JPS6124076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、例えば魚肉、食肉等の冷凍品を収
納して空気循環式解凍庫内に収容し、解凍を行な
う台車の搬入、搬出操作を容易に行ない得るよう
にした解凍装置等における台車案内装置に関する
ものである。

一般に魚肉、食肉等は鮮度を保つために、超低
温で凍結されており、小売店から消費者に渡る流
通過程で適度に解凍が行なわれるものである。

本考案の解凍庫等における連接した台車を空気
循環路とする目的は、空気循環式解凍方法では、
温度及び湿度を調節した空気を解凍装置に導き、
庫内の全解凍品に可級的公平に風を分配して流す
ことである。かつ、その風速も解凍品の表面風速
で最適値を有しており、解凍装置の規模が大きく
なればなる程、即ち大量解凍になる程、最適風速
を庫内断面積に渡つて得る為には、巨大な送風設
備を必要とする。

台車連接方法は、上記点を解決する方法で処理
量に見合つた適度の断面積を持つ台車を連接して
空気循環路と成し台車は解凍品を収納する棚を多
数設けて、整流効果を持たせつつ、風量を最小に
するものである。なお、台車の連接長さは限界長
さを持つているので、許容限度長さで構成するこ
とが重要である。かつ、許容長さ内での解凍品の
仕上り（品温）を一定にする為、風の移動方向を
適当な時間間隔で反転をすることも重要である。
かくして、大量解凍を可能とし、かつ、設備的な
肥大化を防止出来るものである。

以上、説明した台車連接型空気循環式解凍方法
は、大量均一解凍を可能とするものであるが、こ
れを実現する為には、大量処理に伴なつて解凍品
の搬出、台車連接、搬入という物の取り扱いを解
決しなければならない。この内、台車連接は、重
量物運搬であり、機械的方法では設備の膨潤化を
避けられない。

この考案は、上述した事情に鑑みてなされたも
ので、解凍品等を収納する棚を多段に設けるとと
もに、対向する両面に開口部を有する箱形の台車
を多数個それらの開口部を連続したダクト状循環
通路とし、解凍庫に設置した解凍機からの循環空
気により台車内の温度、湿度分布を一定にして、
全体が均一に、しかもすみやかに解凍されるよう
構成したもので、殊にダクト状台車群内の風量を
少なくして効果的な解凍を行なうため、台車と台
車を精度良く並べて循環空気の洩れを少なくした
ことと、特に台車の搬入、搬出操作を短時間で容
易に行ない得るよう構成した解凍装置等における
台車案内装置を提供するものである。

以下、この考案の解凍庫による実施例を添付し
た図面にもとづいて具体的に説明する。第１図な
いし第２図は、この考案による台車が収容される
解凍庫の概略構成図であり、１は周囲を断熱部材
にて構成した解凍庫で、長手方向の一端側に設け
た通風窓２を介して風向調整室３、ダンパー室
４、及び解凍機室５が連設されている。また、上
記解凍庫１の他端側には、開閉ドア６ａ，６ｂが
設置されているとともに、庫内には長手方向中央
部に間仕切壁７が設けられ、風向調整室３から通
風窓２を介して循環空気が流通するようになつて
いる。

上記間仕切壁７と開閉ドア６ａ，６ｂを閉じた
内側との間には通風転向部８が形成され、通風窓
２から間仕切壁７の片側に導入された循環空気
が、通風転向部８で反転して他側の通風路を通つ
て再び通風窓２から解凍機室５内に戻されるよう
になつている。

また、上記解凍庫１の通風窓２側には、第３図
に示す如くガイド枠２ａが形成されており、後述
する台車１０を収容したき、台車１０の片側開口
端面が通風窓２のガイド枠２ａに当接して循環空
気の導入を良好ならしめるようになつている。

