JPS6122625B2 - - Google Patents

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JPS6122625B2
JPS6122625B2 JP6405182A JP6405182A JPS6122625B2 JP S6122625 B2 JPS6122625 B2 JP S6122625B2 JP 6405182 A JP6405182 A JP 6405182A JP 6405182 A JP6405182 A JP 6405182A JP S6122625 B2 JPS6122625 B2 JP S6122625B2
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JP
Japan
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epoxy resin
prepreg
resin
silane
layer
Prior art date
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Expired
Application number
JP6405182A
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English (en)
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JPS58181637A (ja
Inventor
Tomoyoshi Yanagida
Mitsunori Yasukui
Shigeru Suzuki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP6405182A priority Critical patent/JPS58181637A/ja
Priority to US06/480,034 priority patent/US4499145A/en
Priority to DE19833313579 priority patent/DE3313579A1/de
Priority to GB8310331A priority patent/GB2120600B/en
Priority to SU833583670A priority patent/SU1584762A3/ru
Publication of JPS58181637A publication Critical patent/JPS58181637A/ja
Publication of JPS6122625B2 publication Critical patent/JPS6122625B2/ja
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  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、電子回路用金属張板及びその製造方
法に関する発明である。 近年の電子技術の革新に伴い、誘電特性のよい
素材を経済的に生産・供給する必要性が高まつて
いる。しかし、これまで各素材は何らかの問題点
を抱えているのが実状であつた。市販品で従来よ
り、ガラス布、エポキシ樹脂系ガラス布/ポリエ
ステル布、エポキシ樹脂系、ガラス布、弗素樹脂
系及び熱可塑性樹脂系の積層板や銅張板が広範に
使用されているが、前二者は、プリント回路板の
高温多湿下(温度40〜60℃、相対湿度70〜100
%)での使用により、誘電特性の変動が大きい。
例えば常温常湿下(温度10〜40℃、相対湿度30〜
70%)での誘電特性(例えば誘電率、誘電正接、
静電容量等)と比較して高温多湿下での誘電特性
が時間と共に著しく劣化する。 このため、このようなプリント回路板を、例え
ばカラーテレビに使用し、高温多湿下である期間
作動させると、画像が鮮明でなくなつたり、色調
が変質したりすることがある。このように本来は
定値さるべき特性が変動して時間と共に偏倚する
性質をドリフト性と称し、温度によるドリフト湿
度によるドリフトが問題になるケースが多い。高
温多湿の環境におけるドリフト性の問題は、基本
