JPS6125197Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は加熱室内にヒータを備えた高周波加
熱装置の改良に関するもので、とくにそのヒータ
を加熱室内に移動自在に設けるとともに、ヒータ
端部からの高周波漏洩を簡単に防止し、もつて安
全性が高くかつ利用範囲の広い高周波加熱装置を
得ようとするものである。

以下この考案を図示一実施例について説明する
と、１は内部を高周波が照射される加熱室２とし
た加熱箱、３はこの加熱箱の後壁面に縦に細長く
２個平行に形成した透孔で、長径Ａは使用高周波
の5/4波長相当の寸法を有している。

４は前記透孔３からそれぞれ両端部の端子部５
を突出させたシーズヒータで、透孔３内を自在に
上下動し得るよう収容されている。６は金属製仕
切板、７は加熱箱１の背面に固着された前面開放
ケース状の金属製遮へい板で、背面中央に長さＢ
が高周波の１波長より数mm長い導出口８を形成し
ている。

９は遮へい板７と加熱箱１との間に形成された
高周波減衰室で、幅Ｃと奥行Ｄが高周波のそれぞ
れ1/4波長相当、1/8波長相当の寸法を有し、かつ
深さＥが同じくその約1/4波長相当の寸法を有し
ている。

１０は高周波減衰室９の入口、１１はヒータ４
の両端部を保持し、これとともに上下方向へ移動
する金属性の移動板で、遮へい板７との間に所定
の間隙Ｓを形成している。１２はこの移動板の両
側縁部に一連に形成した折曲部で、加熱室２の側
面と所定長さＷ、例えば高周波の1/4波長相当以
上にわたつて１mm〜２mm程度の間隙を有し近接対
面している。

１３は移動板１１の前面に当接したローラー、
１４はこのローラーを回転自在に支持した金属性
取付板で、加熱箱１の背面に２つの遮へい板７の
全周を囲むように取り付けられている。１５はこ
の取付板の遮へい板７との対向面にその全長にわ
たつて取り付けた電波吸収体、１６は移動板１１
の背面に当接したローラー、１７はローラーホル
ダーである。

以上の構成であるから、今高周波加熱を行なう
と透孔３から高周波が外部へもれようとするが、
この考案では高周波減衰室９を備えているのでか
かる高周波をほとんど消滅させられる。そしても
しここでも消滅しない高周波が間隙Ｓを通つて外
部へ出たとしても次に電波吸収体１５によつて吸
収され、消滅させられるものである。

一方移動板１１を操作すればローラー１３，１
６により安定して移動させられるので、ヒータ４
の高さを任意に選べる。

ここでこの考案の実施例では移動板１１の折曲
部１２を加熱室２の両側壁面に近接して対面させ
ているので、透孔３から漏洩した高周波が高周波
減衰室９や電波吸収体１５で完全に消滅できなく
ても、加熱室２の側方へ抜けることが防止される
から、高周波漏洩を殆んどなくすことができる。

また遮へい板７の周辺には移動板１１により区
画された空間が存在するから、この空間が透孔３
から排出される熱気やスチームの排出風路とな
り、上方へそれら熱気やスチームを効率良く導け
るものである。

以上のようにこの考案によればヒータを平行移
動させられるので、例えヒータの発熱量が一定で
もその高さを変えることにより被加熱物に対する
火力を強火から弱火まで幅広くコントロールでき
るものであり、広範囲の被加熱物に対応でき、か
つ熱効率を向上させることができる。さらに移動
板にはその周縁部のうち移動方向に沿つた部分
を、加熱室の外壁面と近接又は接触させるように
対面させているので、この対面部分で高周波の漏
洩阻止効果が期待でき、もつてより高周波漏洩の
少ない安全性の高い高周波加熱装置を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す要部横断面
図、第２図はその要部の縦断面図である。 図中、２は加熱室、４はヒータ、７は遮へい
板、９は高周波減衰室、１１は移動板、１２は折
曲部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面に細長い透孔を設けた加熱室と、この加熱
   室内に設けられ端部を前記透孔から外部へ突出さ
   せて透孔の長径方向へ移動自在に設けたヒータ
   と、前記加熱室壁面のヒータが突出する部分にこ
   のヒータを囲むよう形成した高周波減衰室と、ヒ
   ータの突出端部を保持するとともに加熱室の壁面
   に対向しながら前記透孔の長径方向に移動自在に
   設けられた金属製移動板とを備え、この移動板の
   前記高周波減衰室の外側に位置する周縁部を所定
   の長さにわたり加熱室の外壁面と近接又は接触さ
   せるように対面させてなる高周波加熱装置。