JPS6128866Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、バルコニーのデツキを支持する検
太を、バルコニー前桁と窓枠との間に簡単に固定
できるようにしたバルコニーの根太固定装置に関
するものである。

バルコニーは窓開口部の屋外側に設置される
が、縦枠、窓に取付けられるサツシとバルコニー
とは、構造上も施工上を関連づけて考慮されたこ
とがなく、それぞれ独立別個に取扱われていた。
従つて、第１にサツシとバルコニーの取付作業能
率が悪く、サツシ取付け後にバルコニーを施工す
る場合は、サツシとは別に根太固定部材を建物に
取付ける必要があるとともに、サツシがとくに根
太の固定作業の邪魔になることが多い。第２に、
サツシとバルコニーとの間に雨仕舞いが悪くなり
勝ちであり、とくに、サツシ取付けと、バルコニ
ー取付けと、及び外装仕上げとが各別の業者によ
つて行なわれる場合が多いため、雨仕舞いにもど
うしても欠陥を生じ易かつた。

こうして、サツシとの取付け作業延べ時間が多
くかかり、雨仕舞い改善のための余分な作業を必
要とすることから、ユーザーは不必要に多額の費
用の負担を余儀なくされていた。

この考案は上記の点に鑑みなされたものであ
り、窓枠の下枠に根太支持部を一体状に設けるこ
とにより、サツシ取付け時に並行して、又は、サ
ツシ取付け後であつても、そのサツシを利用して
容易かつ迅速にバルコニーのデツキ用根太を取付
けることができ、しかも、サツシ取付け部周りに
良好な雨仕舞いが得られるようにしたバルコニー
の根太固定装置を提供しようとするものである。

次に、この考案の実施例を、図面に基いて説明
する。

サツシ自体は、従来と同様に、上枠１、下枠２
及び左右の縦枠３を方形に枠組みしてなる窓枠Ｆ
に、整子d₁，d₂網戸d₃などの建具を摺動自在に建
付けてなり、まぐさ４、窓台５及び左右の柱に固
定して取付けられている。雨戸を建付けた窓枠に
対しても、この考案は適用可能である。

この考案においては、下枠２の屋外側端下部に
断面概略Ｌ形の根太支持部６が一体に設けられて
いる。この根太支持部６は後述されているよう
に、バルコニーのデツキを構成する根太２６ａを
載置固定するものである。根太支持部は、デツキ
及びデツキに乗つた人の荷重あるいは風圧などに
充分耐える必要がある。そこで、根太支持部を補
強するため、下枠２に網戸レール７を有する基板
の一部８ａの下面に一側面が窓台５に当接支持さ
れるＬ形補強壁８ｂを一体に形成して、前記基板
の一部８ａとともに中空補強部８を設けるととも
に、前記根太支持部６の肉厚を下枠の他の部分よ
りも厚くしている。

さらに、好ましくは、根太支持部６と窓台５と
の間に形成される下方開口の空隙に、合成ゴム等
のわずかな弾性を有するシール材９が押込んで嵌
着され、根太支持部６の垂直部分６ａの屋外側か
らねじ１０を前記シール材を貫通して窓台５にね
じ込むことにより、下枠及び根太支持部を非常に
堅牢に建物に固定している。このようなシール材
９とねじ１０を用いることにより、根太支持部６
はさらに補強されている。

なお、１１は前記シール材の嵌着時に一緒に装
着され、シール材によつて窓台との間に挾持さ
れ、かつ、ねじ１０で固定された水切板であり、
下端部が屋外方向に下り傾斜したのち下方に折曲
されていて、外装材１２の上部見切りをその水切
板１１と壁１３との間に嵌合して外装仕上げを容
易に行ない、かつ、良好な雨仕舞いが得られるよ
うにしてある。１４はコーキングである。

また、Ｂは前述された窓枠を用いて取付けられ
たバルコニーであり、窓の前方において地面に立
設された支柱１５と、支柱間に前記下枠２とほぼ
同じ高さにおいて窓枠の前方に架橋され、ブラケ
ツト１６、ねじ１７等を用いて固定された前桁１
８と、各支柱１５と建物躯体との間に、前記前桁
１８と同じ高さにおいて架橋され、同様のブラケ
ツト等を用いて固定された側桁１９と、前記支柱
の上端間にブラケツト２０及びねじ２１を用いて
架橋固定された正面手摺２２と、各支柱の上端部
と建物躯体又は前記窓枠の縦枠３間に、ブラケツ
ト２３及びねじ２４を用いて架橋固定された側面
手摺２５と、及びコ字形に連続する前記前桁１８
と両側桁１９及び下枠２の間に支持されるデツキ
２６とを有してなつている。

デツキの支持構造についてさらに詳述すると、
前記前桁１８の屋内側面には、前詰記下枠の根太
支持部６の水平部分６ｂと等しい高さにおいて屋
内方向突出する支持縁２７が前桁の全長にわたつ
て形成されている。そして、この支持縁２８があ
けてあり、前桁１８と下枠２との間をこれらに対
して直角な方向に延びる根太２６ａの一端を前記
支持縁２７上面に、他端を前記下枠の根太支持部
６の水平部分６ｂの上面にそれぞれ載置し、か
つ、根太２６ａの側縁２６a₁にあけてある孔２６
a₂が前記孔２８に合致させて支持縁２７の下側か
らこれら孔２８，２６a₂に挿通したボルト２９に
座金３０を装着したのちナツト３１を締付け、ま
た、根太２６ａの他端の側縁２６a₁に設けてある
孔２６a′₁を、前記根太支持部６の水平部分の前
端部に形成してあるあり溝状のボルト挿通溝６
b′と合致させ、かつ、その溝６b′に摺動自在に装
着してあるボルト３２を前記２６a′₂に挿通した
のち、座金３３を介してナツト３４を締付けるこ
とにより、根太２６ａが前桁１８と下枠２の間に
架橋固定されている。根太は前桁及び下枠の長手
方向に間隔をもつて複数本配設されている。

