JPH0616389B2 - 電子顕微鏡の非点収差補正方法 - Google Patents

電子顕微鏡の非点収差補正方法

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JPH0616389B2
JPH0616389B2 JP60078079A JP7807985A JPH0616389B2 JP H0616389 B2 JPH0616389 B2 JP H0616389B2 JP 60078079 A JP60078079 A JP 60078079A JP 7807985 A JP7807985 A JP 7807985A JP H0616389 B2 JPH0616389 B2 JP H0616389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の分野) 本発明は電気顕微鏡の非点収差補正方法に関するもので
あり、特に詳細には蓄積性螢光体シートに電子顕微鏡像
を記録し、この蓄積性螢光体シートを励起光で走査して
光を放出させ、この光を光電的に読み取って得た画像信
号を利用して演算により正確に補正量を求めるようにし
た電子顕微鏡の非点収差補正方法に関するものである。
(発明の技術的背景および先行技術) 従来より、試料を透過させた電子線を電界あるいは磁界
によって屈折させて、試料の拡大像を得る電子顕微鏡が
公知となっている。周知のようにこの電気顕微鏡におい
ては、試料を透過した電子線により対物レンズの後焦平
面に試料の回折パターンが形成され、その回折線が再び
干渉して試料の拡大像が形成されるようになっている。
したがって投影レンズにより上記拡大像を投影すれば試
料の拡大像(散乱像)が観察され、また上記後焦平面を
投影すれば拡大された試料の回折パターンが観察され
る。なお対物レンズと投影レンズとの間に中間レンズを
配置しておけば、この中間レンズの焦点距離調節によ
り、上述の拡大像(散乱像)あるいは回折パターンが随
意に得られる。
上述のようにして形成される拡大像あるいは回折パター
ン(以下、一括して透過電子線像と称する)は一般に、
投影レンズの結像面に写真フィルムを配して透過電子線
像を露光させたり、あるいはイメージインテンシファイ
アを配して透過電子線像を増幅投影させることにより、
可視像化される。
ところで上記のような電子顕微鏡においても、光学顕微
鏡と同様に非点収差が生じることがある。この非点収差
があると像質が悪くなるので、特に高分解能の電子顕微
鏡像が望まれる場合には、この非点収差を厳密に補正す
る必要がある。そこで従来より、この非点収差を補正す
るスティグメータを備えた電子顕微鏡が広く用いられて
いる。このスティグメータは、一般にコイルで構成され
ており、このコイルの相直交するx軸方向、y軸方向の
電流量を変化させることによって、上記非点収差を補正
するものである。
したがってスティグメータのx、y軸方向の電流量は、
非点収差に応じて適正に設定されなければならない。そ
のために従来より、これらの電流値を、電子顕微鏡の螢
光スクリーンにアモルファス物質の像を投影させ、その
像の粒状性を観察しながら設定したり、オフ・フォーカ
スにしたときに出るフリンジの対称性から設定すること
が行なわれてきた。しかしこの方法は電子顕微鏡オペレ
ータの勘に頼るものであるから、非点収差補正が適正に
行なわれ得ないこともあり、また熟練したオペレータを
必要とする難点もある。
このような問題を解消するため従来より、前記アモルフ
ァス物質の像をフーリエ変換した光変換図形を用いて、
非点収差量を定量的に求める試みもなされている。この
方法は、上記光変換図形における同心円状のリングパタ
ーンが、非点収差がある場合には楕円状となる、という
ことを利用するものである。すなわち上記同心円状リン
グパターンの低角側から数えた強度0のリングの次数を
n、このリングの短軸、長軸の長さを各々s、l、電子
線の波長をλ、像の倍率をMとすると、非点収差量δz
は、 δz =(4n/λM)(1/s−1/l)……(1) となる。そして一例としてθを測るうえで基準とする任
意の方法とx軸、y軸がなす角をπ/4とすれば、非点
収差量δz を解消するスティグメータのx軸方向電流量
δIz 、y軸方向電流量δIy は、 δIx =Cδz ×sin (|θ−α|−π/4)……(2) δIy =Cδz ×sin (|θ−α|+π/4|−π/4)……(3) となるので、非点収差量δz が定量的に求められれば、
