JPS6124448Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のフロントウインド前部に車幅
方向に設けられるカウル構造に関し、とりわけ内
部にステイフナを備え、該ステイフナとダツシユ
アツパパネルとで車幅方向強度部材となるボツク
ス断面構造部を形成したカウル構造の改良に関す
る。

内部にステイフナを備えたカウル構造として例
えば第２図に示すオープンカウル構造が知られて
いる。このオープンカウル構造は、ダツシユアツ
パパネル１の後部内側にステイフナ２を接合して
車幅方向にボツクス断面構造部４を形成し、カウ
ルフロントパネル５と外気導入用スリツト６ａが
穿設されたカウルトツプパネル６とを独立して、
該カウルフロントパネル５をダツシユアツパパネ
ル１前端部に接合する一方、カウルトツプパネル
６をダツシユアツパパネル１とステイフナ２との
接合フランジ部３に接合し、これらカウルフロン
トパネル５とカウルトツプパネル６との間に所定
幅の補機取付作業用の開口７を形成したものであ
る。即ち、このオープンカウル構造では、前述の
ボツクス断面構造部４が車体フロントの車幅方向
強度部材として機能し、カウルフロントパネル５
とカウルトツプパネル６は車体強度部材としては
あまり寄与せず、ステイフナ２前側にワイパーユ
ニツト等の補機の格納並にエアコンユニツトや機
気装置への外気導入のための空間部８を隔成する
構造としたものである。

ところが、このようにカウルトツプパネル６を
予め接合した構造では空間部８への補機の組込み
作業を行いにくく、また、カウルフロントパネル
５にはシヤシナンバーを打刻するのであるが、開
口７から打刻機を挿入しにくいものである。この
補機の組付け並にシヤシナンバーの打刻作業の向
上を図るためには、カウルトツプパネル６の幅を
短かくし、開口７の幅を大とすればよいのである
が、この場合には、開口７の上方を覆うフード９
の後端をフロントウインド１１側に延出する必要
があり、このフード９後端の延出に伴つて、フー
ド９開時に該フード９後端がフロンドウインド１
１と干渉しないようにフードヒンジの構造および
取付位置を大幅に変更しなければならず、かえつ
て不具合を生じてしまう。また、外気導入用スリ
ツト６ａがカウルトツプ上面の平担な部位に開い
ているため枯葉等が入りやすく、目詰まりによる
外気導入効率の低下をきたしたり、ほこりがたま
りやすく、エアコンや換気の作動初期に乗員に吹
きかかり衛生上も好ましくない。

本考案はかかる従来の実状に鑑み、内部にステ
イフナを有し、該ステイフナとダツシユアツパパ
ネルとでボツクス断面構造部を形成したカウル構
造にあつては、カウルフロントパネルおよびカウ
ルトツプパネルが車体強度にあまり寄与するとこ
ろがなく、カウルトツプパネルの接続にそれほど
高い剛性が必要とされない点に着目し、該カウル
トツプパネルをカウルフロントパネルとステイフ
ナとに跨つて着脱自在に組付けると共にカウルト
ツプパネルの車両前方に向かう前面部に外気取入
口を開設し、この外気取入口にカウルトツプグリ
ルを装着することによつて該カウルトツプパネル
の後付けを可能とし、ワイパーユニツト等の補機
の組付けやカウルフロントパネルへのシヤシナン
バー打刻作業を容易に行え、さらに外気導入効率
を向上できると共に枯葉等の侵入を防止できるよ
うにしたものである。

