JPS6128780Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として複数枚重ねた板材等をその四
周に保護材を巻装してさらに外側からシユリンク
包装してなる梱包体に関する。

従来、例えば板材等を複数枚重ねた状態で梱包
するには、そのコーナー部に合成樹脂製の三角キ
ヤツプ状のコーナー保護部材を装着するとともに
該コーナー部を含む四周側面に模様、商標、製造
者名等を印刷した保護テープを装着し、この外側
から合成樹脂フイルムまたはシートでシユリンク
包装するものであつた。しかしこの場合、コーナ
ー保護部材を保護テープとは別途準備しかつ装着
しなければならず、作業に手数を要する欠点があ
つた。

また最近では、上記のような欠点をなくし、作
業性をよくするために、合成樹脂製のテープ基材
のコーナー部にあたる部分の内側に発泡合成樹脂
等のコーナー保護材を貼着してなる保護テープを
用い、これを前記コーナー保護材が板材のコーナ
ー部にあたるように四周側面に装着してシユリン
ク包装することも行なわれている。しかしこの場
合には保護テープ装着の際にコーナー保護材をコ
ーナー部にあてがうべく位置決めしなければなら
ず、また保護テープはコーナー保護材の貼着位置
を板材の寸法に応じて定めるので他の寸法の板材
の梱包には使用できないという欠点があるほか、
特にテープ基材が合成樹脂製であるため、シユリ
ンク包装フイルム等による包被状態によつてはシ
ユリンク包装時の加熱によりテープ基材が軟化
し、その表面に施された模様、商標、製造者名等
の印刷が流れて不鮮明になるおそれがある。即
ち、この種の梱包におけるシユリンク包装の方法
として、シユリンク包装フイルムにて全面を完全
包被する場合のほか、シユリンク包装フイルム等
の節約、コスト低下を狙つて保護シートを装着し
た四周側面のうち一方の対向側面を開放しておく
ことが考えられており、この場合シユリンク包装
時の熱風が前記開放部分から直截テープ基材に当
触し、上記したような欠点が生じるものである。

本考案は、上記に鑑みて、梱包作業を能率化で
きかつシユリンク包装時の加熱による影響を全く
受けることのない梱包体を提供しようとするもの
であり、その特徴とするところは、柔軟なシート
状合成樹脂発泡体と紙または不織布よりなるシー
トとを全長にわたつて貼合せてなる二層構造の所
要幅長尺状の保護材を板材等の梱包物品に前記発
泡体を内側にして巻装し、さらに前記保護材の外
側からシユリンク包装してなる梱包体にある。

次に本考案の実施例を図面に基いて説明する。
１は柔軟なシート状の合成樹脂発泡体２と紙また
は不織布よりなるシート２とを貼合せてなる所要
幅長尺状の保護材である。柔軟なシート状合成樹
脂発泡体２としては、ポリエチレン樹脂、ポリプ
ロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
軟質ポリ塩化ビニル樹脂、軟質ポリウレタン樹脂
等の軟質合成樹脂を押出し発泡成形した発泡シー
トおよび前記樹脂の発泡体をシート状にスライス
して得られた発泡体を例示できる。シート３とし
ては、クラフト紙、ロール紙その他のパルプを原
料とする比較的薄い紙を用いるほか、ボール紙等
の板紙や段ボールも使用できる。板紙や段ボール
の場合には、梱包物品のコーナーに相当する個所
にヒンジ構造等の折目を付けておくとよい。また
皺や襞を付けて縮ませた紙を使用すると、発泡体
２とともに若干伸長でき、梱包物品に対する巻装
が容易となる。このほか、ナイロンやポリエステ
ル繊維等の耐熱性素材よりなる不織布をシート３
として用いることができ、この場合折曲し易すく
かつ耐熱性、印刷性も良好であり、特に後述する
シユリンク包装によつてもしわが生じないという
効果がある。

上記の発泡体２とシート３との貼合は、シート
３に発泡体２と同系の樹脂をコーテイングしてお
き両者を重合して加熱接着する。もちろん接着剤
を用いて貼合せることもできる。なお、シート３
の表面には模様、商標、製造者名等を必要に応じ
て印刷しておく。

そして上記のような長尺状の保護材１が、複数
枚重ねた板材等の梱包物品ａの四周の側面に発泡
体２を内側にして巻装されている。保護材１は梱
包物品ａに略対応した幅のものが用いられるが、
シート３がクラフト紙や不織布等の折曲し易いも
のの場合には梱包物品ａの側面より若干広幅のも
のを用いることができる。この保護材１の巻装方
法としては、第３図Ａのように梱包物品ａに対し
て保護材１を巻付けるようにして端部を止定する
か、または第３図Ｂのように保護材１を予め梱包
物品ａの周囲に対応した環状に連結構成してお
き、これを梱包物品ａに対して嵌着すればよい。
特にシート３が板紙や段ボールの場合には前記環
状に構成したときに形が定まり易く、巻装の自動
化が容易になる。

