JPS6127014B2 - - Google Patents

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JPS6127014B2
JPS6127014B2 JP51100224A JP10022476A JPS6127014B2 JP S6127014 B2 JPS6127014 B2 JP S6127014B2 JP 51100224 A JP51100224 A JP 51100224A JP 10022476 A JP10022476 A JP 10022476A JP S6127014 B2 JPS6127014 B2 JP S6127014B2
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JP
Japan
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water
sardines
carbon dioxide
culture
farming
Prior art date
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JP51100224A
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English (en)
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JPS5327595A (en
Inventor
Hiroshi Shimizu
Yoshinori Arai
Yutaka Dochi
Senji Oosawa
Koichi Maeda
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
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Publication date
Application filed by Organo Corp filed Critical Organo Corp
Priority to JP10022476A priority Critical patent/JPS5327595A/ja
Publication of JPS5327595A publication Critical patent/JPS5327595A/ja
Publication of JPS6127014B2 publication Critical patent/JPS6127014B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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  • Farming Of Fish And Shellfish (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は餌料用イワシの蓄養方法に関するもの
であり、当該イワシを高密度に蓄養するにあた
り、当該イワシのへい死を防ぐことを目的とす
る。 ここで言う蓄養とは餌料用イワシを輸送または
一定の場所で当該イワシの生活を維持することを
指す。例えばカツオ南方遠洋漁業においては、餌
料としてのイワシを漁獲場まで蓄養して輸送する
など、餌料用イワシの蓄養の必要は益々高まつて
いる。 そしてこのような目的で例えばカタクチイワ
シ、マイワシなどの餌料用イワシを蓄養する場合
は、養殖のように魚類の増殖、成長を目的として
長期に渡り良好な生活条件を与えるのと異なり、
蓄養はあくまでも一時的な生活維持であり場所そ
の他の制約もあり、スペースの利用効率を第一に
考えなければならないので、高密度化するなどの
必要があり生活の環境や条件が悪化する。 このように餌料用イワシを高密度のまま活魚の
状態で輸送する際には、当該イワシのへい死がし
ばしば起こる。 すなわち当該イワシの蓄養は当該イワシ保持の
スペース効率を良くし、また輸送効率を良くする
事が大切であり、従つて餌料用イワシはその種類
や大きさ、体形などにもよるが、例えばカタクタ
イワシの場合は5〜15Kg/m2程度を収容するのが
通常であるが、従来はこのような高密度蓄養にお
いて、蓄養水の管理に十分注意してもしばしばカ
