JPS61254634A - 有機薄膜の製造方法 - Google Patents

有機薄膜の製造方法

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JPS61254634A
JPS61254634A JP9612385A JP9612385A JPS61254634A JP S61254634 A JPS61254634 A JP S61254634A JP 9612385 A JP9612385 A JP 9612385A JP 9612385 A JP9612385 A JP 9612385A JP S61254634 A JPS61254634 A JP S61254634A
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organic thin
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water
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豊喜 国武
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政嗣 下村
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規な分子配向性を有する有機薄膜の製造方法
に関する。更に詳しくは、(1)2個または3個の直鎖
疎水基あるいは剛直性部分を連鎖中に含む1個の直鎖疎
水基を有し、かつイオン性基を有する有機化合物と(I
)上記(+)の有機化合物が有するイオン性基とは反対
荷電のイオン性基を有する重合体を含む水溶液とを界面
を形成して存在させ、皺界面に対し垂直方向または角度
をもって基板を該水溶液中に浸漬及び引上げ、基板上に
有機薄膜を形成させることを特徴とする有機薄膜の製造
方法に関する。
(従来の技術) 近年、有機薄膜は分離膜、センサー、表示材料、エレク
)G−ニクス素子など広範な立場からの応用が試みられ
ているものである。特に分子配向性をもつ有機薄膜は分
子を組織して機能性分子集団を構築する上で極めて重要
なものと考えられている。今日まで、分子配向性をもつ
有機薄膜を作成する最も有効な方法としては、イオン性
基の如き親水基及び直鎖アルキル基の如き疎水性基を併
せもつ有機化合物を水相表面に展開し、基板を該水相中
に浸漬及び引上げ、基板上に有機薄膜を形成させる方法
がとられており、この方法により形成させた有機薄膜は
ラングミュア−プルジェット膜と称されている。しかし
ながら、従来のラングミュ7−プルジェット膜において
は、多くの場合使用される有機化合物が分子内にイオン
基の如き親水性基を含むこと、及び一般に分子量が10
00以下の比較的低分子量のものが多いため、水中での
使用あるいは加熱秦件下での使用等により容易に崩壊な
いし構造変化する等の問題があり、その応用分野は極め
て限られたものにならざるを得なかった。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、これらの欠点を克服した分子配向性を有
する有機薄膜を得るべく種々検討を重ねた結果、 (1)2個または3個の直鎖疎水基、または剛直性部分
を連鎖中に含む1個の直鎖疎水基を有し、かつイオン性
基を有する有機化合物と(ii)上記(1)の有機化合
物が有するイオン性基とは反対荷電のイオン性基を有す
る重合体を含む水溶液とを界面を形成して存在させ、該
界面に対し垂直方向または角度をもって基板を該水溶液
中に浸漬及び引上げ、基板上に有機薄膜を形成させると
とKより、基板上に耐水性及び耐熱性に優れた有機薄膜
を形成させることが可能であることを見い出し、本発明
を完成させるに至った。
本発明において用いる主成分の1つは、2個または3個
の直鎖疎水基、または剛直性部分を連鎖中に含む1個の
