JPS6126283Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は船舶からの荷揚げ作業等に使用される
連続式アンローダ（バケツトエレベータ型アンロ
ーダ）におけるバケツトエレベータの排出部構造
に関するものである。

この種の連続式アンローダは、バケツトエレベ
ータの多数のバケツトで順次船倉等から掬い取つ
た被搬送物（粒状その他のバラ物）を、バケツト
が上昇から下降に転じる折返し部分に設けられた
排出口から排出し、この排出された被搬送物を、
該排出口に臨ませたブームの搬送コンベアで受け
て搬送するように構成されている。また、このよ
うなアンローダにおいては必要に応じて、バケツ
トの移動途中で該バケツトからこぼれた被搬送物
（バラ物）が外部に四散したり、被搬送物に含ま
れた粉塵が外部に洩れ出ることを防止するため
に、エレベータ下端部の掬い込み部および排出口
部分を除いて、バケツトの移動ルートを防塵カバ
ーで覆つている。

しかしながら、バケツトエレベータをブーム先
端部に対して接近、離間する方向（以下、前後方
向と称す）に揺動変位可能に枢着してなる所謂ス
ウイング式のアンローダにあつては、このバケツ
トエレベータの揺動変位に伴つて排出口の位置も
また前後に変化し、同エレベータが前方に押出さ
れた状態で排出口の一部が搬送コンベアの入口部
分より前方位置で外部に開口することになるた
め、この開口部分から被搬送物が外部にこぼれ落
ち、また粉塵が洩出して防塵性能を低下させると
いう欠点があつた。なお、上記排出口における外
部に開口する部分をも予め防塵カバーで閉塞して
おくと、排出口が狭められる結果、今度は、エレ
ベータをブーム側に引寄せた状態で排出作用が悪
化することとなる。

そこで本考案は、かゝる排出作用の悪化を招く
ことなく、被搬送物、粉塵の外部への洩出を確実
に防止することができる連続式アンローダにおけ
るバケツトエレベータの排出部構造を得んとする
ものである。

本考案の特徴とするところは、バケツトエレベ
ータの排出口における、該エレベータのブームか
ら離間する方向の揺動変位状態で搬送コンベアの
入口部分より前方に臨む開口部分を補助カバーで
閉塞してなり、この補助カバーは、一端をブーム
に固定し、他端を防塵カバーに設けたガイド部材
を介して移動可能に自由垂下させ、かつこの自由
端部に、該補助カバーに一定の張力を付与するた
めの重錘を設けてなる連続式アンローダにおける
バケツトエレベータの排出部構造、に存する。

以下、本考案の実施例を図によつて説明する。

第１図に船舶からの荷揚げ作業に使用される連
続式アンローダの全体構成を概略的に示してい
る。Ａはバケツトエレベータで、基本構成とし
て、エレベータフレーム１の上端部に上部（駆
動）スプロケツト２、同下端部に下部（従動）ス
プロケツト３を有し、該両スプロケツト２，３間
に張架した無端チエーン４に多数のバケツト５を
列設して成り、このバケツトエレベータＡにおけ
るエレベータフレーム１の上部をブームＢの先端
部にピン６にて前後方向（エレベータ全体として
ブームＢに接近、離間する方向）に揺動可能に枢
支連結している。このバケツトエレベータＡの揺
動動作によつて、下部スプロケツト３付近の掬い
込み部７が位置変更される。８は該エレベータ揺
動用の油圧シリンダである。

ブームＢは、レール９，９に沿つて走行可能な
走行フレームＣ上に搭載された施回フレームＤに
俯仰自在に装着されている。該ブームＢには、ブ
ーム長さ方向に沿つて搬送コンベア１０を設ける
とともに、該コンベア１０上に被搬送物脱落防止
用のスカート１１をコンベア全長に亘つて設け、
コンベア１０の入口部分、すなわちスカート１１
の入口部分１１ａを、バケツトエレベータＡにお
けるバケツト５が上部スプロケツト２の頂部から
下降に転じる折返し部分に臨ませている。