タクチイワシの大量へい死を招いていた。 これらへい死の原因は、酸素の欠乏、二酸化炭
素の蓄積などがその主なものである。 特に蓄養水の温度が高い時は、餌料用イワシの
酸素消費量が増大して酸素の欠乏が早くなり、か
つ酸素を取り入れた結果生成する二酸化炭素の発
生、蓄積が多くなりへい死を早めるので特に注意
を要する。 しかし従来は、その対策として酸素補給、温度
制御などの一つまたは二つ以上の手段を組み合わ
せて行つているが、蓄積二酸化炭素の適当な除去
対策を行つていないため、蓄養イワシのへい死が
頻繁に起きている。 すなわち従来は二酸化炭素の蓄積を蓄養水の
pH下降の原因としてのみとらえ、従つて対策と
してはPHコントロールを行うとともに餌料用イワ
シが消費した酸素を単に補給するのみであるか
ら、蓄養水中に蓄積する二酸化炭素が当該イワシ
の呼吸時の酸素の取り入れを阻害し、または当該
イワシ体内における酸素と二酸化炭素の平衡状態
が異常化することを考慮せず、蓄積二酸化炭素そ
のものを除去する対策を行つていない。 本発明はこれらの知見に基づいて従来の欠点を
解決した新規な蓄養方法であり、餌料用イワシを
輸送する際または一定の場所において当該イワシ
の生活を維持して蓄養するにあたり、蓄養水の一
部を循環することによつて下記の蓄養水の保守管
理を行いやすくした上で、循環水を冷却して0℃
及至25℃の範囲で低温に保持することによつて当
該イワシの活動を緩慢にさせて酸素消費量、二酸
化炭素排出量などを減少させるとともに蓄養水の
酸素濃度と酸素溶解度を増大させ、かつ循環水を
空気または酸素あるいは両者を用いて曝気するこ
とによつて当該イワシによつて消費した蓄養水の
酸素を補給するとともに、この曝気によつて循環
水に蓄積する二酸化炭素を部分的に除去し、さら
に上記曝気後の循環水に残留する二酸化炭素を、
これと反応して吸収する薬剤で処理して除去し、
蓄養水中の二酸化炭素濃度10ppm以下に保つこ
とを特徴とするものである。 次ぎに本発明を実施態様の一例の概略説明図で
ある第1図を用いてさらに説明する。 1は蓄養槽であり、これは循環ポンプ2によつ
て循環水管3に連通する。循環水管3には気体吸
収エゼクター4と気体放出槽5と薬剤添加装置6
と薬剤と循環水を混合するミキサー7と冷凍機
(図示していない)から冷ブラインを循環供給す
るブラインクーラー8をそれぞれ配設したもので
ある。 次ぎに運転操作を説明すると、餌料用イワシの
入つた蓄養槽1の蓄養水の一部を循環水として連
続的に循環ポンプ2によつて槽外に引き抜き、該
循環水は循環水管3を通り、気体吸収エゼクター
4より空気や酸素またはその混合物を吸引管13
より吸引させることにより曝気して循環水中に酸
素を供給し、同時にこの曝気によつて循環水中の
二酸化炭素を気体放出槽5によつて部分的に放出
除去する(例えば15〜20ppmまで除去する)。 次ぎに、曝気後の循環水には、薬剤添加装置6
から二酸化炭素を吸収する薬剤溶液を注入し、ミ
キサー7により循環水と十分混和することによつ
て循環水中に残留する二酸化炭素を吸収させて除
去する(例えば5ppm以下まで除去する)。 この二酸化炭素を除去した循環水を、ブライン
クーラー8内に入れて一定温度に冷却し、再び蓄
養槽1内に戻すという循環処理を繰り返し行う。 この循環処理によつて蓄養水の水温を0〜25℃
の範囲で低温に保持し、また当該イワシの消費し
た蓄養水中の酸素を補給し、さらに当該イワシか
ら排出された蓄養水中の二酸化炭素を当該イワシ
がへい死しない濃度に保つ。 本発明は以上のように実施するが、このほかに
第1図に示すように循環ポンプ2の吐出側に近い
位置に濾過器9例えば砂濾過器や、ミクロン単位
の孔径を有するフイルターを充填した精密濾過器
を必要に応じて設けることにより、蓄養水中の飼
料の残留物、当該イワシの排泄物などを含む懸濁
物質を除去することもできる。 またブラインクーラー8に補給水管10を連通
して新たな蓄養水を蓄養水槽1内に補給するとと
もに、該槽1から蓄養水の一部を排出管11また
は11′またはその両方から蓄養槽1外に抜き出
すことによつて蓄養槽1内の蓄養水を連続的ある
いは間歇的に入れ替え、蓄養槽1中の蓄積物質す
なわち飼料の残留物、当該イワシの排泄物、死
魚、微生物スライム、その他の固形物およびこれ
らによつて生じるアンモニウム塩や有機物質など
の溶解物を系外に除去して、当該イワシに対する
環境の悪化を防ぐことができる。 なお蓄養水の抜き出しにあたつては、排出管1
