JPS61237354A - 電子顕微鏡の非点収差補正方法 - Google Patents

電子顕微鏡の非点収差補正方法

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JPS61237354A
JPS61237354A JP7807985A JP7807985A JPS61237354A JP S61237354 A JPS61237354 A JP S61237354A JP 7807985 A JP7807985 A JP 7807985A JP 7807985 A JP7807985 A JP 7807985A JP S61237354 A JPS61237354 A JP S61237354A
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信文 森
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は電子顕微鏡の非点収差補正方法に関するもので
あり、特に詳細には蓄積性螢光体シート等の2次元セン
サに電子顕微鏡像を記録し、この2次元センサに光照射
あるいは加熱を行なって光を放出させ、この光を光電的
に読み取って得た画像信号を利用して演算により正確に
補正量を求めるようにした電子顕微鏡の非点収差補正方
法に関するものである。
(発明の技術的背景および先行技術) 従来より、試料を透過させた電子線を電界あるいは磁界
によって屈折させて、試料の拡大像を得る電子顕微鏡が
公知となっている。周知のようにこの電子顕微鏡におい
ては、試料を透過した電子線により対物レンズの後焦平
面に試料の回折パターンが形成され、その回折線が再び
干渉して試料の拡大像が形成されるようになっている。
したがって投影レンズにより上記拡大像を投影すれば試
料の拡大像(散乱像)が観察され、また上記後焦平面を
投影すれば拡大された試料の回折パターンが観察される
。なお対物レンズと投影レンズとの間に中間レンズを配
置しておけば、この中間レンズの焦点距離調節により、
上述の拡大像(散乱像)あるいは回折パターンが随意に
得られる。
上述のようにして形成される拡大像あるいは回折パター
ンく以下、一括して透過電子線像と称する)は一般に、
投影レンズの結像面に写真フィルムを配して透過電子線
像を露光させたり、あるいはイメージインテンシファイ
アを配して透過電子線像を増幅投影させることにより、
可視像化される。
ところで上記のような電子顕微鏡においても、光学顕微
鏡と同様に非点収差が生じることがある。
この非点収差があると像質が悪くなるので、特に高分解
能の電子顕微鏡像が望まれる場合には、この非点収差を
厳密に補正する必要がある。そこで従来より、この非点
収差を補正するステイグメータを備えた電子顕微鏡が広
く用いられている。このステイグメータは、一般にコイ
ルで構成されており、このコイルの相直交するX軸方向
、y軸方向の電流量を変化させることによって、上記非
点収差を補正するものである。
したがってステイグメータのx1y軸方向の電流量は、
非点収差に応じて適正に設定されなければならない。そ
のために従来より、これらの電流値を、電子顕微鏡の螢
光スクリーンにアモルファス物質の像を投影させ、その
像の粒状性を観察しながら設定したり、オフ・フォーカ
スにしたときに出るフリンジの対称性から設定すること
が行なわれてきた。しかしこの方法は電子顕微鏡オペレ
ータの勘に頼るものであるから、非点収差補正が適正に
行なわれ得ないこともあり、また熟練したオペレータを
必要とする難点もある。
このような問題を解消するため従来より、前記アモルフ
ァス物質の像をフーリエ変換した光変換図形を用いて、
非点収差量を定量的に求める試みもなされている。この
方法は、上記光変換図形における同心円状のリングパタ
ーンが、非点収差がある場合には楕円状となる、という
ことを利用するものである。すなわち上記同心円状リン
