JPS61264102A - 表面に梨地模様が形成された焼結部材の製造方法およびその焼結部材を製造するための焼結炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、梨地状表面を有する焼結部材の製造方法お
よびこのような焼結部材を製造するための焼結炉に関す
るものである。

〔従来の技術〕

一般に、焼結部材は、実用上並びに美観上の観点から、
表面の粗さが良いもの、すなわち表面が平滑で金属光沢
を有するもの、が好まれているが、一方、焼結部材の摺
動性の向上や防錆を目的として、その焼結部材表面に燐
酸塩被覆処理などの後処理を施す場合には、燐酸塩被膜
の付着を強固にしたり１あるいは表面積を増加させて被
膜処理反応を促進するため、焼結部材表面に梨地模様形
成等による凹凸や窪みを形成させる必要があり、その奇
めＶは　従キ　を腺鈷寵廿夷面のＴ柚帆押ふｆ４て１例
えばショツトブラストなどの機械的な方法が利用されて
いた。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、ショツトブラストによって焼結部材表面
に凹凸模様を形成させるには、別に焼結部材にショツト
ブラストを施すための工程を必要とするので、余分な手
間と経費がかかるという問題があった。

〔研究に基づく知見事項〕

そこで１本発明者等は、上述の問題を解決すべく種々研
究を重ねた結果。

（１）一般に、焼結部材の製造に供される成形体（圧粉
体）は、それを原料粉末から成形する場合のプレス成形
性を向上させるために原料粉末配合時に混合される潤滑
剤および／または粘結剤、すなわちろうを含むので、成
形体を予め低温で加熱してそれを除去する脱ろう処理が
成形体に施されるが、通常すべての工程がエンドサーミ
ツクガス（天然ガスを空気で変成させたガス、略してＲ
Ｘガスともいう）やアンモニア分解ガスのような還元性
ガスの下で遂行される一連の焼結プロセスのうちのこの
脱ろう処理の雰囲気をエア・リッチ雰囲気とすると、例
えば鉄基焼結合金部材を製造する場合には、酸化鉄の針
状結晶が互に絡み合った状態の酸化鉄被膜が成形体表面
に形成され、その後成形体が予熱と焼結のため還元雰囲
気下で高温に曝されると、その針状結晶が還元されて、
得られた焼結部材表面比ざらざらした梨地模様が形成さ
れること。

（２）　　ダン、ａと排気口を備えた脱ろう室に隣接す
る予熱室にもダンパと排気口を設けるとともに。

これら２個のダンパの間に空気導入管のような空気導入
装置を設けて、これらのダンパと排気口および空気導入
装置を適宜操作すると、脱ろう室の雰囲気を１種々の程
度のエア・リッチ雰囲気または還元性雰囲気に容易に変
換できること。

を見出した。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明は、上記の知見事項に基づいて発明されたもの
で、表面に梨地模様が形成された焼結部材を製造するた
めに、（１）エア・リッチ雰囲気の下で成形体に脱ろう
処理を施して、その成形体からろうを除去するとともに
前記成形体表面に酸化物被膜を形成させ、ついで、還元
性ガス雰囲気の下で前記成形体を予熱して焼結する間に
前記成形体表面の酸化物被膜を還元することを特徴とす
る焼結部材の製造方法、および（２）第一のダンパおよ
び第一の排気口を有する脱ろう室、予熱室および本焼結
室を順に備えた焼結炉において、前記予熱室に第二のダ
ンパおよび第二の排気口を設けるとともに。

第一のダンパおよび第二のダンパで挾まれた帯域にエア
導入装置を設けたことを特徴とする焼結炉を提供するも
のである。

〔発明の詳細な説明および作用〕

この発明によって処理される成形体は、一般に種々の金
属粉末、非金属粉末等の粉末から選ばれた原料粉末を所
定の配合比で配合したものに潤滑剤または粘結剤を添加
し、これを混合装置で親密に混合して形成された混合粉
末を加圧下で成形すふこ２によって得ちれ、との発明は
、エア・リッチ雰囲気下の脱ろう処理と、その後の還元
性ガス雰囲気下の予熱・焼結処理によって表面に梨地状
の凹凸模様が形成される焼結部材ならばどのような焼゛
結部材の製造にも適用することができるが。

これらのうち、自動車、電機、事務機等の分野で種々の
構造部材として広く使用されている鉄基焼結合金部材の
製造に最も都合よく利用することができる。

この発明の方法における各工程の処理温度は焼結部材の
種類等によって変化するが、鉄基焼結部材の場合を例に
とると、脱ろう工程、予熱工程および焼結工程において
はそれぞれ約６００〜８００℃、約８００〜１０００℃
および約１０５０〜１１５０℃の範囲の温度が適用され
、また還元性ガスとしては前述のようなエンドサーミツ
クガス（ＲＸガス）やアンモニア分解ガスが使用される
。

