JPS6021914Y2 - 高周波加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は高周波加熱装置の改良に関するもので、とく
に加熱室に上下方向に移動自在なヒータを備え、利用範
囲の拡大と熱効率の向上を図ることを目的としたもので
ある。

以下この考案を図示実施例について説明すると、１は加
熱装置本体で、外ケース２によって包囲された加熱箱３
と底板４とを備えている。

５は加熱箱３の内部に形成された加熱室、６はこの加熱
室の前面間ロアを閉塞するドア、８は加熱時間を制御す
るタイマー（図示せず）や後述するヒータ１６を操作す
るつまみ９を設けた操作パネル、１０は加熱室５内下部
に設けた金属ターンテーブルで、モータ１１の回転力が
伝達される駆動盤１２の上面に着脱自在に載置されてい
る。

１３は加熱室５の左右両側壁面にそれぞれ対向して突設
した支持部で、必要に応じてこの上に金属製の角形皿１
４を載置するようになっている。

１５は加熱室５の背面に形成された上下方向に長い２つ
の透孔で、この透孔の横幅は後述するヒータ１６の直径
よりも若干大きく設定され、かつ上下方向の長さＡは使
用高周波の基本波長の３／４倍に設定されている。

１６．１７はシーズヒータ等のヒータで、適宜屈曲して
おりかつ両端部に端子部１８を有している。

そしてこの一方のヒータ１６の両端部が前記透孔１５を
介して加熱室５の外部へ突出している。

１９は下部ヒータ１７の端子部１６が挿入されたソケッ
ト、２０は加熱室５の側面上部に形戒した小孔、２１は
この小孔を介して加熱室５内を本体１外部へ連通させる
排気ダクトで、内部には自然排出される熱気温度を検知
してヒータ１６゜１７への通電を制御する温度調節器（
図示せず）の温度検知部２２を設けている。

２３は透孔１５の孔縁全長にわたってその外側に取り付
けた金属製仕切板、２４は加熱室５の背面にその透孔１
５を覆うよう取り付けた金属制遮へい板で、−仕切板２
３との間に透孔１５を中心として直径Ｂが約１／２波長
、奥行Ｃが約１／４波長で入口２５を有するチョーク室
（第１の電波漏洩阻止室）２６を形成している。

・２７は遮へい板２４の背面中央に設けた長欠で、この
長さＤは前記透孔１５とほとんど同一寸法に設定されて
る。

２５は遮へい板２４の背面にこれと所定の間隙Ｓをおい
て対面した金属製の移動板で、この上下方向の長さは上
下に移動しても長穴２７の背面側を十分塞ぐ寸法に設定
されている。

２９．３０は移動板２８の前面及び背面にそれぞれホル
ダー３１を介して回転自在に取り付けられた耐熱合成樹
脂製のローラ、３２は遮へい板２４の両側にあってこれ
と全長にわたり間隙をおいて対面したフェライト入り合
成樹脂等からなる電波吸収体で、金具３３により移動板
２８に取り付けられている。

３４は長穴２７と同一の幅を有する貫通孔、３５はこの
貫通孔に対応して移動板２８に取り付けられた金属製の
円形ケースで、直径Ｅを約２／１波長、奥行Ｆを約１７
４波長とし、中央にヒータ１６の端子部１８の嵌合孔３
６を形成したている。

従って移動板２８とケース３５との間には入口３７を有
するチョーク室（第２の電波漏洩阻止室）３８が形成さ
れている。

３９は加熱箱３の背面に断熱材４０を介して取り付けた
金属製の案内板、４１は同じく加熱箱３の背面に固定し
た金属製案内板、４２はこれら案内板にそれぞれ遮へい
板２４と対面するようその縦方向の全長に対応して取り
付けたフェライト入りプラスチック等の電波吸収体、４
３．４４は垂直に設けられた金属製案内板で、一方の案
内板４３は外ケース２に固定されている。

そして移動板２８はこれら案内板３９，４１，４３，４
４にローラ２９，３０が案内されることにより垂直方向
に上下動するものである。

４５はリード線、４６は移動板２８の背面中央上部に取
り付けた連結板で、前記つまみ９の操作量が上下方向の
駆動力に変換され、かつ拡大されて伝達されるようカム
等の拡大伝達機構（図示せず）に連結されている。