グパターンの低角側から数えた強度Oのリングの次数を
n、このリングの短軸、長軸の長さを各々S、1、電子
線の波長をλ、像の倍率をMとすると、非点収差量δ2
は、 δz−゛(4n/λM2)(1/52−1/12 )・
・・・・・(1) となる。そして−例としてθを測るうえで基準とする任
意の方向とX軸、y軸がなす角をπ/4とすれば、非点
収差量δ2を解消するステイグメータのX軸方向電流量
δtz、y軸方向電流發δ■yは、 δIX =C6z xsin  (lθ−a l−π/
4)・・・・・・(2) δIV =C6z x sin(Iθ−a+yr/4 l−π/4)・・・・・
・(3) となるので、非点収差量δZが定m的に求められれば、
非点収差を正しく補正するステイグメータの電流量が一
義的に決められる。なお上記(2)、(3)式において
、Cは非点収差量とステイグメータ電流値との関係によ
って決まる定数、θは非点収差の起こっている角度、α
は倍率Mに関係する角度である。このような補正方法に
ついては、例えば「遺伝子観察への旅」 (山岸秀夫編
 東京大学出版会)に詳しく記載されている。
ところが上記のフーリエ変換による光変換図形を求める
には、アモルファス物質の電子顕微鏡像を写真フィルム
に露光し、それを現像処理し、得られた写真像をフーリ
エ変換用光学装置にセットし、光変換図形を写真フィル
ムに露光して現像する、という煩雑な操作が必要になる
。さらに上記方法においては、こうして得られた光変換
図形から、前記短軸、長軸の長ざS、1を計測する作業
も必要となるので、非点収差補正は極めて面倒で、長時
間を要するものとなっていた゛。
(発明の目的) 本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり
、熟練不要で誰でも正しく、しかも容易に非点収差補正
を行なうことができる方法を提供することを目的とする
ものである。
(発明の構成) 本発明の電子顕微鏡の非点収差補正方法は、ステイグメ
ータを用いて非点収差を補正する電子顕微鏡の非点収差
補正方法において、電子線エネルギーを蓄積する2次元
センサに、アモルファス物質を透過した電子線を真空状
態で蓄積記録し、次いでこの2次元センサに光照射ある
いは加熱を行なって蓄積されたエネルギーを光として放
出させ、この放出光を光電的に検出して画像信号を得、
次いでこの画像信号を電気的にフーリエ変換してリング
パターンを担持する変換画像信号を得、この変換画像信
号に基づいて上記リングパターンのうちの1つのリング
の次数と、そのリングの短軸、長軸の長さおよび傾きと
を演算により求め、この演算結果に基づいてステイグメ
ータの電流層を演算するようにしたことを特徴とするも
のである。
上記の2次元センサとは、電子線露光を受けたとき、そ
のエネルギーの少なくとも、一部を一時的に蓄積し、後
に外部から刺激を与えると蓄積しているエネルギーの少
なくとも一部を、光、電気、音等の検出可能な形態で放
出する能力を持つ材料からなるものである。
上記2次元センサとして具体的には、例えば特開昭55
−12429号、同55−116340号、同55−1
63472号、同56−11395号、同56−104
645号公報等に示される蓄積性螢光体シートが特に好
適に用いられうる。
すなわち、ある種の螢光体に電子線等の放射線を照射す
るとこの放射線のエネルギーの一部がその螢光体中に蓄
積され、その後その螢光体に可視光等の励起光を照射す
ると、蓄積されたエネルギーに応じて螢光体が螢光(I
!!尽発光発光示す。このような性質を示す螢光体を蓄
積性螢光体と言い、蓄積性螢光体シートとは、上記蓄積
性螢光体からなるシート状の記録体のことであり、一般
に支持体とこの支持体上に積層された蓄積性螢光体層と
からなる。蓄積性螢光体層は蓄積性螢光体を適当な結合
剤中に分散させて形成したものであるが、この蓄積性螢
光体層が自己支持性である場合、それ自体で蓄積性螢光
体シートとなりうる。なお、この蓄積性螢光体シートを