的にはプリント回路板の素材を構成しているエポ
キシ樹脂の親水性によつて誘発されるプリント回
路板の吸湿による効果が大きいといわれている。 一方、極めて疎水性の高いガラス布・弗素樹脂
系の銅張積層板を素材とする場合は、プリント回
路板としての高周波特性のドリフト性は小さく、
優れている。しかし、素材としての高コストや低
生産性が問題であり、またプリント回路板に加工
する際の孔あけ加工性に難点がある。 即ち、ガラス布・弗素樹脂系の銅張積層板は、
その製造工程が極めて複雑であり、価格的に著し
く高価である。 また、ガラス布のガラスフイラメント(通常、
直径7〜13μmで、エポキシ・シラン等で表面処
理されている)と、弗素樹脂との密着性が弱く、
孔あけ加工時に、ガラスフイラメントと弗素樹脂
との結合が脱離し、ガラスフイラメントが毛羽状
に露出してしまい、いわゆる孔をあけ性を不良に
する。 また、熱可塑性樹脂系の銅張積層板としては、
ポリサルホン樹脂シートの銅張板、ポリエスチレ
ン樹脂シートの銅張板、ガラス布・ポリエチレン
樹脂系の銅張板が開発されている。 該熱可塑性樹脂系の銅張板を素材としたプリン
ト回路板は、高周波特性の温度依存性、周波数依
存性は極めて優れており、弗素樹脂を使用したも
のと比較しても、大差ないといえる。 しかし、ポリサルホン樹脂シートの銅張板の場
合には、ポリサルホン樹脂自体に耐湿性不良の問
題があり、高温多湿下では高周波特性は劣下し、
回路間の静電容量は大きく変化する。即ち、ドリ
フト性の問題を生じる。 ポリスチレン樹脂系及びポリエチレン樹脂系の
銅張板の場合には、高周波特性は優れているが、
耐熱性に問題があり、100℃前後で樹脂が軟化す
る。従つて、通常のプリント回路板製造工程中の
各種熱処理によつて軟化変形し、ソリ、ネジレ等
が生じる。 更に、これら熱可塑性樹脂板の表面に金属箔を
強力に安定して接着させることが困難なこともま
た問題である。耐熱性の低い熱可塑性樹脂板の場
合には金属箔に熱融着させるとある程度の接着力
を示すが、やや高温にあると自然に剥離しやすく
なると共に樹脂自体が変形しやすくなる。そのた
め一般には耐熱性の高い熱可塑性樹脂を利用しよ
うとする。しかし、この場合には金属張積層板を
積層成形するとき樹脂の耐熱性の高さに相応して
高い温度で樹脂を融着させねばならず、通常の成
形設備を使用できない場合が生じたり、成形温度
が高温すぎて金属箔が酸化劣化されるなどの障害
が伴いやすいという欠点がある。 ポリサルホンをはじめその他の耐熱性のよい熱
可塑性樹脂類は通称エンジニアリングプラスチツ
ク材料として注目され、すぐれた誘電特性を兼ね
備えた材料も知られているが、高耐熱性であるが
ため本質的にその銅張板の製造のしにくさのある
点が共通した欠点なのである。 また、すぐれた耐湿絶縁特性を備えていること
で衆知のポリエチレンは、残念ながら低融点で耐
熱性がない。そのため、今まで銅張板の絶縁層に
用いられた例はほとんどなかつたといえる。一
方、架橋性ポリエチレンを絶縁層として使えば、
樹脂自体の耐熱性は向上するが、金属との密着力
は小さく、やはり実用に供するには困難があつ
た。しかるに、最近の電子工業、通信工業の各分
野にあつては使用される周波数バンドが次第に高
周波の領域へ、即ち従来多用されたキロヘルツの
領域からメガヘルツがギガヘルツの領域の方に重
要性が移行している。これらの高い周波数領域で
は伝送のエネルギー損失が大きくなりやすいの
で、ε、tanδの小さい材料が望まれてきた。 我々は架橋性ポリエチレンの持つ低ε、低tan
δや高度の耐湿絶縁特性といつたすぐれた特性を
活かして実用化させるべく研究を重ねた結果、本
発明に到達し得たものである。 本発明の目的は、第1点は高周波特性の特に高
湿多湿下でのドリフト性が小さいこと、第2点は
プリント回路板としての加工性が良好であるこ
と。 以上の2点を特に重要な品質と見なしたプリン
ト回路用金属張板及びその製造方法である。 即ち、金属張板の層構成物が金属箔、シラン変
性ポリエチレン系樹脂、ェポキシ樹脂及び電気絶
縁物であつて、その構成が特許請求の範囲に記さ
れたように特定の順に層構成されていることによ
り本発明の主な目的を達成することができる。 また、その製造方法としては金属箔、シラン変
