JPS6125312B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋼管の端面を探傷する磁粉探傷機に関
する。

従来から鋼管の端面は厳重な検査が要求され鋼
管端面の外面と内面に対して非破壊検査が行なわ
れている。

該非破壊検査法として磁粉探傷法があり、磁粉
探傷法はヨーク法プロツト法が用いられている。
通常プツト法、ヨーク法を用いて磁化する場合欠
陥の方向と直角になるように磁場を加えると欠陥
漏洩磁気が多くなり明瞭に欠陥が検出されるが欠
陥方向と同一方向に磁場を加えた場合は欠陥があ
つても漏洩磁気がほとんど生じないので検出がむ
づかしくなるこのため磁場方向を２回或は３回と
変えて検査する必要があつたこのうちヨーク法で
も合成磁界を用いる方法については特許
No.260052で公知になつている通り位相の異なる
複数個の磁極を使用したヨーク法であり各磁極は
位相差により時々刻々変化し回転磁界となるため
の磁場の方向は一定方向ではなく、このため欠陥
の方向がタテ、ヨコ、ナナメ、に向いていてもそ
れぞれ漏洩磁気が発生することになり磁粉による
欠陥検出は全方向同時に検出されるという特徴が
ある、その結果普通の磁粉探傷時間と比較して1/
２から1/3に短縮することが出来るこのため現在は
合成磁界法が多数実用に供され外面並びに外面の
探傷に効果を上げている。

第３図及び第５図において従来の装置が示され
ており、第３図における符号１０で示すものが３
極或は４極の合成磁界探傷機であり、該装置によ
り回転する鋼管２の外面を探傷するものである。
第４図は上記探傷機１０の回路結線を示したコイ
ル１０′，１０′をスター結線したものである。又
第５図における符号１１は単極ヨークを使用した
鋼管断面用探傷機を示し、第６図にそのコイル結
線が示してある。さらに又図には示していないが
鋼管内面を探傷するには内面専用のものがある。

このように従来においてはそれぞれの面に対し
てそれぞれ専用の探傷機を使用して探傷するもの
であるから従つて鋼管端面の外面と内面の探傷を
行う場合には３極或は４極の合成磁界探傷機を用
い外面用、内面用の２台を使用して鋼管の端面を
探傷していた。本発明はこのような事情に鑑みて
発明したものであつて１台の合成磁場探傷機で鋼
管端面の外面、内面を同時に探傷することを可能
とし、しかして検査時間の短縮、操作の簡易及び
コストの減少等を可能とする磁粉探傷装置を提供
するものである。

以下に本発明の実施例を添付図面について説明
すると、第１図において１は本発明磁粉探傷装置
を総活的に示し、２は探傷すべき検査体の鋼管を
示すものである。磁粉探傷装置１はほぼコ状に形
成したヨーク３と該ヨーク３の上部先端に垂下状
に取付け固定した３極合成磁界探傷機４と、ヨー
ク３の下部水平片に巻設した内面用コイル５とか
らなるものである。これらの回路は第２図に示さ
れている。即ちＲ，Ｓ，Ｔは３相電力の位相を表
わし、４′は該探傷機４のコイルを示し、図は外
面３極のスター結線を示しているがデルター結線
でも同様な効果があるのは言う迄もない。５′は
上記内面用コイル５の回路図におけるコイルを示
し、該コイル５′は図において３極結線の上記コ
イル４の１極と直列に結線してある状態を示して
あるが並列に結線しても何ら差しつかえない。

次に上記の作用について述べる。まず検査すべ
き鋼管２の端部を本探傷装置１に持ち来たし鋼管
２の外面側を磁界探傷機１側に、内面側をコイル
５側に対応させつつ鋼管２を回転させＲ，Ｓ，Ｔ
に電圧を与えると探傷機４に磁界が発生し、これ
により探傷機４の下端に３極磁極４ａが発生し、
又上記磁界はヨーク３によつて鋼管２の内面に迄
誘導される。

そして同時にコイル５にも磁界が発生し、これ
によりヨーク３の下部水平片の端部に誘導磁界を
発生し、磁極５ａとなる。磁極５ａは上記３極磁
極４ａのほぼ中央の位置に対応しているので３極
磁極４ａと磁極５ａとの間にはそれぞれの磁界の
相互作用により第８図に示すように磁束６，６が
生じるものと考えられ、鋼管２の外面及び内面の
両面には第７図に示すように磁界の分布が生じる
ものとなる。ここにおいて符号６ａは外面に符号
７ａは内面に生じる磁束の流れを示すものであ
る。上記磁束の流れの確認はJIS G0565−74A標
準片を用いて行つた。その結果15/50の円形標準
試験片が外面、内面共に明瞭に検出された。

上記試験を第３図に示す従来の装置の合成磁界
探傷機についても行つたところ外面においては円
形標準試験片も明瞭に検出されたが内面について
はほとんど検出されなかつた。従つてこの場合に
おける磁界の分布は第９図に示すように外面のみ
に符号７ａで示すように存在するものであると考
えられ、又その磁束は第１０図において符号７で
示すようなものと考えられる。

同様に第５図に示す探傷機について試験を行な
つたところ試験片の内、上下の半月状部分即ち人
工欠陥と直角になる部分のみが明瞭に検出され
た。従つてその磁場８ａ方向と磁束８は第１１図
及び第１２図に示すとおりのものと考えられる。

本発明は上述の如きなるものであり、鋼管端部
の内、外両面の欠陥の探傷を一台の装置で同時に
行え、しかも欠陥がどのような方向のものであつ
ても確実に検出できるので、この種の装置として
は極めて理想的なものであり、検査時間の大巾な
短縮化、操作の簡易化、検査の確実性の増大及び
コストダウン等の効果を生じるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す斜視図、第２図
は第１図の結線状態を示す回路図、第３図は従来
装置の使用状態を示す針視図、第４図は第３図に
示す従来装置の回路図、第５図は他の従来装置の
使用状態を示す斜視図、第６図は第５図に示す装
置の回路図、第７図及び第８図は本発明の探傷装
置を用いた場合の作用説明図、第９図及び第１０
図は第３図に示す従来装置を用いた場合の作用説
明図、第１１図及び第１２図は第５図に示す他の
従来装置を用いた場合の作用説明図である。 符号の説明、３はヨーク、４は多極合成磁界探
傷機、５はコイルである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ほぼコ状に形成したヨーク３と該ヨーク３の
   上部先端に垂下状に取付け固定した多極合成磁界
   探傷機４と、上記ヨーク３の下部水平片に巻設
   し、かつ、上記多極合成磁界探傷機４の１極と直
   列又は並列に結線したコイル５とからなる鋼管用
   磁粉探傷機。 ２ 上記多極合成磁界探傷機４は３極のスター結
   線又はデルター結線のコイル４′，４′よりなる特
   許請求の範囲第１項記載の鋼管用磁粉探傷機。