この折返し部分において、上部スプロケツト２
の下部の、エレベータフレーム１とブームＢの連
結位置に排出用スプロケツト１２を設けるととも
に、該スプロケツト１２より内側で所定のバケツ
ト下降ルートに臨む位置に案内スプロケツト１３
を設けることによつて、バケツト５を上部スプロ
ケツト２の頂部から、一亘、スカート入口部分
（コンベア入口部分）に向かわせた後、所定の下
降ルートに導く排出ルート１４を形成し、掬い込
み部７で各バケツト５に順次掬い取つた船舶Ｅ内
の被搬送物Ｆをこの排出ルート１４でスカート入
口部分１１ａを介して搬送コンベア１０に送り込
むように構成している。この搬送コンベア１０に
送り込まれた被搬送物は、該コンベア１０から、
施回フレームＤおよび走行フレームＣに設けられ
た中央シユート１５および二次コンベア１６、取
出シユート１７を経て地上コンベア１８に移され
る。

しかして、バケツトエレベータＡにおける前記
排出ルート１４の下端部、すなわち排出用スプロ
ケツト１２のほゞ下半周部をスカート入口部分１
１ａに臨ませており、この部分を排出口１９とし
ている。また、排出ルート１４において、該ルー
ト１４でバケツト５から放出される被搬送物を排
出口１９に導くシユートプレート２０を上部およ
び排出用両スプロケツト２，１２間に設けてい
る。

２１はバケツトエレベータＡに設けた防塵カバ
ーで、該カバー２１は上記排出口１９および掬い
込み部７を除いてバケツト５の移動ルートを全長
的に覆う状態でエレベータフレーム１に取付けて
いる。さらに詳しくは、該防塵カバー２１は、左
右両側板２１ａ，２１ａと天板２１ｂとを備え、
掬い込み部７から上部スプロケツト２に向かうバ
ケツト上昇ルートおよび排出ルート１４について
は、両側板２１ａと天板２１ｂの双方で覆い、排
出ルート１４から掬い込み部７に向かうバケツト
下降ルートについては、前後両側がエレベータフ
レーム１によつてすでに覆われている天板２１ｂ
のみを設けている。また、排出口１９部分では、
両側板２１ａのみを設けて、該排出口１９を窓孔
状に開口させている。

この排出口１９は、バケツトエレベータＡの揺
動変位に伴つて位置変化、いゝかえればスカート
入口部分１１ａ内に対する開口量が変化し、第１
図仮想線イおよび第３図に示すようにバケツトエ
レベータＡがブームＢ側に最大限引寄せられた状
態で、該排出口１９がほゞ全域的にスカート入口
部分１１ａ内に開口する。そして、この位置から
バケツトエレベータＡが前方に押出されて第１図
実線および第２図に示す垂直姿勢、さらに第１図
仮想線ロおよび第４図に示す傾斜姿勢に揺動変位
されるにしたがつて、排出口１９のスカート入口
部分１１ａ内に対する開口量、すなわち搬送コン
ベア１０に対して被搬送物を有効に送り込みうる
開口部面積が小さくなり、その分、スカート入口
部分１１ａより前方に位置して外部に臨む部分
（以下、この開口部分を無効開口部分と称す）１
９ａが大きくなる。

そこで本構造においては、この無効開口部分１
９ａから被搬送物および被搬送物に含まれた粉塵
が外部に洩れ出ることを防止するために、該開口
部分１９ａを閉塞する補助カバー２２を設けてい
る。この補助カバー２２は、ゴム等の弾性体にて
排出口１９の幅員相当の幅寸法をもつたシート状
に形成し、一端部を、ブーム先端部に設けた固定
ローラ２３に巻付固定し、他端部を、スカート入
口部分１１ａの先端部内面および防塵カバー２１
の開口縁部内面に回転自在に取付けたガイドロー
ラ２４…を経て、バケツト下降ルートにおける防
塵カバー天板２１ｂの外面に沿つて自由垂下させ
ている。この防塵カバー２２の自由端部には、該
カバー２２に常に一定の張力を付与するためのロ
ーラ状重錘２５を取付け、かつこの重錘２５を、
防塵カバー天板２１ｂの外面部に取付けたガイド
フレーム２６に沿つて昇降移動させうるように構
成している。

このような構成とすれば、第２図乃至第４図に
示すように、バケツトエレベータＡの揺動変位に
伴つて排出口１９における無効開口部分１９ａの
開口量が大小変化した場合に、この開口量の変化
に応じて、補助カバー２２がガイドローラ２４お
よびガイドフレーム２６に沿つて引上げられ、ま
たは降下することによつて該開口部分１９ａの閉
塞状態を保つ。すなわち、無効開口部分１９ａの
開口量変化に関係なく、該開口部分１９ａを常に
補助カバー２２にて閉塞することができる。この
ため、この無効開口部分１９ａからの被搬送物
（バラ物）、粉塵の洩出を確実に防止することがで
きる。また、補助カバー２２は重錘２５によつて
常に一定の緊張状態に保たれ、たるんだり折れ曲
がつたりするおそれがないため、上記無効開口部
分１９ａの閉塞効果がより一層確実なものとな
る。

