JPS61207512A - 低温靭性が優れた高張力鋼板の製造方法 - Google Patents

低温靭性が優れた高張力鋼板の製造方法

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Publication number
JPS61207512A
JPS61207512A JP4696685A JP4696685A JPS61207512A JP S61207512 A JPS61207512 A JP S61207512A JP 4696685 A JP4696685 A JP 4696685A JP 4696685 A JP4696685 A JP 4696685A JP S61207512 A JPS61207512 A JP S61207512A
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JP
Japan
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temperature
steel
slab
toughness
cooling rate
Prior art date
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Pending
Application number
JP4696685A
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English (en)
Inventor
Munetaka Oda
小田 宗隆
Kenichi Amano
虔一 天野
Yoshifumi Nakano
中野 善文
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は氷海域等の低温環境で使用される海洋構造物
あるいは砕氷船等に用いられる大入熱溶接用高張力鋼、
特に低温靭性の優れたNb添加型の大入熱溶接用高張力
鋼の製造方法に関するものである。
従来の技術 近年、大型溶接構造物の製作にあたっては、溶接工数を
減らしてコスト低減を図るため、片面一層サブマージア
ーク溶接やエレクトロスラグ浴接あるいはエレクトロガ
ス溶接などの如く、溶接入熱の大きい自動溶接を適用す
ることが多くなっている。
ところで上述のような大入熱溶接を考慮した場合、鋼成
分の炭素当址を低Fさせること、とりわけ低C化を図る
ことが、熱影響部の硬化を防止して熱影響部の靭性を良
好にする点から極めて有利であることが知られている。
しかしながら鋼中のCは強度に者しい影響を与えるもの
であるから、低C鋼では母材の旨強度が得られないとい
う問題がある。そこで低C鋼にNbを添カlし、制御圧
延、制御冷却を適用することによって低温靭性によび溶
液性に1麦れた高張力鋼を製造する方法について、既に
特開昭57−134514号および%υ旧1H57−1
34518号にて提案しており、このようにNbを添加
することによって充分な母材強度と大入熱溶接時の継手
強度を得ることが可能である。
しかしながら0.020%を越えるNbを添加した場合
、大入熱溶接時の溶接部靭はに大きな悪影響を及ぼすと
いう新たな問題が生じている。但し、0020%以丁の
微量のNb添加であれば、熱間圧延前の加熱時に全ての
Nbを固溶させておくことによって、溶接部の靭性を劣
化させることなく、圧延後加速冷却して得られた鋼板の
強度をNbo、ot係当たり5kgf/′1l114上
昇させ得ることも判明している。
T方、鋼板の組織の均一微細化によって低温での靭性を
改善する技術として、例えば特公昭55−30047号
において提案されているように、熱間圧延のだめの加熱
温度を8oo℃以上too。
℃以丁の比較的低温域としてオーステナイト粒を微細か
つ整粒にした後、熱間圧延する技術が知られている。こ
の技術を前述のようなNb添加鋼に適用した場合、母材
の低温での靭性は優れるが、Nbの析出物は鋼の加熱時
に鋼中に充分に・固溶されず、そのため加熱後熱間圧延
しさらに加速冷却して得られた鋼板の強度はほとんど向
上せず、Nb無添加鋼と余り変わらないのが実情である