形成するための輝尽性螢光体の例は、特願昭59−21
4680号明細書に詳しく記載されている。
また、上述の2次元センサとして、例えば特公昭55−
47719号、同55−47720号公報等に記載され
ている熱螢光体シートを用いることもできる。この熱螢
光体シートは主として熱の作用によって、蓄積している
放射線エネルギーを熱螢光として放出する螢光体(熱螢
光体)からなるシート状の記録体である。
(作  用) 電子顕微鏡の結像面に上記蓄積性螢光体シート等の2次
元センサを配置して、該センサに透過電子線による電子
顕微a像を蓄積記録したならば、このセンサを可視光等
の励起光で走査するか掃引加熱して螢光を生ぜしめ、こ
の螢光を光電的に読み取れば、透過電子線像に対応する
電気的画像信号が得られる。
こうして得られた画像信号に対して電気的にフ−リエ変
換を施せば、前述したようなリングパターンを担持する
変換画像信号が得られる。そしてこの変換画像信号を用
いれば、後に詳述するようにしてリングパターンの次数
、短軸と長軸の長さ、および傾き(すなわち非点収差の
起こっている角度)を演算によって求めることができる
。これらの値が分かれば、前記(1)、〈2)および(
3)式に基づいて、ステイグメータの電流量δ■X。
δIyを演算することができる。
〈実施態様) 以下、図面に示す実IM態様に基づいて本発明の詳細な
説明する。
第1図は本発明の一実施態様方法により非点収差補正を
行なう電子顕微鏡を示すものである。電子顕微鏡1の鏡
体部1aは、一様の速度の電子線2を射出する電子銃3
と、電子線2を試料面に絞り込む磁気レンズ、静電レン
ズ等からなる少なくとも1コの集束レンズ4と、試料台
5と、上記集束レンズ4と同様の対物レンズ6と、投影
レンズ7とを有してなる。試料台5上に載置された試料
8を透過した電子線2は上記対物レンズ6により屈折さ
れ、該試料8の拡大散乱像8aを形成する。
この拡大散乱像8aは投影レンズ7により、結像面9に
結像投影される(図中の8b)。
上記鏡体部1aの下方には、電子顕微鏡像記録読取装置
10が配置されている。この電子顕微鏡像記録読取装置
10は、鏡体部1a内の前記結像面9に固定された蓄積
性螢光体からなる2次元センサ(以下、蓄積性螢光体シ
ート11という)と、励起光源12および光走査系13
からなる励起手段と、前記鏡体部1aの周壁に設けられ
た透光窓14を介して上記蓄積性螢光体シート11に対
向するように配されたフォトマルチプライヤ−(光電子
増倍管)15と、消去光源16とを有している。
上記蓄積性螢光体シート11は前述したような蓄積性螢
光体が透明支持体上に積層されてなるものである。また
励起光源12は一例としてHe−Neレーザ、半導体レ
ーザ等からなり、光走査系13は第1および第2の光偏
向器13a、13bと、固定ミラー13cとからなる。
第1および第2の光偏向器13a、13bとしてはそれ
ぞれ、ガルバノメータミラー、ポリゴンミラー、ホログ
ラムスキャナ、へ〇D等の公知の光偏向器が使用されう
る。励起光源12から射出された励起光ビーム12aは
第1の光偏向器13aにより偏向されるとともに、第2
の光偏向器13bにより上記偏向の方向と直角な方向(
図の矢印六方向)に偏向され、例えば鉛ガラス等が嵌め
込まれた透光窓21を透過して鏡体部1a内に入射し、
固定ミラー13cにおいて反射して、前記蓄積性螢光体
シート11上に入射する。このようにして蓄積性螢光体
シートは光ビームにより、2次元的に走査される。
なお図示はしないが、励起光源12から発せられた励起
光ビーム12aは、輝尽発光光の波長領域をカットする
フィルターを通過させ、ビームエキスパンダーによりビ
ーム径を調整した後、光偏向器13a、13bで偏向さ
れ、次いでfθレンズを通過させて均一なビーム径とな
され蓄積性螢光体シートに入射されるのが好ましい。ま
た前記消去光源16は蓄積性螢光体シート11の励起波
長領域に含まれる光を発生するものである。そして上記
第2の光偏向器13bと固定ミラー13cとの間におい