性ポリエチレン系可架橋性樹脂フイルム又はシー
ト、エポキシ樹脂プリプレグ又はシラノール縮合
触媒入りエポキシ樹脂プリプレグを特許請求の範
囲に記されたように特定の順に積層成形するもの
である。 ここで金属箔とは銅、白銅、青銅、黄銅、アル
ミニウム、ニツケル、鉄、ステンレス、金、銀、
白金等の箔である。一般的には印刷回路用の銅箔
が普及しているが、本発明において好ましい金属
箔である。 更に銅箔の中でもきわめて高純度の無酸素銅箔
は高周波信号の伝送の際のエネルギー損失が少な
いので本発明に適用することが最も望ましい金属
箔である。 次にシラン変性ポリエチレン系樹脂若しくはシ
ラン変性ポリエチレン系架橋性樹脂について詳し
く述べるなら、ポリエチレン系樹脂を一般式
RR′SiY2(式中Rは、ケイ素―炭素結合によりケ
イ素原子に結合し、そして、炭素、水素及び所望
によつて酸素により構成される一価のオレフイン
性の不飽和基であり、各Yは加水分解可能な有機
基であり、又R′は、脂肪性不飽和を含まない一
価の炭化水素基又は基Yである)のシランと、
140℃以上の温度で、その反応温度における半減
期が6分以下の遊離ラジカル生成化合物の存在下
でグラフト化させることにより、可架橋性シラン
変性ポリエチレン系樹脂を得ることができる。即
ち、可架橋性シラン変性ポリエチレン系樹脂はシ
ラン変性ポリエチレン系樹脂の架橋反応が未だほ
とんど進行していない状態のもので可融可溶性が
あり、反応が進めば不融不溶化される。 本発明に使用するポリエチレン系樹脂として
は、ポリエチレン単独重合体をはじめエチレンを
50重量%以上含有するエチレンと、これと共重合
可能な他の単量体との共重合体、例えば、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・プロピレン
共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体などが
ある。又、これら2種以上の混合体も利用でき
る。このうち、高周波特性からみて、ポリエチレ
ン単独重合体が最も好ましい。 この他に、製造工程及び使用目的を配慮して、
適宜、耐燃剤、紫外線劣化防止剤、酸化防止剤、
金属害防止剤、着色剤、充填剤等を混合して用い
てもよい。 又、本発明において使用するシラン変性ポリエ
チレン樹脂のシランの一般式において、Rは炭
素、水素及び所望によつては酸素により構成され
る一価のオレフイン性の不飽和基であり、各Y
は、加水分解可能な有機基、例えば、メトキシ、
エトキシ、アセトキシ、―ON=C(CH32また
は、―NHCH3などで表わす。R′基は脂肪性不飽
和を含まない一価の炭化水素基又は基Yである。
このうち好ましくは、3個の加水分解基を有する
もので、特に、ビニルトリエトキシシラン及びビ
ニルトリメトキシシランが最も好ましい。 シラン縮合触媒としての機能を有する物質は、
広範囲に知られているが、本発明においては、こ
のような物質の任意のものを使用することができ
る。 このような物質には、例えばジブチル錫ジラウ
レート、酢酸第一錫、カプリル酸第一錫、ナフテ
ン酸鉛、カプリル酸亜鉛、2―エチルカプロン酸
鉄、及びナフテン酸コバルトのようなカルボン酸
の金属塩があり、チタンのエステル及びキレータ
のような有機金属化合物、例えばチタン酸テトラ
ブチル、チタン酸テトラノニル及びビス(アセチ
ルアセトニル)―ジ―イソプロピルチタネートが
あり、エチルアミン、ヘキシルアミン、ジブチル
アミン及びピリジンのような有機塩基があり、並
びに鉱酸及び脂肪酸のような酸がある。中でも有
機錫化合物、例えばジブチル錫ジラウレート、ジ
ブチル錫ジアセテートなどが特に好ましい。 次にエポキシ樹脂層は基材紙布で強化されたエ
ポキシ樹脂の層である。 このエポキシ樹脂層を形成するための素材は、
エポキシ樹脂プリプレグ又はシラノール縮合触媒
入りエポキシ樹脂プリプレグである。 エポキシ樹脂プリプレグのうち、エポキシ樹脂
としては任意のエポキシ樹脂が使用でき、また、
硬化剤、促進剤及び添加剤も任意のものが使用で
きる。 シラノール縮合触媒を添加してシラノール縮合
触媒入りエボキシ樹脂プリプレグをつくるとき、
シラノール縮合触媒の含有量としてはエポキシ樹
脂固型分100部に対し、任意に選べばよいが、
0:1部以上20部以下が好ましい。更に好ましく