。そこで、添加したNbの全量を固溶させるべく、熱間
圧延前の加熱温度を高くすれば、微細なオーステナイト
粒中にその微細粒のlθ倍程度の大きさの粗大なオース
テナイト粒が混在する混粒組織となってしまい、またこ
の傾向は結晶粒微細化に一般に効果があるとされている
TiをNbと併せて添加した場合も同様であり、このよ
うな混粒は再結晶オーステナイト粒で充分な圧延を加え
なければ加速冷却過程で粗大なベイナイトとなり、靭性
を劣化させてしまう。
発明が解決すべき問題点 既に述べたように、Nb添加鋼において前述の特公昭5
5−30047号に記載されている如く熱間圧延のだめ
の加熱温度を比較的低温域としてオーステナイト粒を整
粒とする技術を適用しても、Nbがその加熱時□に充分
に固溶されないことに起因して、Nb添加による高強度
化の効果を発揮させることができず、一方Nbを完全に
固溶させるべく熱間圧延のだめの加熱温度を高温とすれ
ば、オーステナイト粒が微細な整粒とならず、最終的に
得られる鋼板の靭性を劣化させてしまう。
このように従来一般には、熱間圧延のための加熱時にお
けるNbの完全固溶化と、オーステナイト粒の整粒化と
を同時に達成することは困難とされ、したがってNb添
加による強度上昇効果を発揮させると同時に高い靭性を
得ることは困難とされていた。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、オ
ーステナイト粒が整粒となるような比較的低温域で熱間
圧延のだめの加熱を行ない、しかもそのような整粒域で
もNbが充分に固溶するようになし、これによって靭性
劣化を招くことなくN1〕添加による高強度化を達成し
得る方法を提供することを目的とするものである。
問題点を解決するだめの手段 本発明者等は、オーステナイト粒が整粒となるような温
度域で熱間圧延前の再加熱を行なってしかもNbを充分
に固溶させ、加速冷却後の引張強度が高くしかも靭性も
慶れた鋼板を得るために必要な条件を見出すべく種々実
験・検討を重ねだ結果、次のような新規な知見を得た。
すなわち、熱間圧延のだめの加熱よりも前の段階で鋳片
を1200℃以上に加熱しない場合のNl)添加鋼の鋳
造後の冷却速度、もしくは鋳造後、分塊圧延等のために
1200℃以上に再加熱してNbを完全固溶させた後の
冷却速度を変化させることによって析出Nb粒子の粒径
を変化させた鋼を用い、それらの鋼についてその後再び
加熱(熱間圧延前の加熱に相当)した時の加熱温度と固
溶Nb量との関係を調べた結果、同一加熱温度でもその
前の段階における析出Nb粒子の粒径が小さいほど、固
溶Nb ′j辻が多くなることが判明した。
さらに、上述の熱間圧延前の加熱に相当する加熱時の温
度、その加熱直後のオーステナイト粒径、および加熱前
の析出Nb粒子の粒径と、その加熱による固溶Nb 融
との関係について詳細に調べた結果、添加Nb量が(1
,020%以下であれば、Tiを0、005〜0015
%含有する鋼においては加熱前の析出Nb粒子をO1μ
m以下程度の微細な粒子としておけば、オーステナイト
粒が整粒となるような比較的低温の温度域での加熱によ
っても添加Nbをすべて固溶させ得ることが判明した。
また、予め高温で固溶されているNbが析出する温度域
は冷却速度によっても異なるが、通常は1000℃から
600℃の範囲内であり、Nbが完全に固溶した鋳片も
しくはスラブを1000℃〜600℃の温度域を平均冷
却速度でlO°伜以上で冷却すれば析出Nb粒子の粒径
はそのほとんどが01μm以下となることを見出した。
一方、1000℃から600℃の温度域における平均冷
却速度が]1°忰となるように冷却した一片もしくはス
ラブに析出するNb析出物の粒径は1μm以上であり、
このようにNb析出物の粒径が10μm以上の鋼におい
てNbを完全に固溶させるためには、K 、 J 、 
IRVINEの提唱(Journal of Tbe 
Iron andSteel In5titute、 
205(1967)、 161 )による次の(2)式 を満足する温度T ’(K)以上に加熱しなければなら
ず、この場合Nbを完全に固溶させるためにはオーステ
