JPS6120377B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はプレス型の交換方法及びその装置に関
する。

従来、固定ボルスタ式門型プレスなどのプレス
機においては、プレス型を取換える際に、プレス
の前面又は後面にボルスタとほぼ同一平面をなす
様に型の受台を設け、クレーンにより使用済みの
プレス型を引出してプレス機外に搬出した後、次
に使用するプレス型をクレーンにて運び、例え
ば、滑車とワイヤを用いてプレス機内に引込んで
いる。そのため作業能率が非常に悪い。またプレ
スライン上の数台の型を交換する時には、クレー
ン待ち時間が生じ、余計に作業能率を悪化させて
いた。

それに代るものとして例えば「ダイハンドラ
ー」と称する移動台車が開発されたが、プレス型
を取り換える際に、依然として、使用済みのプレ
ス型と次に使用するプレス型とを別々に扱わねば
ならず、作業能率が悪い。しかも、ダイハンドラ
ーを所定の位置に正確に停止させなければならな
いので、運転操作に熟練を要する欠点がある。

本発明は、前述のごとき従来技術にみられる諸
欠点を解消するためになされたもので、一連のプ
レス機の間、及び最先プレス機の前側及び最後プ
レス機の後側に型搬入兼搬出用台車を設けるとと
もに、作業を終了した使用済みのプレス型および
次に使用するプレス型を同時に移動させることに
よりプレス型の交換作業を能率よく行なうことが
できるプレス型の交換方法および装置を提供する
ことを目的としている。

以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例
を説明する。

プレスラインには所要数のプレス機１が配列し
てある。第１図には代表的に３つのプレス機１が
例示してある。各プレス機１の下方位置には固定
ボルスタ２が設けてある。一連のプレス機１の間
にはライン進行方向と交叉する方向例えば直角方
向にそれぞれ２本ずつレール３が敷設してある。
図示は省略されているが、両端のプレス機の前後
にもレール３が敷設してある。これらのレール３
上には型搬入兼搬出用台車４が車輪５（第３図参
照）により移動自在に載置されている。型搬入兼
搬出用台車４は型交換時には実線で示すようにプ
レスライン上の移載位置に到来し、それ以外のと
きは一点鎖線４′（第１図）で示す待機位置で待
機する。

型交換用アダプタプレート６は、すべて同一の
所定形状に形成する。図示例においては、矩形の
平板の前端にほぼＪ状の位置決め部６ａがそれぞ
れ２箇所形成してある。これらのアダプタプレー
ト６の上面にはそれぞれ所望のプレス型７即ち次
に使用するプレス型が取りつけてある。このよう
に、アダプタプレート６とプレス型７とはユニツ
トとして構成されているのである。なお、プレス
型の下型自体を図示アダプタプレート６と同形状
に作つた場合には、アダプタプレートは省略でき
る。ただし、一般的には型設計の自由度を増すた
め、アダプタプレートを用いた方が良い。

型押し装置８が型搬入兼搬出用台車４に装備さ
れていて、型交換時にはアダプタプレート６を図
において左方に押して移送させる。型押し装置８
としては、スクリユウ型式、ラツクおよびピニオ
ン型式、シリンダ型式等のものを適宜採用できる
が、図示例では、設置スペース等の観点から、ア
ダプタプレート６を間欠送り式に台車４上を移動
させる型式の型押し装置８が使用されている。そ
の構成につき、主として第２図ないし第４図を参
照して説明すれば、型押し装置本体９の両側に１
対のストツパーシリンダ１０が直立状態で固定し
てあり、中央に型押しシリンダ１１が配装してあ
る。型押し装置本体９はローラ１２により台車４
上にてライン方向に移動自在に載置されている。
１２ａは断面コ字状のレールを示す。

