JPS6122059Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の転舵角度表示装置に関するも
のである。

自動車において、通常の一般走行時はドライバ
自身のハンドル操作感によりほぼ的確にタイヤの
転舵角度を感知することができるが、例えば車庫
入れ時、車庫や駐車場から出るとき、幅寄せ時、
或は幅狭道をバツクするようなときは、右に左に
と微妙なハンドル操作を繰り返すうちに実際のタ
イヤの向きがわからなくなり障害物に車体を当て
たりする事故をおこすことがある。

又ハンドルを切つた状態で駐車したとき、タイ
ヤの向きを確認しないで発進すると車体が思わぬ
方向に進み、あわててハンドルを修正するような
こともよくあることであり、ハンドル修正が間に
合わず車体を傷めてしまうこともある。

そこで、ステアリングシヤフトに設けた転舵角
センサと該転舵角センサの出力によりタイヤの向
きを表示する表示部とからなる転舵角表示装置を
設けた自動車が従来より開発され、実開昭56−
19466号公報にて既に公開されているが、このよ
うな従来装置ではタイヤの向きの確認をほとんど
必要としない一般走行時にもタイヤの向きが表示
され無駄であるばかりか、例えば高速走行時等に
おいては転舵の度毎に行われる転舵角表示装置の
点灯切換えがかえつてドライバに煩わしい感じを
与えると言う問題を有している。

本考案は上記のような問題に対処することを目
的とするもので、以下附図実施例につき説明す
る。

第１図において、１はエンジン、２はトランス
ミツシヨン、３は前車輪（操舵輪）で、該前車輪
３はエンジン１よりトランスミツシヨン２を介し
て回転駆動されると共に、ステアリングハンドル
４及びステアリングシヤフト５等よりなるステア
リング装置６の操作により転舵し得るようになつ
ている。３′は後車輪を示す。

７はステアリング装置６の転舵操作角度を検知
して作動する転舵角センサであり、８は車速が設
定車速以下（車速０を含む）の場合作動する車速
センサであり、９はステアリングハンドル４前方
の計器盤部等に設けられた表示部である。

表示部９は例えば第２図に示すように車体を平
面的に略示した図形９１の前車輪部９２を発光ダ
イオード等により点灯表示するよう構成し該発光
ダイオード等の点灯切換えにより前車輪が中立９
２ａであるか或は右向き９２ｂ、左向き９２ｃで
あるかを図形表示するようになつている。前車輪
部９２の点灯表示は発光ダイオード以外にランプ
其の他任意の発光素子を採用し得る。

第３図は転舵角表示回路の一例を示し、転舵角
センサ７により転舵角信号ａ即ち例えば舵角が０
であるか或は右向き転舵であるか或は又左向き転
舵であるかの信号は制御回路１０にインプツトさ
れ、車速が設定車速以下で車速センサ８からの車
速信号ｂが制御回路１０にインプツトされると、
制御回路１０が上記転舵角信号ａに基づいて所定
の出力信号ｃを表示部９に発し、転舵角０の場合
は前車輪部９２の中立９２ａを、右転舵の場合は
第２図実線示のように右向き９２ｂを、左転舵の
場合は左向き９２ｃをそれぞれ点灯表示させるよ
うになつている。

車速センサ８の設定車速は、前記したように例
えば車庫入れ時、車庫や駐車場から出るとき、幅
寄せ時、或は幅狭道をバツクするときのように、
微妙な転舵操作を行わねばならない場合の車速即
ち10Km／ｈ〜５Km／ｈ程度とし、それ以下の車速
（車速０を含む）の場合に車速信号ｂを制御回路
１０に発するよう構成される。

以上構成において、車両発進に際しては車速が
０であるから車速信号ｂは制御回路１０にインプ
ツトされており、そのときの前車輪の向きに対応
した出力信号ｃが制御回路１０より発せられ、表
示部９において点灯表示されるので、ドライバー
は一見してタイヤ方向を確認でき、思わぬ方向に
発進してしまうような事故を防止できる。

又車庫入れ時、車庫や駐車場から出るとき、幅
寄せ時、或は幅狭道後進時等、微妙な転舵操作を
幾度か繰り返さねばならないようなときは、車速
は当然設定車速以下であり、車速信号ｂが制御回
路１０にインプツトされているので、右に左にと
ハンドル操作を行う毎に表示部９の前車輪部９２
は右向き９２ｂ、左向き９２ｃへと点灯が切換わ
り、実際のタイヤの向きを的確にドライバーに認
知させ、転舵操作を誤つて障害物に車体を当てる
ような事故は大幅に低減される。

車速が上記設定車速以上の一般走行時は、運転
に不馴れなドライバーでもハンドル操作に対する
実際にタイヤの向きがわからなくなるようなこと
はほとんどなく、表示部９にて転舵操作の度毎に
点灯切換えが行われるとかえつてドライバーに煩
わしい感じを与えることになるが、本考案では上
記のような一般走行時は車速センサ８が作動せ
ず、従つて表示部９には何らの表示も行われない
ので、表示部９の点灯切換えによる煩わしさと言
う不具合は生じることがない。

上記実施例のように、表示部９を図形表示方式
とし、前車輪部９２を中立、右向き、左向きとデ
ジタル的に表示する構成を採ると、視認性が極め
て良好であり、初心者でも容易に且つ的確にタイ
ヤの向きを認知することができる利点はあるが、
本考案では表示部９としては図形表示以外例えば
指針によるアナログ的な表示等任意の表示構成を
採用し得る。

尚転舵角センサ７としては例えば可変抵抗を用
い抵抗変化により転舵角をセンシングするもの或
は転舵角をパルス変化でデジタル的にとらえるも
の等、任意の構成のものを採用することができ
る。

又表示部９の設置場所も計器盤部以外に例えば
ステアリングシヤフト５のカバー上面部等、ドラ
イバーにとつて認知しやすい任意の場所を選定し
得る。

以上のように本考案によれば、車庫入れ等微妙
なハンドル操作を行わねばならない低速走行時及
び発進時等、操舵輪のタイヤの向きをドライバー
が認知することが比較的困難な状態において、的
確なる転舵角表示を行うと共に、操舵輪のタイヤ
の向きがほぼ確実に認知できる一般走行時は表示
を停止させててドライバーに与える煩わしさを解
消させるもので、自動車の安全運転に寄与すると
ころ極めて大であり、特に初心者等運転に不馴れ
なドライバーにとつて著しい利益をもたらし得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す平面概略説明
図、第２図は第１図の表示部の一例を示す正面
図、第３図は本考案における転舵角表示回路の一
例を示すブロツク図である。 ３……前車輪、４……ステアリングハンドル、
６……ステアリング装置、７……転舵角センサ、
８……車速センサ、９……表示部、１０……制御
回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ステアリング装置の転舵角を検知して転舵角
   信号を発する転舵角センサと、車速が設定車速
   以下の車速０を含む低車速時に車速信号を発す
   る車速センサと、該車速センサの車速信号が発
   しているときのみ上記転舵角センサの転舵角信
   号に基づく出力信号を発する制御回路を、該制
   御回路の出力信号により作動表示する転舵角表
   示部からなることを特徴とする自動車の転舵角
   度表示装置。 (2) 転舵角表示部は、車体の平面形状に前車輪の
   複数の転舵位置を組合せた図形表示構成となつ
   ており、制御回路の出力信号により所定の転舵
   位置の前車輪部を点灯表示するよう構成されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項に記載の自動車の転舵角度表示装置。