非点収差を正しく補正するスティグメータの電流量が一
義的に決められる。なお上記(2)、(3)式におい
て、Cは非点収差量とスティグメータ電流値との関係に
よって決まる定数、θは非点収差の起こっている角度、
αは倍率Mに関係する角度である。このような補正方法
については、例えば「遺伝子観察への旅」(山岸秀夫編
東京大学出版会)に詳しく記載されている。
ところが上記のフーリエ変換による光変換図形を求める
には、アモルファス物質の電子顕微鏡像を写真フィルム
に露光し、それを現像処理し、得られた写真像をフーリ
エ変換用光学装置にセットし、光変換図形を写真フィル
ムに露光して現像する、という煩雑な操作が必要にな
る。さらに上記方法においては、こうして得られた光変
換図形から、前記短軸、長軸の長さs、lを計測する作
業も必要となるので、非点収差補正は極めて面倒で、長
時間を要するものとなっていた。
(発明の目的) 本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであ
り、熟練不要で誰でも正しく、しかも容易に非点収差補
正を行なうことができる方法を提供することを目的とす
るものである。
(発明の構成) 本発明の電子顕微鏡の非点収差補正方法は、スティグメ
ータを用いて非点収差を補正する電子顕微鏡の非点収差
補正方法において、電子線エネルギーを蓄積する蓄積性
螢光体シートに、アモルファス物質を透過した電子線を
真空状態で蓄積記録した後、上記真空状態を維持したま
ま該シートを可視光等の励起光で走査して蓄積されたエ
ネルギーを光として放出させ、この放出光を光電的に検
出して画像信号を得、次いでこの画像信号を電気的にフ
ーリエ変換して2次元のリングパターンを担持する変換
画像信号を得、この変換画像信号に基づいて上記リング
パターンのうちの1つのリングの次数と、そのリングの
短軸、長軸の長さおよび傾きとを演算により求め、この
演算結果に基づいてスティグメータの電流量を演算する
ようにしたことを特徴とするものである。
上記蓄積性螢光体シートとして具体的には、例えば特開
昭55−12429号、同55−116340号、同5
5−163472号、同56−11395号、同56−
104645号公報等に示される蓄積性螢光体シートが
特に好適に用いられうる。すなわち、ある種の螢光体に
電子線等の放射線を照射するとこの放射線のエネルギー
の一部がその螢光体中に蓄積され、その後その螢光体に
可視光等の励起光を照射すると、蓄積されたエネルギー
に応じて螢光体が螢光(輝尽発光)を示す。このような
性質を示す螢光体を蓄積性螢光体と言い、蓄積性螢光体
シートとは、上記蓄積性螢光体からなるシート状の記録
体のことであり、一般に支持体とこの支持体上に積層さ
れた蓄積性螢光体層とからなる。蓄積性螢光体層は蓄積
性螢光体を適当な結合剤中に分散させて形成したもので
あるが、この蓄積性螢光体層が自己支持性である場合、
それ自体で蓄積性螢光体シートとなりうる。なお、この
蓄積性螢光体シートを形成するための輝尽性螢光体の例
は、特願昭59−214680号明細書に詳しく記載さ
れている。
(作 用) 電子顕微鏡の結像面に上記蓄積性螢光体シートを配置し
て、該シートに透過電子線による電子顕微鏡像を蓄積記
録した後、このシートを可視光等の励起光で走査して螢
光を生ぜしめ、この螢光を光電的に読み取れば、透過電
子線像に対応する電気的画像信号が得られる。
こうして得られた画像信号に対して電気的にフーリエ変
換を施せば、前述したようなリングパターンを担持する
変換画像信号が得られる。そしてこの変換画像信号を用
いれば、後に詳述するようにしてリングパターンの次
数、短軸と長軸の長さ、および傾き(すなわち非点収差
の起こっている角度)を演算によって求めることができ
る。これらの値が分かれば、前記(1)、(2)および
(3)式に基づいて、スティグメータの電流量δIx 、
δIy を演算することができる。
(実施態様) 以下、図面に示す実施態様に基づいて本発明を詳細に説
明する。
第1図は本発明の一実施態様方法により非点収差補正を
行なう電子顕微鏡を示すものである。電子顕微鏡1の鏡
体部1aは、一様の速度の電子線2を射出する電子銃3
と、電子線2を試料面に絞り込む磁気レンズ、静電レン
ズ等からなる少なくとも1コの集束レンズ4と、試料台
5と、上記集束レンズ4と同様の対物レンズ6と、投影
レンズ7とを有している。試料台5上に載置された試料
8を透過した電子線2は上記対物レンズ6により屈折さ
