JPS6123938Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一方のブレーキシユーを作動するブレーキレバ
ーと他方のブレーキシユー間に伸縮するストラツ
トを配設して成る調整装置付のブレーキにあつて
は、ブレーキが過調整状態となつたとき、又はド
ラムの摺動面に凹凸状の傷が付いてシユーがドラ
ムと噛み合つたとき、シユーの外径を縮小してド
ラムの取外しを可能にする機能を備えていること
が望ましい。このため、ブレーキレバー又はブレ
ーキシユー若しくはバツクプレートにブレーキレ
バーの通常の後退位置を規制するストツパーを設
け、前記異常時には前記ストツパーを取外した
り、回転することによりブレーキレバーを完全後
退位置まで退動させ、以つてシユーの外径を縮小
する手段が種々提案されている。

本考案は構造が簡単で、長期に亘つて信頼性の
高いこの種装置に関するものであつて、以下図面
により詳細に説明する。

第１，２図に於いて１，２はブレーキシユーで
夫々の両端をバツクプレート３に固定されたアン
カー４及びシリンダー５に当接させる。更に一方
のブレーキシユー１の上方端にはピン６を以つて
ブレーキレバー７を枢支する。ブレーキレバー７
の中間部分には介挿部材８を介して板状のストラ
ツト９の一方の縁が当接され、ストラツト９の他
端にはブレーキシユー１，２とブレーキドラム
（図示せず）との間隙を自動的に調整する機能を
備えたクランクレバー１０を有し、該レバー１０
の指状部１０ａが他方のブレーキシユー１に穿設
した角穴に挿入され、且つ角穴の外方端に当接さ
れる。１１はブレーキシユー１とストラツト９間
に張設されたスプリングであつて、サービスブレ
ーキ作動時に於いてもストラツト９をブレーキレ
バー７と、換言すればブレーキシユー１と共動さ
せ得るものである。１２ａ，１２ｂはシユーリタ
ーンスプリングで、ブレーキ不作動時ブレーキシ
ユー１，２を内方に引き込み、ブレーキレバー７
を介挿部材８にブレーキシユー２をクランクレバ
ー１０の指状部１０ａに夫々当接させる。ブレー
キレバー７の後退位置はその突出部７ａがブレー
キシユー１に当接して規制されている。その結
果、ブレーキシユー１，２の外径はブレーキレバ
ー７と介挿部材８及びブレーキシユー２とクラン
クレバー１０の指状部１０ａとの夫々の接触点の
直線長さによつて決められる。本実施例に於いて
は板状の介挿部材８の中間部分がブレーキレバー
７とストラツト９間に介挿され、その両端部には
ストラツト９を挾んで他方のブレーキシユー１の
方向に向つて折曲延設された挾持部８ａ，８a′を
有している。挾持部８ａ，８a′には第３図に詳細
に示す如く夫々突起８ｂ，８b′が凸設されてスト
ラツト９に穿設された穴９ａに嵌着されている。
上記構成に於いてプラグ１３を取外した後、バツ
クプレート３の外側から介挿部材８の下端面８
ｃ，８c′を叩いて離脱すればブレーキシユー１，
２の外径が前記介挿部材８の板厚相当分縮小する
ものである。離脱方法は例えばドライバー等の工
具をストラツト９の板面に沿わせて操作出来るの
で極めて簡単である。

上述から明らかな如く、介挿部材８のストラツ
ト９への止着は前記した構造に限定されること無
く、例えば挾持部８ａ，８a′の弾性力のみによつ
て保持しても良く、又ストラツト９に穿設した穴
９ａを突起にし挾持部８ａ，８a′に凸設した突起
８ｂ，８b′を穴に変える等しても同等の機能を有
することは明らかである。

本考案は上述の如く構造が極めて簡単であり、
軽量であり、而も従来装置の如くパーキングブレ
ーキの解除時に於いて、該装置に衝撃荷重が加わ
らないためヘタリ、摩耗等を生ぜず、長期に亘る
信頼度が高い。

またブレーキシユーの縮径手段として、ブレー
キレバーと、バツクプレートに固定したストツパ
材との間に弾性部材を介在し、この弾性部材をず
らしたり取り外すことによつてブレーキレバーを
後退してブレーキシユーを縮径する方式が存在す
る。

この従来の縮径手段によると、通常ブレーキレ
バーに接続する牽引ケーブルは緊張した状態で張
設されている関係から、単に弾性部材を取り外す
だけの操作ではブレーキレバーを後退させること
は不可能であり、牽引ケーブルを緩めてやる必要
があつた。

さらに、この従来の縮径手段は組立て時に牽引
ケーブルの張力を再調整する必要があり、ブレー
キシユーの縮径の前後にわたつて煩雑な手数がか
かり面倒であつた。

本考案は、ブレーキレバーとストラツトとの間
に介在させた介挿部材を取り外すだけの一操作で
ブレーキシユーの縮径を確実に行える。

また、ブレーキシユーの縮径作業において、牽
引ケーブルを操作する手数がまつたくかからず縮
径操作が簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は公知のドラムブレーキに本考案装置を
含んだ平面図、第２図は第１図の−断面図、
第３図は第２図の−断面図である。 １，２……ブレーキシユー、７……ブレーキレ
バー、８……介挿部材、８ａ，８a′……挾持部、
９……ストラツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一方のブレーキシユーを作動するブレーキレバ
   ーと、その反力を他方のブレーキシユーに伝達す
   るストラツトより構成され、且該ストラツトが前
   記ブレーキレバーの中間部分と他方のブレーキシ
   ユー間にかけ渡されており、ブレーキレバーを作
   動することにより一対のブレーキシユーをブレー
   キドラムに向けて拡張せしめる機械的作動装置を
   有するドラムブレーキにおいて、 前記ブレーキレバーとストラツトとの間に介挿
   部材を着脱自在に挿入せしめ、 ブレーキレバーとストラツトとの間の介挿部材
   を徹去することにより一対のブレーキシユーの外
   径を縮小し得るよう構成したことを特徴とする、 ドラムブレーキ。