以下、本考案の実施例を図面と共に詳述する。

第３，４図において、１はダツシユアツパパネ
ルで、該ダツシユアツパパネル１の後部内側には
ステイフナ２を接合して、車幅方向にボツクス断
面構造部４を形成している。また、このダツシユ
アツパパネル１の前端部にはカウルフロントパネ
ル５を接合して立設してあると共に、両側部にカ
ウルサイドパネル１２を接合してある。カウルフ
ロントパネル５の上縁フランジ部５ａには複数個
のクリツプ挿入孔１３を形成してある一方、ステ
イフナ２の上側部に複数個のクリツプ挿入孔１４
を穿設してある。６は前述のカウルフロントパネ
ル５とステイフナ２とに跨つて配設するカウルト
ツプパネルで、その車両前方に向かう前面部には
外気取入口１５を打抜成形してあると共に、複数
個のクリツプ挿入孔１６を形成してある一方、後
側縁には先端にカウルトツプ取付用クリツプＣの
挿通孔１８ａ及びクリツプ保持用切起し１８ｂが
形成された複数個のブラケツト１７を延設してあ
る。１９はカウルトツプパネル６前側縁の外気取
入口１５を覆うカウルトツプグリルで、外気取入
口１５の開口周縁部に設けたクリツプ挿入孔１６
と合致する位置にクリツプ挿入孔２０を形成して
あり、このカウルトツプグリル１９をその上側部
分のみを外気取入口１５の上部周縁にクリツプ２
１止めしてサブアツセンブリしてある。そして、
前述のカウルトツプパネル６は、後部縁のブラケ
ツト１７のクリツプ挿入孔１８ａを対応するステ
イフナ２の挿入孔１４に合致させてクリツプＣに
より係着し、前側縁をカウルフロントパネル５の
上部フランジ５ａに当接してクリツプ挿入孔１
６，１３にクリツプ２１を圧入して着脱自在に取
付け、かつカウルトツプグリル１９の下側部を固
定する。また、このカウルトツプパネル６のクリ
ツプ２１止めの際に、カウルフロントパネル５の
フランジ部５ａにシールラバー１０を共締めして
カウルとフード９後端との間のシールを行えるよ
うにする。

なお、カウルトツプパネル６とカウルフロント
パネル５との結合を前記クリツプ２１に替えてビ
スを用いてもよい。

更に、カウルトツプパネル６とステイフナ２と
の接続に関しては、第５図示のようにステイフナ
２にスリツト２２を形成する一方、カウルトツプ
パネル６後側縁のブラケツト１７先端に係止爪２
３を形成し、この係止爪２３をスリツト２２に挿
入して係着するようにしてもよい。また、第４図
に示すように、カウルトツプパネル６の後側折返
し部分６ｂにモール２４をサブアツセンブリし
て、該モール２４によりフロントウインド１１下
縁の固定部分を隠蔽するようにしているが、第５
図に示すようにフロントウインド１１とカウルト
ツプパネル６とでモール２４をはさんで保持する
ようにもできる。

以上のように本考案によれば、カウルトツプパ
ネル６をカウルフロントパネル５とステイフナ２
とに跨つて着脱自在に組付けてあるため、該カウ
ルトツプパネル６の後付けが可能であり、即ち、
ステイフナ２前側の空間部８にワイパーユニツト
等の補機を組込み、またはカウルフロントパネル
５にシヤシナンバーを打刻機により打刻した後カ
ウルトツプパネル６を組付けることができるた
め、これら補機の組付け、シヤシナンバーの打刻
作業を非常に有利に行え、またカウル内補機の点
検、修理の際にもカウルトツプパネル６を取外し
て容易に補修作業を行うこともできるという実用
上多大な効果を有する。

また、外気取入口１５を車両前方に向かうカウ
ルトツプパネル６の前面部に設け、この外気取入
口１５にカウルトツプグリル１９を装着したこと
により外気導入効率を向上できると共に枯葉等の
侵入を防止することができ衛生上も好ましくなる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のフロント部分の斜視説明図、
第２図は第１図−線に沿う従来のカウル構造
を示す断面図、第３図は本考案カウル構造の分解
斜視図、第４図は第３図における第２図と同様の
断面図、第５図はカウルトツプパネル後側縁部の
接続の異なる例を示す断面図である。 １……ダツシユアツパパネル、２……ステイフ
ナ、４……ボツクス断面構造部、５……カウルフ
ロントパネル、６……カウルトツプパネル、８…
…空間部、９……フード、１５……外気取入口、
１９……カウルトツプグリル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダツシユアツパパネルの後部内側又は外側にス
   テイフナを接合して車幅方向にボツクス断面構造
   部を形成すると共に、該ダツシユアツパパネルの
   前端部にカウルフロントパネルを接合し、カウル
   トツプパネルをこれらステイフナとカウルフロン
   トパネルとに跨つて着脱自在に取付け、該カウル
   トツプパネルの車両前方に向く前面部に外気取入
   口を開設し、この外気取入口にカウルトツプグリ
   ルを装着したことを特徴とする自動車のカウル構
   造。