JPS6123841Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ロツドアンテナの最細径のポール先
端に飾玉を固定するロツドアンテナの飾玉取付構
造に関する。

従来、携帯用のラジオ、テレビなどには伸縮自
在の多段式のロツドアンテナが用いられており、
このロツドアンテナの最少径ポールの先端にはア
ンテナ伸縮の際に摘みの役目をする飾玉が固定さ
れていた。この飾玉をポールに固定する方法は
種々知られており、例えばネジ切りによるネジ止
め方法、ポンチ打ちによる固定方法、リング溝を
設けて結合する方法などがあげられる。しかし、
これらの方法による飾玉の固定はポールの直径が
２mm程度以上のものに対して実施できるものであ
り、近年開発されている小型細径のロツドアンテ
ナにおけるポールの様に、直径が１〜1.2mmとな
ると上述の方法では実施することが不可能となつ
ている。この理由としては次の事項が挙げられ
る。

(A) ポールの直径を２mmから１mm程度に変更した
ことで加工が極めて困難となつた。２mm程度の
直径があれば、従来公知の加工技術によつて
も、ポールの先端にネジ切り、ポンチ打ち、リ
ング溝の形成は可能であつたが、直径が１mm程
度になると上記加工を施すことができない。ま
た、仮に加工が出来たとしても強度的に弱く、
使用中に加工部分から切損するなどの支障が生
じ、ポールの径を細くする加工は一切出来ない
ものである。（例え径を太くする加工であつて
もポールは軟弱で回曲し易く、加工は難し
い。） (B) ポールを細径にすれば当然飾玉も径小とな
り、飾玉、ポールの係合部に特定の加工を施し
て組付け作業をする場合、細径のポールが摘み
にくいだけでなく、軟弱性があるため組付けの
作業が極めて難しく、時間がかかるものであ
る。

(C) 飾玉も従来より小型になつたので、強度を一
定以上にするため飾玉内に別の固定部材を埋込
む加工が出来なくなつている。

(D) 小型、細径化することで従来の方法による取
付では飾玉がポール先端から容易に抜け出てし
まい、安全性などの点から満足できない。アメ
リカの安全面からの強度規格（UL規格）によ
れば、摘み径が6.4〜7.9mmである場合、耐回転
トルクは0.28Kg・cm以上、引張等の耐負荷は
2.3Kg以上でなければならず、規制が厳しくな
つている。この点から、従来の固定方法では充
分満足することができない。

本考案は上述の欠点に鑑み、簡易な加工処理で
従来より細径のポールに細径の飾玉を組付けるこ
とができ、その組付けの作業が容易であり、強度
的にも充分安全性を満足することができるロツド
アンテナの飾玉取付構造を提供するものである。

以下、本考案の一実施例を図面により説明す
る。

第１図は携帯用のラジオ１を示すもので、ラジ
オ１にはダイヤル２、ツマミ３、スピーカ４など
とともに、多段に伸縮できるロツドアンテナ５が
設けてある。ロツドアンテナ５はラジオ１の上部
に取付けられ、上下方向に伸縮することができ
る。

第２図は飾玉付近を分解したもので、ロツドア
ンテナ５の最先端のポール６は他の部分より細径
であり、中実丸棒状をしている。ポール６の先端
はＬ字形になるよう90度程度に折曲げられ、曲折
部７を形成している。８は基部材であり、この基
部材８の中央軸方向にはポール６を挿通するため
の貫通孔９が開口してある。基部材８の一端外周
は径小な嵌合部１０となつており、この嵌合部１
０の端部にはその軸方向と直角方向に係合溝１１
が形成され、係合溝１１と前記貫通孔９とは直角
に交わつている。１２は閉止部材で、その一端面
に開口して凹部１３が形成してあり、キヤツプ状
をしている。この凹部１３の内径は前記嵌合部１
０の外径と同一としてある。前記基部材８と閉止
部材１２の組合せによつて飾玉１４が構成され
る。

次に、ポール６に飾玉１４を組付けるには、基
部材８の貫通孔９にポール６を挿通し、係合溝１
１を曲折部７に対向させる。そして、基部材８を
ポール６上で摺動させて曲折部７を係合溝１１に
引掛けて、ポール６に基部材８を固定する。この
状態で、閉止部材１２の凹部１３を嵌合部１０に
挿入し、基部材８と閉止部材１２を嵌合させて飾
玉１４を組立てる。この組立てた状態が第３図に
示すものである。この飾玉１４はポール６の軸方
向及び円周方向の荷重に対して、曲折部７が係合
溝１１に引掛けられているので、いずれの方向に
も対応することができる。

第４図は飾玉の他の実施例を示すもので、基部
材１５は円筒形をしており、その軸の中央には貫
通孔１６が開口してあり、基部材１５の内部中央
には貫通孔１６と直角に係合段部１７が形成して
ある。また、基部材１５の一端面には係合段部１
７に連通する嵌合凹部１８が開口してある。１９
は閉止部材で、閉止部材１９は円盤形をしてお
り、その外径は嵌合凹部１８の内径と同一として
ある。

この実施例では、貫通孔１６にポール６を挿通
し、曲折部７を係合段部１７に引掛ける。次い
で、閉止部材１９を嵌合凹部１８に嵌入し、基部
材１５と閉止部材１９によつて飾玉２０を組立て
る。この構成では、第３図における様に係合溝１
１の空間部が飾玉２０内に形成されず、飾玉２０
内は部材によつて充実される。

本考案は上述の様に構成したので、ポールの先
端を折曲げるだけの加工でよく、ポールの径を小
さくするネジ切り、ポンチ打ち、溝の形成が無
く、細い径のポールの強度を低下させることがな
い。また、ポール先端の曲折部を係合溝に引掛け
るだけなので、軟弱なポールであつても組込みの
作業が容易である。飾玉は２つの部材で組立てら
れており、この２部材が嵌合することで曲折部を
挾持できガタを生じなく、２部材を異なつた材質
（例えば透明な合成樹脂）で形成することで色彩
的な効果が得られる。また、曲折部と係合溝の引
掛けで組込みの強度は充分保持され、スプリング
ピンを用いてポールを挾持する方法に比べ強度は
高くなる。

【図面の簡単な説明】

第１図はロツドアンテナを取付けたラジオを示
す斜視図、第２図は本考案の一実施例を示す分解
斜視図、第３図は同上の断面図、第４図は本考案
の他の実施例を示す断面図である。 ５……ロツドアンテナ、６……ポール、７……
曲折部、８，１５……基部材、１１，１７……係
合溝、１２，１９……閉止部材、１４，２０……
飾玉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 伸縮自在の多段式のロツドアンテナ先端に設け
   られたポールと、ポールの先端をＬ字形に折曲げ
   た曲折部と、曲折部を引掛ける係合溝を設けた基
   部材と、基部材と嵌合する閉止部材と、から成
   り、基部材と閉止部材を組合せることによつて飾
   玉を構成させ、基部材と閉止部材によつてポール
   の曲折部を挾持して、ポールに飾玉を取付けるこ
   とを特徴とするロツドアンテナの飾玉取付構造。