は1部以上10部以下である。添加量が少なすぎる
とシラン変性ポリエチレン樹脂の架橋密度が低
く、多すぎるとエポキシ樹脂に相溶しないで遊離
する傾向がある。 電気絶縁物層は、各種の熱硬化樹脂硬化物や熱
可塑性樹脂、雲母、セラミツクス等の電気絶縁物
単独又は複合層である。また、電気絶縁物層がエ
ポキシ樹脂層であれば、その場合の金属張板の層
構成は金属箔/シラン変性ポリエチレン層/エポ
キシ樹脂層となる。 電気絶縁層を形成するために用いられる素材が
「加圧加熱により該プリプレグと一体化成形の可
能な1枚以上のシート状電気絶縁層素材」であ
る。該素材としては可融性熱硬化性樹脂、これを
絶縁基材に含浸若しくはコーテイングしたプリプ
レグ、該プリプレグの硬化物シート、熱可塑性樹
脂フイルム、天然若しくは合成雲母、セラミツ
ク、又はこれらの混成材料等各種の素材が適用で
きる。 中でもフエノール樹脂紙布やエポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、硬化性ポリブタジエン、若しく
はポリイミド樹脂等のプリプレグとその硬化物が
良い。また、ポリサルホン、ポリエーテルサルホ
ン、ポリフエニレンサルフアイド、ポリエーテル
エーテルケトン、ポリフエニレンオキサイド、及
びナイロン等の耐熱性があり、誘電特性、電気絶
縁性もすぐれた材料を適用することは更に望まし
い。 電気絶縁層がエポキシ樹脂層の場合に使用する
電気絶縁素材としてエポキシ樹脂プリプレグ又は
シラノール縮合触媒入りエポキシプリプレグを使
用する。このエポキシ樹脂プリプレグとは上述し
たとおりである。 本発明者らは、以上のような素材が本特許の請
求の範囲に示されるような応用をすれば、その結
果得られる金属張板を使用した印刷回路板は次に
述べるように極めてすぐれた特性を有することを
見出した。 第1点は回路に接した絶縁層が疎水性の強いポ
リエチレン樹脂であることにより、耐水性が極め
て優れており高温多湿下での高周波特性のドリフ
トを小さく抑えることができ、同時にエポキシ樹
脂層に含まれる基材紙布により金属張板としての
機械的強度を増大できること。エポキシ樹脂層に
ついては、単なる絶縁基材層におきかえた場合と
比較すると基材の樹脂による固定がすぐれている
ので切削加工性も良好である。 第2点は、絶縁層が樹脂硬化物層又は130℃以
上の熱変形温度を持つ熱可塑性樹脂層、又はこれ
らの組合せである場合、プリント回路板としての
機械的強度、寸法安定性及び/又は耐熱性等の良
好な絶縁層の特長がそのまま残り、なおかつ表面
誘電特性のすぐれた基板が得られること。特に絶
縁層が低誘電率、低誘電損失であれば、表面の回
路のみならず基板全層に亘り低誘電、低誘電損失
なる回路が得られる。 第3点はエポキシ樹脂プリプレグ又はシラノー
ル縮合触媒入りエポキシ樹脂プリプレグと可架橋
性シラン変性ポリエチレン樹脂フイルム又はシー
トとの併用により金属箔と該フイルム又はシート
との相互の接着力が極めて強力なものになるこ
と。この場合の接着力がなぜ強くなるのかについ
てはまだ十分解明されていない。しかし、該フイ
ルム又はシートの両面に片や金属箔、片やエポキ
シ樹脂プリプレグを配置することが必須になつて
いるのである。したがつて、該フイルム又はシー
トと金属箔との間には何ら第3の接着剤物質層を
介在させることなく、該金属箔面と該フイルム又
はシートとが直接に接して強い接着強度を示し、
同時に回路用基板としての表面の電気特性にはポ
リエチレンの特性がそのまま発揮されているので
ある。 第4点として、エポキシ樹脂プリプレグ又はシ
ラノール縮合触媒入りエポキシ樹脂プリプレグと
電気絶縁素材とを相接して加圧加熱していること
により、即ちエポキシ樹脂が接着作用を発揮する
ことにより熱硬化性樹脂プリプレグ、硬化物シー
ト、熱可塑性樹脂シート等の諸素材を強固に接着
し、強固な層間接着力を有する複合体を形成でき
ること、この点は実用上重要であつて、例えば従
来は金属張板として活用するには支障の多かつた
エンプラ材を比較的容易に活用する道が拓かれ
た。 特にこの場合には単なるエポキシ樹脂プリプレ
グよりもシラノール縮合触媒入りの方が望まし
い。その方が、シラン変性ポリエチレン樹脂層の
架橋はより効果的に進み、耐熱性がより向上する
