JPS6239697Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は被服用鉤ホツクの雄体の改良に関する
ものである。

従来の鉤ホツクの雄体は、第１図イに示すよう
に平坦な掛合せ部１の後部に屈曲段部２を介して
基部３を形成し、この基部３の両側に爪４を形成
し、この爪４を生地５の裏側に配置された裏板６
にかしめつけるようにした構造のものが一般的で
ある。しかしこの構造のものは基部３の全体が生
地５に接触しているため生地５に対して充分な締
付けができにくくそのため使用するうちにぐらつ
きを生じやすい。これに対して第１図ロに示すよ
うに掛合せ部１と基部３を平板状に連続させ、基
部３の外周縁に屈曲縁７を形成し、この屈曲縁７
の両側に爪４を設け、かつ基部２の中央に切抜起
片８を形成した構造のものも知られている。この
構造のものは屈曲縁７と切抜起片８とで生地５を
押えているため、これらが生地に充分喰い込み、
取付安定性が良好になるという利点がある反面、
切抜起片８の先端角部８′や屈曲縁７の先端角部
７′が生地５に当つているため、雄体に外力が加
わるとこれらの角部７′，８′で生地を傷めやすい
という欠点がある。

本考案は上記欠点を解消したもので取付強度が
高く、しかも生地を傷めることがなく長期間の使
用に耐え得る鉤ホツクの雄体を提供することを目
的とする。

以下本考案を図面に示す実施例に基いて説明す
る。第２図ないし第４図において１０は雄体本体
で、掛合せ部１１の後部に基部１２が平板状に連
続し、その基部１２の外周縁に下向きに爪１３，
１３が屈曲成形されている。この爪１３，１３の
後部には、基部１２の外周縁に沿つて下向き屈曲
して形成された屈曲周縁部１４が一体に連設され
ている。そして基部１２の中央部には前記爪１
３，１３の折曲げ対応する位置に打出しによる凸
部１５が形成されている。この凸部１５は打出し
によるため全ての角部が丸み１６をおびた形状と
なつている。

前記雄体本体１０は第５図、第６図に示すよう
に通常の手段、すなわち生地１７の裏側に当てた
裏板１８の孔２１，２１に爪１３を挿入してかし
めることにより生地１７に取付けられる。なお裏
板１８は、第５図のように屈曲部１９を介して後
部に基部２０を有し、この基部２０に前記孔２
１，２１が形成されたもので、この基部２０は前
記雄体本体１０の基部１２よりも前後に若干突出
する程度の長さとなつている。第６図に示すよう
に雄体本体１０の基部１２はその屈曲周縁部１４
及び凸部１５のみが生地１７に接触し、これによ
り生地１７に屈曲周縁部１４と凸部１５が喰い込
み、両者１４，１５の間で生地１７に盛り上り２
２が生じ、雄体本体１０の動きは強力に阻止され
る。又凸部１５は丸み１６がついているため生地
１７を傷めることがないと共に、屈曲周縁部１４
は爪１３，１３の後部に一体に連設されているた
め、屈曲周縁部１４の前端にも角部がなくなり、
屈曲周縁部１４による生地の傷みも防止される。

以上のように本考案によれば屈曲周縁部１４と
打出し凸部１５とによつて生地に安定よく強度の
大きい取付けができると共に打出し凸部及び屈曲
周縁部前部にとがつた角が生じないので生地を傷
めることがなく、耐久性に富むという効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは従来の鉤ホツクの雄体本体の縦
断側面図、第２図は本考案の実施例を示す側面
図、第３図は同上の裏面図、第４図は第３図の
−線断面図、第５図は裏板の平面図、第６図は
生地へ取付け状態の縦断側面図である。 １１……掛合せ部、１２……基部、１３……
爪、１４……屈曲周縁部、１５……凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 掛合せ部１１の後部に平板状に連続された基部
   １２の両側に爪１３，１３を屈曲成形し、この爪
   １３，１３の後部に基部１２の外周縁を屈曲して
   形成された屈曲周縁部１４を一体に連接すると共
   に、基部１２に前記爪１３，１３の折曲げ対応し
   た位置に打出しによる下向きの凸部１５が形成さ
   れた雄体本体１０と、前記爪１３，１３により加
   締め取付けされる裏板１８とからなることを特徴
   とする鉤ホツクの雄体。