型押し部材１３はその両端近くに固定した２本
のガイド棒１４が、型押し装置本体９に固定した
ガイド１５に案内されて前後に相対移動可能にな
つている。また、型押し部材１３の中央にもスト
ツパーシリンダ１６が直立状態で固定してある。
まず型押し装置本体９を台車４に対して固定させ
るために１対のストツパーシリンダ１０を作動さ
せる。ついで型押しシリンダ１１を作動させる
と、第２図の状態から第４図の状態に変化し、型
押し部材１３が前方（図で左方）に押され、それ
によりアダプタプレート６を前方に押して移送さ
せる。型押しシリンダ１１のピストンロツドが伸
び切つたところで、ストツパーシリンダ１６を作
動させて、今度は型押し部材１３を台車４に対し
て固定して、１対のストツパーシリンダ１０を開
放する。しかるのち型押しシリンダ１１に逆向き
に液圧を作用させることによりシリンダ１１を縮
めて短かくし、その結果、シリンダ１１及び型押
し装置本体９が型押し部材１３の方に引きつけら
れ、再び第２図の状態に戻る。ただし型押しシリ
ンダ１１の１ストローク分だけ前進したことにな
る。以上のような動作をくり返しながら、アダプ
タプレート６を前方に移送するのである。

なお、アダプタプレート６の移送を容易にする
ために、台車４およびプレス機１にはそれぞれ送
りローラ１７および１８が列状に配備してある。

また、第２図において、１９は待機位置にある
台車４上に次に使用するプレス型７又はそのアダ
プタプレート６を位置決めするためのストツパー
シリンダを示し、２０は移載位置において、型移
載時にプレス機１から搬出されてきた使用済みの
プレス型７又はアダプタプレート６を位置決めす
るためのストツパーシリンダを示す。ストツパー
シリンダ１９はそのストツパー部１９ａ（第３
図）をアダプタプレート移送直前に引込め、スト
ツパーシリンダ２０はそのストツパー部をアダプ
タプレート移送直後に突出させる。

作用について説明する。各プレス機１のプレス
ラインから離れた位置（例えば第１図の一点鎖線
４′の位置）に各台車４を待機させている間に、
各プレス機１に対する次に使用するプレス型７又
はそのアダプタプレート６をそれぞれの台車４に
セツトする。その際、ストツパーシリンダ１９を
利用して、プレス型７又は、そのアダプタプレー
ト６を位置決めするのが望ましい。ついで、第１
図に実線で示すようにすべての台車４を（１台づ
つでも可）プレスライン上に位置させる。その状
態で、ストツパーシリンダ１９を引込めた後、型
押し装置８を作動させて、プレスライン上の各次
に使用するプレス型７又はそのアダプタプレート
６を一斉に押し進める。アダプタプレート６の後
端がストツパーシリンダ２０を通過した後、適当
な時期にストツパーシリンダ２０を作動させてス
トツパー部を突出させておく。しばらくすると、
次加工部品用プレス型７のアダプタプレート６の
位置決め部６ａがプレス機１内の使用済みのプレ
ス型７のアダプタプレート６の後端を押すように
なる。そのまま２枚のアダプタプレート６を連ね
て押し進めると、次に使用するプレス型７又はそ
のアダプタプレート６がプレス機１内に送り込ま
れる。使用済みのプレス型７はそのアダプタプレ
ート６が型押し装置８の作用で次加工部品用プレ
ス型７のアダプタプレート６によつて押圧されて
いつて当該プレス機１の反対側のプレスライン上
の移載位置に待機している台車４に移載され、ス
トツパーシリンダ２０によつてアダプタプレート
６を２点鎖線６′のところに正確に位置決めす
る。このとき型押し装置８は台車４の左端付近に
位置している。換言すれば、ストツパーシリンダ
ー２０のストツパー部と型押し装置８との間に使
用済みのプレス型７およびそのアダプタプレート
６と次加工部品用プレス型７およびそのアダプタ
プレート６とが正確に位置決めされた状態で存在
するのである。この位置決めされたアダプタプレ
ート６を介して次加工部品用プレス型及びそのア
ダプタプレートはプレス機に正確に位置決めされ
る。つぎは、型押し装置を図で右方に少しずらし
た後、各使用済みのプレス型７又はそれらの各ア
ダプタプレート６を載置した各台車４をプレスラ
インから離れた待機位置（第１図の一点鎖線４′
の位置）に移動させ、各プレス型を型置き場等に
移動させる。

なお、同一プレスラインで生産する部品及びプ
レス型が２種類である場合には、第５図に示すよ
うに台車待機位置４′に、プレスラインと平行に
ローラコンベア２１を設けるのが良い。即ち、使
用済みのプレス型を載せたアダプタプレートを載
せた台車４を矢印Ｐに示すように待機位置に戻し
た後、各アダプタプレートを矢印Ｑに示すように
１ピツチＰだけ移動させる。その際待機位置に
て、プレス型を載せたままのアダプタープレート
をそのＪ状の位置決め部６ａが台車のストツパー
シリンダ２０のストツパー部２０ａに当接する位
置まで移動させて、次の作業に備える。