直鎖疎水基を有し、かつイオン性基を有する有機化合物
(以下、直鎖有機化合物と略称する)である。
本発明においてイオン性基とは酸性基または塩基性基の
総称として定義される。ここで酸性または塩基性とはブ
レンステッド醗またはプレンスデッド塩基を意味し、酸
性基としては一般にスルホン基、カルボキシル基、リン
酸基、フェノール性水酸基、及びこれらが塩となったも
の、塩基性基としては一般に7ミノ基、置換7ミノ基、
第四アンモニウム基及びこれらが塩となったものが好適
に使用される。
本発明において直鎖疎水基は得られる有機薄膜の安定性
、及び原料の入手の容易さから炭素数4〜30の直鎖ア
ルキル基またはそのハロゲン置換体であることが好まし
い。なお、本発明でいう直鎖疎水基とは、完全に直鎖状
し のものの他に、炭素数2個迄の分枝を有する分枝状のも
のをも含んだ意味で使用される。
本発明の直鎖有機化合物の一つは、2個または3個の直
鎖疎水基を有するものである。
該直鎖疎水基が1個であると得られる有機薄膜の耐水性
が十分でなく、また4個以上になると原料人手に及び合
成上に難がある。
また、本発明の直鎖有機化合物の他の−っは、剛直性部
分を連鎖中に含む1個の直鎖疎水基を有するものである
本発明において剛直性部分とは、次の■。
■及び■に示す基をいう。
■ 直結あるいは、炭素−炭素多重結合、炭素−窒素多
重結合、窒素−窒素多重結合。
エステル結合、アミド結合等を介して連結された少なく
とも2個の芳香環で構成される2価の基、このような基
を具体的に示せば、例えば、 +N冨CH−0−−0−=N0− 等の2価の基が挙げられる。
■ 2個の芳香環の結合が複数であるか、複数原子間の
単結合であって、その回転がエネルギー的に束縛を受け
ている2価の基、このような基を具体的に示せば、例え
ば、CH。
O 等の2価の基が挙げられる。
■ 芳香環が縮合環を形成しているもので、この縮合環
が多分子間で積層した場合に、その回転が互いに立体的
に束縛を受けている2価の基、このような基を具体的に
例示すると、 等の2価の基が挙げられろ。
剛直性部分を連鎖中に含tr1個の直鎖疎水基を有する
直鎖有機化合物の直鎖瞬水基の炭素数は、剛直性部分及
び剛直性部分と該直鎖疎水基との結合部分を除いた部分
の炭素数を意味する。上記剛直性部分とlIL鎖疎水基
との結合部分は、一般に炭素−炭素単結合、エステル結
合、エーテル結合が好適である。剛直性部分を連鎖中に
含む直鎖疎水基を1個に限定するのは、もし核厘頚疎水
基が2個以上になると合成が著しく困廟になること、及
び薄膜を形成する際に水界面に安定に展開することが困
難になるためである。
本発明の直鎖有機化合物は、上記をみたすものであれば
特に限定されず公知のものが用いられる。一般に好適に
使用される代表的なものを以下に具体的に示す。
ただし、R、Rは同種または異種の炭素数6〜30の直
鎖フルキル基またはそのハロゲン置換体であり、R、R
は同種または異種の炭素数1〜4のフルキル基、または
そのハロゲン原子及び/または水酸基による置換体であ
る。
ただし、R、Rは上記と同じであり、Aは、÷B勾r(
−CH,+i  (ただし、Bはたは1であり、kは正
の整数である。)であり、h、lは正の整数である。R
、R、Rは上記のR8及びR4の説明と同じである。
ただし、R1、ul 、R8、R4、R6及び人は上記
と同じであり、lは1または2、mはOまたは1である
ただし、11 、R* 、R8、R4及びR6は上記と
同じであり、nは正の整数である。
区 R5 ただし、R8、R4及びR′′  は上記と同じであり
、Rは炭素数4〜30のフルキル基。
フルキルオキシ基、若しくはアルキルオキシカルボニル
基またはこれらのハロゲン置(ただし、Fは −N=C
H−、−N=N−。
CH。
0         0    L;n6pは0または
1である。)Eは ÷CH,5または −〇−(CH!