ナイト粒の混粒域となってしまう可能性が強い。これに
対し酌述のようにNb析出物の粒径がO1μm以Fの鋼
については、1μm以上の粗大なNb析出物が析出して
いる鋼と比べてNbの完全固溶に要する加熱温度はlO
O℃程度低く、シたがって前記(2)式で規定される温
度T′よりも低い温度でNbを完全固溶させ得ること、
換言すればオーステナイト粒が整粒となるような温度域
での加熱によってNbを完全固溶させ得ることが判明し
た。
結局、Nb添加量が0.020%以下でしかもT1を0
.005〜0015%含有する鋼については、鋳造後の
冷却速度あるいは1200℃以上の温度での再加熱後の
冷却を、1000℃〜600℃の温度域での平均冷却速
度がlO°忰以上となるように行なって、その間に析出
されるNb析出物の粒径が01μm以下となるように制
御すれば、前記(2)式で規定される温度T′よりも低
い温度域、したがってオーステナイト粒が微細かつ整粒
となるような温度域における熱間圧延前加熱によっても
Nb析出物を完全に固溶させることができ、したがって
これを制御圧延および加速冷却すれば第2相がベイナイ
ト捷たはマルテンサイトとなって強度を大幅に向上させ
ることができ、さらに、このようにオーステナイト粒が
微細かつ整粒となるような温度域で熱間圧延前加熱を行
なって制御圧延および加速冷却を施して得られた鋼板は
、微細なフェライト粒と微細な第2相とからなっている
ため、低温での母材靭性に優れ、 なおかつ低C当喰で強度を確保できるため大入熱溶接部
の低温靭性も優れることと見出し、この発明をなすに至
ったのである。
具体的には、本願の81発明の方法は、co、ot〜O
15%、Si  O,02〜0.80 %、Mn0.6
0〜2.5%、Al0.005〜0060%、Ti0.
005〜0015%、Nb0.005〜0020チ、N
O,006饅以丁を含有する鋼を鋳造した後の冷却過程
において、鋳片中心部における1000℃から600℃
までの平均冷却速度が10°0−以上となるように冷却
し、次いでその鋳片を900℃以上でかつ下記(1)式
で規定される温度T (℃)以下の温度域に加熱し、続
いて900℃以下での圧延率が60チ以上となるようか
つ圧延終了温度が(krs + 30℃)以下、(Ar
3 3Q℃)以上の温度域となるように熱間圧延し、熱
間圧延終了後直ちに600〜400℃の温度域での平均
冷却速度が2°Q←以上20°い以下の範囲内となるよ
うに加速冷却することを特徴とするものである。
また本願の第2発明の方法は、前記同様の成分を含有す
る鋼を1200℃以上に加熱してスラブとした後の冷却
過程において、そのスラブを中心部における1000℃
から600℃までの間の平均冷却速度がlO′い以上と
なるように冷却し、次いで900℃以上でかつ下記(1
)式で規定される温度T (℃)以下の温度域に加熱し
て、@記同様な条件で熱間圧延および加速冷却を行なう
ことを特徴とするものである。
−273・・・・・・(1) 発明の作用および具体的説明 先ずこの発明の方法における鋼成分の限定理由を説明す
る。
C: Cは強度確保のために必要な元素であって、001%未
満では溶接構造用鋼として必要な強度を得ることができ
ず、一方0.15%を越えれば大入熱溶接時における割
、れ感受性および溶接部靭性を劣下させるから、0.0
1〜0.15 mの範囲内とした。
Si: Siは通常の製鋼過程において脱酸元素として有効に作
用し、かつ強度向上に寄与する元素であり、そのために
はo、 02%以上を必要とするが、080チを越えれ
ば靭性劣Fの悪影響が大きくなるから、0.02〜0.
80%の範囲内とした。
Mn: MnはCと同様に強度向上に寄与する元素であって、0
..60%未満では溶接構造用鋼上して必要な強度を確
保することが困難となシ、一方2.5チを越えて添加す
れば大入熱溶接時の割れ感受性−お、よび溶接部の靭性
に対する悪影響が大きくなるから、0.60〜25チの
範囲内とした。
Al: Alは通常の製鋼過程において脱酸のために少なくとも
0.005%の添加含有が必要であシ、−万Alが0.
06(lを越えれば溶接熱影響部の靭性のみならず溶接
金属の靭性をも著しく劣化させるから、0005〜0.