1′のみから抜き出しても良いが、例えば上部の
排出管11からは主に浮遊固形物と溶解物より成
る蓄積物質を含んだ蓄養水を排出し、下部の排出
管11′からは主に沈降固形物より成る蓄積物質
を含んだ蓄養水を抜き出すことにより効果的に固
形物と溶解物より成る蓄積物質を系外に抜き出す
ことができる。 さらに例えば循環水管3の途中に紫外線照射器
12を配設するか、または蓄養槽1上方に紫外線
照射器を配設し(図示していない)、またこれに
代えて殺菌剤添加装置(図示していない)を配設
するか、または飼料に薬剤を添加するなどの手段
で蓄養水中または当該イワシに付着する細菌、真
菌などの菌類や寄生虫などの発生防止あるいは殺
滅を行うこともできる。 この場合薬品を用いるよりも紫外線照射の手段
の方が魚体に悪影響を与えることがなく、蓄養槽
1内の水面上方の槽壁に発生付着する菌類などを
照射すれば、魚体に付着しようとする菌類などを
完全に殺滅、発生防止できる。ただし本発明法で
は蓄養水を低温に保持するから、菌類や寄生虫が
繁殖しにくいので必要に応じて選択し実施すれば
良い。 なお気体放出槽5の部分に、曝気後に生ずる特
に微細な気泡を消すための消泡器(図示せず)を
設ければ消泡がより完全に行われるので微細気泡
による当該イワシの呼吸障害が完全になくなる
が、曝気後の循環水の循環時間を十分にとれば微
細気泡を消滅させることができるので、これも必
要に応じて実施すれば良い。 また本実施例では、蓄養水に対する酸素供給手
段は循環水管3に設けた空気または酸素またはそ
の混合物による気体吸引エゼクター4による曝気
のみであるが、空気曝気の場合はこの曝気ととも
に循環系の途中または蓄養槽1に酸素ガスボンベ
(図示せず)を連結して酸素ガスを注入すること
により蓄養水に対する酸素供給を2段で行うこと
もできる。なお蓄養槽1内に酸素ガスを注入する
場合は少量で良いので曝気のように微細気泡が多
量に発生することはない。 本発明においては、蓄養水の一部を循環し、こ
の循環水を冷却して蓄養水の水温を0℃〜25℃の
範囲で低温状態に保持するが、このように低温に
する目的は、当該イワシの活動を緩慢にすること
による当該イワシの酸素消費量および二酸化炭素
排出量の減少による二酸化炭素の蓄積の減少、投
飼量の減少、排泄物などの蓄積物の減少および菌
類や寄生虫などの発生、繁殖の防止、当該イワシ
と蓄養槽内構造物または当該イワシ相互の衝突防
止などであり、これによつて当該イワシのへい死
を極力防止するためのものである。 さらに蓄養水を低温にする他の目的は酸素の溶
解度を上昇させて酸素の溶解補給を容易にし、ま
た蓄養水中の酸素濃度を増大させることにある。 なお蓄養水の水温が25℃以上になると当該イワ
シの活動が活発になり、かつ酸素の溶解度、酸素
濃度が低くなるので前述のような目的の達成は期
待できなくなる。 しかし蓄養水の水温を余り低く保つ場合は冷却
手段の大型化や、場合によつては凍死の危険性も
あるので望ましくは5〜20℃の範囲が適当であ
る。 また本発明では循環水を空気または酸素または
その混合物を用いて曝気して当該イワシが消費し
た蓄養水の酸素を補給するが、この曝気手段とし
ては気体吸引エゼクター方式の外にスプレー式や
棚段式または充填層式の曝気方式のものを用いて
も良い。 しかし何れの方式による場合でも、必ず発生し
た二酸化炭素ガスが系外に除去できるようになつ
ていなくてはならない。 さらに本発明では循環水の曝気手段は酸素を補
給するばかりでなく、当該イワシの排出した二酸
化炭素を蓄養水中から可能な限り除去することを
目的とするので、通常はこの曝気放出手段によつ
て循環水中の二酸化炭素を15〜20ppm程度まで
除去する。 上記曝気後の循環水には、二酸化炭素がなお残
留して当該イワシに悪影響をもたらすので、これ
に二酸化炭素を吸収する薬剤を液体または固体に
て添加するなど処理して循環水中の二酸化炭素濃
度5ppm以下程度に除去したのちにこの循環水を
蓄養水に戻し、蓄養水中の二酸化炭素濃度を
10ppm以下の低レベル望ましくは数ppmまたは
それ以下に保持する。 このように蓄養水に蓄積する二酸化炭素の除去
を、曝気と薬剤処理の2段階で行う理由は、曝気
だけで二酸化炭素濃度を低濃度例えば数ppm以
下にすることは非常に困難であり、効率的でない
ことによる。 二酸化炭素の除去を2段階で行うことは、曝気
により酸素の補給と二酸化炭素の部分的除去が同
