JPS6125266Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は光通信用発光素子の構造に係り、特
に、光コードとの接続構造の改良に関するもので
ある。

第１図は従来の光通信用発光素子と光コードと
の接続構造を示す断面図である。発光ダイオード
１はシート２上に取り付けられてキヤツプ３で覆
われている。このキヤツプ３には合成樹脂製のス
リーブ４を固定し、スリーブ４の中心に埋設した
光フアイバ５の先端を発光ダイオード１に接近さ
せている。このように形成した発光素子はスリー
ブ４をレセプタクル６の突起部の孔の中に挿入す
ることによつてレセプタクル６に移動可能に支持
されている。また、レセプタクル６の開口部は押
え金具７で封止されている。即ち、発光素子は２
本の端子を押え金具７より突出させてレセプタク
ル６内に封入されている。

レセプタクル６の管状突起部の外周には雄ねじ
が形成されており、この雄ねじに螺合する雌ねじ
を形成したプラグ８の中心部にはレセプタクル６
の管状突起部内に嵌合する突起９をもつている。
この突起９の中心にはプラグ８に固定された光コ
ード１０の光フアイバ５が挿入されている。

このような接続構造において発光素子と光コー
ド１０とを結合させるには、袋ナツト状のプラグ
８を回転前進させてスリーブ４とプラグ８の突起
９を接触させて各光フアイバ５の先端を正確に対
向させる。スリーブ４の光フアイバ５の他端はミ
クロン単位で発光ダイオード１の光を取り入れる
のに最適の状態で対向させているので、発光ダイ
オード１の光はスリーブ４およびプラグ８内の光
フアイバ５を通つて効率良く光コード１０内に伝
送される。

しかるにスリーブ４はキヤツプ３に固定されて
いるので、プラグ８をねじ込んだ時に突起９がス
リーブ４を発光ダイオード１を取り付けたシート
が押え金具７で停止するまで押し、キヤツプ３を
変形させる。キヤツプ３は通常IC等の気密封止
に良く用いられる薄い金属製であるがキヤツプ３
が変形すると光フアイバ５の先端が最良の位置か
ら偏倚し、光伝送効率を低下させるという欠点を
もつていた。

本考案は接続時に光伝送効率を低下させること
のない発光素子の構造を提供することを目的と
し、その特徴とするところは、キヤツプに近い位
置のスリーブの外周に突起部を形成し、発光素子
を包囲すると共にスリーブの先端部を挿入する孔
を有するレセプタクルに突起部を固定することに
ある。

第２図は本考案の一実施例である発光素子の構
造を示すレセプタクルの断面図で、第１図と同一
部分には同じ符号を付してある。スリーブ４の先
端部外周に鍔１１を固定し、レセプタクル６内に
エポキシ樹脂１２を充填固化させて発光素子のキ
ヤツプ３とスリーブ４をレセプタクル６に接着し
ている。したがつて、結合時にプラグ８をねじ込
んでもスリーブ４の位置は移動しないのでキヤツ
プ３が変形することはない。

第３図は本考案の他の実施例である発光素子の
構造を示すレセプタクルの断面図である。この場
合にレセプタクル６は先端内側に大径部を形成し
た円筒部６ａと雄ねじ部を形成した管状突起部を
もつ円板部６ｂとの２部分よりなり、スリーブ４
に固定した鍔１１を円筒部６ａの大径部に挿入し
た後円筒部６ａと円板部６ｂとを一体に固定す
る。したがつて、結合時にプラグ８をねじ込んで
もスリーブ４の位置は移動しないしキヤツプ３を
変形させることがない。

第４図は本考案の更に他の実施例である発光素
子の構造を示すレセプタクルの断面図である。こ
の場合はレセプタクル６のスリーブ４の入口に雌
ねじを設け、この雌ねじに螺合する雄ねじ部１３
をスリーブ４の中間部に形成している。したがつ
て、レセプタクル６は所定の位置に発光素子を固
定することが可能となり、プラグ８をねじ込だと
きでも発光素子を移動させたりキヤツプ３を変形
させることはない。

上記３つの実施例の発光素子は鍔１１や雄ねじ
部１３でレセプタクル６にスリーブ４を固定して
いるので、レセプタクル６とプラグ８の突起９を
接合したときでもキヤツプ３を変形させることは
ない。また、発光素子とレセプタクル６とをエポ
キシ樹脂１２で一体に固定した第２図の場合は、
特に押え金具７を必要としない。この場合エポキ
シ樹脂１２を固化させるために加熱するときはシ
ート２に熱伝導性の良い材質を用いて放熱させ、
エポキシ樹脂１２に熱伝導性の高い物質を混合し
て放熱性を高めることで解決できる。

本実施例の発光素子は、スリーブに突起部を形
成させてレセプタクルに固定することにより、結
合時にキヤツプを変形させて発光ダイオードと光
フアイバとの位置関係を変化させることが防止で
きるという効果をもつている。

上記実施例は発光素子の取り付け構造について
説明したものであるが、受光素子の場合にも適用
できる。即ち、受光素子はPINフオトダイオード
やAPDが使用されることが多いが、これらの受
光体を取り付けたスリーブを接続金具に固定する
ことで解決できる。なお、発光素子としてレーザ
ダイオードを使用した場合も上記取り付け構造を
用いることができる。

本考案の発光素子の構造は、光ケーブルと接続
する際にキヤツプを変形させ光伝送効率を低下さ
せることを完全に防止できるという効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の光通信用発光素子と光コードと
の接続構造を示す断面図、第２図、第３図、第４
図は本考案の実施例である発光素子の接続構造を
示すレセプタクルの断面図である。 １……発光ダイオード、２……シート、３……
キヤツプ、４……スリーブ、５……光フアイバ、
６……レセプタクル、８……プラグ、９……突
起、１０……光コード、１１……鍔、１２……エ
ポキシ樹脂、１３……雄ねじ部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ シートに取り付けた発光ダイオードをキヤツ
   プで気密に封止し、上記発光ダイオードに先端
   を近接対向させた光フアイバを中心部に埋設し
   た樹脂製のスリーブを上記キヤツプに固定して
   一体に形成した発光素子において、上記キヤツ
   プに近い位置に上記スリーブの外周に突起部を
   形成し、上記発光素子を包囲すると共に上記ス
   リーブの先端部を挿入する孔を有するレセプタ
   クルに上記突起部を固定することを特徴とする
   発光素子の構造。 ２ 上記突起部が、鍔又は雄ねじ部である実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の発光素子の構
   造。