+−である。(ただし、q、rは正の整数である。) 上記一般式CB) 、 CD)及び(E)中、k 、 
n。
q及びrは正の整数であれば曳いが、一般には原料の入
手の容易さから1〜16であることが好ましい。また、
上記一般式(B)中、h及びiは、正の整数を何ら制限
な(取り得るが、一般には原料の人手の容易さから1〜
4であることが好ましい。さらに1上記一般式%式% R、R、R及びRで示されるハpグン置換フルキル基の
ハロゲン原子としては、フッ素。
塩素、臭素、afy素の各原子が挙げられる。
本発明において用いる他の成分は、前記有機化合物が有
するイオン性基とは反対荷電のイオン性基を有する水溶
性の重合体(以下、単にイオン性重合体ともいう。)で
ある。該重合体は上記特定を有する限り特に限定されず
公知のものを用いることができる。一般に得られる有機
薄膜の安定性を勘案すれば、分子量が5000〜100
0万の範囲のものが好適である。
また上記重合体を得るために使用される単量体(七ツマ
−)は得られる重合体が前記性状のものである限り特に
限定されない。一般に好適Kffi用される七ツマ−を
例示すれば次のとおりである。すなわち、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、7マル酸、イタフン酸、り
aトン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等のカルボキ
シル基を有するモノi −;スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸。
フルケンスルホン酸、t−7Pチルアクリル7ミドスル
ホン酸等のスルホン酸基を有するモノマー;ビニルホス
ホン酸、7クリpイルオキシフルキルホスホン酸、メタ
クリロイルオキシフルキルホスホン醒等のリン酸基を有
する七ツマー;ビシルフェノール等のフェノール系モノ
マー;リジン、エチレンイミン、ビニルピリジン、ジメ
チルアミノブーピルメタクリル7ミド はこれら七ツマ−に置換基を置換した置換誘導体等が好
適に使用される。
また、前記イオン性基を有する七ツマ−と共重合可能な
ビニル七ツマ−も得られる共重合体が前記性状を付与す
るものである範囲内において特に限定されず公知のもの
が使用できる。一般に好適に使用される代表的なものを
具体的に示せば、例えば、エチレン、プ1ピレン、ブテ
ン等のすレフイン化合物;塩化ビニル、ヘキサフルオp
′;/ロビレン等のオレフィン化合物のハロゲン誘導体
;ブタジェン。
ペンタジェン等のジオレフィン化合物及びそのハpグV
aS体;スチレン、クールスチレン、ビニルナフタレン
等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル等のビニルエステ
ル化合物;アクリル酸メチル1、メタクリル酸エチル、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリル7ξド
、メタクリル7ミド等の7クリル駿及びメタクリル酸誘
導体;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル化合物;メ
チルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物等が挙げ
られる。
本発明において一般に好適(使用されるイオン性重合体
を一般式で示せば次のとおりである。
■ カルボキシル基を有する重合体 ただし、Rは水素原子、アルキル基またはカルボキシメ
チル基であり、Xは一〇)I、−R’       0 R1はフルキル基または7リール基)でありMは水素原
子、金14w子または低級アンモニウムである。Cは0
〜2の整数であり、m、bはOまたは1である。ここで
、畠が00ときはb=+1.e=o、Rは水素原子であ
り、1が1のときはb=O,c=0〜2、Rは水素原子
、フルキル基またはカルボキシメチル基である。
■ スルホン酸基を有する重合体 R″ ! 803M ただし、R1は水素原子またはフルキル基0  0H。
一〇−または+CH,+。(ただし、・は正の整数)で
あり、Mは水素原子、金属原子または低級アンモニウム
であり、dは0または1である◇ ■ リン酸基を有する重合体 R… −C−CH,− 7−レー、                    
 〔夏〕ただし、R”はアルキル基であり、2は−c−
o÷CH* +、o  (ただし、9は正の整数)であ
り、Mは水素原子、金属原子または低級アンモニウムで
あり、fはOまたは!である。