れ、該試料8の拡大散乱像8aを形成する。この拡大散
乱像8aは投影レンズ7により、結像面9に結像投影さ
れる(図中の8b)。
上記鏡体部1aの下方には、電子顕微鏡像記録読取装置
10が配置されている。この電子顕微鏡像記録読取装置10
は、鏡体部1a内の前記結像面9に固定された蓄積性螢
光体からなるシート(以下、蓄積性螢光体シート11とい
う)と、励起光源12および光走査系13からなる励起手段
と、前記鏡体部1aの周壁に設けられた透光窓14を介し
て上記蓄積性螢光体シート11に対向するように配された
フォトマルチプライヤー(光電子増倍管)15と、消去光
源16とを有している。
上記蓄積性螢光体シート11は前述したような蓄積性螢光
体が透明支持体上に積層されてなるものである。また励
起光源12は一例としてHe−Neレーザ、半導体レーザ
等からなり、光走査系13は第1および第2の光偏向器13
a、13bと、固定ミラー13cとからなる。第1および第
2の光偏向器13a、13bとしてはそれぞれ、ガルバノメ
ータミラー、ポリゴンミラー、ホログムスキャナ、AO
D等の公知の光偏向器が使用されうる。励起光源12から
射出された励起光ビーム12aは第1の光偏向器13aによ
り偏向されるとともに、第2の光偏向器13bにより上記
偏向の方向と直角な方向(図の矢印A方向)に偏向さ
れ、例えば鉛ガラス等が嵌め込まれた透光窓21を透過し
て鏡体部1a内に入射し、固定ミラー13cにおいて反射
して、前記蓄積性螢光体シート11上に入射する。このよ
うにして蓄積性螢光体シートは光ビームにより、2次元
的に走査される。
なお図示はしないが、励起光源12から発せられた励起光
ビーム12aは、輝尽発光光の波長領域をカットするフィ
ルターを通過させ、ビームエキスパンダーによりビーム
径を調整した後、光偏向器13a、13bで偏向され、次い
でfθレンズを通過させて均一なビーム径となされ蓄積
性螢光体シートに入射されるのが好ましい。また前記消
去光源16は蓄積性螢光体シート11励起波長領域に含まれ
る光を発生するものである。そして上記第2の光偏向器
13bと固定ミラー13cとの間において励起光ビーム12a
の光路中に入る位置と、該光路から外れた位置とをとり
うるミラー17が配設されている。前記消去光源16が配す
る消去光16aはレンズ18によって集光され、上記ミラー
17が励起光ビーム12aの光路中に入る位置に設定されて
いれば、該ミラー17および固定ミラー13cにおいて反射
して蓄積性螢光体シート11を全面的に照射する。また対
物レンズ7と蓄積性螢光体シート11との間において鏡体
部1aには、電子線2を遮断しうるシャッター19が設け
られ、蓄積性螢光体シート11とフォトマル15との間には
光シャッター24が設けられている。そして前記透光窓14
には、蓄積性螢光体シート11が発する輝尽発光光(後に
詳述する)のみを透過させ、前記励起光ビーム12aを取
り除く光学フィルターを備えたガラス20が嵌着されてい
る。また鏡体部1aの内部は通常の電子顕微鏡における
のと同様に、上記蓄積性螢光体シート11が配置されてい
る部分も含めて、電子顕微鏡稼動中は真空ポンプ等の公
知の手段により真空状態に維持される。
次に上記構成の電子顕微鏡像記録読取装置10による電子
顕微鏡像の記録、読取りについて詳しく説明する。前述
のシャッター19を開くと(第1図図示の状態)、結像面
9に配置された蓄積性螢光体シート11に、試料8の拡大
散乱像8bを担持する電子線2のエネルギーが蓄積され
る。この電子線露出の際には光シャッター24は閉じられ
ていることが好ましい。次いでシャッター19は閉じられ
光シャッター24は開かれ、続いて前述のように偏向され
た励起光ビーム12aがシート11上に入射せしめられる。
このように偏向された励起光ビーム12aにより蓄積性螢
光体シート11は2次元的に走査され、該シート11は上記
電子線エネルギーのレベルに応じた強度の輝尽発光光を
放出する。この輝尽発光光はシート11の裏側から、上記
励起光ビーム12aを取り除く光学フィルターを備えたガ
ラス20を介してフォトマルチプライヤー15によって受光
され、輝尽発光光量が光電的に読み取られる。
上記輝尽発光光をフォトマルチプライヤー15によって読
み取って得られた電気的画像信号Sは、画像処理回路22
に伝えられ必要な画像処理が施された上、画像再生装置
23へ送られる。この画像再生装置23は、CRT等のディ
スプレイでもよいし、感光フィルムに光走査記録を行な