060%の範囲内とした。
Nb: 鋼中に固溶したNbは、制御圧延後の加速冷却途中にお
けるフェライト変態の進行を抑制し、第2相をベイナイ
トもしくはマルテンサイトとして強度を上昇させるに有
効な元素である。第1図は、本発明者等が0.07%C
,0,01係Si、1.50% Mn = 0,025
 % Alx 001%Ti、0.0035%Nを含有
する鋼にNbを0〜0021%の範囲内の種々の量添加
し、1200℃に加熱1〜だ後、熱間圧延を900℃か
ら740℃までの間で圧丁率が76%となるように施し
、直ちに500℃まで7℃の冷却速度で冷却し、さらに
空冷する実験を行なって各鋼板について強度を測定し、
その強度と1200℃における固溶Nb @との関係を
調べた結果を示すものである。なおここで固溶Nb量は
、1200℃から焼入れだ時のNb析出量の量を測定し
、その値を添加Nb量から差し引いて求めた。
但しこの実験では加熱温度が1200℃と高温であるた
め、添加Nbは実質的にその全量が固溶Nbとなってい
た。
第1図から判るように、鋼板の強度は固溶Nb量に比例
して、すなわち添加Nb量に比例して増大することが明
らかである。但しNbが0.005チ未満では強IW上
昇が少ないから、Nl)のF限は0.005%とした。
一方0.020%を越えるNl)を添加すれば、大入熱
溶接の場合、溶接熱影響部の組織が上部ベイナイト組織
となって靭性を劣化させるから、Nl)の上限は0.0
20俤とした。
Ti: Tiは鋼中に微細分散したTiNによって溶接熱影響部
の靭性を向上させるばかりでなく、スラブ加熱時におけ
るオーステナイト粒を微細かつ整粒として靭性を向上さ
せる作用を有する。Tiが0005%未満ではこれらの
効果が小さく、−万(1,015%を越えれば逆に母材
の靭性を劣化させるから、0005〜0015%の範囲
内とした。
N: 鋼中のN含有量が0.006%を越えれば、大入熱溶接
時における溶接熱影響部の靭性を著しく劣化させるから
、NはO,OO64以上に規制することとした。
上記の各成分の残部はFeおよび不可避的不純物とすれ
ば良いが、このほか必要に応じて050%以下のCu、
3.0%以FのN1、【)lO%0%以下llJ、 O
(12%以下のB、0.(110係以下のREM (希
土類元素)、0O04%以丁のCaのうちから選ばれだ
1イ市または2ai以上を添加しても良く、その場合に
もこの発明の特徴が失なわれることなく、次に示すよう
に上記諸元素の添加による一層の高張力化やその池の時
効果を発揮させることができる。
すなわちNiは溶接熱影響部の硬化性および靭性に悪い
影8#を与えることなく、母材の強度および靭性を改善
するに有効であるが、高価であるからN1を添加する場
合の上限は30多とすることが好ましい。
CuはNiと同様な効果があるばかりでなく、耐食性を
向上させるに有効であるが、050%を越えれば熱間脆
性が生じ易くなって鋼板の表面性状が劣化するから、C
uを添加する場合の一ト限は050多以ドとすることが
好捷しい。
■は、強度および靭性の向上と溶接継手強度確保のため
に有効な元素であるが、o、+omを越えて添加すれば
母材と熱影響部の靭性を著しく劣化させるから、■を添
加する場合の上限はO,I−Oq6とすることが好まし
い。
Bは炭素当駄を上昇させることなく高張力化を図るに有
効であるが、0002%を越えてBを添加すれば、熱影
響部の靭性を劣化させるから、Bを添加する場合の上限
は0.002 %とすることが好ましい。
CaおよびREMは、いずれもMnS等の硫化物系介在
物の形態制御を通じて圧延直角方向の靭性向上に有効で
あり、いずれか1種または両者の添加によってその効果
を発揮することができるが、0、004%を越えるCa
の添加もしくはo、oto%を越えるREMの添加は鋼
の清浄度を悪化させて内部欠陥の原因となるから、Ca
添加の上限は0004%、REM添加の上限は0010