上記一般式(1) 、 (1)及び(1)中、R,R’
R1及びR111で示されるアルキル基としては、その
炭素数に限定されず、いかなるものでも使用できるが、
一般には炭素数が1〜4のものが好適である。また、上
記一般式(1)及び(1)中、・及び9は正の整数であ
れば良いが就中、原料の人手の容易さから1〜40g1
aであることが好ましい。
以上に説明したイオン性重合体の製造方法としては、前
記したイオン性基を有する七ツマ−を単独重合させるか
または二種以上を共重合させる方法が採用される。また
、前記したイオン性基を有する七ツマ−と共重合可能な
ビニルモノマーとを共重合させることKより、イオン性
基を有する重合体を得ることもできる。また、・イオン
性基を導入することのできる重合体に、化学反応させる
ことによって、イオン性基を導入させる方法もしばしば
好適に採用される。例えば、無水マレイン酸。
無水イタコン駿等の無水カルボン酸の単独あるいは共重
合体を加水分解することにより。
カルボキシル基を有する重合体を得る方法、または、ポ
リビニルアルコールを硫酸エステル化反応させることに
より、スルホン酸基を有する重合体を得る方法等が挙げ
られる。
本発明におけるイオン性重合体としては、前記した重合
体の他に、イオン性基を有する天然高分子も好適に使用
される。一般に本発明において好適に使用されるイオン
性基を有する天然高分子を例示すると、アルギン酸。
アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、
ヘパリン、=ンドロイチン硫酸及びこれらの誘導体等が
挙げられる。
本発明において用いる基板は得られる薄膜の用途に応じ
て公知の材質から選べばよい。
後述する有機薄膜を基板から分離して使用する用途に対
しては如何なる基板を使用してもよいが、一般には基板
の表面に有機薄膜を形成した状態で、そのまま使用され
るケースが多い。この場合は使用形態あるいは要求され
る機能に応じて基板を選ぶ必要がある。一般に好適に使
用される基板の材質は、例えば、高分子材料、ガラス、
金属、セラミック等で基板の表面は必らずしも平滑であ
る必要はない。例えば分離膜として使用する場合には、
多孔性の膜を基板として使用し、該多孔性膜の表面に形
成した有機薄膜を剥離することなく、そのまま分離膜の
用途に使用すればよい。
本発明において、上記基板上に有機薄膜を形成させるに
は、前記イオン性重合体を溶解した水溶液の表面上に、
該重合体のイオン性基と反対荷電を有する直鎖有機化合
物を展開し、両者の界面を形成し、該界面に対して垂直
方向または角度をもって基板を浸漬及び引上げを行い、
基板上に前記有機薄膜を形成させるものである。この操
作を実施するに当っては、直鎖有機化合物を水溶液表面
上に展開し、基板を浸漬、引上げを行う際K、該界面に
水平方向に圧力をかけながら該水溶液中に該基板を浸漬
及び引上げると好適である。上記水平方向への圧力は特
に限定されず、必要に応じて予め決定して採用すればよ
い。一般には該界面の表面圧を10dyn/(m以上望
ましくは20 dyn 708以上かつ50dyn/c
rR以下に維持すると好適である。表面圧を一定範囲に
保つための手段は特に限定されるものではないが、例え
ば、表面22,262〜(1984)に述べられた方法
、特にその第3図に示されたものと類似の装置を用いる
ことが好適である。この種の装置は既に市販されており
容易に人手可能である。
イオン性重合体を含む水溶液表面に直鎖有機化合物を展
開するに当っては、これらの直鎖有機化合物が一般に固
体状である場合が多く、この場合は有機溶媒に溶解した
のち該溶液を水溶液表面上に展開した後、溶媒を蒸発せ
しめる方法が好適に採用される。ここにおいて用いる有
機溶媒は直鎖有機化合物を溶解し5るものであれば特に
制限されず用い得る。
直鎖有機化合物を溶解する溶媒は直鎖有機化合物の種類
によって異なるが、ヘキサン、ヘプタン、メチレンジク
ロリド、クールホルム。
トリクロルエタン、テトラクロルエタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クールベンゼン、ジクρルベンゼン
、トリクロルベンゼン。
酢酸エチル等の水と実質的に混和しない溶媒が単独ある
いは混和して好適に用いることができる。更にメタノー
ル、エタノール、7セトン、テトラヒト−フラン等の水
と混和し5る溶媒を水と混和しない溶媒に対して50容
量%以下の量で混合して用いることも可能である。
本発明において、水溶液相に溶解されるイオン性重合体
の量は氷表面に展開される直鎖有機化合物に対してイオ