う記録装置でもよい。このように前記輝尽発光光量に対
応した電気信号Sを用いて画像を出力することにより、
上記輝尽発光光が担持する前記拡大散乱像8bが再生さ
れる。
なお、上記では光学フィルター、光シャッター24及びフ
ォトマルチプライヤー15をこの順に、蓄積性螢光体シー
ト11の走査面とは反対側の面に近接させて真空系外に配
置してあるが、蓄積性螢光体シート11と密着して真空系
内に配置させてもよい。
前述の画像読取りが終了した後、フォトマルチプライヤ
ー15と光学フィルターガラス20の間に設けられた光シャ
ッター24が閉じられ、ミラー17は励起光ビーム12aの光
路中に入る位置に立てられ、そして消去光源16が点灯さ
れる。それによりシート11の表面には該消去光源16が発
する消去光16aが照射される。蓄積性螢光体シート11に
前記のように励起光ビーム12aが照射されても、該シー
ト11に蓄積されていた電子線エネルギーがすべて放出さ
れる訳ではなく、残像が残る場合がある。しかしここで
上記のように蓄積性螢光体シート11に消去光16aを照射
すれば、上記残像が消去され、蓄積性螢光体シート11が
再使用可能となる。またこの消去光照射により、シート
11の螢光体中に不純物として含まれている226Raなど
の放射性元素によるノイズ成分も放出される。上記消去
光源16としては、例えば特開昭56−11392号に示
されているようなタングステンランプ、ハロゲンラン
プ、赤外線ランプ、キセノンフラッシュランプあるいは
レーザ光源等が任意に選択使用され得る。また読み取り
用の励起光源12を消去用に兼用してもよい。
以上述べた電子顕微鏡1においては、前述したように、
非点収差が生じることがある。次にこの非点収差を補正
する本発明方法について説明する。この非点収差補正を
行なう場合、まず試料8としてカーボン、シリコン等の
アモルファス物質が用いられる。あるいはその他の物質
からなる試料8の表面に、上記のようなアモルファス物
質を薄く蒸着するようにしてもよい。そしてこのような
試料8を試料台5上にセットし、前述したようにして、
該試料8の拡大散乱像8bを担持する電子線2のエネル
ギーを蓄積性螢光体シート11に蓄積させる。その後この
蓄積性螢光体シート11から、前述と同様にして輝尽発光
光を放出させ、この輝尽発光光をフォトマルチプライヤ
ー15によって光電的に検出して、拡大散乱像8bを示す
電気的画像信号Sを得る。
上記画像信号Sはフーリエ変換回路25に入力され、ここ
で電気的にフーリエ変換を施される。この変換を受けた
変換画像信号S′は、先に述べたような2次元の同心円
状リングパターンを表わすものとなり、演算回路26に入
力される。このリングパターンは、非点収差が生じてい
なければ正円状となるが、非点収差があると楕円状とな
る。演算回路26はこの変換画像信号S′から、上記リン
グパターン(第2図参照)のうちの1つのリングRの次
数nと、このリングRの短軸、長軸の長さs、lと、所
定方向に対する長軸の傾き(すなわち非点収差の起こっ
ている角度)θを求める。
上記リングRの短軸、長軸の長さs、lは、例えば画像
濃度をリングパターンの円周方向に積分し、半径方向の
濃度分布ヒストグラムを求め、そこで最小値をとる点を
リングパターンの中心から距離(半径)rの点と判断
し、この距離rを十分に多数の半径方向についてそれぞ
れ求め、該距離rの最小値、最大値を各々短軸の長さ
s、長軸の長さlとする、等の方法によって求めること
ができる。またリングRの次数nは、上記リングの半径
rを示す前記濃度分布ヒストグラムの最小点が、複数あ
る最小点のうち何番めのものであるかを判別することに
よって知ることができる。また上記長軸の傾きθは、距
離rの最大値を与える半径方向である。
演算回路26は以上説明のようにして求めたリングRの次
数n、短軸、長軸の長さs、lから、前記(1)式に基
づいて非点収差量δz を算出する。次いで演算回路26
は、この非点収差量δz と上記傾きθとから前記
(2)、(3)式に基づいて、該非点収差量δz を解消
するスティグメータ30のx軸方向電流量δIx 、y軸方
向電流量δIy を求める。こうして求められた電流量δ
Ix 、δIy は例えばCRT27に表示される。電子顕微
鏡オペレータが、こうして表示された通りの値にスティ
グメータ30の電流量δIx 、δIy を設定すれば、上記
非点収差が確実に解消される。
なお上記実施態様においては、CRT27に表示された情