時に行われることと、その二酸化炭素の部分的除
去により薬剤使用量が減少することにより薬剤処
理による当該イワシへの悪影響を最小にすること
ができるなどの諸利点があるから最善の方法であ
る。 ここで二酸化炭素を吸収する薬剤としては苛性
ソーダ、苛性カリ、生石灰、消石灰、炭酸ソー
ダ、炭酸カリ、陰イオン交換体などの二酸化炭素
と反応して吸収する薬剤で、二酸化炭素を塩とし
て固定するものを指し、吸収後の生成物が当該イ
ワシに対して無毒、無害なものを使用する。 これらの薬剤を使用する場合は水に溶解した溶
液としてか、または固体で循環水を処理する。 従来は当該イワシを収容する蓄養水中に二酸化
炭素が蓄積するとPHが低下するので、PH調節を行
つて当該イワシの生活環境を正常にしようとする
ことが試みられてきたが、本発明者らの実験では
カタクチイワシの蓄養中、例えば純酸素を用いて
蓄養水中の酸素を約4ppmに保持しつつ二酸化炭
素などの蓄積によりPHが正常域の8.3から6.7に低
下した蓄積水にアルカリ性の炭酸水素塩を添加し
て蓄養水のPHを正常域の8.3に維持してもカタク
チイワシのへい死は全く防止できなかつたことが
認められた。この方法ではカタクチを収容する蓄
養水のPHは正常値に維持することはできたが、蓄
積した溶存二酸化炭素は吸収除去されずに残存し
ていた。 一方これとは逆に二酸化炭素の蓄積によりPHの
低下を起こした蓄養水に塩酸を少量添加してこれ
を空気で十分に曝気して蓄積した溶存二酸化炭素
を蓄積前の状態に近くまで放出除去し、酸素濃度
は4ppmに維持した結果、PHが正常域の8.3に対し
6.7であるにもかかわらず、カタクチイワシのへ
い死は認められなかつた。 以上の事により蓄養水は単にPH調節を行うだけ
では餌料用イワシのへい死は防止できず、蓄積二
酸化炭素を除去する事によりはじめて当該イワシ
のへい死が防止できることが明らかである。 なお二酸化炭素を曝気放出後、薬剤処理によつ
て蓄養水中の残留二酸化炭素量を少なくとも
10ppm以下に除去する理由は二酸化炭素が
10ppm以上残留している場合には酸素が十分補
給されていても、当該イワシの酸素の取り入れが
阻害されたり、または魚体内での酸素と二酸化炭
素との平衡が異常となつてへい死を招く最大要因
となるためであつて、これを防ぐには、二酸化炭
素残留量を10ppm以下、望ましくは数ppmまた
はそれ以下まで除去しなければならない。 餌料用イワシを大量に蓄養する際蓄養水中の二
酸化炭素はたえず増大し、30ppm程度に達する
と当該イワシの大半は死亡するため曝気処理と二
酸化炭素吸収薬剤の処理により二酸化炭素を除去
する必要がある。 なお二酸化炭素吸収薬剤の使用量は次式により
求める。 (1/44mg当量/・CO21ppm)(除去すべき CO2ppm)+αmg当量/ ここでαは、二酸化炭素吸収薬剤の過剰添加量
を意味し、この過剰添加量の必要性は、例えば酢
酸、尿酸などの有機酸のように、使用する二酸化
炭素吸収薬剤と反応して、その二酸化炭素吸収能
力を失わしめる性質をもつた物質がαmg当量/
存在する時は、その分だけ二酸化炭素吸収薬剤の
過剰使用が必要となるからである。例えば本発明
の方法で循環水を曝気した後の水質が下記であ
り、CO2が5ppmになるように除去する場合、 CO2;27ppm、α=0.1mg当量/ 二酸化炭素吸収薬剤を苛性ソーダとすると、苛性
ソーダ必要量は (1/44mg当量/・CO21ppm)(CO227−5ppm) +0.1mg当量/ =22/44mg当量/+0.1mg当量/ (式1) 苛性ソーダの1mg当量=40mg *式1=22/44×40mgNaOH/+4.0mgNaOH/ =24.0mgNaOH/ すなわち苛性ソーダ使用量は24.0mg/必要とな
る。 さらに本発明では蓄養槽中の蓄養水の一部を抜
き出して処理を行い、これを蓄養槽に戻して循環
するが、その理由は例えば蓄養水全体を冷却する
よりも循環水を冷却した方が蓄養水全体の温度を
一定にかつ均一にすることが容易であり、冷却効
率も良いからである。また曝気による酸素補給と
二酸化炭素の放出除去を当該イワシの存在しない
蓄養槽系外の循環水について行うため最も適当な
条件を選定することができ、蓄養槽の環境管理が
容易だからである。例えば、曝気を気体吸引エゼ
クターで行うような場合、本発明方法ではこれを
循環水について行うので発生する気泡を十分除去
してから蓄養槽中に戻すことができるが蓄養槽に