%とすることが好ましい。
以上のような鋼を用い、この発明の方法ではその鋳造直
後の鋳片の冷却過程、あるいは分塊圧延のだめの加熱を
兼ねて(もしくは分塊圧延とは無関係に)1200℃以
上に再加熱してNhを完全固溶させた直後のスラブ冷却
過程において、その鋳片もしくはスラブの肉j享中心に
おけるl O00″Gから600”C丑での間の平均冷
却速度がI O’C/mとなるように制御する。
上述のように鋳造後もしくは1200℃以りに再加熱し
てNbを固溶させた後の冷却過程における1000℃〜
600℃の平均冷却速度をl O’C/m以上と規定し
たのは、次のような実験に基づく。
すなわち本発明者等は、CO,07%、SiO,1%、
Mn1.5%、AlO,026%、TiO,01%、N
O,0036%、NbO,O12係を含有する鋼につい
て、鋳造後、もしくは1200℃以上の再加熱でNbを
固溶化した後の1000℃から600℃捷での鋳片もし
くはスラブの中心部での平均冷却速度を種々変化させ、
冷却後の鋼中におけるU、 1μm以FのNb析出物の
酸を調べた。そして冷却後の鋼をさらに1020℃に加
熱した時の固溶Nb量も併せて調べた。この実験による
前記の鋳造後もしくはl 200 ”C以上に再加熱後
の1000〜600℃での平均冷却速度と、冷却後の鋼
中における011μm以下のNb析出物量、およびこれ
をさらに1020℃に加熱した時の固溶Nb量との関係
を第2図に示す。なおここで冷却後の鋼中における01
μm以下の析出NbO量は、抽出レプリカ法によって観
察したNb析出物の個々の粒径rから求めた析出物体積
(−8−πr3)、析出物の比重、電解分析から求めた
全析出物量から求めた。また1020℃に加熱した時の
Nb固溶曖は、1000℃に加熱後、固溶Nbが析出し
ないように急速焼入れして、添加Nb量から焼入れ後の
析出物Nb量を差し引いて求めた。
第2図から明らかなように、鋳造後もしくは1200℃
以上でNbを完全固溶させた後の1000℃から600
℃までの平均冷却速度がl O’C/1ninより低い
場合には、0.1μm以丁のNb析出物の量が少なく、
このことは01μmを越える粗大なNb析出物が多いこ
とを意味する。本実験で用いた鋼は、前記(2)式によ
ればNbが完全固溶するために必要な加熱温度は102
4℃であるが、上述のように鋳造後もしくは固溶化徒の
xooo’cから600℃丑での平均冷却速度をlOo
o−未満として粗大なNb析出物が析出した銅は、(2
)式による1024℃の温度より若干低い1020℃に
加熱した場合の固溶Nb量が少なく、添加したNbのう
ち相当鑓が固溶されないことが第2図かられかる。
一方、この発明で規定している10°Q−以上の平均冷
却速度で冷却した場合には、tJ、、1μm以丁の微細
なNb析出物が多くなり、そしてその鋼を(2)式によ
り求められる1024℃より低い1020℃に加熱した
場合、添加したNbはそのほとんどが鋼中に固溶するこ
とが第2図から明らかである。
以上のように、鋳造後もしくは3200℃以上に再加熱
した後の肉厚中心部における1000〜600℃の温度
域での平均冷却速度が10”C/−以下であれば、その
冷却過程で析出す4Nb析出物の粒径がほとんど01μ
m以下となり、その鋼を前記(2)式によって規定され
る温度以Fの温度域、したがって後述するように0.0
20%以丁のNb1ではオーステナイト粒が微細かつ整
粒となるような温度域で加熱しても充分にNbが固溶さ
れる。したがってこの発明の方法では前記平均冷却速度
を10°Q−以上と規定した。なお1200’c以上で
の再加熱を行ない、その再加熱後の冷却を前述のように
制御した場合と比較して、再加熱を行なわずに鋳造後の
冷却を前述のように制御した場合には、その後の102
0℃での加熱時におけるNb固溶量は若干少なくなるが
、その減少量はわずかであり、また冷却速度10’c/