４７は高周波導入口、４８はマグネトロン（図示せず）
からの高周波を導入する導入管、４９は導入口４７を密
閉したカバー、５０は金属製の反射板で、絶縁物５１を
介してヒータ１６に取り付けられている。

５２はヒータ１６の直上をさけて反射板５０に形成した
供給口、５３は移動板２８の上方の外ケース２に形成し
た排気孔、５４は移動板２８の下方に位置して底板４に
設けた吸気孔、５５はカバー、５６はスチームを加熱室
５内へ導く噴出口である。

なお、ヒータ１６は第１図に示す位置を最上限の位置と
してこれにより下方の範囲で上下方向に移動するもので
ある。

以上の構成において次にその動作を説明すると、全操作
パネル８のつまみ９を第２図の仮想線で示す方向へ移動
させると、この移動量が拡大されて連結板４６に伝わり
、移動板２８はローラー２９．３０の滑動により垂直に
下降する。

そしてつまみ９の位置が定まると、移動板２８の位置も
所定の所に保持されるから、例えばターンテーブル１０
の上に置いた食品をこれと近い位置から強火ですばやく
均一に焼き上げることができる。

またオーブン調理を行なった場合は温度検知部２２の作
動により加熱室５内の雰囲気温度が所望の設定温度で保
たれる。

さらにこのままの状態で導入口４７から高周波を導入す
れば、その食品はその内部から高速度で加熱されるもの
である。

ここでこのような高周波加熱中、透孔１５から漏洩しよ
うとする高周波は、まず透孔１５から出たところでチョ
ーク室２６内へ導かれ、ここで消滅するとともに、もし
ここでも消滅しない高周波は長穴２７から出てチョーク
室３８で消滅させられるか、貫隙８を通って外部へ出よ
うとする時、電波吸収体３２により吸収され、さらに万
一ここでも微少量消滅しないものがあれば次の電波吸収
体４２で消滅される。

またヒータ１６に対するリード線４５の接続部をチョー
ク室２６．３８より外側に設けているので、リード線４
５に対する漏洩高周波の影響はなく、従って接続部に高
周波によるスパークや電源側への雑音混入等は起これな
い。

さらに同様に加熱室５内からのスチーム等も侵入しない
ので、端子部１８の絶縁不良や腐食等にも起こらず、長
期にわたり確実な給電状態が得られる。

なお、透孔１５の長さＡは高周波の基本波長の奇数倍近
くに設定すると高周波の漏洩量が少ないということが実
験から判明した。

以上のようにこの考案によれば、加熱室内に上下方向に
移動自在なヒータを備えているので、ヒータ自体の火力
を変化させなくとも被加熱物に対し強火から弱火まで微
妙に変化させ得るものであり、種々の加熱態様により広
範囲の加熱調理が効率良く行えるものである。

しかもヒータの端部と保持する移動板と加熱室との間に
は高周波の漏洩方向に対して蛇行状の通路を形威し、こ
の通路に沿って電波吸収体を配設しているので移動板と
加熱室との間で透孔から漏洩する高周波を確実に吸収消
滅させることができ、安全にヒータを移動できるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す高周波加熱装置の一
部切欠き側面図、第２図はその一部切欠き平面図である
。 図中、１は本体、２は外ケース、５は加熱室、１５は透
孔、１６，１７はヒータ、２６はチョーク室、２８は移
動板、３２．４２は電波吸収体である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁面に上下方向に長い透孔を設けた加熱室と、この加熱
   室に設けられかつ端子部を前記透孔から外部へ突出させ
   るとともに上下に移動自在に設けたヒータと、このヒー
   タの突出部を保持し上下方向に移動自在な移動板とを備
   え、この移動板を前記透孔を有する加熱室の壁面と対面
   するよう設けるとともに、この移動板と上下方向壁面と
   の対向面間には前記透孔からの高周波漏出方向に対して
   蛇行状の通路を形成し、この通路に沿って電波吸収体を
   配設してなる高周波加熱装置。