ン性基単位で当量以上用いることが望ましい。イオン性
重合体の量がこの値以下である場合、得られる有機薄膜
の耐水性、耐熱性が充分でないことがある場合もある。
また有機化合物を氷表面上に展開するに当っては、該直
鎖有機化合物1分子当りの水表面積が20 oA”以上
になるような量をもって展開したのち、側方(界面の水
平方向)より圧力をかけ、該直鎖有機化合物が展開され
た水表面積を減じつつ所定の表面圧に達せしめる方法が
最も好適に採用される。
本発明で用いる直鎖有機化合物1分子当りの水表面積と
表面圧との関係は、直鎖有機化合物の種類、温度、及び
他の成分であるイオン性重合体の種類により若干相違す
るため、予め、その関係を求めておくことが望ましい。
一般には本発明で用いる直鎖有機化合物1分子当りの木
表面積が100ズ8〜50x2になるまで圧力をかけた
状態で本発明で好適に採用される1 0 dyn / 
crR〜50 dyn / CIRの表面圧が得られる
ことが多い。
本発明の実施に際して採用される温度は種々の条件に応
じて予め適宜決定するのが好ましい。一般には該水相が
凝固する温度すなわち0℃より該有機化合物が水相表面
において安定に存在することが困難になるまでの温度例
えば50℃程度の範囲から選べば十分である。
また本発明において基板を前記水溶液中に浸漬及び引上
げる角度は、水平方向に対して垂直方向が最も好適であ
るが、該引上げが可能である限り該水平方向に対して角
度をもたせることもできる。該角度をもたせる場合は一
般に水平方向に対して最大数置例えば2〜3°の角度ま
で採用できるが、該角度は基板表面への有機薄膜の形成
あるいは工業的な実施の容易さで、予め決定して採用す
ればよい。
本発明はこれまで述べたような条件のもとで、基板を水
/直鎖有機化合物界面に対して基板を上方より垂直ない
し角度をもって浸漬及び引上げを行うことにより、基板
上に有機薄膜を形成せしめるものであるが、基板を浸漬
及び引上げを行うに当っては、その速度が線速度でIo
n/秒以下、好ましくは3 m 7秒以下であることが
望ましい。浸漬及び引上げ速度が著しく大きい場合、基
板上に有機薄膜を再現性よく形成させることが困難な場
合があるので注意を要する。
(効果) 本発明の方法により基板上く形成させた有機薄膜は良好
な耐水性、耐熱性を有する。本発明において用いるよう
な直鎖有機化合物のみをもって水面上に展開し、基板上
に分子配向性をもった薄膜を形成させることも可能では
あるが(Chemistry Letters、915
(1984))、それらはその後の水中処理によって容
易に脱落崩壊及び熱処理によって構造変化するという欠
点をもっていたが、本発明者等は本発明のようK、水中
に該直鎖有機化合物とイオン性重合体を予め溶解してお
くことにより、基板上に形成された有機薄膜が極めて安
定化されることを見い出したのである。更に本発明の方
法によって得られた有機薄膜は特定の分子配向性を有す
る。このことは得られる有機薄膜のX線回折により直接
的に証明され得る。またもし得られる有機薄膜がxm回
折を行うに充分な量でない場合、その有機薄膜に対する
水、及び有機溶媒に対する接触角を測定し、この値を■
該直鎖有機化合物のみを用いて氷表面に展開させ基板上
形成した有機薄膜に対する接触角(この方法により得ら
れる有機薄膜が特定の分子配向性を有することはChe
mistry Lsttsrs。
915(1984)において公知である。)、及び■他
の方法例えば通常の溶媒蒸発法により製造された本発明
と実質的に同じ化学組成をもちかつ配向性を有さない膜
状物に対する接触角を比較することにより、より簡便に
証明され得る。一般に本発明の方法により得られる有機
薄膜は、上記■で得られる有機薄膜と同程度の接触角を
有し、上記■で得られる膜状物とは化学組成がほぼ同一
であってもより水に対する接触角が大きく疎水的である
という性質を有している。
(作用) 本発明の方法により得られる有機薄膜は良好な耐水性、
耐熱性を有するものであるが、その理由は、本発明にお
いては製造時に用いる直鎖有機化合物とイオン性重合体
が水中に存在するため、該直鎖有機化合物とイオン性重
合体がイオン対を形成することにより得られる有機薄膜
中にイオン性重合体が導入されあたかも該直鎖有機化合
物を直接重合したかの如き耐水性、耐熱性が付与される
ものと考えられる。本発明の方法により得られる有機薄
膜中に、該直鎖有機化合物と共に、製造時に用いたイオ
ン性重合体が含まれていることは、得られた有機薄膜を
フーリエ変換赤外吸収スペクトル、あるいはEl@ct