この発明の焼結炉に設けられるエア導入装置は、例えば
炉内温度に応じてエア供給量を自動的に調節できるエア
導入路を形成するものが好ましく、例えば、第一のダン
パと第二のダンパで挾まれた帯域に設置される温度調節
器（ＴＣ）と、この温度調節器が検出した前記帯域の温
度に応じてエア流量を調節する流量調節器（ＦＣ）とを
備えたエア導入管が好ましく、このエア導入装置を経て
脱ろう帯域に導入されるガスとしては、例えば空気と燃
料ガスとを混合したものまたはエア単味が使用され、−
それによって脱ろう室の温度は通常の脱ろう温度よシも
若干高め、すなわち約５０〜１００℃程度高く維持され
る。

この発明の焼結炉によって、梨地状表面を有する焼結部
材を製造するには、予熱室に設けられた第二のダンパを
下げて、第二の排気口を開き、かつエア導入装置によっ
て脱ろう室に空気または空気と燃料ガスとの混合ガスを
添加しながら焼結を進めればよく、そうすると予熱室を
経て焼結室から脱ろう室に向って流れ込んでくる還元性
ガスは第二のダンパに遮られて第二の排気口から外部へ
排出され、それによって脱ろう室に流入する還元性ガス
の量は減少するとともに、脱ろう室には空気が供給され
るので、脱ろう室はエア・リッチの雰囲気に保たれ、一
方これとは逆に、第二のダンパを上げて、第二の排気口
を閉じ、かつエア導入装置からの空気の導入を止めると
、脱ろう室内は、他の部屋と同様に還元性ガスで満たさ
れるので１このような状態で焼結を進めれば、本焼結炉
においても、金属光沢を有する平滑な表面が形成された
通常の焼結部材を得ることができる。

上記のようなエア・リッチの雰囲気が形成されている脱
ろう室で成形体表面を酸化させてから、還元性ガス中で
高温に曝すと、既に述べたように。

成形体表面の酸化物被膜は還元されて、微細な凹凸模様
を形成するが、この脱ろう室の雰囲気は１酸化性雰囲気
であるために、焼結部材の脱炭も引き起こすので、この
脱炭によって失われた炭素量は、後の焼結工程において
、その雰囲気を調節することにより復炭する。

〔実施例および実施例に基づく効果〕

ついで、この発明を実施例によって説明するが、これら
の実施例は勿論この発明を具体化した例を単に示すため
のものであって、この発明の技術的範囲を制限すること
を意図するものではない。

実施例１ 第１図はこの発明の焼結炉の一例を側面から描いた概要
図であって、この焼結炉においては、図示されるように
、脱ろう室１、予熱室２２本焼結室３、徐冷室４および
冷却室５が順に直列に結合して構成され、そして成形体
ｍを前記脱ろう室１の入口１ａから焼結炉内に連続的に
送シ込みながら、冷却室５の出口５ａから焼結部材Ｓを
焼結炉外部に送り出すためのメツシュベルトからなるベ
ルトコンベヤ６が前記各室内を貫いて設けられている。

脱ろう室１は第１のダンパＤ１と第１の排気口Ｅ１を有
し、−男子熱室２には、この発明の特徴とする第２のダ
ンパＤ２と第２の排気口Ｅ２が設けられ、さらにこれら
のダンパＤ１とＤ２に挾まれた帯域にはエア導入装置７
が設けられている。

このエア導入装置７には、前記帯域の温度を制御する温
度調節器８と連動して、エア導入管９に導入されるエア
ａの流量を調節するための電磁弁１０が付設されている
。

主として脱ろう室内の大部分の空間をエア・リッチの雰
囲気に保持できるように、第一のダン、５Ｄ１は脱ろう
室１の入口１　ａ　’ＪＦ　’りに、また第二のダンパ
Ｄ２は予熱室２の脱ろう室１寄りに設けるのが好ましい
。

このような構造を有する焼結炉においては、ダンパＤＩ
とＤ２を下げるとともに排気口Ｅ１を閉じてＥ２を開け
、そしてエア導入管９を通してエアａを焼結炉内に導入
すれば、脱ろう室１内にはエア・リッチの雰囲気が形成
される。

なお、梨地状でない通常の平滑面を有する焼結部材をこ
の焼結炉において製造するには第二のダンパＤ２を上げ
て、第二の排気口Ｅ２を閉じればよく、その場合、脱ろ
う室ｌに設けられた第一のダンパＤ１および第一の排気
口Ｅ１は、炉内ガスシール（エアの流入防止）、Ｒ，Ｘ
ガスおよび脱ワツクスガスの排気およびＲＸガスの通気
力付与のために使用される。

