JPS6121267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は書類、ノート、帳薄、カード、設計
図面あるいはアルバム台紙などを綴じて収容する
フアイルに関する。

従来のフアイルはポリエチレンなどのシートを
所定の形状に打抜くと共に、折曲溝からなるヒン
ジを形成して製作していたが、シート材は打抜く
とき、材料の無駄が生じ、またシート材は一定の
厚さであるため、表面に凹凸形状をつける等形状
に変化をもたせたり、これにより所定の機能をも
たせることができなかつた。また従来のフアイル
はシート材を加工して背部を間にして表紙部と裏
表紙部を向い合わせた形状にしているので、書類
を綴じたときに書類の天地および表紙の開放側部
分が外部に露出し書類の端部に俟が付いたり、又
は書類が変色したりして書類の長期保存に適さな
かつた。また綴じる書類の枚数が少ない場合には
背部と開放側部との厚みが異なるので、書棚に並
べる場合には揃えて立てることができず、机の上
に重ねて置く場合には傾いて整理がうまくできな
い欠点がある。

本考案は、合成樹脂材を射出成型して開閉自在
の箱型に一体成型し、内部に書類を収容するよう
にして、製作時の材料の無駄をなくして安価に製
作でき、また表面に凹凸形状を設けて形状に変化
をもたせて装飾性を発揮させることができると共
に、所定の機能をもたせることができ、また綴じ
た書類などに俟が付いたり変色したりすることが
なく、書類の長期保存に好適であり、また綴じる
書類の多少にかかわらず揃えて整理できるフアイ
ルを提供することを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。第１図ないし第３図は本考案の実施例に係る
フアイルを示し、これはポリエチレン又はポリプ
ロピレンなどの合成樹脂材を射出成型にて形成し
たもので、１は背部であり、矩形の背壁２の相対
する短辺に側壁３と４を立設し、背壁２の相対す
る長辺に接続壁５と６を立設する。１０は底部で
あり、この底部１０は背部１の一方の接続壁５の
端部に形成した直線溝のヒンジ部７を介して長方
形の底壁１１を連設し、底壁１１の周囲に側壁１
２，１３および１４を立設する。これら側壁１
２，１３および１４の内側端縁に連続する嵌合凹
所１５を形成する。１６，１７は底壁１１に一体
に設けた書類を綴り込むための綴込み棒である。
また２０は蓋部であり、この蓋部２０は背部１の
他方の接続壁６の端部に形成した直線溝のヒンジ
部８を介して長方形の蓋壁２１を連設し、蓋壁２
１の周囲に底部１０の側壁１２，１３および１４
より高くした側壁２２，２３および２４を立設
し、これら側壁２２，２３，および２４の外側端
縁に底部１０の側壁１２，１３，および１４の端
部と嵌合する嵌合凸所２５を形成する。これら背
部１と底部１０および蓋部２０においては、底部
１０と蓋部２０を閉じ合わせたときに、底部１０
と蓋部２０との間隔ａと背部１の幅ｂとが同一寸
法になるように、底部１０の側壁１２，１３およ
び１４と蓋部２０の側壁２２，２３および２４の
高さを定める。

背部１、底部１０および蓋部２０は、透明材の
合成樹脂にて成型して内部に綴じた書類が外部か
ら見えるようにすることができる。

また本考案のフアイルは合成樹脂材を射出成型
して製作するので、その形状に適宜変化をつけた
り或いは表面に凹凸摸様、凹凸記号又は凹凸文字
などを形成することができる。例えば第４図は背
壁２にフアイルを書棚から取り出すときに手指を
掛けて取り出し易いようにした凸部９を形成した
ものである。この他にも背壁２を円弧状にした
り、表面に木目摸様などの各種摸様をつけたりし
て装飾性をもたせたり、或いは背部１、底部１０
又は蓋部２０の表面に社章等各種の紋章や社名等
各種の文字又はフアイルの内容を表示し分類に便
なるようなマーク、文字等を凸状又は凹状に形成
することもできる。また第５図のように、底部１
０の表面に凸状部１８を設け、蓋部２０の表面に
凹状部２６を設けることにより、これらを篏め合
わせてフアイルを立てて並べたり、又は横に積重
ねて置く場合に揃えることができる。同様に第６
図のように、底部１０のコーナー部分に三角形状
の凸部１９を設け、これに対応して蓋部２０のコ
ーナー部分に凸部１７と係合するＬ形の凸部２７
を設けることもできる。