当該イワシの存在下で直接このエゼクターにより
曝気を行うと、微細な気泡が蓄養槽内で生じて当
該イワシの呼吸を阻害し死亡するおそれがある。 また本発明方法では二酸化炭素の除去のための
薬剤処理を循環水で行うので薬剤を混合調整およ
び希釈する場合にこれを十分行うことができる
が、これを蓄養槽について直接行うと部分的に濃
い薬剤が添加されることにより当該イワシがその
薬剤と接触してへい死する。 これらの欠点は、蓄養水の一部を抜き出して処
理し再び蓄養槽に戻す本発明方法の循環処理によ
つて何れも解消することができる。 本発明においては、前述したごとく蓄養水槽1
の排出管11′から、当該水槽の蓄養水を抜き出
すか、または蓄養水槽1の排出管11から蓄養水
中の浮遊固形物と溶解物より成る蓄養物質を含ん
だ蓄養水を排出し、排出管11′から主に沈降固
形物より成る蓄積物質を含んだ蓄養水を抜き出す
ことにより、固形物と溶解物よりなる蓄積物質を
系外に抜き出すが、この場合蓄養水を系外に抜き
出した分だけ補給水管10より新たな蓄養水を蓄
養水槽1に補給する。以上の方法による蓄養水の
抜き出しによつて、二酸化炭素吸収薬剤処理によ
つて生じる当該吸収薬剤の二酸化炭素の塩や有機
酸の塩は、その一部が系外に排出し、また一方補
給水の添加によつてこれらの塩は希釈されるの
で、これらの塩類の蓄積による当該イワシに対す
る悪影響を防止することができる。また曝気によ
つて予め二酸化炭素を減少させ、次いで二酸化炭
素吸収薬剤で二酸化炭素を除去する2段階方式も
当該薬剤の塩類濃度の上昇の防止に役立つもので
ある。 本発明は以上のように蓄養水の一部を循環した
上で、該循環水を冷却して蓄養水を一定の範囲で
低温に保持して餌料用イワシの活動を緩慢にする
とともに酸素溶解度を高め、かつ循環水を十分曝
気して酸素を十分溶解させるとともに二酸化炭素
を部分的に除去し、さらに二酸化炭素を吸収する
薬剤で処理するようによつて蓄養水中の二酸化炭
素濃度をほとんど問題がない状態に保持できるの
で、餌料用イワシを高密度で蓄養しても、従来の
ように短時間あるいは短期間で大量へい死するこ
とがなく、当該イワシを有効に蓄養することがで
きる。 例えば近年カツオ南方遠洋漁業における餌料と
なるカタクチイワシは、従来漁獲場到着まで約20
〜40日蓄養され、この間平均水温約30℃前後の高
温下で5〜15Kg/m2程度の高密度状態で魚槽に積
み込まれているが、このような状態では漁獲場到
着までの生存率が約20〜60%程度しかなくまたし
ばしば全滅することも起こつているが、本発明の
蓄積方法によれば、このような事態を防ぐことが
でき、生存率を約70〜90%程度まで上げることが
可能である。 以下に本発明の効果をより明確にするため実施
例を説明する。 参考例―1 PH約8.3の外海水10を水槽に受け、当該海水
に炭酸ガスを吹き込みCO2量をそれぞれ54mg
asCO2/、19mgasCO2/、7.4mgasCO2/に
調整し、このように二酸化炭素の濃度を変化させ
た海水に正常なカタクチイワシをそれぞれ20匹ず
つ入れ、600分後の状態を観察した。なお海水の
温度は17℃である。その結果を第1表に示す。 第1表において、正常とはカタクチイワシが普
通に遊泳している状態を示し、異常とは立ち泳
ぎ、異常に速い泳ぎ、あるいは水槽底部でほとん
ど動かないなど、普通でない状態を示す(以下同
様)。
【表】 第1表より、カタクチイワシは水槽内の海水中
のCO2濃度が大である時は20匹の内、その大部分
が異常を示し、CO2濃度が約7mgasCO2/の時
は95%が正常であつた事がわかる。 参考例―2 PH約8.3の外海水1を水槽に受け、これに炭
酸ガスを吹き込みCO2濃度を24mgasCO2/(PH
6.87)に調整した海水と、当該海水に1%NaOH
水溶液19mlを添加してCO2濃度を7mgasCO2
(PH7.55)に低下させた海水それぞれに正常なカ
タクチイワシ10匹ずつを入れ、30分後の状態を観
察した。海水の温度は17℃であつた。その結果を
第2表に示す。
【表】 第2表より海水中のCO2濃度をNaOH水溶液を
用いて24mgasCO2/から6mgasCO2/に低下
させた場合は、NaOH水溶液を添加しない場合
(異常30%)に比べ、全く異常を示さなかつた事
がわかる。 実施例 第1図に示した概略説明図に準じた装置をカツ
オ漁船(499GT)に積み込み餌料用イワシである