からである。 この点を更に詳細に述べる。 一般に熱変形温度の高い熱可塑性樹脂シートを
絶縁層とする銅張積層板を製造することは、通常
の蒸気プレスの温度が比較的低温(160℃以下)
であることを考慮すると、極めて困難である。即
ち、160℃程度の温度では、熱変形温度の高い
(130〜260℃)熱可塑性樹脂を溶融させることが
できない。このため、熱可塑性樹脂シートと銅箔
との間に、エポキシ樹脂のプリプレグを挿入し、
加熱加圧により一体化成形する技術が知られてい
るが、この場合は、プリント回路板の回路の直下
の絶縁層がエポキシ樹脂になり、熱可塑性樹脂本
来の、優れた高周波特性を発揮させることができ
ない。 本発明の場合は、このような問題点をも解決で
きるものであり、熱変形温度の高い熱可塑性樹脂
シートを主要な絶縁層とした積層板を、蒸気プレ
スにより、容易に金属張板にできるものである。 即ち、回路直下の絶縁層は、シラン変性ポリエ
チレン樹脂シートであるため高周波特性は優れて
おり、なおかつ主要な絶縁層である熱可塑性樹脂
シートとは、エポキシプリプレグを介して、強固
に一体化した金属張積層板の製造方法を提供する
ものである。 第5点として本発明による金属張板は絶縁基板
としては両面を極めて疎水性の強いシラン変性ポ
リエチレン系樹脂層でマスクした構造になつてい
るので、耐湿、吸水による電気特性の劣化が減少
する。 この具体的な適用例として絶縁層にポリエーテ
ルサルホンを使用した場合が好適な例である。 ポリエーテルサルホンは大表的なエンプラ材で
耐熱性、寸法安定性、誘電特性の優れた材料であ
るが、残念ながら吸湿劣化が大きい。 本発明の適用により、表面回路も、層全体とし
てもすぐれた誘電特性をもち、吸湿劣化の少な
い、その他ポリエーテルサルホンの持つ特長を数
多く兼ね備えたすぐれた片面金属張板が得られ
る。 第6点として絶縁基板としての表面層は柔軟で
丈夫なシラン変性ポリエチレン系樹脂層と複合し
て2層目は剛直で丈夫なエポキシ樹脂層から形成
されており全面をこれらで保護補強した構造とな
つている。絶縁層に誘電特性のすぐれた材料とし
て比較的強度の弱い材料を選んだとしても片面金
属張板としてはきわめて丈夫な信頼性のある構造
をもたせることになる。 本発明の製造方法について更に補足するなら
ば、エポキシ樹脂層と電気絶縁物層との各層間接
着力は、主として熱触着又は化学結合によるもの
であるが、特に、電気絶縁物層が熱可塑性樹脂シ
ートである場合には、該シートの表面を機械的、
化学的に粗面化処理をしておくことが必須ではな
いが望ましい。 ここで機械的粗面化処理は、サンドブラスト、
液体ホーニングによる処理が有効である。しか
し、均一で微細な粗化ができるならば他の方法に
よつてもよい。 また、化学的粗面化処理は、クロム酸・硫酸混
液、過酸化水素等の酸化剤による粗化、並びに、
電子ビームやイオンビーム、紫外線照射による粗
化等が利用できる。 このように、本発明によつて得られる金属箔積
層板は、防水性、誘電特性に優れており、同時に
回路加工性すなわち熱処理に対する寸法安定性、
孔あけ加工、切断加工性にも優れた経済性のよい
プリント回路板を提供できるものである。 従来、ガラス布/弗素樹脂銅張板のみが、該特
性を概ね満足していたが、孔あけ加工性、切断加
工性は良好でなかつた。 本発明の金属張積層板は、基本的にはガラス
布/弗素樹脂銅張板の特性を備え、かつ、孔あけ
加工性、切断加工性をも改良した優れたプリント
回路板を提供できる金属張積層板である。 用途としては、特に高周波回路に適した基板で
あり、特に高速コンピユーター、通信機器用のプ
リント回路板に適している。 即ち、誘電率、誘電損失が小さく、且つ、誘電
特性の温度依存性、周波数依存性が小さく、さら
に、高温多湿下でも、誘電特性が極めて安定した
プリント回路板を提供できる。 以下実施例を以つて説明する。 金属箔、シラン変性ポリエチレン系可架橋性樹
脂フイルム又はシート、エポキシ樹脂プリプレグ
又はシラノール縮合触媒入りエポキシ樹脂プリプ
レグ、及び電気絶縁材として表1に示す素材から
選び各実施例毎、各比較例毎にこの順に積層構成
し、いずれもプレス圧力60Kg/cm2で160℃120分の
加圧加熱により一体化成形し、各実施例毎、各比