また本考案のフアイルは合成樹脂材を射出成型
して製作するので、その厚さを部分的に厚く形成
することもできる。すなわち、第７図のように、
背部１、底部１０および蓋部２０の各側壁４，１
４および２４の厚みを他の部分より厚くしてフア
イルを立てた場合に据りを良くすることができ
る。

また第８図のように、とつ手３０を設ければ、
図面等の大きな書類を多数綴じ込む重量が嵩むフ
アイルでは持ち運びに便利である。

なお、底部１０は第９図のように、底壁１１の
周囲に側壁１２，１３および１４を設けずに、嵌
合突起１１ａを設けてもよいし、背部１の側壁３
および４と接続壁５および６を廃止して背壁２だ
けすることもできる。また底壁１１に設ける綴込
み棒１６，１７は第１０図のように、パイプ状に
形成し、これに綴込み棒１６，１７に挿入する挿
入ピン５１と５２を形成した短冊形の蓋板５０を
組合わせて書類等を綴じることができる。

なお、書類の綴込み具は実施例に限定されるも
のではなく他のものであつてもよい。

以上のように、本考案のフアイルは合成樹脂材
を射出成型にて開閉自在の箱型に一体成型し、内
部に書類を収容するようにしたので、製作時に従
来のシート材を加工する場合に生ずるような材料
の無駄がなく安価に製作でき、書類等が密閉され
るので俟が付いたり変色したりすることがなく書
類の長期保存が可能となり特に重要な書類の保存
に好適である。また綴じる書類の多少にかかわら
ず幅が一定であるためフアイルを並べて整理する
場合に都合がよく、背部内に筆記具、印鑑等を収
納することができる。

さらに、射出成型によるので、表面に凹凸形状
を設けたり、肉厚を部分的に適宜に変えることが
でき、後加工によらずフアイルの成型と同時にフ
アイルの表面にマーク、文字あるいは摸様などを
表わすことができるのできわめて経済的であり、
また使用上有益な各種の機能を付加することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はフアイルを開いた状態の斜視図、第２
図はフアイルを閉じた状態の斜視図、第３図はフ
アイルを開いた状態の断面図、第４図はフアイル
の部分断面図、第５図および第６図は複数のフア
イルを揃えるために設けた係合構造を備えるフア
イルの斜視図、第７図は底の肉厚を厚くしたフア
イルの断面図、第８図はとつ手を設けたフアイル
の斜視図、第９図は底板の他の実施例の断面図、
第１０図はフアイルの綴込み構造の断面図であ
る。 １……背部、７，８……ヒンジ、１０……底
部、２０……蓋部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 凸部９を形成した矩形の背壁２と、２の背壁の
   相対する短辺に立設した側壁３と４と、背壁２の
   相対する長辺に立設した接続部５と６と、底部１
   ０と、この底壁１０の長方形の底壁１１が背壁１
   の一方の接続部５の端部に形成した直線溝のヒン
   ジ部７に連設されており、底壁１１の周囲におい
   て内側端縁に連続する嵌合凹所１５を形成した側
   壁１２，１３および１４と、底壁１１の内側に一
   体に突設された綴込み棒１６，１７と、背部１の
   他方の接続壁６の端部に形成した直線溝のヒンジ
   部８に連設しとつ手３０を設けた蓋部２０の長方
   形の蓋壁２１と、この蓋壁２１の周囲に底部１０
   の側壁１２，１３および１４より高くして設けた
   側壁２２，２３および２４と、これらの側壁２
   ２，２３および２４の外側縁に設けた底部１０の
   側壁１２，１３および１４の嵌合凹所１５と嵌合
   する嵌合凸所２５と、前記綴込み棒１６，１７と
   嵌合する挿入ピン５１，５２を突設した短冊形の
   蓋板５０とよりなり背部１、底部１０および蓋部
   ２０を合成樹脂材にて一体に成型してなるフアイ
   ルの構造。