ron 5pe−atroscopy for  Ch
emical  Ana−1ys1m (以下、単にE
SCAと略記する)等の分析手段により明らかにされる
。特にESCAは本発明で得られるような薄膜を分析す
るのに有効な手段である。
本発明を更KA体的に説明するために以下に実施例を挙
げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。また、以下の実施例は協和科学製LUD型ラング
ミュア膜製造装置を用いて行ったものである。本装置の
水槽部は、開孔部面積15(mX 7 GcII、深さ
6ozであり、可動式浮子により木表間部に何方より圧
力がかけられるように設計されたものである。また、用
いた水はすべてイオン交換及び逆浸透法により精製した
ものである。
実施例 1〜6 ポリスチレンスルホン醗カリウムIIiを100dの水
に溶解し、そのうち5dをラングミニ7膜製造装置の水
槽部(水温25℃)に添加した。第1表に示す直鎖有機
化合物10.0119を第1表に示す有機溶媒101u
K溶解し、そのうち50μtを上記水爾に展開し、5分
間放置して有機溶媒を蒸発せしめた。その後、可動式浮
子により側方より圧力をかけ表面圧を30 dyn/a
11)c保った状態で多?LJIIにュークレポ7NP
 30 G 、孔径0.3μm)を0.5■/秒の速度
で垂直方向から浸漬及び引上げを10回行い、多孔膜表
面に有機薄膜を形成させた。得られた有機薄膜なESC
Aにより分析した。分析結果は第1表に示したとおりで
あった。
また、得られた有機薄膜の性質及び耐水性。
耐熱性を調べるために、有機薄膜に対する水の接触角を
20℃で測定した。水接触角は製造直後のもの、耐水性
を調べるために60℃の水中で1時間放置したもの、及
び耐熱性な詞ぺるために空気中100℃で1時間熱処理
したものKついても測定した。結果を第1表に示す。な
お、第1表には比較例として、ポリスチレンスルホン醗
カリウムを用いないことを除いては実施例1〜6と全く
同様の方法で、多孔膜上に形成させた直鎖有機化合物か
らなる有機薄膜についての接触角の値も併記した。実施
例と比較例における水接触角の値を比較することKより
、実施例で得られた有機薄膜の耐水性、耐熱性が優れて
いることが明らかである。
比較例 1〜6 実施例1−6において各々用いた直鎖有機化合物5!リ
モルな50117の水に70℃において超音波分散させ
た。この溶液にポリスチレンスルホン酸カリクムを単量
体単位で5ミリモル含む水溶液20−を添加し、室温で
一夜攪拌した。生じた沈澱を口取し、繰り返しメタノー
ルで洗浄した後真空乾燥した。得られた沈澱の組成を元
素分析により求めた。結果を第2表に示す。第2表の結
果と第1表の実施例1〜6の分析結果から、実施例1〜
6と比較例1〜6で得たものは各々はぼ同一組成を持つ
ことが明らかである。比較例において得られた沈澱物0
.5gをクーロホルム10―に溶屏した後、ガラス板上
にamし、りppホルムを蒸発せしめて6f1の膜状物
を得た。
これらの膜状物が無配向であることを膜状物の表面方向
、及び所属方向からのX]I[回折を行うことにより確
認した。これらの膜状物についての水接触角の値も第2
表に併記した。
これらの結果を第1表の実施例1〜6の水接触角の値と
比較すると、両者は各々、はぼ同一の化学組成を有する
にもかかわらず水接触角の値は著しく異なっている。こ
のことは実施例1〜6で得られた有機薄膜が特有の分子
配向性を有することを裏付けるものである。
実施例 7 ポリスチレンスルホン醗カリウムI11を100dの水
に溶解し、そのうち5−をラングミュア膜製造装置の水
槽部(水温10℃)に添加した。直鎖有機化合物 8冨gをエタノール/ベンゼン(1/9容量比)混合溶
媒51に溶解し、そのうち40μtを上記水面に展開し
、10分間放置し【エタノール/ベンゼンを蒸発せしめ
た。その後、可動式浮子により側方より圧力をかけ表面
圧を30 dyn /αに保った状態で、水界面に対ト し垂直方向から0.5111厚の白金板を0.3m11
1/秒の速度で5回、浸漬、引上げを行い、多孔膜上に
有機薄膜を形成させた。得られた有機薄膜なESCAに
より分析した結果、N/S(原子数比)は2.02であ
った。また、水接触角は117.0@ であった。更に
得られた有機薄膜を60℃において1時間放置した後、
更に水接触角を測定したところ116.8@ であり、
殆んど変化は認められなかった。
実施例 8 ポリビニルスルホン酸カリウム1gを100−の水に溶
解し、そのうち5dをラングミュア膜製造装置の水槽部