実施例２ まず、原料粉末として、平均粒度：　１００メツシユの
Ｆｅ粉、同：２００メツシユのＣｕ粉および同：３５０
メツシユのグラファイト粉末を用意し。

これらの原料粉末をＣｕ：１．５％、Ｃ：０．５％およ
びＦｅ：残シ、の割合（以上重量％）に配合して配合粉
末としてから、潤滑油としてステアリン酸亜鉛を、前記
配合粉末の重量をベースにして０．８重量％添加し、つ
いでこれをダブルコーン型混合機にて３０分間親密に混
合することによって混合粉末を形成させた後、この混合
粉末を５　ｔｏｎ／　ｃｍ２の圧力でプレス成形して、
外径：３０Ｂ×内径：１５鵡×高さ：１５Ｂの寸法を有
する円筒状の成形体を製造した。

ついで、実施例１で述べた焼結炉において、この成形体
を下記のようにして焼結した。

メツシュベルトに載せた成形体を、メツシュベルト速度
：　５　ｍ　／　ｈｒの速度で脱ろう室へ送入して約７
００℃の温度で脱ろうした後、温度：約７００〜８００
℃の予熱室を経て、最高温度：　１１００℃に加熱され
ている本焼結室に通して焼結した。

その脱ろう室には、実施例１で述べたダンパ、排気口の
操作の下にエア導入管から空気を導入してエンドサーミ
ツクガス：空気比が３：５となった混合ガスを流入させ
て、エア・リッチ雰囲気を形成させ、脱ろう室以外の炉
内にはエンドサーミツクガス二メタン−１００：０．３
の割合の混合ガスを流して還元性ガス雰囲気を形成させ
、これらの雰囲気圧力はすべて１．０５気圧に維持し、
このような酸化−還元雰囲気によって、この発明がめざ
している梨地状表面が形成された本発明焼結部材を製造
した。

つぎに比較のため、脱ろう室内に空気を導入しないで、
前記焼結炉を従来炉のように操作して。

脱ろう室内も還元性ガス雰囲気に保った以外は。

上記方法と全く同じ手順に従って比較焼結部材を製造し
た。

このようにして得られた比較焼結部材の表面は滑らかで
通常の金属光沢を呈していたのに対し。

本発明焼結部材の表面には梨地状の凹凸模様が形成され
ていた。その後、これらの部材に燐酸塩被覆処理を施し
てから７　ｔ、ｏｎ／ｃＩＩＬ２の圧力でサイジングを
施したところ、比較焼結部材では燐酸塩被膜が剥離した
のに対し、本発明焼結部材では被膜の剥離は全く認めら
れなかった。

〔発明の綜合的効果〕

上述の説明から明らかなように、この発明によると、焼
結部材表面に梨地模様を形成させるためにショツトブラ
ストのような特別な処理を施すことなく、焼結工程にお
いて成形体から焼結部材を製造すると同時に、その部材
表面を梨地状にすることができるので、燐酸塩被覆処理
のような後処理に有利な焼結部材を簡単かつ経済的に製
造できるという産業上有益な効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の焼結炉の一例を側面から描いた概要図
である。図において。 １・・・脱ろう室、　　　　２・・・予熱室１３・・・
本焼結室、　　　　４・・・徐冷室。 ５・・・冷却室、　　　　　　６・・・ベルトコンベヤ
、７・・・エア導入装置、　　８・・・温度調節器。 ９・・・エア導入管、　　　１０・・・電磁弁、ＤＩ、
Ｄ２・・・ダンパ！！、　　Ｅｌ、Ｅ２・・・排気口。 ｍ・・・成形体、　　　　　Ｓ・・・焼結部材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）エア・リッチ雰囲気の下で成形体に脱ろう処理を
   施して、その成形体からろうを除去するとともに前記成
   形体表面に酸化物被膜を形成させ、ついで、還元性ガス
   雰囲気の下で前記成形体を予熱して焼結する間に前記成
   形体表面の酸化物被膜を還元することを特徴とする、表
   面に梨地模様が形成された焼結部材の製造方法。
2. （２）第一のダンパおよび第一の排気口を有する脱ろう
   室、予熱室および本焼結室を順に備えた焼結炉において
   、前記予熱室に第二のダンパおよび第二の排気口を設け
   るとともに、第一のダンパおよび第二のダンパで挾まれ
   た帯域にエア導入装置を設けたことを特徴とする、表面
   に梨地模様が形成された焼結部材を製造するための焼結
   炉。