JPS6125432Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカーペツトに関し、基布１の表面に基
布１の伸縮方向に沿つて熱可塑性樹脂製の補強条
２を多数本塗着すると共にこの補強条２の断面形
状を偏平な山状に形成し、基布１の表面にパイル
３を植設して成るカーペツトに係るものである。

従来、カーペツトを施工するにあたつて、いわ
ゆるグリツパー施工という方法がある。この方法
は第１図に示すように、表面に多数のグリツパー
針４，４…が設けられたグリツパー５を床６に固
定し、カーペツト７の端部をグリツパー５の表面
にまで引張つてグリツパー針４に引掛けることに
より行うものである。しかし乍ら、このグリツパ
ー施工にあつては、伸縮性のあるカーペツト７を
引張つた状態でグリツパー５に引掛けるため、カ
ーペツト７の復元力によつてグリツパー針４の引
掛け部分に引張力がかかり、その部分のカーペツ
ト７の表面に孔８があくという問題があり、施工
仕上りが見苦しいものであつた。

本考案は上記の点に鑑みて成されたものであつ
て、グリツパー施工においても表面に孔があくこ
とがないカーペツトを提供することを目的とする
ものである。

以下本考案を実施例により詳述する。基布１は
表面布９の裏面にラテツクス等で形成された弾性
層１０を介してジユート１１を貼着して三層構造
に形成されたものを使用することができ、また表
面布９はポリプロピレンやポリエステル等で形成
された不織布を使用することができる。第２図に
示すようにこの基布１は巾方向に比べて長手方向
（矢印方向）の伸縮性が大きいものであるが、基
布１の表面の長手方向に沿つて補強条２が多数本
塗着してある。補強条２はフエノール樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリエステル等の熱可塑性樹脂
を使用することができ、一定間隔をおいて、平偏
な山状に塗着されている。このようにすると樹脂
を基布１の全面に塗布する必要がなくて樹脂の使
用量が削減でき、しかも軽量にすることができる
ものである。また、基布１の表面全面にはパイル
３が植設してある。

しかして、上記のようにして形成されたカーペ
ツトをグリツパー施工によつて床面に敷設するに
あたつては、従来と同様にしてカーペツト７をそ
の伸縮方向に引伸してグリツパー５のグリツパー
針４にカーペツト７の端部を引掛けることにより
行うものであるが、基布１表面に塗着された補強
条２は伸縮性が悪いためにカーペツト７自体の伸
縮性が減少され、カーペツト７の端部をグリツパ
ー針４に引掛けた後におけるカーペツト７の復元
力を減少し、従つてグリツパー針４によるカーペ
ツト７の引張力を低下させることができるもので
ある。しかも、カーペツト７は補強条２によりそ
の補強条の塗着方向の引張力が補強され、容易に
孔８があくことがないものである。また補強条２
は平偏な山状に形成されているために異物感がな
く、またカーペツト７の断熱性をも高めることが
できるものである。

上記のように本考案は、基布の表面に基布の伸
縮方向に沿つて熱可塑性樹脂製の補強条を多数本
塗着すると共に基布の表面にパイルを植設したの
で、基布の伸縮方向におけるカーペツトの伸縮性
を低下させると共にカーペツトの引張力を増加す
ることができ、このカーペツトがグリツパー施工
された場合でもカーペツトの端部に引掛けられた
グリツパー針によつてカーペツトに孔を生じるこ
とがなく、施工仕上りが美しいものである。しか
も、基布の表面熱可塑性樹脂の補強条を多数本塗
着したので、基布の表面に熱可塑性樹脂を塗布す
るだけで熱可塑性樹脂の自己接着力によつて接着
剤等を使用することなく簡単に補強条を基布の表
面に接着させて形成することができ、カーペツト
の生産製を良くすることができるものであり、ま
た基布の表面に補強条を塗着することで、基布と
して従来の基布をそのまま使用することができる
ものであり、さらに基布の表面に補強条を形成し
たにもかかわらず、補強条の断面形状を偏平な山
状に形成したので、カーペツトを踏んだ際に足の
裏に補強条の存在がわかり難く異物感がないもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の一部切欠断面図、第２図ａ，
ｂは本考案一実施例の一部切欠上面図と一部切欠
断面図、第３図は同上の一部切欠断面図である。 １は基布、２は補強条、３はパイルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基布の表面に基布の伸縮方向に沿つて熱可塑性
   樹脂の補強条を多数本塗着すると共にこの補強条
   の断面形状を偏平な山状に形成し、基布の表面に
   パイルを植設して成るカーペツト。