(水温20℃)K添加した。直鎖有機化合物 OCH。
1019をエタノール/ベンゼン(1/9容量比)混合
溶媒10117に溶解し、そのうち60μtを上記水面
に展開し、10分間放置してエタノール/ベンゼンを蒸
発せしめた。その後、可動式浮子により側方より圧力を
かげ表面圧を35 dyn / cmに保った状態で、
水界面に対して垂直方向から1u厚のスライドガラスを
9.5 Ill 7秒の速度で10回浸漬、引上げを行
い、スライドガラス上に有機薄膜を形成させた。得られ
た有機薄膜をESCAにより° 分析した結果、N原子
/S原子(原子数比)は0.98であった。得られた有
機薄膜に対する水接触角は105.1°であった。更に
得られた有機薄膜を空気中100℃で1時間熱処理した
後測定した水接触角は103.6@ であり、殆んど変
化は認められなかった2゜実施例 9 カルボキシメチルセルツース1. Ogを100dの水
に溶解し、そのうち5ゴをラングミュア膜製造装置の水
槽部(水温31.5℃)に添加した。直鎖有機化合物 10纂9をエタノール/ベンゼン(1/9容量比)IO
N/に溶解し、そのうち40μtを上記水面上に展開し
、5分間放置してエタノール/ベンゼンを蒸発せしめた
。その後、可動式浮子により側方より圧力をかtす32
 dyn 、/’Cの表面圧を保った状態で、水面に対
し20″の角度から100μm厚のポリスチレンフィル
ムをlllllIZ分の速度で20回、浸漬、引上げを
行い、ポリスチレンフィルム上に有機薄膜を形成せしめ
た。得られた有機薄膜に対する水接触角は100.1’
″、更に60℃水中に1時間放置した後測定した水接触
角は100.6゜であり、殆んど変化は認められなかっ
た。
実施例 10 ポリアクリル酸ナトリウム0.8gを水100dK濯解
し、そのうち5dをラングミュア膜製造装置の水槽部(
水温20℃)に添加した。
直鎖有機化合物 8■をエタノール/ベンゼン1Qiuに溶解しそのうち
50μtを上記水面に展開した後5分間放置してエタノ
ール/ベンゼンを蒸発せしめた。その後、水面に対し垂
直方向より0.5龍厚の金属シリコン基板なQ、5m/
秒の速度で30回、浸漬、引上げを行った。金属シリコ
ン基板上に形成された有機薄膜に対する水接触角は97
.0°であった。更に該有機薄膜を100℃にて1時間
熱処理した後測定した水接触角は96.3°であり、殆
んど変化は詔められなかった。
実施例 11 ポリ−4−ビニルピリジン塩散塩o、 s gを50ゴ
の水に溶解し、そのうち5dをラングミュア膜製造装置
の水槽部(水温15℃)に添加した。直鎖有機化合物 5m9をエタノール/ベンゼン(2/8容量比)5mに
溶解し、そのうち50μtを上記水量上に展開し、5分
間放置してエタノール/ベンゼンを蒸発せしめた後、水
面に対し垂直方向から0.5n厚の白金板を0.313
+/秒の速度で10回、浸漬及び引上げを行った。白金
板上に形成された有機薄膜に対する水の接触角は99.
6°であった。更に該有機薄膜を60℃の水に1時間浸
漬した後、再度水接触角を測定したところ99.6°で
あり、全く変化は認められなかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(i)2個または3個の直鎖疎水基あるいは剛直
    性部分を連鎖中に含む1個の直鎖疎水基を有し、かつイ
    オン性基を有する有機化合物と、(ii)上記(i)の
    有機化合物が有するイオン性基とは反対荷電のイオン性
    基を有する重合体を含む水溶液とを界面を形成して存在
    させ、該界面に対して垂直方向または角度をもつて基板
    を該水溶液中に浸漬及び引上げ、基板上に有機薄膜を形
    成させることを特徴とする有機薄膜の製造方法。
  2. (2)界面に水平方向に圧力をかけながら基板を浸漬及
    び引上げる特許請求の範囲(1)記載の有機薄膜の製造
    方法。
  3. (3)界面の表面圧が10dyn/cm〜50dyn/
    cmである特許請求の範囲(2)記載の有機薄膜の製造
    方法。
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US9393315B2 (en) 2011-06-08 2016-07-19 Nitto Denko Corporation Compounds for targeting drug delivery and enhancing siRNA activity
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