上記台車１０は第４図に示す如く、解凍品を収
納する抜き差し自在な棚１０ｌ〜１０ｎを多段に
設け、かつ対向する前後方向の両面に開口部を有
する箱形の台車であり、底面に走行車輪である一
対の固定型前輪１１と、ストツパー付旋回自在型
後輪（キヤスター）１２とが装着される。また、
上記台車１０の移動及び解凍庫１内への搬入、搬
出操作を容易にするため、開口端面の一側で両サ
イドには、続いて連接される台車１０のガイドを
兼ねた把手１３，１３が固着されている。

一方解凍庫１内に台車１０を円滑に収容するた
めに、解凍庫１の両側壁１ａ，１ｂの下方及び中
央部の間仕切壁７の両側部下方に位置して、台車
１０を側面で当接させて案内するとともに台車１
０の底面で走行車輪を床面９より浮かして案内す
るＬ形段部１４を有するガイドレール１５が内側
に突設されている。このガイドレール１５は解凍
庫１の入口部側がわずかにハの字に拡がつてお
り、しかもＬ形段部１４は入口部側が下方に傾斜
して解凍庫１内へ収納された台車１０の底面が段
部１４に必然的に乗り上げ易くなつている。

これに対して台車１０の移動方向における両側
面には解凍庫１のＬ形段部１４の側壁に当接する
位置に、ガイド用自在ベアリング１６が装着され
るとともに、台車１０の底面で左右前後位置に
は、解凍庫１のガイドレール１５に設けた段部１
４に乗り上げ、台車１０の走行車輪を床面９より
浮かすよう持ち上げる走行用自在ベアリング１７
が装着されており、台車１０が入口部のガイドレ
ール１５の傾斜した段部１４に乗り上げてから解
凍１内に押しこまれて収容されるまで、円滑に移
動し、台車１０の横ぶれ、或いは前後方向の転倒
等を防止し、台車１０の側面パネルの損傷を防止
するようになつている。

ここで、上記台車１０の側面下部及び底面に装
着した自在ベアリング１６，１７は金属又は硬質
プラスチツクあるいはセラミツク製で耐蝕性の良
い材料により成形され、台車１０の側面に装着し
たガイド用自在ベアリング１６のローラー部が側
面パネルより突出しており、解凍庫１の片側通路
におけるガイドレール１５，１５の幅Ｄと、台車
１０のガイド用自在ベアリング１６，１６の幅ｄ
とが第６図ロに示す如くわずかのクリアランスを
有するように構成されている。

つぎに、上述したように構成された解凍庫１内
に台車１０を搬入、搬出する場合の操作について
説明する。

まず台車１０の棚１０ｌ〜１０ｎには解凍品が
収納され、把手１３をもつて移動し、解凍庫１の
開口側より間仕切壁７で仕切られた両側に順次押
し込まれる。このとき台車１０のガイド用自在ベ
アリング１６、及び走行用自在ベアリング１７が
入口部のガイドレール１５に設けた傾斜した段部
１４に乗り上げ、そのまゝ押しこむことにより第
６図イないし第８図に示す如く、台車１０は自在
ベアリング１６，１７により円滑に移動し、段部
１４の水平部で走行車輪が床面９より浮き上が
り、自在ベアリング１６，１７だけで押しこまれ
る。

そして最初の台車１０は、一端側開口端面が通
風窓２のガイド枠２ａ内に精度良く納まり、次の
台車１０を同様な操作で順次連接させダクト状に
収容される。

所定数の台車１０が収容されると、開閉ドア６
ａ，６ｂを閉じ、解凍機を運転して循環空気を庫
内に送風して台車１０内の解凍品を均一に解凍す
るものである。

なお、上記の一方向の通風が一定時間行なわれ
ると、庫内の間仕切壁７の左右側で、解凍度合い
に差が生じることになるのでタイマー等によりダ
ンパー室４のダンパーが切換えられ、循環空気の
流路を反転させる等、解凍庫内の解凍雰囲気の温
度、湿度、及び通風時間を制御し、冷凍品をムラ
なく均一にしかも大量に解凍することができるよ
うになつている。