て励起光ビーム12aの光路中に入る位置と、該光路か
ら外れた位置とをとりうるミラー17が配設されている
。前記消去光源16が発する消去光16aはレンズ18
によって集光され、上記ミラー17が励起光ビーム12
aの光路中に入る位置に設定されていれば、該ミラー1
7および固定ミラー13Cにおいて反射して蓄積性螢光
体シート11を全面的に照射する。また対物レンズ7と
蓄積性螢光体シート11との間において鏡体部1aには
、電子線2を遮断しうるシャッター19が設けられ、蓄
積性螢光体シート11とフォトマル15との間には光シ
ヤツター24が設けられている。そして前記透光窓14
には、蓄積性螢光体シート11が発する輝尽発光光(後
に詳述する〉のみを透過させ、前記励起光ビーム12a
を取り除く光学フィルターを備えたガラス20が嵌着さ
れている。また鏡体部1aの内部は通常の電子顕微鏡に
おけるのと同様に、上記蓄積性螢光体シート11が配置
されている部分も含めて、電子顕微鏡稼動中は真空ポン
プ等の公知の手段により真空状態に維持される。
次に上記構成の電子顕微鏡像記録読取装置10による電
子顕微鏡像の記録、読取りについて詳しく説明する。前
述のシャッター19を開くと(第1図図示の状態)、結
像面9に配置された蓄積性螢光体シート11に、試料8
の拡大散乱像8bを担持する電子線2のエネルギーが蓄
積される。この電子線露出の際には光シヤツター24は
閉じられていることが好ましい。次いでシャッター19
は閉じられ光シヤツター24は開かれ、続いて前述のよ
うに偏向された励起光ビーム12aがシート11上に入
射せしめられる。このように偏向された励起光ビーム1
2aにより蓄積性螢光体シート11は2次元的に走査さ
れ、該シート11は上記電子線エネルギーのレベルに応
じた強度の輝尽発光光を放出する。この輝尽発光光はシ
ート11の裏側から、上記励起光ビーム12aを取り除
く光学フィルターを備えたガラス20を介してフォトマ
ルチプライヤ−15によって受光され、輝尽発光光量が
光電的に読み取られる。
上記輝尽発光光をフォトマルチプライヤ−15によって
読み取って得られた電気的画像信号Sは、画像処理回路
22に伝えられ必要な画像処理が施された上、画像再生
装置23へ送られる。この画像再生装置23は、CRT
等のディスプレイでもよいし、感光フィルムに光走査記
録を行なう記録装置でもよい。このように前記輝尽発光
光量に対応した電気信号Sを用いて画像を出力すること
により、上記輝尽発光光が担持する前記拡大散乱像8b
が再生される。
なお、上記では光学フィルター、光シヤツター24及び
フォトマルチプライヤ−15をこの順に、2次元センサ
の走査面とは反対側の面に近接させて真空系外に配置し
であるが、2次元センサと密着して真空系内に配置させ
てもよい。
前述の画像読取りが終了した後、フォトマルチプライヤ
−15と光学フィルターガラス20の間に設けられた光
シヤツター24が閉じられ、ミラー17は励起光ビーム
12aの光路中に入る位置に立てられ、そして消去光源
16が点灯される。それによりシート11の表面には該
消去光源16が発する消去光16.aが照射される。蓄
積性螢光体シート11に前記のように励起光ビーム12
aが照射されても、該シート11に蓄積されていた電子
線エネルギーがすべて放出される訳ではなく、残像が残
る場合がある。しかしここで上記のように蓄積性螢光体
シート11に消去光16aを照射すれば、上記残像が消
去され、蓄積性螢光体シート11が再使用可能となる。
またこの消去光照射により、シート11の螢光体中に不
純物として含まれている3Raなどの放射性元素による
ノイズ成分も放出される。上記消去光源16としては、
例えば特開昭56−11392号に示されているような
タングステンランプ、ハロゲンランプ、赤外線ランプ、
キセノンフラッシュランプあるいはレーザ光源等が任意
に選択使用され得る。また読み取り用の励起光源12を
消去用に兼用してもよい。