本発明は以上のように構成されているので、プ
レス型交換にあたりプレスラインから離れた位置
で型搬入兼搬出用台車に取付けられた次に使用す
るプレス型と使用済みのプレス型とを同時に、し
かも一斉に移動して取換えるようにすることによ
つて作業能率を著しく向上することができる。ま
た台車に位置決め用のストツパー装置を設けたの
で、搬出された使用済みのプレス型を介して次に
使用するプレス型をプレス機に正しく位置決めす
ることができる。又、型交換自動化や無人化に対
処出来る等、大きな効果を奏する。更に、型搬入
兼搬出用台車に型押し装置やストツパー装置等を
全て組込めるのでプレス機械本体の改造はほとん
ど必要なく、既設の固定ボルスタ式プレス機械の
段取合理化が安価にできる等の効果も有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるプレス型の交換装置の一
例を示す概略平面図、第２図は第１図に示したプ
レス型交換装置の一部を拡大して示した平面図、
第３図は第２図に示したプレス型交換装置の一部
を省略して示した正面図、第４図は本発明装置に
使用する型押し装置の一例を示す図、第５図は台
車戻し用レールを付加した実施例を示す概略平面
図である。 １……プレス機、２……固定ボルスタ、３……
レール、４……型搬入兼搬出用台車、５……車
輪、６……アダプタプレート、７……プレス型、
８……型押し装置、９……型押し装置本体、１０
……ストツパーシリンダ、１１……型押しシリン
ダ、１２……ローラ、１３……型押し部材、１４
……ガイド棒、１５……ガイド、１６……ストツ
パーシリンダ、１７，１８……送りローラ、１
９，２０……ストツパーシリンダ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プレスラインにおける各プレス機間及び最先
   プレス機の前側及び最後プレス機の後側にあつて
   それぞれライン進行方向と交叉する方向に延びる
   レールに沿つてプレスラインから離れた待機位置
   に、それぞれ型搬入兼搬出用台車を待機させ、こ
   れらの待機位置にて予め次に使用するプレス型を
   各対応する前記各台車にセツトしておき、プレス
   型交換時にはこれらの各台車を前記レールに沿つ
   てプレスライン上の移載位置に移動させ、各台車
   に設けた型押し装置により、セツトされていた前
   記各次に使用するプレス型を対応するプレス機に
   向けて押出し、これらの押出された次に使用する
   プレス型を各プレス機内に存在している使用済み
   のプレス型に直接もしくは間接に当接させさらに
   押し出すことにより、これらの使用済みのプレス
   型を反対側にある前記台車に移載し、次に使用す
   るプレス型を各対応するプレス機内に位置決め
   し、その際に台車に移載した使用済みのプレス型
   を介して次に使用するプレス型の位置決めをする
   ようにし、そのあと各使用済みプレス型を載せた
   各台車を前記レールに沿つて待機位置に戻すこと
   を特徴とするプレス型の交換方法。 ２ プレスラインにおける各プレス機間及び最先
   プレス機の前側及び最後プレス機の後側にあつて
   それぞれライン進行方向と交叉する方向に延びる
   レールと、これらのレールに沿つてそれぞれプレ
   スライン上の移載位置とプレスラインから離れた
   待機位置との間を往復移動可能な型搬入兼搬出用
   台車とを設け、これらの台車には、各台車に予め
   セツトされた次に使用するプレス型を各対応する
   プレス機側に向けて押し出す型押し装置と、その
   押し出し方向と反対方向にあるプレス機から押し
   出されて来た使用済みのプレス型を位置決めする
   ストツパー装置とを設け、このストツパー装置に
   より台車に移載した使用済みのプレス型を介して
   次に使用するプレス型をプレス機内に位置決めす
   るようにしたプレス型の交換装置。 ３ 次に使用するプレス型及び使用済みのプレス
   型をすべて所定形状の型交換用アダプタプレート
   に予め取付けておく構成にした特許請求の範囲第
   ２項に記載のプレス型の交換装置。