−を境として固溶Nb量が大きく変化する傾向も変わら
ず、したがって鋳造後の冷却制御もこの発明の範囲に含
めることとした。
前述のように鋳造後もしくは1200’C以上に再加熱
後の冷却速度を制御した後、熱間圧延のために再び加熱
する。この熱間圧延前の加熱温度は900℃以上でかつ
前記(2)式で規定される温度T’(K)以下すなわち
(1)式で規定される温度T (’C)以下とする必要
がある。この条件は、Nbが固溶する温度とオーステナ
イト粒径との関係から求めたものである。
すなわちTiを0.095〜0.015チ添加した鋼の
場合、1100℃程度に加熱されれば、オーステナイト
粒が混粒または粗大粒となり、著しく靭性を劣化させる
。第3図に、CO,07%、Si O,1チ、Mn i
、 5 %、Al0.025%、Ti0.01%、NO
,0035チを含有する鋼にNbを0〜0.021tI
6の範囲内の種々の量添加し、その鋼塊をtgo、。
℃に加熱してNbを固溶させた後、肉厚中心の1000
〜600℃の温度域での平均冷却速度が12、5 Q/
mとなるように冷却して、01μm以下の微細なNb析
出物を析出させ、その後そのN、b析出物をほぼ完全に
固溶させ得る加熱温度を調べ、その温度を添加Nb量に
対応して○印で示し、併せて比較のためにtooo〜6
00℃の間の冷却速度を1゜t ’c/mとして1. 
Ottm以上の粗大なNb析出物を析出させた場合のN
b析出物の完全固溶に要する加熱温度を0印で示したも
のである。第3図から明らかなように1.0μm以上の
粗大なNb析出物が析出した比較鋼では、Nbを完全固
溶させようとすれば1050℃程度よりも高いオーステ
ナイト村が混粒となる温度域で加熱せざるを得ない。こ
れに対し1000℃から600℃を10°い以上で冷却
して01μn1以丁の微細なNl)析出物を析出させた
鋼は、前記(1)式で規定される温度’r (−c)以
下でNb析出物が完全に固溶する。そしてこの(1)式
で規定される温度T以下の温度域は、Nb %tが0.
020%以下であればほぼオーステナイト粒が整゛位と
なる領域であり、したがって(1)で規定される温度T
 (’C)以下の温度域で加熱することによって、Nb
析出物の完全固溶とオーステナイト粒の整粒化とを同時
に達成できるのである。一方、加熱温度の下限を900
℃と定めたのは、900℃未満の加熱温度ではNb量が
0.005%以上の鋼においてNl)固浴鼠が著しく少
なくなって鋼板の強度が著しく低ドするからである。
上述のように900℃以上でかつ(1)式で規定される
温朋以Fに加熱した後、続いて900℃以Fにおける圧
下率が60%以上となるように、かつ圧延終了温度がA
r1点+30°〜Ar3点−80℃の範囲内となるよう
に圧延する。この制御圧延の条件は、オーステナイトに
予備の変形帯を導入してこれをフェライト粒生成の核と
し、圧延後のフェライト粒を微細化させ、鋼板の強度お
よび靭性を確保するだめに規定されたものである。
さらにその制御圧延終了後、直ちに600〜400℃の
範囲内の温度まで2°い以−上20°Q←以上の冷却速
度で加速冷却する。この加速冷却は、硬質な第2相すな
わちマルテンサイトおよび/まだはベイナイトを生成さ
せ、強度を向上さ1するだめのものであるが、600℃
を越える温度で加速冷却を停止すれば強度の向上が少な
くなり、一方400℃より低い温度まで加速冷却すれば
、強度−歪曲線に降伏現象が消失して降伏応力が小さく
なってしまう。まだ2°い未満の冷却速度では加速冷却
の効果が得られず、一方20℃廊を越える冷却速度では
第2相の占める割合が過剰となって靭性が低Fする。し
たがって加速冷却の条件は上述のように定めた。なお6
00〜400℃の温度域塘での加速冷却の後は、放冷も
しくは徐冷すれば良い。
以上のような工程を経ることによって、強度および靭性
に1ψれ、かつ大入熱溶接の場合の溶接部靭性も良い鋼
板を得ることができる。