以上述べた電子顕微鏡1においては、前述したように、
非点収差が生じることがある。次にこの非点収差を補正
する本発明方法について説明する。
この非点収差補正を行なう場合、まず試料8としてカー
ボン、シリコン等のアモルファス物質が用いられる。あ
るいはその他の物質からなる試料8の表面に、上記のよ
うなアモルファス物質を薄く蒸着するようにしてもよい
。そしてこのような試料8を試料台5上にセットし、前
述したようにして、該試料8の拡大散乱像8bを担持す
る電子線2のエネルギーを蓄積性螢光体シート11に蓄
積させる。その後この蓄積性螢光体シート11から、前
述と同様にして輝尽発光光を放出させ、この輝尽発光光
をフォトマルチプライヤ−15によって光電的に検出し
て、拡大散乱像8bを示す電気的画像信号Sを得る。
上記画像信号Sはフーリエ変換回路25に入力され、こ
こで電気的にフーリエ変換を施される。この変換を受け
た変換画像信号S′は、先に述べたような同心円状リン
グパターンを表わすものとなり、演算回路26に入力さ
れる。このリングパターンは、非点収差が生じていなけ
れば正円状となるが、非点収差があると楕円状となる。
演算回路26はこの変換画像信号S′から、上記リング
パターン(第2図参照)のうちの1つのリングRの次数
nと、このリングRの短軸、長軸の長さsl lと、所
定方向に対する長軸の傾き(すなわち非点収差の起こっ
ている角度)θを求める。
上記リングRの短軸、長軸の長さsl Iは、例えば画
像濃度をリングパターンの円周方向に積分し、半径方向
の濃度分布ヒストグラムを求め、そこで最小値をとる点
をリングパターンの中心から距離(半径)rの点と判断
し、この距離rを十分に多数の半径方向についてそれぞ
れ求め、該距離rの最小値、最大値を各々短軸の長さS
、長軸の長さ1とする、等の方法によって求めることが
できる。またリングRの次数nは、上記リングの半径r
を示す前記濃度分布ヒストグラムの最小点が、複数ある
最小点のうち何番めのものであるかを判別することによ
って知ることができる。また上記長軸の傾きθは、距離
rの最大値を与える半径方向である。
演算回路26は以上説明のようにして求めたリングRの
次数n、短軸、長軸の長さs、Iから、前記(1)式に
基づいて非点収差量δ2を算出する。
次いで演算回路26は、この非点収差量δ2と上記傾き
θとから前記(2)、(3)式に基づいて8、該非点収
差mδ2を解消するステイグメータ30のX軸方向電流
量δIX、’1/軸方向電流量δIVを求める。こうし
て求められた電流量δIx1δ■yは例えばCRT27
に表示される。電子顕微鏡オペレータが、こうして表示
された通りの値にステイグメータ30の電流量δlx、
δIyを設定すれば、上記非点収差が確実に解消される
なお上記実施態様においては、CRT27に表示された
情報に基づいて、電流量δ■X、δIyをマニュアル設
定するようにしているが、ステイグメータ30の駆動装
置と該駆動装置を制御する制御装置とを設け、演算回路
26が求めた電流量δI×、δIyを示す信号を上記制
御装置に入力して、ステイグメータ30の電流量δ■×
、δIyを自動設定することも可能である。
また蓄積性螢光体シート11から放出された輝尽発光光
を光電的に読み取る光電読取手段としては、前述のよう
なフォトマルチプライヤ−の他に、光導電体あるいはフ
ォトダイオードなどの固体光電変換素子を用いることも
できる(特願昭58−219313号および特願昭58
−219314号の各明細書、および特開昭58−12
1874号、同59−211263号、同59−211
264号公報参照)。この場合には、多数の固体光電変
換素子がシート11全表面を覆うように構成され、シー
ト11と一体化されていてもよいし、あるいはシート1
1に近接した状態で配置されていてもよい。
また、光電読取手段は複数の光電変換素子が線状に連な
ったラインセンサであってもよいし、あるいは一画素に
対応する一個の固体光電変換素子が蓄積性螢光体シート