較例毎に複合金属張積層板が得られた。これらの
特性表は表2に示す。 表1中の各素材については詳述する。
【表】 (1) 金属箔 Γ銅箔:日本電解製電解銅箔NSGA―35(片面粗
化、35μ厚) Γニツケル箔:電解ニツケル箔片面粗化処理品
(片面粗化、35μ厚) (2) シラン変性ポリエチレン系可架橋性樹脂フイ
ルム又はシート ΓU―1 高密度ポリエチレン(昭和油化製シヨウレツク
スMI=0.8g/10分)100重量部をビニルトリメ
トキシシラン2重量部及びジグミルパーオキシド
0.2重量部、これに市販の酸化防止剤、金属害劣
化防止剤等を適量添加し、充分にブレンドし、該
混合物を押出機でストランド状に押し出しカツテ
イングして造粒した。こうして得られたペレツト
をインフレーシヨン成形により200μmの厚みの
フイルム(U―1)とした。 ΓU―2 低密度ポリエチレン(住友化学製スミカセン
MI=1.5g/10分)70重量部をビニルトリエトキ
シシランを1.5重量部及びジクミルバーオキシド
0.1重量部、パークロルペンタシクロデカン(フ
ツカーケミカル社製デクロラン)20部、酸化アン
チモン10部、これに市販の酸化防止剤、金属害劣
化防止剤等を適量添加し、充分にブレンドし、該
混合物を押出機でストランド状に押出しカツテイ
ングして造粒した。これを押出成形により200μ
mの厚みのフイルム(U―2)とした。 (3) エポキシ樹脂プリプレグ又はシラノール縮合
触媒入りエポキシ樹脂 ΓE―1 (1)エピコート1001(シエル化学製)
100 重量部 (2) ジシアンジアミド 4 (3) ベンジルジメチルアミン 0.2 (4) ジオクチル錫アセテート 2 (5) メチルセロソルブ 50 (6) メチルエチルケトン 50 上記(1)〜(6)の材料を混合溶解して樹脂ワニスを
つくる。次にエポキシシラン処理した厚み0.18mm
のガラスペーパーに樹脂付着量が60重量%になる
ように該樹脂ワニスを塗布乾燥し、半硬化状態の
プリプレグ(E―1)を得る。 ΓE―2 (1)エピコート1045(シエル化学製)
100 重量部 (2) ジシアンジアミド 4 (3) ベンジルジメチルアミン 0.2 (4) ジブチル錫ジラウレート 2 (5) メチルセロソルブ 50 (6) メチルエチルケトン 50 上記(1)〜(6)の材料をE―1に準じて樹脂付着量
が30重量%になるようにガラス繊維布基材に塗布
乾燥し、半硬化状態のプリプレグ(E―2)を得
る。 ΓE―3 E―2に準じた配合において、ジブチル錫ジラ
ウレートを除去した以外は全くE―2と同じ配
合、手順でプリプレグ(E―3)を得る。 ΓE―4 E―2に準じた配合においてジブチル錫ジラウ
レートを2重量部のかわりに5重量部とした以外
は全くE―2と同じ配合、手順でプリプレグ(E
―4)を得る。 ΓE―5 E―2に準じた配合においてジブチル錫ジラウ
レートを2重量部のかわりに10重量部とした以外
は全くE―2と同じ配合、手順でプリプレグ(E
―5)を得る。 (4) 電気絶縁素材 ΓU―1 既述 Γエポキシテトロン E―1に使用した樹脂ワニスを厚さ0.2mmのテ
トロン(ポリエステル繊維)不織布に樹脂付着量
が50重量%になるように塗布乾燥し、半硬化状態
のプリプレグとしたものを用いる。 Γポリエーテルサルホンシート 1.0mm厚 ライトン 住友化学製エンプラ材、熱軟化温
度230℃のエンプラ材
【表】
【表】 これらの実施例と比較例を見くらべると特許請
求の範囲を満たすもの(実施例1〜8)はいずれ
もドリフト性と吸水率が小さく、誘電率その他の
一般特性も良好で程良くバランスのとれた金属張
板であることがわかる。表2の評価項目には記載
されていないが、いずれの実施例も通常の方法で
スルーホールめつきが可能であつた。また、表2
の特性では顕著な差がないが、エポキシ樹脂プリ
プレグに添加するシラノール縮合触媒量が多い方
が熱時の変形が小さい傾向を示す。しかし、金属
箔とポリエチレン層との密着性はシラノール縮合
触媒量の多少によつてはほとんど影響を受けてい
ない。 比較例1は実施例4と対比させるとポリエチレ
ンを片面にのみ被着している点が相違点である
が、吸水率が増大する。 比較例2は実施例7と同様に対比される。 比較例3は実施例7と対比してポリエチレンを
使用せずエポキシ樹脂層で回路面を形成すること