カタクチイワシについて本発明方法を実施した。 すなわち22m2の海水を受ける蓄養槽(活漁艙)
から循環ポンプによつて33m3/hの海水を引き抜
き、まず循環水を孔径350μmのカートリツジ型
精密濾過器で濾過し、循環水中のイワシから剥離
した鱗、排泄物、残存飼料等の浮遊物質を除去す
る。次いで当該濾過後の循環水を、循環水を駆動
水とする気体吸引エゼクターと気体放出槽とから
なる曝気装置にて曝気し、循環槽中の炭酸ガスを
放散せしめるとともに酸素を補給し、次いで循環
水に薬注添加装置を用いて11%のNaOH水溶液を
添加して残留炭酸ガスを除去し、その後、ブライ
ンクーラーで循環水を冷却し、蓄養槽に戻した。
また蓄養槽の底部から蓄養水を4.4m3/hおよび
蓄養水の上部から4.4m3/hの海水をブローし、
そのブロー量に見合う海水をブラインクーラーで
冷却した後補給した。 このような曝気装置、NaOH添加およびブライ
ンクーラーによる冷却によつて、蓄養槽内の蓄養
水の溶存酸素濃度を3.0mgasO2/以上、二酸化
炭素濃度を8〜10mgasCO2/(PH7.3〜7.4)、温
度を15±1℃に保ち、当該蓄養水中のカタクチイ
ワシを7.27Kg/m3の密度で30日間蓄養した。 一方比較のため、従来方法として同じ容量の蓄
養槽(活漁艙)に22m3の海水を受け、蓄養槽の下
部から外海水を88m2/hの流量で供給し、供給し
た海水に相当する量の海水を蓄養槽の上部から溢
流させて、同様にしてカタクチイワシを7.27Kg/
m3の同一の密度として30日間蓄養した。蓄養水の
温度は外海水の温度と同じで28〜30℃であつた。 以上の本発明方法と従来方法における蓄養結果
を第2図に示す。 第2図に示されている通り、蓄養日数30日後に
おいて従来方法のカタクチイワシの生存率は59%
であり、本発明方法の生存率は89%であつた。 このように本発明の蓄養方法は極めて優れた効
果を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施態様の一例を示す概略説
明図である。第2図は実施例における蓄養結果を
示すグラフであり、縦軸にカタクチイワシの生存
率、横軸に蓄養日数を示す。 1……蓄養槽、2……循環ポンプ、3……循環
水管、4……気体吸引エゼクター、5……気体放
出槽、6……薬剤添加装置、7……ミキサー、8
……ブラインクーラー、9……濾過器、10……
補給水管、11,11′……排出管、12……紫
外線照射器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 餌料用イワシを蓄養するにあたり、蓄養槽中
    の蓄養水の一部を循環し、該循環水を冷却して蓄
    養水の水温を0℃及至25℃の範囲で低温に保持
    し、かつ循環水を空気またはおよび酸素ガスを用
    いて曝気することにより、酸素の溶解とともに二
    酸化炭素の部分的な放出除去を行い、次いで二酸
    化炭素を吸収する薬剤で処理することにより残留
    する二酸化炭素を除去し、このように処理した循
    環水を蓄養槽に返送することにより蓄養水の酸素
    を補給するとともに蓄養水中の二酸化炭素濃度を
    10ppm以下に保つことを特徴とする餌料用イワ
    シの蓄養方法。 2 蓄養槽から蓄養水の一部を系外に廃棄すると
    ともに新たな蓄養水を補給することによつて蓄養
    水中の固形物および溶解物より成る蓄積物質を除
    去する特許請求の範囲第1項記載の餌料用イワシ
    の蓄養方法。 3 循環水を濾過することによつて蓄養水中の懸
    濁物質を除去する特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の餌料用イワシの蓄養方法。 4 循環水または蓄養槽内を紫外線照射すること
    によつて魚類に付着したまたは付着しようとする
    菌類、寄生虫などの発生予防あるいは殺滅をする
    特許請求の範囲第1項または第2項または第3項
    記載の餌料用イワシの蓄養方法。 5 循環水の曝気に空気を用いた場合に循環水ま
    たは蓄養水に酸素ガスを吹き込んで蓄養水中の酸
    素を補給する特許請求の範囲第1項または第2項
    または第3項または第4項記載の餌料用イワシの
    蓄養方法。
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