11の全表面に亘って走査移動されるように構成されて
もよい。
上記の場合の読取用励起光源としては、レーザ等のよう
な点光源のほかに、発光ダイオード(LED)や半導体
レーザ等を列状に連ねてなるアレイなどの線光源が用い
られてもよい。このような装置を用いて読取りを行なう
ことにより、蓄積性螢光体シート11から放出される輝
尽発光光の損失を防ぐと同時に、受光立体角を大きくし
てS/Nを高めることができる。また、得られる電気信
号は励起光の時系列的な照射によってではなく、光検出
器の電気的な処理によって時系列化されるために、読取
速度を速くすることが可能である。
また、以上述べた蓄積性螢光体シート11に代えて熱螢
光体シートを用いる場合、このシートから蓄積エネルギ
ーを加熱によって放出させるには、例えばCOzレーザ
などの熱線を放出する加熱源を用い、この熱線で熱螢光
体シートを走査すればよく、そのためには例えば特公昭
55−47720号公報等の記述を参考にすればよい。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明の電子顕微鏡の非点収差
補正方法は、電子顕微鏡像を電気信号で読み取り、この
信号に電気的にフーリエ変換処理を施した信号から演算
によって非点収差量を求めるようにしているから、この
方法によれば、面倒な写真フィルム露光、現像を繰り返
し、またリングパターンについての各種計測を必要とす
る従来法に比べれば、極めて簡単かつ迅速に非点収差補
正を行なうことができる。しかも本発明方法はオペレー
タの勘を必要としないので、この方法によれば誰でも正
確に非点収差補正を行なうことができる。さらに電子顕
微鏡像を記録する2次元センサは消去を繰り返して何度
も使用可能であるから、本発明方法は、上記写真フィル
ムを使用する従来法に比べて、より経済的でもある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様方法を実施する装置を示す
概略図、 第2図は本発明方法を説明するための説明図である。 1・・・電子顕微鏡    2・・・電子線8・・・試
料       9・・・電子顕微鏡の結像面10・・
・電子顕微鏡像記録読取装置 11・・・蓄積性螢光体シート 12・・・励起光源     12a・・・励起光ビー
ム13・・・光走査系

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)スティグメータを用いて非点収差を補正する電子
    顕微鏡の非点収差補正方法において、電子線エネルギー
    を蓄積する2次元センサに、アモルファス物質を透過し
    た電子線を真空状態で蓄積記録し、次いで前記2次元セ
    ンサに光照射あるいは加熱を行なって、蓄積されたエネ
    ルギーを光として放出させ、この放出光を光電的に検出
    して画像信号を得、次いでこの画像信号を電気的にフー
    リエ変換してリングパターンを担持する変換画像信号を
    得、この変換画像信号に基づいて前記リングパターンの
    うちの1つのリングの次数と、そのリングの短軸、長軸
    の長さおよび傾きとを演算により求め、この演算結果に
    基づいて前記スティグメータの電流量を演算することを
    特徴とする電子顕微鏡の非点収差補正方法。
  2. (2)前記放出光の検出を、前記2次元センサを真空状
    態に置いたままで行なうことを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の電子顕微鏡の非点収差補正方法。
  3. (3)前記2次元センサとして、蓄積性螢光体シートを
    用いることを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の電子顕微鏡の非点収差補正方法。
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