JPS6123745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、標準バルブのボデー或はその他の部
品に加工等を要することなく施錠機能を容易に付
けることのできる施錠装置付バルブに関するもの
である。

通常バルブには、誤操作による開閉や不用意な
開閉操作によつて発生する事故を防止するため
に、ボデー或はハンドル等に施錠構造を加工等
し、これらの加工等の部分に施錠具を取付けて流
体の開放又は閉止状態を保持し、誤操作等による
事故を未然に防止している。

本考案は、バルブのボデー、ハンドル又はその
他のバルブ部品に全く加工等をすることなく、薄
板状の回動部材を標準バルブの弁軸に固着し、こ
の回動部材と、これに着脱自在に設けたストツパ
ー部材とを施錠具で施錠することにより、簡単に
施錠装置を付与することのできる新規かつ有用な
バルブを提供するものである。

以下に本考案の実施例を図面に従つて詳述す
る。第１図は本考案におけるバルブの開放状態を
示す平面図、第２図は同上におけるバルブの閉止
状態を示す平面図、第３図は第１図の一部切欠き
右側面図を示し、図中１は、断面円形又は六角形
等の多角形状に形成したバルブのボデーであり、
このボデー１は、所要長さに切断した丸棒、六角
棒等の如き圧延、引抜き、又は押出し棒或はこれ
に類似した形状に鍛造、鋳造又は切削加工した素
材により形成したものである。２はボデー１内で
略90゜回転することによつて開閉自在に設けたボ
ールバルブ、バタフライバルブ等の弁体であり、
本例では、弁体２として、ボールバルブ用のボー
ルを示しており、こボール２には流体を流通させ
るための貫通孔３を形成している。

４は弁体２を開閉するための弁軸であり、この
弁軸４の下端を前記した弁体２に取付け、上端に
は、ナツト５を介してハンドル６を取付けてい
る。このハンドル６の先端部分には、係止突部７
を設け、ハンドル６を90゜回転させた時に、この
係止突部７がボデー１に形成した切欠部８に係止
してハンドル６の回動を停止させるように設けて
いる。又、９はハンドル６とボデー１との間に介
在したワツシヤーである。

１０は回動片１０ａ，１０ｂでＬ字形状に形成
した薄板状の回動部材であり、この回動部材１０
の中央位置を弁軸４に固着し、前記したナツト５
で締付けている。上記回動部材１０は、ハンドル
６を90゜回動した際に、何れか一方の回動片１０
ａ又は１０ｂがバルブの流体方向に直角に位置す
るように設けており、それぞれの回動片１０ａ，
１０ｂには施錠用挿通孔１１を形成している。
又、この回動部材１０は、ハンドル兼用にしても
よく、この場合は、開・閉の目印をこの回動部材
１０に表示し、前記した係止突部は回動部材１０
の一部に設けるものとする。

１２はストツパー部材であり、このストツパー
部材１２は、上記の回動片１０ａ又は１０ｂの長
さ方向より挿入して着脱可能な挿入部１３と、こ
の挿入部１３の前方に傾斜状に突設形成した係止
片１４と、この挿入部１３の後方に水平状に突設
形成した取付片１５をそれぞれ形成しており、更
に、取付片１５には、回動部材１０にストツパー
部材１２を挿入した時に、回動片１０ａ又は１０
ｂの挿通孔１１と合致する位置に挿通孔１６を形
成している。又、上記した係止片１４の先端は、
バルブの流体方向におけるボデー１の外面一部に
密着状態で係止するように設けている。

１７は、鍵（図示せず）によつて施錠するため
の施錠具である。

第４図は本考案におけるストツパー部材１２の
他の実施例を示したもので、第３図の例と異なる
ところは、挿入部１３の前方に係止片１４を形成
し、後方の取付片１５を除去し、施錠具１７は、
回動部材１０の挿通孔１１にのみ挿通して施錠し
たものである。

なお、ストツパー部材１２或は施錠具１７の紛
失防止のため、これらを鎖（図示せず）などによ
りバルブの一部又は配管等に結束しておくことも
できる。

次に本考案の作用例について説明する。

先ず、バルブの開放状態を保持するために施錠
する場合は、第１図及び第３図に示すように回動
部材１０の回動片１０ａをバルブの流体方向に対
して直角になるように位置し、この回動片１０ａ
にストツパー部材１２の挿入部１３を挿入し、前
方に摺動して装着すると、ストツパー部材１２の
係止片１４の先端がバルブのボデー１の外面に密
着状態で係止すると共に、取付片１５に形成した
挿通孔１６は前記した挿通孔１１の位置に合致す
るので、この挿通孔１１，１６に施錠具１７の施
錠杆を挿通して鍵をかけることによりバルブを閉
止状態に変更することを不可能にする。

又、第４図に示す場合においても、挿通孔１１
にのみ施錠具１７の施錠杆を挿通することによつ
てストツパー部材１１の施錠を可能にすることが
できる。

次いで、バルブを開放状態から閉止状態に操作
する場合は、施錠具１７を解錠して、回動部材１
０からストツパー部材１１を離脱させ、その後ハ
ンドル６又は回動部材１０を第１図において時計
回り方向に略90゜回転させると、回動部材１０
は、第２図の状態に位置し、バルブを閉止するこ
とができる。而して、この閉止状態を保持する場
合は、上記と同様の順序で、ストツパー部材１１
を回動部材１０に施錠具１７を介して施錠するこ
とにより確実に閉止状態を保持できる。

従つて、本考案によれば、断面円形又は角形等
の形状に形成したバルブのボデーに装着した弁軸
に、回動部材を固着して、これにストツパー部材
を挿入することによつて簡単に施錠でき得るばか
りでなく、標準バルブのボデー或はバルブのその
他の部品に施錠用の加工等を全く施こす必要がな
いため、通常の標準バルブに容易に本考案装置を
設けることができるとともに、施錠作業も迅速か
つ確実に行なうことができ、更に本考案は構造が
簡単であるから、安価に量産でき得る等の実用的
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したもので、第１図
はバルブを開放した状態を示す一部切欠き平面
図、第２図は同上の閉止状態を示す平面図、第３
図は第１図の一部切欠き右側面図、第４図は本考
案の他の実施例を示す右側面図、第５図は本考案
におけるストツパー部材の一例を示した拡大斜視
図である。 １……ボデー、４……弁軸、６……ハンドル、
１０……回動部材、１０ａ，１０ｂ……回動片、
１２……ストツパー部材、１４……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 弁軸を略90゜回転させることにより開閉を行な
   うボールバルブ、バタフライバルブ等のバルブに
   おいて、上記弁軸にＬ字形状に形成した回動部材
   を弁軸とともに回動するように取付け、該回動部
   材のうち流体方向に対して直角に位置している一
   片にストツパー部材を着脱自在に装着すると共
   に、該ストツパー部材と前記した回動部材の一片
   を施錠具を介して施錠可能に設け、前記ストツパ
   ー部材に形成した係止片の先端を上記バルブ用ボ
   デーの外面の一部に係止させたことを特徴とす
   る、施錠装置付バルブ。