になる。この場合は吸水率もドリフト性を劣化す
る。 比較例4〜7は従来技術の例として市販基板を
示している。このうち比較例5は電気特性等はす
ぐれているが、打抜外観に象微される切削加工性
が不良である。 その他はドリフト性、吸水率等が本発明と比較
すると劣つていることが明らかである。 本発明による各実施例では比較例に対して電気
回路板としてのすぐれた電気特性とバランスのと
れた一般特性を示すものであつた。また、これら
の製造方法は容易で実用性の高いものである。 表2註 ※ドリフト性の試験方法について 図1のような櫛型回路を作成し、回路間の静電
容量を測定する。 温度20℃相対湿度65%での静電容量をCX0
し、温度60℃相対湿度90%で240時間処理後の静
電容量をCX1とすると、ドリフト性は次式で与え
られる。 ドリフト性(%) ={(CX1−CX0)/CX0}×100 ※※打抜外観 打抜はASTM型によつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は櫛型回路静電容量ドリフトの測定に用
いたパターンを示す平面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属箔、シラン変性ポリエチレン系樹脂層、
    エポキシ樹脂層、電気絶縁物層、エポキシ樹脂
    層、及びシラン変性ポリエチレン系樹脂層がこの
    順に層構成されていることを特徴とする片面金属
    張板。 2 電気絶縁物層が該硬化物と共通のものである
    第1項記載の片面金属張板。 3 金属箔、シラン変性ポリエチレン系可架橋性
    フイルム又はシート、エポキシ樹脂プリプレグ又
    はシラノール縮合触媒入りエポキシ樹脂プリプレ
    グ及び加圧加熱により該プリプレグと一体化成形
    の可能な1枚以上のシート状電気絶縁素材、該プ
    リプレグ、及び該フイルム又はシートをこの順に
    積層し加圧加熱し一体化成形することを特徴とす
    る片面金属張板の製造方法。 4 電気絶縁素材がプリプレグと共通のものであ
    る第3項記載の片面金属張板の製造方法。
JP6405182A 1982-04-19 1982-04-19 金属張板及びその製造方法 Granted JPS58181637A (ja)

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US06/480,034 US4499145A (en) 1982-04-19 1983-03-29 Metal-clad laminate and process for producing the same
DE19833313579 DE3313579A1 (de) 1982-04-19 1983-04-14 Metallkaschiertes laminat und verfahren zur herstellung desselben
GB8310331A GB2120600B (en) 1982-04-19 1983-04-15 Metal-clad laminate
SU833583670A SU1584762A3 (ru) 1982-04-19 1983-04-18 Способ получени фольгированного металлом слоистого материала

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01181885A (ja) * 1988-01-16 1989-07-19 Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd スキー板等に対するワックス状物塗布方法及びワックス状物塗布具

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01181885A (ja) * 1988-01-16 1989-07-19 Fuji Kagakushi Kogyo Co Ltd スキー板等に対するワックス状物塗布方法及びワックス状物塗布具

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