なお以上の各工程のうち、鋳造後もしくは1200℃以
上に再加熱後の鋳片もしくはスラブの肉厚中心部の平均
冷却速度を10°い以上にすることは、従来の通常の連
続鋳造あるいは造塊、造塊−分塊圧延では達成できない
ことも多い。そこで例えば連続鋳造の場合には冷却帯を
連続鋳片進行方向に延長して、鋳片中心温度が600℃
以−Fとなるまで水冷する方法を適用すれば良く、まだ
造塊の場合には、中心部が未凝固のうちに鋳塊をインゴ
ットケースから引出してこれを水冷するか、あるいは分
塊圧延後水冷する方法を適用すれば良い。
実   施   例 第t4に示す組成の鋼A−Gについて、第2表の1−1
6で示す各条件によって、32〜50咽厚の鋼板とした
。ここで鋼A−Fはこの発明で対象とする鋼であり、ま
た@GはNb含有量がこの発明で規定する範囲の上限を
越える比較鋼である。
一方第2表に示される各製造条件のうち、板番l〜6お
よび13〜15のものは連続鋳造鋳片を用いたもの、ま
だ板番7〜12および16は造塊法によって得られた鋳
塊を用いたものであって、そのうち板番9〜12.16
はそれぞれ造塊後、分塊圧延によってスラブとしたもの
、すなわち1200℃以上での再加熱を行なったもので
ある。
なお板番1−16の各製造条件のうち、板番l。
2.9.13〜16はこの発明の条件範囲内の条件(本
発明法)であり、板番3〜8.to−12はこの発明の
条件範囲外の条件(比較法)である。
これらの各鋼板1−16に対して引張試験および2 t
ran Vノツチフルサイズシャルピー衝撃試験を行な
って強度および靭性を調べた結果と、代表的な鋼板1,
4,9,12〜16についてサブマージアーク溶接を行
ない、フィニッシ/グサイドの入熱をl OOkJ/c
mから150 kJ7mの大入熱とした場合のボンド部
の1/2厚さの部分の靭性を調べた結果を第3表に併せ
て示す。
第3表に示すように、この発明で対象とする成分の鋼に
ついてこの発明のプロセス条件範囲内の工程を適用して
得られた板番1,2,9.13〜15の鋼板はいずれも
強度および低温靭性が充分に1憂れていることが明らか
であり、また大入熱溶接時のボンド部靭性にも優れてい
る。これに対し、板番3,6,8,10.12の鋼板は
、圧延のだめの加熱温度がこの発明で規定する温度より
も高く、そのためオーステナイト粒が混粒もしくは粗大
粒となり、低温での靭性が劣化している。また板番4,
5,7.11は、鋳造後あるいは1200℃以上でNb
を固溶させた後の1ooo’cから600℃までの平均
冷却速度がto’(z−未満であるため、圧延のための
加熱時にNbが充分に固溶せず、そのため充分な強度が
得られなかった。なお板番13゜14.15はこの発明
で対象とされる鋼の必要に応じて添加される成分である
Cu 、 Ni 、 V 、 B 。
REM 、 Caの一種以上を添加した鋼を用いたもの
であるが、Cu 、 Ni 、 V 、 Bは靭性を劣
化させずに強度を向上させ、またREV 、 Caは強
度を低下させずに鋼板の靭性を改善することが判る。一
方板番16の鋼は、Nb添加量が0.020%を越える
鋼を用いたものであり、この場合鋼板の強度、靭性は優
れているものの、大入熱溶接時のボンド部靭性が劣化し
た。
発明の効果 以上の説明で明らかなようにこの発明の方法によれば、
Nb添加鋼において熱間圧延のだめの加熱をオーステナ
イト粒が整粒かつ微細粒となるような比較的低温域で行
なうことによって充分な低温靭性を確保し、同時にその
ような比較的低温域での熱間圧延前加熱でもNbを充分
に固溶させることによって微量のNb添加による高強度
化を充分に達成することができ、さらには微量のNb添
加による高強度化が図れるためにC当量低減により大入
熱溶接時の継手部靭性も確保することができる。したが
ってこの発明によれば優れた低温靭性と高強度を兼ね備