さらに上記のごとくして梱包物品ａに保護材１
が巻装されたものに対して、保護材１の巻装方向
とは直交する方向にシユリンク包装用の合成樹脂
フイルムまたはシートが巻装されて加熱され、保
護材１の外側からシユリンク包装されているもの
であり、これが本考案に係る梱包体となる。前記
シユリンク包装用のフイルム等４による包被状態
としては、第５図のようにフイルム等４を梱包物
品ａよりかなり広幅にしておいて梱包物品ａの全
面に収縮包被せしめる場合のほか、第６図のよう
にフイルム等４を梱包物品ａと同程度で僅かに広
幅にしておいて四周側面のうち一方の対向側面を
開放した状態に収縮包被せしめることができる。

本考案は上記のように構成されてなるもので、
これに用いられた保護材１が特に柔軟なシート状
の発泡体２と紙または不織布よりなるシート３と
を貼合せてなるものであるから、板材等の物品ａ
を梱包する際に発泡体２を内側にするだけでコー
ナー部の位置合せの必要なく容易に保護材１の装
着が行なわれ、従つて梱包作業が簡略化され作業
能率が向上するは勿論、板材等の梱包物品ａはコ
ーナー部だけでなく四周の側面も発泡体２にて巻
装包被されて確実に保護されることになる。しか
も発泡体２外側の紙等のシート３は熱に対して強
く、シユリンク包装時の加熱にも充分耐え、特に
シユリンク包装用のフイルム等４を梱包物品ａの
四周側面のうち一方の対向側面を開放した状態に
収縮包被せしめた場合にも、紙等のシート３はそ
の加熱による影響を受けることがないので、内側
の発泡体２を保護し補強する役目を果し発泡体２
の熱による変形を防止できるとともに、シート３
表面の商標等の印刷が流れたり不鮮明になること
もなく、シート３が合成樹脂材料に比し印刷し易
くかつ鮮明に印刷できることと相まつて、初期の
鮮明な印刷状態を保持できる。それゆえ、上記し
たようなシユリンク包装が何等不都合なく実施可
能なものであり、シユリンク包装用のフイルム等
の節約、延いては梱包費の低減を図ることができ
る。

さらに本考案の場合、保護材１として柔軟な発
泡体２に紙等のシート３を貼合せたことにより、
柔軟な発泡シート単独のもののように柔軟過ぎて
扱い難く折目を付け難いというようなことがな
く、比較的扱い易くかつシート３がクラフト紙等
であれば折目を付け易く、しかも合成樹脂発泡材
料等に比して強靭性のある前記シート３は屈曲の
繰返しや引裂きに対しても強く、もちろん発泡体
２は柔軟であるから割裂することなく容易に折曲
でき、梱包物品ａに対する装着を容易にかつ裂損
のおそれなくなし得るとともに、耐久性にも優れ
る。またシート３がクラフト紙等のように折曲し
易いものであれば、保護材１が梱包物品ａの側面
より広幅であつても、シユリンク包装によつて第
７図のごとく保護材１の両側部が梱包物品の他の
面を添うよう折曲されることになり、何等不都合
なく梱包できるとともに梱包物品の保護を効果的
になし得る。

なお本考案は板材等を複数枚重ねて梱包する場
合に限らず、他の物品の梱包においても実施可能
で、上記したと同様の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示すものであり、第１図
は保護材の一部欠載斜視図、第２図は前図−
線における拡大断面図、第３図Ａ，Ｂはそれぞれ
保護材の巻装手段を示す斜視図、第４図は保護材
を巻装した斜視図、第５図Ａ，Ｂおよび第６図
Ａ，Ｂはそれぞれシユリンク包装前後の斜視図、
第７図はシユリンク包装した一部の断面図であ
る。 １……保護材、２……柔軟な合成樹脂発泡体、
３……紙等のシート、ａ……梱包物品。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 柔軟なシート状の合成樹脂発泡体２と紙また
   は不織布よりなるシート３とを全長にわたつて
   貼合せてなる二層構造の所要幅長尺状の保護材
   １を、板材等の梱包物品ａに前記発泡体２を内
   側にして巻装し、さらに前記保護材１の外側か
   らシユリンク包装してなる梱包体。 ２ 合成樹脂発泡体２がポリエチレン樹脂、ポリ
   プロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
   体、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、軟質ポリウレタ
   ン樹脂等の軟質合成樹脂よりなる実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の梱包体。 ３ シート３がクラフト紙、ロール紙等の比較的
   強くかつ折曲し易すい紙である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の梱包体。 ４ シート３がナイロン、ポリエステル繊維等よ
   りなる不織布である実用新案登録請求の範囲第
   １項記載の梱包体。