ところで、補助カバー２２の材質は、上記した
ゴム等の弾性体に限られず、要は、ガイドローラ
２４…に沿つて移動しうるだけの可撓性（折れ曲
がり復元性）を備えていればよく、この条件を満
足する範囲内で種々選択しうるところである。た
だし、ゴム等の弾性体を用いれば、クツシヨン性
によつて補助カバー２２の損傷を防止できる利点
を有する。また、補助カバー２２のガイド部材と
しては、上記した回転ローラ２４に限られず、す
べりの良い素材からなる固定ローラを用いてもよ
いし、該カバー２２の移動軌跡に沿つて防塵カバ
ー２１にガイド縁部を設けてもよい。さらに、上
記実施例では、補助カバー２２の自由側端部（重
錘２５を含む）とブームＢとの衝突を防止するた
めにガイドフレーム２６を設けたが、ブームＢ側
に緩衝材を付設する等の手段を講じるならば、か
かるガイドフレーム２６を省略しても差支えな
い。

一方、バケツトエレベータＡの排出部の構成に
関して、上記実施例では上部スプロケツト２の下
部に排出用スプロケツト１２と案内スプロケツト
１３を設ける構成を示したが、この構成に代え
て、たとえば上部スプロケツト２を大形化し、そ
の下部で押えスプロケツトにてチエーン４を内側
に押し込んで、結果的に上記実施例と同様のくの
字形の排出ルートを形成する構成等を採用しても
よい。

以上述べたように本考案によれば、スウイング
式でかつバケツトエレベータを防塵カバーで覆つ
てなる連続式アンローダにおいて、バケツトエレ
ベータの排出口における、該エレベータを前方に
押出した状態で外部に臨む開口部分を補助カバー
にて閉塞でき、これにより該開口部分からの被搬
送物のこぼれ落とおよび粉塵の洩出を確実に防止
しえて防塵性を著しく向上させることができるも
のである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施例を示し、第１図はアンロー
ダ全体の概略的構成を示す図、第２図はバケツト
エレベータ上部の拡大断面図、第３図は第１図仮
想線イ状態、第４図は同ロ状態における排出部の
断面図、第５図は第２図−線に沿う断面図で
ある。 Ａ……バケツトエレベータ、Ｂ……ブーム、１
……エレベータフレーム、２，３……上下のスプ
ロケツト、４……チエーン、５……バケツト、６
……バケツトエレベータとブームの連結ピン、７
……掬い込み部、１０……搬送コンベア、１９…
…排出口、１９ａ……排出口における外部に臨む
開口部分、２１……防塵カバー、２２……補助カ
バー、２４……補助カバーガイド部材としてのガ
イドローラ、２５……重錘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エレベータフレーム上下両端のスプロケツト間
   に張架された無端チエーンに多数のバケツトを取
   付け、下部スプロケツト付近の掬い込み部で各バ
   ケツトに掬い取つた被搬送物を、上部スプロケツ
   トの頂部から下降に転じる折返し部分に設けられ
   た排出口から排出するように構成されたバケツト
   エレベータを、搬送コンベアを備えたブームの先
   端部に、上記排出口が搬送コンベアの入口部分に
   臨む状態で上部を支点としてブーム先端部に対し
   接離する方向に揺動変位可能に枢支連結し、か
   つ、上記バケツトエレベータにおけるバケツト移
   動ルートを、上記掬い込み部および排出口を残し
   て防塵カバーで覆つて成る連続式アンローダにお
   いて、上記バケツトエレベータの排出口におけ
   る、該エレベータのブームから離間する方向の揺
   動変位状態で搬送コンベアの入口部分より前方に
   臨む開口部分を補助カバーで閉塞してなり、この
   補助カバーは、一端をブームに固定し、他端を防
   塵カバーに設けたガイド部材を介して移動可能に
   自由垂下させ、かつこの自由端部に、該補助カバ
   ーに一定の張力を付与するための重錘を設けてな
   ることを特徴とする連続式アンローダにおけるバ
   ケツトエレベータの排出部構造。