え、しかも大入熱溶接時の継手部靭性も優れる鋼板を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は熱間圧延のだめの加熱時における同浴Nb叶と
熱間圧延後の鋼板の強度との関係を示す相関図、第2図
は鋳造後もしくは1200’Cに再加熱してNb i固
溶させた後の冷却過程における1000℃から600℃
tでの平均冷却速度と、その冷却後の粒径01μm以丁
のNb析出物の量およびその後さらに1020℃に加熱
した時の固溶Nb@′との関係を示す相関図、第3図は
添加Nl) 袖と千〇Nl)が完全固溶する温1fとの
関係を示す相関図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)C0.01〜0.15%(重量%、以下同じ)、
    Si0.02〜0.80%、Mn0.60〜2.5%、
    Al0.005〜0.060%、Ti0.005〜0.
    015%、Nb0.005〜0.020%、N0.00
    6%以下を含有する鋼を鋳造した後の冷却過程において
    、その鋳片を中心部における1000℃から600℃ま
    での間の平均冷却速度が10℃/min以上となるよう
    に冷却し、次いでその鋳片を、900℃以上でかつ下記
    (1)式で規定される温度T(℃)以下の温度域に加熱
    し、900℃以下の圧下率が60%以上となるように熱
    間圧延して、その熱間圧延をAr_3+30℃以下Ar
    _3−80℃以上の温度域で終了させ、直ちに600〜
    400℃の温度域までの平均冷却速度が2℃/sec以
    上200℃/sec以下となるように加速冷却すること
    を特徴とする低温靭性に優れた高張力鋼板の製造方法。 T(℃)=6770/〔−log_1_0(Nb%){
    (C%)+12/14(N%)}+2.26〕−273
    ・・・・・・(1)
  2. (2)C0.01〜0.15%、Si0.02〜0.8
    0%、Mn0.60〜25%、Al0.005〜006
    0%、Ti0.005〜0015%、Nb0005〜0
    020%、N0.006%以下を含有する鋼を1200
    ℃以上に加熱して得られたスラブを、そのスラブ中心部
    における1000℃から600℃までの間の平均冷却速
    度が10℃/min以上となるように冷却し、次いでそ
    のスラブを900℃以上でかつ下記(1)式で規定され
    る温度T(℃)以下の温度域に加熱し、900℃以下で
    の圧下率が60%以上となるように熱間圧延して、その
    熱間圧延をAr_3+30℃以下Ar_3−80℃以上
    の温度域で終了させ、直ちに600〜400℃の温度域
    までの平均冷却速度が2℃/sec以上20℃/sec
    以下となるように加速冷却することを特徴とする低温靭
    性に優れた高張力鋼板の製造方法。 T(℃)=6770/〔−log_1_0(Nb%){
    (C%)+12/14(N%)〕+2.26〕−273
    ・・・・・(1)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5421920A (en) * 1992-09-24 1995-06-06 Nippon Steel Corporation Process for producing rolled shape steel material having high strength, high toughness, and excellent fire resistance
CN110699599A (zh) * 2019-09-25 2020-01-17 南京钢铁股份有限公司 一种超低温用q345r钢及其制造方法

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