また、解凍庫１内の台車１０を搬出する場合
は、搬入操作と逆の操作を行なえば良いものであ
り、開閉ドア６ａ，６ｂを開放した後、台車１０
の把手１３を持つて手前側に引き出すものであ
る。

第９図は、この考案による他の実施例を示す解
凍庫１の床面９を示す縦断面図であり、台車１０
の自在ベアリング１６，１７がガイドレール１５
の段部１４に乗り上げた後、走行車輪を床面９よ
り浮かすため、入口側に傾斜を付し、その奥の床
面９を堀り下げた状態に形成した例である。

尚、解凍庫１自体は必須の要素ではなく、台車
１０群が精度良く連接されてダクト状になれば良
く、ガイドレールと台車の構成が不可欠の要素で
ある。この場合、台車１０自体が断熱構造にする
必要がある。

以上詳細に説明したように、この考案による解
凍装置等の台車案内装置は、台車の両側面下部
に、側面パネルよりわずかに突出したガイド用自
在ベアリングを装着するとともに台車の底面両側
方に台車を移動させる走行用自在ベアリングを装
着し、上記台車が装填される解凍装置の側部及び
または中央部に、台車をガイドして移行させなが
ら台車の走行車輪を床面より浮かせるよう形成し
た段部を有するガイドレールを設置し、あるいは
台車の走行車輪を浮かせるよう床面を傾斜せしめ
た構造であり、台車の重心が下つて台車の移送中
に転倒したりすることがなく、多数の台車を容易
に精度良く連接でき、かつ迅速に解凍装置に搬
入、搬出できるものである。従つて、解凍装置内
に多数の台車をわずかな操作力で精度良く連接す
ることができるので、解凍用循環空気のダクト部
が形成され、解凍効率、熱効率を向上させること
ができる。

また、台車間の連接に特別な道具や金具を必要
とせず、台車の移動や搬入、搬出操作が可能であ
り、労力が軽減され、取扱性、作業性が良好であ
る等実用上の効果を奏する。

尚本考案はこれらの上記の点を総て解決する方
法を提供するものであり、解凍に限らず乾燥、凍
結、調湿及び一般に台車等の運搬具を用いる総て
に使用出来得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第２図はこの考案による概略構成
を示す解凍庫の斜視図及び要部の横断面図、第３
図はこの考案による通風窓の断面図、第４図はこ
の考案による台車の斜視図。第５図はこの考案に
よる台車と解凍庫との関係を示す要部の断面図、
第６図イ，ロはこの考案による台車を解凍庫内へ
搬入した状態を示す要部断面図、第７図はこの考
案による台車の搬入、搬出状態を示す要部の斜視
図、第８図はこの考案による台車の搬入状態を示
す縦断面図、第９図はこの考案による他の実施例
を示す解凍庫床面の縦断面図である。 １……解凍庫、２……通風窓、２ａ……ガイド
枠、６ａ，６ｂ……開閉ドア、７……間仕切壁、
８……風向転向部、９……床面、１０……台車、
１０ｌ〜１０ｎ……棚、１１……固定型前輪、１
２……旋回自在型後輪、１３……把手、１４……
段部、１５……ガイドレール、１６……ガイド用
自在ベアリング、１７……走行用自在ベアリン
グ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 解凍品等を収納する棚を多段に設け、かつ前後
   の対向面に開口部を有する箱形台車を収容する解
   凍装置の両側及びまたは中央部に位置してＬ形段
   部を有するガイドレールを内側に突出して設け、
   上記解凍装置に装填される台車の移動方向に対す
   る両側面に、前記ガイドレール側壁に当接する位
   置にガイド用自在ベアリングを装着するととも
   に、上記台車の底面両側部前後に装着した走行用
   自在ベアリングが上記ガイドレールに設けた段部
   に乗り上げ、且つ台車の走行車輪を床面より浮上
   させるため、段部又は床面の端部に傾斜を付した
   ことを特徴とする解凍装置等における台車案内装
   置。