報に基づいて、電流量δIx 、δIy をマニュアル設定
するようにしているが、スティグメータ30の駆動装置と
該駆動装置を制御する制御装置とを設け、演算回路26が
求めた電流量δIx 、δIy を示す信号を上記制御装置
に入力して、スティグメータ30の電流量δIx 、δIy
を自動設定することも可能である。
また蓄積性螢光体シート11から放出された輝尽発光光を
光電的に読み取る光電読取手段としては、前述のような
フォトマルチプライヤーの他に、光導電体あるいはフォ
トダイオードなどの固体光電変換素子を用いることもで
きる(特願昭58−219313号および特願昭58−
219314号の各明細書、および特開昭58−121
874号、同59−211263号、同59−2112
64号公報参照)。この場合には、多数の固体光電変換
素子がシート11全表面を覆うように構成され、シート11
と一体化されていてもよいし、あるいはシート11に近接
した状態で配置されていてもよい。また、光電読取手段
は複数の光電変換素子が線状に連なったラインセンサで
あってもよいし、あるいは一画素に対応する一個の固体
光電変換素子が蓄積性螢光体シート11の全表面に亘って
走査移動されるように構成されてもよい。
上記の場合の読取用励起光源としては、レーザ等のよう
な点光源のほかに、発光ダイオード(LED)や半導体
レーザ等を列状に連ねてなるアレイなどの線光源が用い
られてもよい。このような装置を用いて読取りを行なう
ことにより、蓄積性螢光体シート11から放出される輝尽
発光光の損失を防ぐと同様に、受光立体角を大きくして
S/Nを高めることができる。また、得られる電気信号
は励起光の時系列的な照射によってではなく、光検出器
の電気的な処理によって時系列化されるために、読取速
度を速くすることが可能である。
(発明の効果) 以上詳細に説明した通り本発明の電子顕微鏡の非点収差
補正方法は、電子顕微鏡像を電気信号で読み取り、この
信号に電気的にフーリエ変換処理を施した信号から演算
によって非点収差量を求めるようにしているから、この
方法によれば、面倒な写真フィルム露光、現像を繰り返
し、またリングパターンについての各種計測を必要とす
る従来法に比べれば、極めて簡単かつ迅速に非点収差補
正を行なうことができる。しかも本発明方法はオペレー
タの勘を必要としないので、この方法によれば誰でも正
確に非点収差補正を行なうことができる。さらに電子顕
微鏡像を記録する蓄積性螢光体シートは消去を繰り返し
て何度も使用可能であるから、本発明方法は、上記写真
フィルムを使用する従来法に比べて、より経済的でもあ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様方法を実施する装置を示す
概略図、 第2図は本発明方法を説明するための説明図である。 1……電子顕微鏡、2……電子線 8……試料、9……電子顕微鏡の結像面 10……電子顕微鏡像記録読取装置 11……蓄積性螢光体シート 12……励起光源、12a……励起光ビーム 13……光走査系 15……フォトマルチプライヤー 25……フーリエ変換回路、26……演算回路 30……スティグメータ、R……リングパターン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スティグメータを用いて非点収差を補正す
    る電子顕微鏡の非点収差補正方法において、 電子線エネルギーを蓄積する蓄積性螢光体シートに、ア
    モルファス物質を透過した電子線を真空状態で蓄積記録
    し、 次いで前記真空状態を維持したまま前記蓄積性螢光体シ
    ートを励起光で走査して、蓄積されたエネルギーを光と
    して放出させ、 この放出光を光電的に検出して画像信号を得、 次いでこの画像信号を電気的にフーリエ変換して2次元
    のリングパターンを担持する変換画像信号を得、 この変換画像信号に基づいて前記リングパターンのうち
    の1つのリングの次数と、そのリングの短軸、長軸の長
    さおよび傾きとを演算により求め、 この演算結果に基づいて前記スティグメータの電流量を
    演算することを特徴とする電子顕微鏡の非点収差補正方
    法。
JP60078079A 1984-12-10 1985-04-12 電子顕微鏡の非点収差補正方法 Expired - Fee Related JPH0616389B2 (ja)

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