２６ａは前述のようにして固着した根太２６ａ
の上側に載置されたデツキ材であり、前桁１８、
左右側桁１９及び下枠２の間の平面を塞ぐ。デツ
キ材は帯状ものを多数近接して固定してもよい
し、平板上のもの一枚を固定してもよい。

第３図ないし第５図は下枠の他の例を示すもの
である。第３図の例は根太支持部６を中空補強部
８の下面から下方に延延設して、デツキ２６の上
面を網戸レールとほぼ等しい高さまで下げ、窓か
らバルコニーに出入りする場合に、足踏み面の安
定性を高め、あるいは爪先がデツキ材に引掛らな
いようにしたものである。３５は屋根である。

第４図の例は、中空補強部８の下面の屋内側端
部に下方に延長する水切板１１′を一体に設け、
その水切板を窓台５に当接さて、根太支持部６を
よりよく補強するとともに、雨仕舞い効果を向上
させたものである。

第５図の例は、さらに、デツキ２６の上面を下
げる場合において、下方に延長された根太支持部
６の垂直部分の背面にも中空補強部８′を形成し
て、シール材９の使用を不要とし、かつ、その中
空補強部から下方に延びる水切縁１１′を一体に
設けたものである。この場合は単に、ねじ１０を
ねじ込むだけで簡単に下枠の固定ができる。な
お、また、この図は、前述したように窓枠に雨戸
嵌合部を備える場合に、下枠２に雨戸レール３６
を形成して一例をも示している。

第１図、第３図及び第４図に示された実施にお
いては、降雨時にサツシの建具を流下した雨水が
下枠上面を屋外方向に流れるが、下枠の屋外側端
下部に、Ｌ形の根太支持部が設けられ、かつ、そ
の水平部にボルト挿通溝６b′が設けてあるので、
その水平部にボルト挿通溝６b′が設けてあるの
で、ボルト挿通溝がその雨水が受入れて下枠の長
手方向端部に誘導排出する。また、バルコニーの
デツキ２６の上面に降つて、風などにより下枠方
向に流れる雨水も同様にそのボルト挿通溝、少な
くとも根太支持部の水平部分によつて下枠長手方
向端部に誘導排出されるので、下枠取付部の雨仕
舞いが格段に向上し、バルコニーを連設したこと
に伴なつてコーキング作業など格別の雨仕舞いの
ための施工を必要としない。

上述のように、この考案によれば、下枠の屋外
側端下部にＬ字形の根太支持部を設け、その根太
支持部とバルコニー前桁に設けた支持縁との間
に、複数本の根太を懸架固定するようにしたもの
であるから、サツシの取付けと平行してバルコニ
ーの設置が可能であり、かつ、デツキは建物側に
サツシ以外の別個の固定部材を要さずに、簡単に
下枠に載置固定することができ、サツシとバルコ
ニーの取付け作業が、従来に比し格段に簡略化さ
れる。

そして、根太支持部は水平部分に上方に開口す
るボルト挿通溝を有し、バルコニーの前桁の内側
面に突設した支持縁と前記根太支持部の水平部分
とに、側縁を有する根太を載置し、前記ボルト挿
通溝に挿通したボルトを前記側縁の孔に貫通する
とともに、支持縁に挿通したボルトを前記側縁の
孔に貫通して、各ボルトにナツトを締めて、根太
を固定するから、根太の取付けが容易敏速にでき
る。

さらに、根太支持部は下枠に一体に接続されＬ
字形をなして下方に延設され、水平部分に上方に
開口するボルト挿通溝を有する構造であるから、
サツシ建具に降りつけて下枠上面に流下する雨水
が前記ボルト挿通溝により下枠の長手方向端部に
誘導排出され、また、デツキ上面に降つて風によ
り下枠側に流れる雨水も、同様に長手方向端部に
誘導排出されることができ、サツシとデツキの間
に雨水が遮断作用をするので、顕著な雨仕舞い改
善効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図はバルコニー前桁と根太の一例を示す斜視
図、第３図ないし第５図はこの考案の他の実施例
を示す断面図である。 Ｆ……窓枠、１……上枠、２……下枠、６……
根太支持部、６b′……ボルト挿通溝、Ｂ……バル
コニー、１８……前桁、２６……デツキ、２６ａ
……根太、２６a₁……側縁、２６ｂ……デツキ
材、２９，３０……ボルト、３１，３４……ナツ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (イ) 窓枠の下枠の屋外側端下部に断面ほぼＬ字状
   をなし、水平部に上方に開口するあり溝状のボ
   ルト挿通溝を有する根太支持部を一体に突設
   し、 (ロ) その根太支持部の水平部と窓の屋外側に設置
   されたバルコニー前桁の内側面に突設されてい
   る支持縁との間に、全長にわたつて側縁を有す
   る複数本のデツキ用根太を懸架し、 (ハ) 各根太の長手方向端部において前記側縁に設
   けてある孔に、前記根太支持部のボルト挿通溝
   に挿通したボルトを貫通し、及び前記前桁の支
   持縁に設けてある孔に挿通したボルトを貫通
   し、各ボルトにナツトを締付けて根太を固定し
   てあることを特徴とするバルコニーの根太固定
   装置。