを捲回するよう加締装着したこ
   とを特徴とするスライドフアスナーの鉤ホツク。